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【簡単】教員採用試験の面接頻出質問30選|回答例とポイント解説

【教員採用試験】面接の頻出質問と回答例
  • 「教員採用試験の面接で、いったい何を聞かれるんだろう…」
  • 「この質問には、どう答えるのが正解なんだろう?」

教員採用試験の面接対策を始めると、次から次へと不安が湧いてきますよね。

そこで本記事では、全国の教員採用試験で実際に問われた過去問の中から、頻出の質問30個を厳選しました。

もちろん単なる質問リストではありません。一つひとつの質問に対して、

  • 「なぜ、面接官はこの質問をするのか?(質問の意図)」
  • 「どう答えれば、評価されるのか?(回答のポイント)」

を、具体的な回答例も交えながら徹底的に解説していきます。

この記事を最後まで読み込めば、面接への漠然とした不安は「こう答えよう!」という具体的な自信に変わりますよ。さあ、一緒に万全の準備を始めましょう。

▼面接試験の概要や対策方法は以下の記事で解説しています。あわせてご覧ください。

目次

はじめに:面接対策で最も大切なこと

本格的な質問解説に入る前に、一つだけ、非常に重要な心構えをお伝えします。

それは、この記事は「丸暗記するための模範解答集」ではない、ということです。

なぜなら、面接官が本当に知りたいのは、スラスラとよどみなく話される完璧な回答ではなく、あなた自身の言葉で語られる、あなただけの経験や考え方だからです。

どんなに素晴らしい回答例も、あなたの言葉でなければ面接官の心には響きません。

そこで、これから紹介する30個の質問と向き合う上で、常に意識してほしい「高評価を得る回答の3原則」があります。

①質問の意図を考える

「なぜ、この質問をされているんだろう?」と一歩立ち止まって考えてみましょう。意図がわかれば、答えるべきポイントが自然と見えてきます。

②自分の経験と結びつける

「私の強みは〇〇です」と主張するだけでなく、「△△という経験で、〇〇という力を発揮しました」というように、必ず具体的なエピソードで裏付けましょう。

③結論から簡潔に話す

「私の考えは〇〇です。なぜなら…」というように、必ず結論から話す「結論ファースト」を徹底してください。話が分かりやすくなり、論理的な思考力をアピールできます。

この3つの原則を意識して、これから解説する質問に回答を作成してみましょう!

自己PR・志望動機に関する質問

面接の冒頭で聞かれることが最も多い、最重要カテゴリーです。

ここで面接官に良い第一印象を与え、あなたという人間に興味を持ってもらえるかが、その後の展開を大きく左右します。

質問の意図

あなたという人間の「軸」となる部分、つまり「なぜ教員なのか」「なぜうちの自治体なのか」という、根本的な熱意と覚悟を見ています。自己分析がしっかりできているか、教員という仕事への理解度はどれくらいか、といった点も厳しくチェックされています。

どの質問にも共通して言えるのは、「結論ファースト」で話し始め、必ず「具体的なエピソード」で裏付けること。

あなたの言葉に説得力とオリジナリティが生まれます。

質問1:自己PRを1分でお願いします。

この質問は、あなたの「要約力」「自己分析力」「教員としてのポテンシャル」を同時に見ています。

限られた時間で最大限の効果を発揮するため、以下の3点を徹底しましょう。

  • 時間を計って練習する:「1分」は意外と短いです。必ずストップウォッチで計り、体に染み込ませましょう。
  • PREP法を意識する結論(強み)→ 理由・エピソード → 貢献(どう活かすか)の型で話すと、論理的で非常に伝わりやすくなります。
  • 強みは1つか2つに絞る:あれもこれもと詰め込むと、結局何も印象に残りません。最もアピールしたい強みに絞り、具体的に深掘りしましょう。

NG回答例

私の強みはコミュニケーション能力です。誰とでもすぐに仲良くなることができます。この力を活かして、子どもたちと明るいクラスを作りたいです。

→なぜNGなのか?
具体性がなく、あなたの「人柄」が全く伝わらないからです。「コミュニケーション能力」という言葉は便利ですが、あまりに多くの人が使うため、具体的なエピソードがないと面接官の印象に残りません。

私の長所は、何事も諦めない粘り強さです。学生時代、フルマラソンに挑戦し、何度も心が折れそうになりながらも完走することができました。

→なぜNGなのか?
素晴らしい経験ですが、「その粘り強さを、教員としてどう活かせるのか」という最も重要な視点が欠けているからです。自己満足のエピソードで終わらせず、必ず教員の仕事に結びつける必要があります。

OK回答例

私の強みは、多様な人と信頼関係を築く「傾聴力」です。大学時代、地域の小学生を対象とした学習支援ボランティアで、当初は心を閉ざしがちだった児童の話に根気強く耳を傾け続けました。ただ話を聞くだけでなく、その子の興味や好きなことを引き出し、学習計画に反映させる工夫を重ねた結果、半年後には「先生と勉強するのが楽しい」と言ってもらえる関係を築くことができました。この「傾聴力」は、子どもたち一人ひとりの個性や悩みを理解する上で不可欠な力だと考えています。教員として、児童生徒はもちろん、保護者や同僚の先生方とも真摯に向き合い、信頼される学級経営を行いたいです。

福永

「自己PR」は、あなたの面接の第一印象を決める最重要の質問です。完璧に準備して、最高のスタートダッシュを切りましょう!

質問2:あなたの長所を教えてください。

自己PRと似ていますが、より端的にあなたの「強み」そのものに焦点を当てた質問です。

面接官は、あなたの長所が「教員の仕事にどう活かせるか」という視点で聞いています。

単に性格を述べるだけでなく、教育現場で再現性のある強みであることを示す必要があります。

NG回答例

私の長所は、明るく元気なところです。誰とでもすぐに打ち解けることができます。

→なぜNGなのか?
あまりに抽象的で、他の受験生との差別化ができません。「明るく元気」が、具体的にどのような場面で、どのように子どもたちの成長に繋がるのかが不明瞭です。

OK回答例

私の長所は「目標達成に向け、周囲を巻き込みながら計画的に行動できること」です。大学のゼミで研究発表会を企画した際、メンバーの進捗がバラバラで雰囲気が停滞したことがありました。そこで私は全体のスケジュールを細分化し、一人ひとりの得意分野を活かした役割分担を提案しました。そして、週に一度の短い進捗確認会を主催し、個別の相談に乗ることで、チーム全体のモチベーションを高めました。結果、全員が期限内に質の高い発表を終え、教授からも高い評価をいただくことができました。この経験で培った計画力と調整力は、学級担任として年間行事や授業計画を円滑に進め、子どもたちや保護者、同僚の先生方と協力していく上で、必ず活かせると考えております。

福永

「長所」+「それを裏付ける具体的なエピソード」+「教員としてどう活かすか」は、常にワンセットで考えましょう!

質問3:あなたの短所を教えてください。

この質問は、あなたを落とすための意地悪な質問ではありません。

面接官は、あなたが「自分を客観的に分析できているか(自己分析力)」、「自分の弱さと向き合い、改善しようと努力しているか(誠実さ・成長意欲)」を見ています。

NG回答例

私に短所は特にありません。

→なぜNGなのか?
自己分析ができていない、あるいは傲慢な人物だと判断されてしまいます。完璧な人間はいません。自分を客観視できていないと思われるのは致命的です。

時間にルーズなところが短所です。

→なぜNGなのか?
教員として致命的・不適切な短所(時間を守れない、子どもが嫌い、感情の起伏が激しいなど)を正直に言いすぎるのはNGです。社会人としての資質を疑われてしまいます。

OK回答例

私の短所は、物事を慎重に考えすぎてしまい、決断に時間がかかってしまう点です。以前、アルバイトで後輩の指導を任された際、最適な指導法は何かと考えすぎてしまい、なかなか具体的なアドバイスに踏み出せない時期がありました。その結果、後輩を不安にさせてしまったと反省しています。この経験から、まずは自分一人で抱え込まずに周囲の意見を聞くこと、そして「まずやってみる」という姿勢が大切だと学びました。現在では、課題に直面した際には、信頼できる友人や先輩に相談し、複数の視点を得てから、迅速に判断することを心がけております。

福永

「短所」+「それが原因で起きた失敗談」+「改善するための具体的な努力」をセットで語ることで、誠実さと成長意欲をアピールするチャンスに変えましょう!

質問4:学生時代に最も力を入れたことは何ですか?

いわゆる「ガクチカ」です。

面接官は、あなたが「何に情熱を注ぐ人間なのか」という価値観や、「困難な課題にどう向き合うのか」という行動特性を知ろうとしています。

結果の凄さよりも、そこに至るまでの「過程」で、あなたが何を考え、どう行動したかが重要です。

NG回答例

はい、コンビニのアルバイトを4年間続けました。接客の基本や、商品をきれいに陳列するスキルを学びました。

→なぜNGなのか?
事実を述べただけで、あなたがその経験から何を学び、どう成長したのかが全く伝わりません。面接官が知りたいのは「経験の概要」ではなく「あなたの学び」です。

OK回答例

私が学生時代に最も力を入れたのは、吹奏楽部でパートリーダーとして、後輩の演奏技術の向上に取り組んだことです。当初、私のパートは演奏レベルの差が激しく、一体感に欠けるという課題がありました。そこで私は、全員で集まる練習とは別に、後輩一人ひとりと向き合う「個人練習の時間」を設けました。ただ技術を教えるだけでなく、その後輩が「どんな音を出したいのか」「どこで悩んでいるのか」を丁寧にヒアリングし、その子に合った練習方法を一緒に考えました。この取り組みを粘り強く続けた結果、パート全体の音が格段にまとまり、コンクールでは過去最高の金賞を受賞することができました。この経験を通して、相手の立場に立って考え、一人ひとりの個性に合わせて粘り強く関わることの重要性を学びました。これは、子どもたちの多様な個性を伸ばす教員という仕事に、必ず活かせる力だと考えています。

福永

「課題」→「自分の行動」→「結果」→「得た学び」のストーリーで語るのが王道です!

質問5:あなたの特技や趣味は何ですか?

面接の緊張をほぐすためのアイスブレイク的な質問ですが、油断は禁物です。

面接官は、あなたの「人柄」や「ストレス対処能力」、そして「学校現場で活かせる可能性」を探っています。あなたという人間を豊かに見せるチャンスと捉えましょう。

NG回答例

特にありません。

→なぜNGなのか?
無趣味な人間だと思われ、会話がそこで終わってしまいます。「この人は面白い人なのかな?」という面接官の興味を削いでしまう、非常にもったいない回答です。

OK回答例

私の趣味は、御朱印を集めながら各地の寺社仏閣を巡ることです。大学2年生から始め、今では30箇所以上を訪れました。それぞれの寺社の歴史や建築様式を事前に調べてから訪れると、同じように見えても全く違う魅力があることに気づきます。この趣味を通して、物事の背景にある歴史や文化を深く探求する楽しさを知りました。この探究心は、社会科の授業などで、子どもたちの知的好奇心を引き出す際に活かせると考えています。

私の特技はバスケットボールです。小学校から高校まで10年間続けており、今でも地域のクラブチームでプレーしています。長く続けてきたことで、技術はもちろんですが、チームで一つの目標に向かうことの素晴らしさや、苦しい時に仲間と支え合うことの大切さを学びました。教員になった際には、部活動の指導などを通して、子どもたちにスポーツの楽しさやチームワークの重要性を伝えていきたいです。

福永

もし可能であれば、部活動の指導や、子どもたちの興味関心を広げることに繋がりそうな趣味・特技を話せると、より高評価に繋がります!

質問6:なぜ、多くの職業の中から「教員」を志望するのですか?

志望動機の根幹を問う、最重要質問の一つです。

「子どもが好き」という気持ちだけでは不十分です。

面接官は、「なぜ塾講師や他の子どもと関わる仕事ではなく、『学校の教員』でなければならないのか」という、あなたの強い覚悟と教育への情熱を知りたがっています。

NG回答例

子どもが好きで、子どもの成長を間近で見守りたいと思ったからです。

→なぜNGなのか?
多くの受験生が口にする言葉であり、具体性に欠けます。これだけでは、「それなら学童の先生でも良いのでは?」と思われてしまいます。「学校」という場で、「教員」として、でなければ実現できないことは何か、まで踏み込む必要があります。

OK回答例

私が教員を志望する理由は、学習面だけでなく、子どもたちの人間的な成長も含めた全人格的な教育に携わりたいからです。私自身、中学校時代に人間関係に悩み、不登校になりかけた時期がありました。その時、担任の先生が毎日声をかけ、私の好きな歴史の話に付き合ってくださる中で、少しずつ学校に居場所を見出すことができました。先生は、ただ勉強を教えるだけでなく、一人の人間として私に向き合い、自己肯定感を育んでくださいました。この経験から、学校は子どもたちが安心して失敗し、挑戦できる「心の安全基地」のような場所であるべきだと強く感じています。私も、かつての恩師のように、一人ひとりの心に寄り添い、子どもたちが自分らしく輝ける学級を作りたい。それは、教科指導と生活指導の両輪を担う「教員」という立場でしか実現できないと考え、強く志望しております。

福永

あなただけの「原体験」を語ることが、他の受験生との絶対的な差別化に繋がります。なぜ、あなたは教員になりたいのですか?もう一度、深く掘り下げてみましょう。

質問7:なぜ、他の自治体ではなく、本県(市)を志望したのですか?

「地元だから」「実家から通えるから」という理由だけでは絶対に合格できません。

面接官は、「あなたは、うちの自治体の教育について、どれだけ本気で調べてきましたか?」という、志望度の高さと熱意を見ています。徹底した事前リサーチが不可欠です。

NG回答例

私は生まれも育ちも〇〇県で、愛着があるからです。また、貴県の豊かな自然環境の中で子どもたちを育てたいと思いました。

→なぜNGなのか?
熱意が全く伝わりません。「愛着がある」のは素晴らしいことですが、それは「教員として貢献したい」という動機とは別です。どの自治体にも当てはまるような抽象的な理由ではなく、その自治体「でなければならない」理由を語る必要があります。

OK回答例

私が貴市を強く志望する理由は、特に「GIGAスクール構想の先進的な取り組み」に深く共感したからです。
私は大学のゼミで、ICTを活用した個別最適化学習について研究しており、実際に教育実習でも自作のデジタル教材を用いて授業を行いました。その際、子どもたちの学習意欲が飛躍的に向上する様子を目の当たりにし、これからの教育にICT活用は不可欠だと確信しました。貴市が推進されている「一人一台端末を活用した、子どもたちの創造性を育むプロジェクト」は、まさに私が理想とする教育の形です。大学で培った知識と実践経験を活かし、貴市のICT教育の更なる発展に貢献できると確信しております。

福永

「自治体の教育施策」+「自分の強み・経験」=「私なら、こう貢献できます!」という方程式でアピールしましょう!

質問8:あなたの強みを、教員としてどう活かせますか?

「長所」や「自己PR」と似ていますが、より「現場での活用イメージ」に踏み込んだ質問です。

面接官は、あなたが自分の強みを客観視し、それを具体的な教育活動に落とし込んで考える力があるかを見ています。漠然とした精神論ではなく、具体的な行動レベルで語ることが重要です。

NG回答例

私の強みは忍耐力です。どんな困難にも耐え、子どもたちのために頑張ります。

→なぜNGなのか?
意気込みは伝わりますが、具体的に「何をするのか」が全く見えません。「忍耐力」を、どのような場面で、どのように発揮するのかを語らなければ、評価には繋がりません。

OK回答例

私の「物事を多角的に分析する力」を、特に算数の授業における、つまずきのある児童への支援に活かせると考えております。例えば、分数の割り算でつまずいている児童がいた場合、単に解き方を教え直すだけではありません。その子が「そもそも約分の概念を理解していないのか」「文章題の読解ができていないのか」「計算はできるが、なぜそうなるのかが腑に落ちていないのか」など、つまずきの原因を多角的に分析します。そして、その原因に合わせて、具体物を使ったり、図で説明したりと、その子に最適なアプローチで個別指導を行います。このように、一つの事象を多角的に捉えることで、一人ひとりの子どもに寄り添った、きめ細やかな指導を実現したいです。

福永

「私の強みは〇〇です。例えば、△△という場面で、□□という形で活かせます。」と、具体的な教育活動をイメージしながら話しましょう。

質問9:これまでの経験で、あなたの教育観に影響を与えたものはありますか?

あなたの教育哲学の「根っこ」を探る質問です。

面接官は、あなたがどのような経験を通して、どのような教師になりたいと考えるようになったのか、その人となりや価値観の背景を知りたがっています。

机上の空論ではない、あなた自身の体験から生まれた「生きた言葉」で語ることが求められます。

NG回答例

はい、〇〇という有名な教育家の本を読み、感銘を受けました。私もそのような教師になりたいです。

→なぜNGなのか?
他人の言葉を借りただけで、あなた自身の考えが見えません。本や理論は素晴らしいものですが、それを「自分自身の経験」と結びつけて語らなければ、深みのある回答にはなりません。

OK回答例

はい、海外でのボランティア活動で、現地の小学校を訪れた経験です。そこでは、文房具も十分に揃わない環境でしたが、子どもたちは目を輝かせながら、身の回りにあるものを使って工夫して学んでいました。その姿を見て、私は「学びとは、与えられるものではなく、子ども自身が主体的に創り出していくものだ」ということを痛感しました。この経験から、私の教育観の軸は「子どもたちの主体性を最大限に引き出すこと」にあります。教員として、知識を一方的に教えるのではなく、子どもたちが自ら問いを立て、仲間と対話し、答えを探究していくような、そんな授業づくりを実践していきたいと考えています。

福永

あなたの人生の「ターニングポイント」を振り返ってみましょう。そこに、あなたの教育観の原石が眠っているはずです。

質問10:最後にアピールしたいことはありますか?

面接の締めくくりに与えられる、最後のチャンスです。

「特にありません」は絶対にNG。面接全体を通して伝えきれなかったことや、最も強調したい自分の熱意を、簡潔に、力強く伝えましょう。

面接官に「この人を採用したい」と思わせる、最後の一押しです。

NG回答例

特にありません。

→なぜNGなのか?
入職意欲が低い、あるいはアピールすることがない、と見なされてしまいます。絶好の機会を自ら放棄する、最もやってはいけない回答です。

(自己PRで話した内容を、そのまま一字一句繰り返す)

→なぜNGなのか?
面接官はすでに聞いています。「また同じ話か」と思われ、応用力がない、あるいは話を聞いていない、という印象を与えかねません。

OK回答例

本日は、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。これまでお話しさせていただいた通り、私には子ども一人ひとりに寄り添う「傾聴力」と、困難な課題にも粘り強く取り組む「計画力」があります。何よりも、〇〇県(市)の子どもたちのために働きたいという情熱は、誰にも負けないと自負しております。もし採用いただけましたら、この情熱と強みを最大限に発揮し、貴県(市)の教育に貢献していく所存です。どうぞよろしくお願いいたします。

福永

「本日の面接のお礼」+「自分の強みと熱意の再確認(要約)」+「採用後の抱負」で、感謝と意欲を伝えて締めくくりましょう!

教員としての資質・教育観に関する質問

このカテゴリーでは、あなたが「どんな教師になりたいのか」、そして具体的な指導場面で「どう行動できるのか」という、より実践的な資質を測られています。

質問の意図

あなたの教育に対する哲学や情熱の深さを確認すると同時に、生徒指導や保護者対応といった、学校現場で必ず直面するであろう課題への対応力を見ています。理想論だけでなく、具体的な行動レベルで語れるかが問われます。

「~を大切にします」という精神論で終わらせず、「なぜなら~だからです」「そのために、具体的に~します」という、根拠と具体策をセットで語ることが重要です。

可能であれば、文部科学省の学習指導要領や答申の内容に触れると、勉強熱心な姿勢もアピールできます。

質問1:あなたの理想の教師像を教えてください。

あなたの教育哲学の核となる部分を探る質問です。

有名な教育者の名前を挙げるだけでは評価されません。あなた自身の経験に基づいた、具体的な教師像を、あなた自身の言葉で語ることが求められます。

NG回答例

太陽のように、いつも子どもたちを明るく照らす教師になりたいです。

→なぜNGなのか?
比喩表現で美しくはありますが、あまりに抽象的で、具体的に何をするのかが全く分かりません。あなたがどんな行動をとる教師なのか、面接官はイメージすることができません。

OK回答例

私の理想の教師像は、子どもたちの知的好奇心に火をつける「伴走者」です。一方的に知識を教え込むのではなく、子どもたちが「なぜだろう?」「もっと知りたい!」と自ら問いを立てられるような、ワクワクする授業を仕掛けたいです。そして、子どもたちが壁にぶつかった時には、すぐに答えを教えるのではなく、ヒントを与えながら一緒に悩み、考え、乗り越える手助けができる存在でありたいと考えています。教育実習で、子どもたちが主体的に学び始めた時の目の輝きが忘れられません。私も、子どもたちの「学びたい」という思いに寄り添い、共に成長できる教師を目指します。

福永

「どんな教師か(結論)」+「なぜそう思うか(経験)」+「そのためにどうするか(具体策)」の3点セットで語りましょう。

質問2:どのような学級(クラス)を作りたいですか?

あなたの学級経営観を問う質問です。

単に「楽しいクラス」といった雰囲気だけでなく、「学習面」と「生活面」の両方から、具体的なビジョンを持っているかどうかが評価のポイントになります。

NG回答例

子どもたちが毎日笑顔で過ごせる、明るく楽しいクラスを作りたいです。

→なぜNGなのか?
理想としては素晴らしいですが、その「楽しさ」を実現するための具体的な手立てが述べられていません。また、学習規律やルールといった、学級経営の現実的な側面への視点が欠けていると判断される可能性があります。

OK回答例

私が作りたいのは「誰もが安心して失敗でき、互いの挑戦を認め合える学級」です。そのために、まず「間違えても大丈夫」という雰囲気を醸成します。具体的には、授業中に積極的に発言した児童や、難しい問題に挑戦した児童を、結果の正誤に関わらず称賛する「チャレンジ賞」のような取り組みを行いたいです。また、生活面では、子どもたちが自分たちでルールを決める「学級会」を定期的に開き、自分たちのクラスを自分たちで良くしていくという当事者意識を育みたいです。安心して挑戦できる学習環境と、自治的な生活態度、この両輪を大切にした学級経営を目指します。

福永

「雰囲気(理想)」と「そのための具体策」はセットです。学習面と生活面、両方から語れると深みが出ます。

質問3:保護者からクレーム(厳しい意見)があった場合、どう対応しますか?

あなたの対人対応能力、特にストレス耐性と誠実さを見ています。

感情的にならず、組織の一員として冷静かつ適切に対応できるか、そのプロセスを具体的に説明できるかが重要です。

NG回答例

まずは誠心誠意、謝罪します。

→なぜNGなのか?
事実確認の前に全面的に謝罪してしまうと、学校側に非があることを認めたことになりかねません。誠意は大切ですが、手順を間違えると問題をこじらせる危険性があります。

私の指導方針を、丁寧に説明し、ご理解いただけるよう努めます。

→なぜNGなのか?
自分の正当性を主張するだけでは、保護者の感情を逆なでしてしまいます。まずは相手の話を聞く「傾聴」の姿勢が何よりも大切です。

OK回答例

はい、まずはお話を伺う時間をしっかり確保し、保護者の方のお気持ちやご意見を、遮ることなく真摯に傾聴します。その際、初期対応は必ず一人で行わず、学年主任や管理職の先生に同席をお願いします。お話を伺った上で、事実関係については、すぐに回答できない場合は「確認して、改めてご連絡します」とお伝えし、学校に持ち帰り、関係する児童や教員に聞き取りを行うなどして正確に把握します。そして、事実確認の結果と、学校としての対応方針を管理職と相談の上で決定し、改めて保護者の方にご説明に伺います。常に「報告・連絡・相談」を徹底し、組織として誠実に対応することを心がけます。

福永

「①傾聴→②事実確認→③報告・連絡・相談→④組織としての対応」この冷静なプロセスを語れるかが鍵です。

質問4:いじめを認知した場合、どのように対応しますか?

教員として避けては通れない、極めて重要な問題です。

いじめ問題に対する正しい知識(いじめ防止対策推進法など)と、組織の一員として迅速かつ適切に行動できるかという、具体的な対応手順を理解しているかが問われます。

NG回答例

まずは、いじめている子を厳しく指導し、二度としないように言い聞かせます。

→なぜNGなのか?
加害者とされる児童への指導はもちろん必要ですが、それだけでは根本的な解決にはなりません。被害児童の心のケアや、他の児童への事実確認、保護者への連絡、管理職への報告など、やるべきことが抜け落ちています。

OK回答例

はい、「いじめは、どの学級でも起こりうる」という前提に立ち、初期対応を迅速に行います。まず、いじめを認知した時点で、直ちに管理職に報告します。そして、被害を受けた児童の安全確保と心のケアを最優先に行います。次に、学年団や関係職員と連携して、複数の教員で、関係する児童から個別に、時間をずらして聞き取りを行い、事実関係を正確に把握します。その際、決して児童を問い詰めるような形にならないよう、配慮します。事実関係を把握した後、被害児童・加害児童それぞれの保護者に連絡し、学校としての対応を説明し、協力をお願いします。いじめは、担任一人で抱え込まず、必ず学校組織全体で、保護者とも連携しながら、毅然とした態度で対応にあたります。

福永

「即時報告」「被害者保護」「組織対応」がキーワード。絶対に一人で抱え込まないという姿勢が重要です。

質問5:特別な支援が必要な児童生徒に、どのように関わりますか?

インクルーシブ教育の理念が広まる中、全ての教員に求められる専門性を問う質問です。

特別な支援に関する正しい知識と、他の教員や専門家と連携する姿勢、そして何よりも、その子自身に寄り添う温かい眼差しを持っているかが見られています。

NG回答例

他の子と分け隔てなく、平等に接します。

→なぜNGなのか?
一見、正しいように聞こえますが、「平等」と「公平」は異なります。その子の特性に応じた「合理的な配慮」を行わないことは、真の意味で平等とは言えません。個別最適な支援の視点が欠けていると判断されます。

OK回答例

はい、まずその子の特性や困難さを正しく理解することから始めます。保護者の方と密に連携を取り、これまでの生育歴や好きなこと、苦手なことなどを丁寧に伺います。また、特別支援コーディネーターやスクールカウンセラーといった校内の専門家と情報を共有し、指導法について助言をいただきます。その上で、学級全体には、多様性を認め合うことの大切さを伝え、ユニバーサルデザインの視点を取り入れた授業づくりを心がけます。そして、その子個人に対しては、例えば「指示を絵カードで示す」「集中できる座席を工夫する」といった、その子の困難さに合わせた個別の支援計画に基づいた合理的配慮を行います。全ての子どもが安心して学校生活を送れるよう、組織的な視点で支援にあたりたいです。

福永

「①正しい理解 ②専門家との連携 ③学級全体への働きかけ ④個別の合理的配慮」という、多層的な支援の視点を示しましょう。

質問6:ルールを守れない児童生徒に、どう指導しますか?

あなたの生徒指導観を具体的に問う質問です。

感情的に叱るのではなく、教育的な意図を持って、子どもの成長に繋がる指導ができるかを見ています。一方的な指導ではなく、子ども自身に考えさせ、納得させるプロセスを重視する姿勢が評価されます。

NG回答例

なぜルールを守らなければいけないのか、わかるまで厳しく指導します。

→なぜNGなのか?
高圧的な指導は、子どもの反発を招くだけで、真の理解には繋がりません。また、ルールを守れない「背景」に目を向けず、行動だけを問題視している点も、教員としての配慮に欠ける印象を与えます。

OK回答例

はい、まず頭ごなしに叱ることはしません。その児童生徒が、なぜルールを守れないのか、その背景にある理由を理解しようと努めます。何か困り事を抱えているのかもしれませんし、ルールの意味自体を理解していないのかもしれません。まずは、他の児童がいない落ち着いた場所で、一対一で話を聞きます。その子の言い分をしっかりと受け止めた上で、そのルールが「なぜ必要なのか」、そして「ルールを破ると、自分や周りの人がどういう気持ちになるのか」を、その子の発達段階に合わせて具体的に、粘り強く伝えます。行動の背景を理解し、子ども自身が納得して行動を変えられるような、愛情に基づいた毅然とした指導を心がけます。

福永

「行動の背景を探る → なぜダメなのかを考えさせる → 納得させる」という、子どもの内面に働きかける指導プロセスが重要です。

質問7:学力がなかなか向上しない児童生徒に、どう対応しますか?

学習指導における、あなたの引き出しの多さを問う質問です。

全ての子どもに同じ指導をするのではなく、個々の状況に合わせて、多様なアプローチができるかが見られています。「個別最適な学び」というキーワードを意識すると良いでしょう。

NG回答例

放課後などに呼び出して、わかるまで補習を行います。

→なぜNGなのか?
熱心ではありますが、指導法が画一的です。授業でわからなかったことを、同じ方法で繰り返しても、またわからずに終わってしまう可能性が高いです。つまずきの原因を分析する視点が欠けています。

OK回答例

はい、まずはその児童生徒が、学習内容の「どこで」「なぜ」つまずいているのか、原因を丁寧に見立てます。前の学年の内容が定着していないのか、学習への意欲が低下しているのか、家庭学習の習慣が確立されていないのかなど、原因は様々だと考えられます。原因を分析した上で、例えば、前の学年の内容に課題があれば、個別指導の時間にさかのぼって復習を行います。学習意欲が課題であれば、その子の興味関心と関連付けた教材を工夫します。また、ICT端末を活用し、その子の習熟度に合ったドリル学習に取り組ませるなど、個別最適な学びの機会を提供します。決して「できない」と決めつけず、その子に合った学び方を見つけるサポートを粘り強く行いたいです。

福永

「原因分析」→「多様なアプローチ」→「個別最適な学び」の流れで、指導の引き出しの多さを見せつけましょう!

質問8:同僚の先生方と、どのように協力していきたいですか?

学校はチームで動く組織です。あなたの協調性やコミュニケーション能力を見ています。

「若手として教えてもらう」という受け身の姿勢だけでなく、「自分もチームの一員として貢献したい」という主体的な姿勢を示すことが大切です。

NG回答例

まだ経験が浅いので、先輩の先生方からたくさんのことを学びたいです。

→なぜNGなのか?
謙虚な姿勢は良いですが、受け身で意欲が低いと捉えられかねません。「学ぶ」だけでなく、自分からチームに「貢献できること」は何か、という視点が欠けています。

OK回答例

はい、「報告・連絡・相談」を徹底することを第一に心がけます。自分のクラスのことはもちろん、気になる児童生徒の様子など、些細なことでも積極的に情報を共有し、一人で抱え込まずに学年団の先生方と連携して指導にあたりたいです。もちろん、経験豊富な先生方から、授業づくりや生徒指導について謙虚に学ばせていただきたいと考えております。それに加えて、私自身、大学でプログラミングや動画編集を学んできましたので、ICT活用や教材作成といった場面では、若手ならではの視点でチームに貢献できるのではないかと考えております。積極的に自分の得意なことを発信し、チームの一員として責任を果たしたいです。

福永

「報連相(基本姿勢)」+「謙虚に学ぶ姿勢」+「自分から貢献できること」の三段構えで、理想の若手像をアピールしましょう。

質問9:教師として、最も必要な力は何だと思いますか?

あなたの教育哲学や、教職という仕事への理解の深さを問う質問です。

「教科指導力」「生徒指導力」など様々な答えがありますが、なぜそれが最も重要だと考えるのか、あなた自身の経験や考えに基づいた説得力のある理由を語れるかがポイントです。

NG回答例

子どもたちを愛する「愛情」だと思います。

→なぜNGなのか?
愛情はもちろん大前提として重要ですが、それだけではプロフェッショナルとしての資質をアピールできません。精神論に終始せず、より具体的なスキルや能力について言及する必要があります。

OK回答例

私が教師に最も必要だと考える力は、「学び続ける力」です。なぜなら、社会が急速に変化し、子どもたちを取り巻く課題も複雑化する現代において、教員自身が常にアンテナを高く張り、新しい知識や指導法を学び続けなければ、子どもたちの未来を切り拓く力を育むことはできないと考えるからです。GIGAスクール構想への対応や、新しい学習指導要領の理念の実現も、教員の学び続ける姿勢なくしては成り立ちません。私自身、大学での学びに満足することなく、採用後も研修や研究会に積極的に参加し、同僚の先生方と対話する中で、常に自分自身をアップデートし続けられる教員でありたいと考えています。

福永

「〇〇な力です(結論)」+「なぜなら~だからです(理由)」+「私自身も~したいです(自己PR)」の流れで、説得力を持たせましょう。

質問10:子どもたちの学習意欲を、どのように引き出しますか?

授業づくりの根幹に関わる質問です。あなたの指導観や、具体的な授業での工夫、引き出しの多さが見られています。

「主体的・対話的で深い学び」の視点を持って、子どもが「受け身」ではなく「主役」になる授業を構想できているかをアピールしましょう。

NG回答例

発問を工夫したり、テンポの良い授業をしたりして、子どもたちを飽きさせないようにします。

→なぜNGなのか?
具体的に「どのような」発問をするのか、「どのように」テンポを良くするのかが見えません。小手先のテクニックに終始しており、学習内容と子どもの実態に基づいた工夫の視点が欠けています。

OK回答例

はい、子どもたちの「わかった」「できた」という成功体験を積み重ねさせることと、「学びの有用性」を実感させることが重要だと考えます。具体的には、まず授業の冒頭で、その日の学習内容が「実生活のどんな場面で役立つのか」を、身近な例を挙げて示すことで、学習への見通しを持たせます。また、授業の中では、子どもたちが仲間と教え合い、学び合う「協働的な学び」の場面を積極的に設定します。他者に説明することで自分の理解が深まったり、友人の考えに触れることで新たな発見が生まれたりする喜びを味わわせたいです。そして、授業の最後には、一人ひとりの頑張りや成長を具体的に認め、称賛することで、次の学習への意欲に繋げます。

福永

「導入」「展開」「まとめ」という授業の流れに沿って、具体的な手立てを語ると、面接官もあなたの授業をイメージしやすくなります。

志望する自治体に関する質問

あなたの「本気度」が試される場所です。「地元だから」という理由だけでは絶対に通用しません。

質問の意図

面接官は、あなたが「数ある自治体の中から、なぜ、うちの自治体を選んだのか」という、強い意志と熱意を知りたがっています。その自治体の教育について、どれだけ深く、真剣に調べてきたかが、そのまま志望度の高さとして評価されます。

教育委員会のホームページ、総合教育大綱、学校教育指導方針の3つは、必ず事前に読み込んでおきましょう。

そして、ただ施策を褒めるだけでなく、その施策に対して、自分の強みや経験を活かして「どう貢献できるか」まで踏み込んで語ることが、他の受験生と差をつける最大の鍵です。

質問1:本県(市)の教育施策で、特に関心のあるものは何ですか?

自治体研究の成果を最も直接的にアピールできる質問です。

どの施策を選ぶか、そしてそれをどう自分の言葉で語るかで、あなたの関心の方向性や深さが分かります。

NG回答例

はい、貴県が進めているグローバル教育に感銘を受けました。素晴らしい取り組みだと思います。

→なぜNGなのか?
感想を述べているだけで、なぜ関心を持ったのか、その施策に自分がどう関わりたいのかという、最も重要な部分が欠けています。これでは、ホームページを少し見ただけ、という浅い理解度だと判断されてしまいます。

OK回答例

はい、貴市が特に力を入れている「地域人材を活用したキャリア教育」に強い関心を持っております。私は学生時代、地域の農家の方にご協力いただき、小学生を対象とした農業体験イベントを企画・運営した経験があります。子どもたちが、普段接することのない大人と関わる中で、目を輝かせながら働くことの意義を学んでいく姿を目の当たりにしました。この経験から、学校の中だけで完結しない、社会に開かれた教育の重要性を痛感しております。貴市の取り組みは、まさに私が理想とする教育の形であり、前職で培った地域の方々との調整力を活かして、ぜひこのキャリア教育の推進に貢献したいと考えております。

福永

「施策の名称」+「関心を持った理由(自身の経験)」+「自分ならこう貢献できる」という流れで、熱意を伝えましょう。

質問2:本県(市)が示す「求める教師像」について、あなたはどう考えますか?

自治体が「どんな先生に来てほしいか」を明文化したものが「求める教師像」です。

これを理解しているかは、その自治体を志望する上での大前提。その上で、求める教師像のどの部分が、自分自身の強みや経験と合致するのかを具体的に示す必要があります。

NG回答例

はい、拝見しました。私も、そのような教師になれるよう、日々努力していきたいです。

→なぜNGなのか?
意気込みを語っているだけで、具体的に何をするのかが全く分かりません。「求める教師像」を自分事として捉え、自分の言葉で語れていないため、他人事のような印象を与えてしまいます。

OK回答例

はい、貴県が掲げる「主体的に学び続ける教師」という点に、特に共感しております。私は、教員に最も必要な力は、社会の変化に対応し、自らをアップデートし続ける「学び続ける力」だと考えています。大学時代、教育実習に向けてICTを活用した教材を自作し、先生方から指導法を学んだ経験は、まさに主体的に学ぶことの重要性を実感する機会となりました。貴県が特に力を入れている若手教員向けの研修制度は、私のように学び続けたいと考える者にとって非常に魅力的です。私も採用いただけましたら、積極的に研修に参加し、先輩方から謙虚に学び、常に子どもたちに最新で最善の教育を提供できる教師を目指します。

福永

「求める教師像」の中から、最も自分と重なる項目を1つ選び、それを裏付けるエピソードを語るのが王道です。

質問3:本県(市)の教育課題は何だと思いますか?また、どう貢献したいですか?

自治体の現状を、当事者意識を持って分析できているかを問う質問です。

ただ批判的な視点で課題を挙げるだけでなく、その課題解決に向けて、自分なら何ができるかという建設的な提案まで求められています。情報収集力と問題解決能力が試されます。

NG回答例

全国的な課題でもありますが、不登校児童生徒の数が増加している点が課題だと思います。

→なぜNGなのか?
データに基づかない、一般論に終始しています。また、「課題」を指摘しただけで、その解決に「自分がどう貢献したいか」という最も重要な視点が抜け落ちています。

OK回答例

はい、貴県の教育大綱を拝見し、特に中山間地域における教育機会の確保が喫緊の課題であると感じました。私は大学時代、ゼミの研究の一環で、へき地校の教育実態について調査した経験があります。その際、ICT環境の整備や、地域人材との連携が、子どもたちの学習機会を豊かにすることを学びました。この学びを活かし、もし私が中山間地域の学校に赴任させていただいた際には、オンラインで都市部の学校と繋ぐ合同授業を企画したり、地域の伝統文化の担い手をゲストティーチャーとしてお招きしたりするなど、子どもたちの世界を広げるための具体的な実践に挑戦したいです。困難な状況を嘆くのではなく、その地域ならではの魅力を活かした教育を創造することで、課題解決に貢献したいと考えております。

福永

「データに基づく課題認識」+「その解決に繋がる自分の強み・経験」+「具体的な貢献策」の3点セットで、あなたの問題解決能力を示しましょう。

質問4:本県(市)の学校で、どのような教育実践をしてみたいですか?

あなたの教育への情熱と、具体的な授業づくりのアイデアを問う質問です。

単なる思いつきではなく、その自治体の教育方針や、子どもたちの実態を踏まえた上で、実現可能なプランを語れるかがポイントになります。

NG回答例

子どもたちが主体的に学べるような、アクティブラーニングを取り入れた授業がしたいです。

→なぜNGなのか?
教育用語を使っていますが、具体的に「何をするのか」が全く見えてきません。これでは、流行りの言葉を知っているだけで、自分の授業ビジョンを持っていない、と判断されてしまいます。

OK回答例

はい、貴市が力を入れている「ふるさと教育」と関連させ、地域を探究する総合的な学習の時間を実践してみたいです。例えば、担当する校区の商店街に子どもたちと出向き、お店の方々にインタビューをして「町の自慢マップ」を作成する活動などが考えられます。この活動を通して、子どもたちは地域への愛着を深めると同時に、コミュニケーション能力や情報収集・発信能力といった、これからの社会で求められる力を育むことができると考えます。私自身、学生時代にタウン誌の制作に携わった経験があり、取材や編集のノウハウがあります。この経験を活かし、子どもたちの探究活動を全力でサポートしたいです。

福永

「自治体の方針」+「具体的な活動内容」+「自分の経験の活かし方」で、あなただけのオリジナルプランをプレゼンしましょう!

質問5:本県(市)の子どもたちの印象を教えてください。

アイスブレイク的な質問に見えますが、あなたがどれだけその地域に関心を持ち、観察しているかを見ています。

実際に学校ボランティアなどで子どもたちと触れ合った経験があれば、それを元に語るのが最も説得力があります。

NG回答例

はい、皆さん素直で、元気な子どもたちが多いという印象です。

→なぜNGなのか?
あまりに一般的で、どこの地域の子どもたちにも当てはまってしまいます。その地域の子どもたちと真剣に向き合おうという姿勢が感じられません。

OK回答例

はい、先日、貴市が開催された教育フォーラムを傍聴させていただきました。その中で、地元の高校生たちが地域の課題解決について堂々とプレゼンテーションしている姿が非常に印象的でした。大人顔負けの分析力や提案力もさることながら、何よりも自分たちの町を「もっと良くしたい」という強い情熱に胸を打たれました。その姿から、貴市の教育が、子どもたちの郷土愛や課題解決能力をしっかりと育んでいることを実感しました。私もぜひ、そのような素晴らしい子どもたちの成長の一助となりたいと、思いを新たにしました。

福永

具体的なエピソードを一つ挙げるだけで、印象は大きく変わります。ボランティア経験や、公開授業、地域のイベントに参加した経験などを話せるとベストです。

質問6:本県(市)の教育大綱を読みましたか?感想を教えてください。

「はい/いいえ」で終わらない、受験者のリサーチ力を試す直球の質問です。「読んでいません」は論外。

「読みました」と答えた上で、どの部分に共感し、自分ならどう実践に活かすかを述べられるかが重要です。

NG回答例

はい、読みました。地域と連携し、子どもたちを育てるという理念が素晴らしいと思いました。

→なぜNGなのか?
読んだことは伝わりますが、感想が抽象的すぎます。「どの部分を読んで、どう感じたのか」という、あなた自身の考えが見えてきません。

OK回答例

はい、拝読しました。特に、基本理念に掲げられている「未来を創造する、たくましい人間の育成」という一文に強く心を動かされました。私は、これからの子どもたちに必要なのは、単なる知識だけでなく、予測困難な社会を生き抜くための「たくましさ」、つまり課題解決能力や自己肯定感だと考えています。貴県の教育大綱が、その点を最重要の理念として明確に打ち出していることに、私の教育観と完全に一致すると感じました。この理念を実現するため、私も学級担任として、子どもたちが失敗を恐れずに挑戦できる環境を作り、粘り強く課題に取り組む姿勢を育んでいきたいです。

福永

大綱の中から、最も共感するキーワードを一つ見つけ、それを自分の教育観と結びつけて語るのが効果的です。

質問7:(地域特有の取り組みを挙げて)〇〇という教育活動について知っていますか?

自治体研究の深さをピンポイントで試す変化球の質問です。知っていれば大きなアピールチャンス。

もし知らなくても、正直に認め、学ぶ姿勢を示すことでマイナス評価を避けることができます。

NG回答例

(知ったかぶりをして)はい、存じております。子どもたちのために、とても良い活動だと思います。

→なぜNGなのか?
知ったかぶりは、その後の深掘り質問ですぐに見抜かれます。嘘をつくことは、教員として最もやってはいけない「不誠実な態度」と見なされ、一発で信頼を失います。

OK回答例

(知っている場合)
はい、存じております。〇〇小学校区で行われている、地域の伝統工芸を体験する学習のことですね。ホームページで実践報告を拝見し、子どもたちが地域の大人と交流しながら、郷土への誇りを育んでいる素晴らしい活動だと感じました。私もぜひ、そのような地域に根差した教育活動に携わってみたいです。

(知らない場合)
申し訳ありません、不勉強で存じ上げませんでした。差し支えなければ、どのような活動か、少し教えていただけますでしょうか。本日、面接が終わりましたら、すぐに調べて勉強いたします。

福永

知らないことは恥ではありません。不誠実な態度こそがNG。正直に認め、学ぶ意欲を示すことが最善の策です。

質問8:本県(市)で教員として働くことの魅力は何だと思いますか?

志望動機を別の角度から問う質問です。

給与や福利厚生といった待遇面ではなく、あくまで「教育的な魅力」という観点から、その自治体で働くことのやりがいや素晴らしさを語ることが求められます。

NG回答例

研修制度が充実しており、若手でも安心して働ける環境が魅力だと思います。

→なぜNGなのか?
自分が「与えてもらう」ことばかりに焦点が当たっており、主体性に欠ける印象を与えます。「自分がどう貢献したいか」という視点がなく、受け身の姿勢だと判断されかねません。

OK回答例

はい、貴市が「小中一貫教育」の推進に力を入れている点が、私にとって最大の魅力です。9年間という長いスパンで子どもたちの成長を見通し、系統的な指導ができることは、教員として大きなやりがいだと感じます。特に、中学校の教員と小学校の教員が連携して指導にあたる「乗り入れ授業」は、子どもたちの学びを豊かにするだけでなく、教員自身の専門性を高める上でも非常に貴重な機会だと考えます。私自身、中学校の免許も取得しておりますので、この小中一貫教育の場で、小学校と中学校の橋渡し役として、自分の専門性を最大限に発揮できると考えております。

福永

その自治体の教育的な「強み」を挙げ、その強みの中で「自分も活躍したい、貢献したい」という意欲を示すことがポイントです。

質問9:本県(市)の教育の強みと弱みは何だと思いますか?

自治体への理解度を測ると同時に、あなたの分析力や思考の深さを問う、やや難易度の高い質問です。

「弱み」を指摘する際は、単なる批判で終わらせず、改善に向けた自分なりの提案をセットで述べることが鉄則です。

NG回答例

弱みは、全国学力テストの結果が、全国平均よりもやや低い点だと思います。

→なぜNGなのか?
データに基づいている点は良いですが、ただ事実を指摘しているだけで、なぜそれが弱みなのか、どう改善すべきかという分析や提案がありません。これでは評論家と同じで、当事者意識が欠けていると見なされます。

OK回答例

はい、強みは、豊かな自然環境を活かした体験活動が非常に充実している点だと考えます。一方で、弱みと申しますか、今後の課題としては、その素晴らしい体験活動で得た学びを、各教科の学力向上にどう結びつけていくか、という点に更なる工夫の余地があるのではないかと感じております。例えば、地域の川での自然観察で得た気づきを、理科のレポート作成や、国語の表現活動に繋げるなど、教科横断的な視点でのカリキュラム・マネジメントをより一層推進していくことが重要ではないでしょうか。私自身、大学で教科横断的な指導法について学んできましたので、その視点を日々の授業づくりに活かすことで、この課題解決に貢献したいです。

福永

「弱み」は「今後の伸びしろ」と捉え、「強み」と「弱み」を関連付けながら、自分なりの改善策をポジティブに提案しましょう。

質問10:これから本県(市)の教育にどのように貢献していきたいですか?

あなたの熱意と覚悟を最後に問う、まとめの質問です。

これまでの質問でアピールしてきた自分の強みや経験を総動員し、「私を採用すれば、こんなメリットがありますよ」という、力強いプレゼンテーションで締めくくりましょう。

NG回答例

一日も早く一人前の教員になれるよう、一生懸命頑張ります。

→なぜNGなのか?
意気込みは素晴らしいですが、具体的に「何をして」貢献するのかが見えません。抽象的な精神論ではなく、あなたの能力に基づいた、具体的な貢献イメージを語る必要があります。

OK回答例

はい、私はこれまで培ってきた「傾聴力」と「ICTスキル」という2つの強みを掛け合わせることで、貴市の教育に貢献したいと考えております。まず、学級担任としては、子どもたち一人ひとりの声に丁寧に耳を傾け、誰もが安心して過ごせる居場所を作ります。それに加え、ICT支援員としてのアルバイト経験を活かし、同僚の先生方がICT機器の活用で困っている際にサポートしたり、子どもたちの学びが深まるような効果的なデジタル教材を共有したりすることで、学校全体の教育力向上にも貢献できます。このように、自分のクラスだけでなく、学校全体、ひいては貴市の教育の発展に貢献できる教員になることが私の目標です。

福永

「自分の強み」と「自治体の教育方針」を改めて結びつけ、採用後の活躍イメージを具体的に、自信を持って語りきりましょう!

【自治体別】個人面接の過去問と傾向はこちら

ここまで、全国の自治体で共通して聞かれる頻出質問を見てきました。

しかし、最終的な合格を掴むためには、これらの全体的な傾向に加え、あなたが受験する自治体独自の質問傾向や、過去にどのような質問がされたかを具体的に知っておくことが不可欠です。

以下のリンクから、あなたに必要なエリア・自治体の詳細な過去問対策記事をチェックして、万全の準備を整えましょう。

まとめ|面接試験の過去問題と模範回答は使い方が大事

今回は、教員採用試験における面接試験の過去問題をもとに質問の意図や回答例を解説しました。

30個の頻出質問と向き合う中で、「こんなことまで聞かれるのか」という新たな発見や、「この質問なら、あの経験が話せそうだ」という手応えがあったのではないでしょうか。

面接対策で最も大切なのは、「どんな質問が来ても、対応できる自分だけの引き出し」を、どれだけ多く準備できるかです。この記事で紹介した30個の質問は、その引き出しを作るための最高のトレーニング教材になります。

完璧な模範回答を覚える必要はありません。大切なのは、

  • 質問の意図を理解すること
  • 自分自身の経験と結びつけて語ること

この2つです。

さあ、今日からできる第一歩として、まずはこの記事の中から5つの質問を選び、「自分ならどう答えるか」をノートに書き出すことから始めてみませんか?

その小さな積み重ねが、本番での揺るぎない自信に繋がります。あなたの健闘を心から祈っています!

▼「自己PR・志望動機はこれでいいんだろうか・・・」「この回答で面接官は納得するだろうか・・・」このような悩みを解決できるオンライン相談室を開講しました!独りで不安な方はぜひご利用ください。

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