- 「想定問答集は完璧に暗記した」
- 「模擬面接でも、詰まることなくスラスラ答えられる」
もしあなたが今、このように自信を持っているなら、少しだけ立ち止まってください。
その「スラスラ答えられる」状態が、筆記試験が高得点でも、面接検査で「D・E評価(足きり)」を受ける原因になるからです。
札幌市教員採用試験(通称:札幌市教採)の面接検査は、1人2回(個別面接Ⅰ・Ⅱ)実施されるなど、徹底した「人物重視」です。
面接官が見ているのは、綺麗に整えられた模範解答ではありません。予期せぬ質問や「札幌市の教育課題」を問われたときに、あなたがどう考え、どう対話するかという「人間性」です。
この記事では、以下の重要ポイントを解説します。
- なぜ努力した人ほど「D・E評価(足きり)」のリスクが高まるのか
- 実際に聞かれた「過去問(質問例)」
- 安定して合格圏を勝ち取るための具体的対策
「もっと早く知っておけば…」と後悔しないために、今のうちに正しい視点を手に入れてください。
▼札幌市教採の内容はこちら!
【札幌市教採】面接検査の内容
対策を始める前に、面接検査の内容を把握しましょう。
札幌市教採の面接は、形式を変えて計2回行われます。
個別面接Ⅰ
まずは「個別面接 I」の概要と当日の流れです。
| 試験時間 | 約20分間 |
|---|---|
| 面接官 | 2人 |
| 配点 | 5段階(A〜E) |
個別面接Ⅰの流れ
(1) 受検者入室
(2) 受検教科・受検番号・氏名確認
(1) 一般的事項に関する質問
(2) 願書に関する質問
(3) その他の確認事項
受検者退室
個別面接Ⅱ
続いて「個別面接Ⅱ」です。面接官、教室が変わり、質問の傾向も変化します。
| 試験時間 | 約20分間 |
|---|---|
| 面接官 | 2人 |
| 配点 | 5段階(A〜E) |
個別面接Ⅱの流れ
2次試験で「半分以上」が不合格になる
「1次試験を通れば安心」という考えは大間違いです。
事実、札幌市では2次試験で半数以上が不合格になっています。
最新の試験データ(令和8年度)は次のとおりです。
- 2次試験の受験資格がある人:783人
- 最終合格者:343人
- 不合格者:440人(不合格率 約56%)
2次試験では、実技試験や教科等指導法検査もありますが、合否を大きく左右するのは「面接検査」です。
1次試験に合格しても、決して油断はできませんね。
合否を分けるD・E評価の基準
評価は、A〜Eの5段階です。
注意点は、「D」または「E」がつくと、筆記試験が満点でも不合格になる(足切り)こと。
| 評価 | レベル |
|---|---|
| A・B (合格確実) | 自分の言葉で語り、深掘りされても論理的である。札幌市の教育課題を理解し「一緒に働きたい」と思わせるレベル。 |
| C評価 (ボーダー) | 会話は成立しており、教員の適性はある。しかし、回答がありきたりで印象に残らない場合もここに含まれます。 |
| D・E評価 (即不合格) | マニュアル通りの回答で人間性が見えない、あるいは会話が成立しない、独りよがりな回答をするなど、適性に欠ける状態です。 |
「普通に会話できれば大丈夫」ではありません。
実は、真面目に準備しすぎた人ほど、D・E評価を受ける傾向があります。
- 最新の試験実施要項は札幌市教育委員会ホームページで必ずご確認ください。
模範解答の暗記が面接検査でD評価(不合格)になる理由
結論、面接官が「マニュアル対応しかできない」と判断するからです。
1. 面接官が求めているのは暗記ではなく対話
面接官は、用意してきた原稿の読み上げを最も嫌います。
面接検査でチェックしているのは、「学校現場で子供や保護者、同僚と対話できるか」だからです。
一言一句覚えた綺麗すぎる回答は、以下のようにマイナス評価を受けます。
- 「ただの暗記発表会になっている」
- 「会話(キャッチボール)が成立していない」
- 「本音が見えず、人間味が感じられない」
結果として印象に残らず、評価は伸び悩みます。
2. 現場対応力がないと判断されるマニュアル回答
学校現場では、マニュアル通りにいかないトラブルが毎日起きます。
そのため、面接官はあえて「答えにくい質問」や「矛盾を突く質問」を投げかけます。
これに対して、用意した答えを無理やり当てはめようとすると、会話が噛み合いません。
3. 不合格になる深掘り質問の具体的なやり取り
では、具体的にどうなるとアウトなのでしょうか。
以下のように、質問の意図を無視してしまうと大きな減点となります。
- 面接官:「なぜ、札幌市の教員を志望したのですか?」
- 受験者:「ICT活用が進んでおり、先進的な教育ができるからです!」
- 面接官:「なるほど。では、ICT機器を使いたがらない生徒や、操作が苦手な保護者にはどう対応しますか?」
- 受験者:「はい!ICTはこれからの社会に不可欠なので、どんどん活用していきます!」
- 面接官:「(質問に答えていないな…個に応じた指導ができないかも)」
面接官は「苦手な人への配慮」を聞いています。しかし、受験者は「ICTの推進」で返しています。
この「質問の意図とのズレ」が、D・E評価の原因です。
▼面接で落ちる人の特徴は、以下の記事でも解説しています。
【札幌市教採】面接検査で出題された過去問(質問)
では、どのような質問で「会話のズレ」が起きるのでしょうか。
実際の受験者からの報告をもとに、頻出の過去問を「個別面接Ⅰ」と「個別面接Ⅱ」に分けて紹介します。
個別面接Ⅰ(人物像・意欲)
- なぜ北海道ではなく、札幌市での勤務を希望するのですか。
- 長所と短所は何ですか。
- 教職員のわいせつ行為によってどのような被害が出ると思いますか。
- 授業をする際に大切にしたいことは何ですか。
- 「命を大切にする指導」で何を大切にしたいですか。
- 教員になる上で不安に思うことはありますか。
個別面接Ⅱ(実践力・対応力)
- ICTをどのように活用して授業を行いますか。
- 「課題探求的な学び」を実現するためにはどうすればいいですか。
- 保護者から「うちの子がいじめられている」と電話がありました。初期対応は?
- これまでに苦労したこととそれを乗り越えた経験を教えてください。
- ストレスを感じた時はどう対処しますか。
- 豊かな心の育成をするにはどうすればいいですか。
これらの質問を見て、「答えがすぐに浮かばない」と感じたなら準備不足です。
札幌市は「札幌市学校教育の重点」など独自の教育施策に関連した質問も多いため、事前のインプットが欠かせません。
以下の記事で、詳細な過去問データを公開しています。
【札幌市教採】面接検査でB評価以上を取る3つのポイント
札幌市教採に合格するには、面接検査でB評価以上(合格確実圏)がほしいところ。
ここでは、評価を上げるポイントを解説します。
▼面接の基礎的なマナーや対策方法については、以下の記事で確認しておいてください。
1. 結論から話す癖をつける
質問には、結論から答える癖をつけてください。
話が長いと、結局何が言いたいのか、要点が伝わらなくなるからです。札幌市教採は面接時間が短いため、簡潔さが求められます。
- NG例(理由から長く話す)
「私は札幌市で生まれ育ち、大学時代もこの街で過ごして…(中略)…この街に貢献したいと思ったからです。」
- OK例(結論から短く話す)
「札幌市の教育目標である『自立した札幌人』の育成に深く共感したからです。私も子供たちの自立を支える教師になりたいと考え、志望しました。」
短く返せば、余った時間で面接官が「それは具体的に?」と深掘りしやすくなります。
この「質問と回答の往復」が生まれることこそが、コミュニケーション能力の証明になります。
2. 抽象的なアピールは使わない
「誠意を持って対応します」「一生懸命頑張ります」といった、具体性のない言葉は避けてください。
これらは誰でも言えるため、説得力がなく印象に残らないからです。
- NG例(精神論のみ)
「生徒のために効果的になるように、一生懸命活用します。」
- OK例(具体的な行動)
「『協働的な学び』のために活用します。例えば、タブレットで生徒の考えをリアルタイムに共有し、多様な意見に触れられる授業を行います。」
「どのような行動で示すか」を具体化することで回答に説得力が生まれ、「現場で活躍できる人材だ」と評価されます。
3. 「客観的な視点」を取り入れる
これが最も重要です。自分の感覚だけで判断せず、「スマホ(セルフチェック)」と「指導経験者(プロのチェック)」の両方を活用してください。
まずは、スマホで模擬面接を録画してみましょう。「早口すぎる」「目が泳いでいる」といった「話し方の癖」は、これですぐに修正できます。
ただ、スマホでは「話す中身」が評価されるかまでは判断できません。
話し方がいくら上手でも、話している内容がズレていればD評価になります。そのため、「話す中身」に関しては、必ず指導経験者などの第三者に添削してもらいましょう。
- 添削前(自分では完璧だと思っている)
「私の強みは『統率力』です。部長として、50人の部員を私の指導力でグイグイ引っ張りました。学級でもリーダーシップを発揮します。」
▼ NGの理由



「今の学校現場では『独善的(ワンマン)』と警戒されます。札幌市は『チーム学校』を重視するため、『協調性』や『傾聴』のエピソードに変えましょう」
- 添削後(評価される回答)
「私の強みは『調整力』です。部員一人ひとりの意見を聞いて練習メニューを改善しました。教室でも子供の声に耳を傾ける姿勢を大切にします。」
このように、経験者に見てもらうことで、独りよがりな回答が「教員としての適性があると判断される回答」へと生まれ変わります。
この「中身のズレ」を修正しないまま本番を迎えることこそが、D・E評価(不合格)を受ける最大の原因です。
【札幌市教採】独学での面接対策に不安を感じているなら
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
最後に、今回の重要なポイントをおさらいしましょう。
- 札幌市は面接での不合格率が高い。マニュアル暗記は「会話のズレ」を生み、D・E評価(即不合格)の原因になる
- ICTや不登校対応など、札幌市特有の課題への理解が必須
- 客観的にズレを修正してくれる「環境」を用意する
面接対策の方法は分かりましたが、同時に「自分一人でやり切れるだろうか」という不安も感じているかもしれません。
- 「自分の書いた回答、本当に札幌市の方針に合ってる?」
- 「予想外の質問が来たら、頭が真っ白になりそう…」
- 「夜遅くに不安になった時、誰に相談すればいい?」
友人同士では慰め合いになりがちですし、大学や予備校の模擬面接は回数が限られています。
そんな不安を解消し、自信を持って本番を迎えるための「環境」を用意しました。


このnoteの最大の特徴は、購読者限定のメンバーシップ型サポート「合格まで伴走LINE」がついていることです。
- 【回数無制限】LINEでの直接指導・添削
回答案や自己PRをLINEで送ってください。僕が直接添削し、札幌市の傾向に合わせて合格レベルになるまで何度でも指導します。 - 【圧倒的データ】札幌市の面接過去問リスト
先ほど紹介した質問はほんの一部です。網羅的なリストを手に入れれば、「何を聞かれるか分からない恐怖」はなくなります。 - 【思考の整理】深掘り対応フレームワーク
どんな意地悪な質問も怖くなくなる、思考の型を伝授します。
予備校の単発指導(1回数千円〜)と比べても、「試験前日まで無制限」で相談できるこの環境は、コストパフォーマンスの面でも破格だと自負しています。
「今年こそ、絶対に合格したい」
そう覚悟を決めた方は、ぜひ一度内容をチェックしてみてください。合格通知を手にするのは、不安を行動に変え、最後まで泥臭く準備した人だけですよ。
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