本記事では、教員採用試験の面接シート(カード)の書き方とポイントを解説しています。
教員採用試験の面接は、事前に提出する面接シート(カード)をベースに行われます。この内容が薄ければ、面接官に聞いてほしいアピールチャンスを逃すことになり、面接で存分にアピールできない可能性が高くなってしまいます。
面接シート(カード)は面接官の興味を引くための重要なデータです。面接官の気持ちになって「この受験者には教員になってほしいな」と思ってもらえる内容を考えていきましょう。
面接シートの名称は「志願書|面接個票|自己アピールシート」など多義にわたります!でも、書き方やポイントは同じです!
【教員採用試験】面接シート(カード)とは?
面接シート(カード)とは、面接試験で使用される資料のことです。
氏名や学歴などの基本情報にくわえ、志望動機や自己PRなど、面接官が「受験者はどんな人物なのか?」を見極めるための役割があります。
実際の試験では、提出する面接シート(カード)に基づいて過去の経歴や経験、志望動機や今後の抱負など幅広く聞かれているので、わかりやすくアピールできる内容を作成しなくてはいけません。
面接シート(カード)の基本構成
面接シート(カード)の基本構成(内容)は自治体によって異なります。参考までに、いくつかの自治体をピックアップして紹介します。
北海道 | ・教員を志望する理由及び北海道で勤務を希望する理由 ・学校で発揮できる自らの強み ・自らが持つICTに関する知識を活用し、授業で実践できると考えていること。 |
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札幌市 | ・教員を志望する理由及び札幌市で勤務を希望する理由 ・教科指導等でこれまでに努力したこと ・性格に関する長所・短所 |
青森県 | ・教員を志望する動機 ・青森県を志望する理由 ・学生時代の部活動歴 |
岩手県 | ・教員を志す理由 ・岩手の学校教育について ・最近関心を持った事柄 |
宮城県 | ・教員を志す理由・動機について ・宮城県で勤務を希望する動機・理由 ・教員を志す上で、今現在努力していること |
仙台市 | ・仙台市で教師を志す理由・動機 ・あなたが教師になる上で、不安に思っていること ・「子どもに寄り添う教師」とはどのような教師だと思いますか。 |
秋田県 | ・秋田県の教員を志望する理由 ・自己アピール ・部活動歴 |
山形県 | ・教員を志望する理由 ・教員として頑張りたいこと ・自分の長所や教員への適性 |
茨城県 | ・自己評価 ・ICT活用能力 |
さいたま市 | ・志望動機 |
千葉県 | ・指導可能な部活動 ・自己アピール ・志望の理由 |
東京都 | ・東京都の教員を志望する理由 ・成果をあげた取組の内容 ・単元や領域の授業で行う上で工夫する点 |
神奈川県 | あなたは今までにどのような活動、学習その他の経験をし、どのような能力があると思いますか。自らを振り返ってみて、アピールできると思う経験や能力について述べよ。 |
横浜市 | ・教員を志望する理由 ・これまでに最も困難と感じたこと及びその対応 ・これまでの人との関わりで心に残ったこと |
川崎市 | ・川崎市の教員を志望した理由 ・ボランティアの活動歴 ・自己アピール |
新潟県 | ・志望理由 ・長期にわたり継続して取り組んできたこと |
石川県 | 志望理由 |
静岡県 | ・教員を志望する理由 ・理想とする教師像 ・これまでの経験 |
静岡市 | ・部活動、ボランティア活動 ・趣味、特技 ・静岡市の教員を目指す理由 |
浜松市 | ・はままつの教員としてやってみたいこと ・趣味・特技 ・部活動経験 |
愛知県 | ・特性、特技 ・自己アピール ・専門性 |
名古屋市 | ・大学等での研究事項 ・教員を志望する理由 ・クラブ、部活動、ボランティア活動 |
滋賀県 | ・志望理由 ・教科を選んだ理由 ・ボランティア歴 |
京都府 | ・教員を志望する理由 ・京都府を志望する理由 ・教員を志望するにあたり、今自分が取り込んでいること。 |
大阪府 | ・志望動機について ・これまで取り組んできたこと ・アピールしたいこと |
堺市 | ・教員を志望する理由 ・子どもたちと、よりよい関係を作るために ・理想とする教員像 |
大阪市 | ・指導できる部・クラブ ・ボランティア活動歴 ・志望理由及び自己PR |
豊能地区 | ・指導できる部・クラブ ・ボランティア活動歴 ・志望理由及び自己PR |
神戸市 | ・志望理由 ・併願状況 ・担任経験 |
岡山県 | ・自己アピール ・専門教科で努力していること ・部活動・ボランティア |
広島県 | ・どのような教員を目指したいか ・教員のやりがい |
香川県 | ・自己PR ・志望動機 |
高知県 | ・あなたが、これまでに一番、力を入れて取り組んだことを具体的に書いてください。 |
福岡県 | ・自己PR ・活動の履歴 |
北九州市 | ・自己PR ・力をいれて取り組んだ教育実践 |
福岡市 | ・教員を志望した動機 ・福岡市を志願した理由 ・教員にとって一番大切だと思うもの及びその理由 |
熊本市 | ・志望理由 ・クラブ、部活動歴 ・自覚している性格 |
大分県 | ・志望理由 ・教師に向いているところ ・達成感を得た経験 |
宮崎県 | ・志望理由 ・特技・趣味 ・ICTを活用して取り組みたい教育活動 |
【教員採用試験】面接シート(カード)の書き方
教員採用試験の面接シート(カード)の書き方とポイントを例文付きで解説します。
面接シートの書き方 |自己PR
自己PRは、自分の強みやこれまでの実績をアピールします。面接官に自分の適性や人物像を伝える役割があるので、教育に関する経験やスキルを強調しましょう。
具体的な成果を示す
自分が実際に達成した成果や実績を述べましょう。数値や評価を具体的に示すと、より説得力が増します。
自己PRの例文
教育に関連する経験を強調する
教育現場での経験や教育に関連するスキルを強調しましょう。具体的なエピソードを交えて、これからの教員生活にどう役立つかも示してください。
自己PRの例文
自己改善の姿勢を示す
教員として成長し続ける姿勢を示すことも重要です。自己改善のための努力や学びを具体的に述べると好印象を与えます。
自己PRの例文
面接シートの書き方 |志望動機
志望動機は、志望校種・教科や自治体を選んだ理由を具体的に書きます。
自分がどのように貢献できるか、学校や地域の課題に対してどのように取り組むかを示すことで、より具体的で説得力のある志望動機を作成しましょう。
自分の経験と結びつける
過去の経験や実績を通じて、なぜその学校や地域で働きたいのかを説明します。具体的なエピソードを交えると効果的です。
志望動機の例文
貢献できる点をアピールする
自分がどのように学校や地域に貢献できるかを具体的に述べます。
志望動機の例文
学校や地域の理解を示す
志望する学校や地域の教育方針や特色をリサーチし、自分の経験がどう活かせるのかを具体的に述べましょう。
志望動機の例文
「○○に共感した」や「○○に魅力を感じた」といった誰でも書ける安易な文言は避け、自分のスキルや経験を具体的に示すことが重要です。
面接シートの書き方 |趣味・特技
趣味・特技の欄は、あなたの人間性や多面的なスキルをアピールする重要な部分です。単なる興味や楽しみではなく、教育に役立つ要素を強調しましょう。
趣味・特技は具体的に書く
単に「読書」「スポーツ」と書くのではなく、具体的にどのような読書をするのか、どのスポーツに取り組んでいるのかを書きます。
趣味・特技の例文
趣味は読書で、特に歴史小説を読むことが好きです。最近では、司馬遼太郎の『竜馬がゆく』を読み、日本の歴史に対する理解を深めました。この知識を授業で活用し、生徒たちに歴史の魅力を伝えたいと考えています。
趣味・特技が教育にどう役立つかを示す
あなたの趣味・特技が、教育現場でどのように役立つかを説明します。
趣味・特技の例文
特技はバスケットボールで、大学時代にはキャプテンを務めました。チームをまとめるリーダーシップや、練習を計画的に進めるスケジューリング能力を身につけました。これらのスキルは、クラス運営や部活動の指導に役立つと考えています。
趣味・特技の背景や取り組み姿勢を述べる
趣味・特技に対してどのような取り組み方をしているか、どれくらいの期間続けているか、どんな成果があったかなどを記述します。これにより、あなたの継続力や熱意をアピールできます。
趣味・特技の例文
特技はバスケットボールで、中学から現在に至るまで10年以上プレイしています。大学ではチームのキャプテンを務め、練習メニューの作成やチームの士気向上に努めました。その結果、地域大会での優勝に貢献することができました。この経験を活かし、部活動の指導やクラス運営においても、リーダーシップとチームワークの大切さを伝えていきたいと考えています。
記入欄が小さい場合でも、「読書:歴史小説が好き」とか「バスケットボール:ダンクシュートが得意」みたいに書きましょう!
【教員採用試験】面接シート(カード)作成のポイント
魅力的な面接カードを作成するうえで重要なポイントを解説します。
面接シート作成のポイント|結論から書く
まず、「結論」から書き、その次に「理由もしくは具体例」を述べて、最後の一文で、再度「結論」を持ってきます。
これをPREP法といいます。
PREP法とは、文章を簡潔・論理的に伝える方法のこと。
P:結論、主張(Point)
R:理由、根拠(Reason)
E:例、体験(Example)
P:結論、主張(Point)
なぜこの順序なのかというと、読み手が圧倒的にわかりやすくなるからです。また、文章が論理的になるため説得力が増すメリットもありますよ。
実際に面接カードを書いてみると、どんな構成で文章を書けばいいのかわからずに手が止まってしまったり、文章を書いているうちに軸がブレてしまい伝えたいことがわからなくなってしまったり、する人は多いです。
その点、このPREP法を使って書けば、要点→理由→例→要点の順番に当てはめて書き進めれば良く、スムーズに書くことができます。
面接シート作成のポイント|一文を長くしない
自己PRや志望動機がわかりにくい人は、一文が長い(無駄な表現が多い)です。一文が長くなると途端に読みにくくなりますし、主述の関係もわかりにくく理解が難しくなります。
たとえば、次の文章A・Bを読み比べると、文章Bの方が読みやすいと思いませんか?
文章A
文章B
一文が長くなると、内容を理解しにくくなります。主語、述語、目的語が明確にわかるように、一文を短くしましょう。
接続詞「~ので」、「~だが」を使いすぎると長くなりやすいので注意!
面接シート作成のポイント|フィードバックを受ける
最後は書けた面接カードを友人や家族、学校の先生などに見てもらいましょう。なぜなら、内容や誤字脱字、引っかかる部分など、客観的な判断をしてもらえるからです。
結局のところ、「面接官がどう思うか」が重要なので、あなた自身がきちんと書けたと思っても意味がありません。
面接カードに答えはありませんが、だれが見てもわかる内容に仕上げることはできますよね。面接に入る前の重要資料であることを念頭に置いて、多くの意見をもらい完璧な面接カードを準備して面接試験に臨みましょう。
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【教員採用試験】面接シート(カード)対策を徹底しよう!
教員採用試験の面接シート(カード)は、受験者の人柄や適性を評価するための重要なツールです。面接官にとって、受験者の教育理念や実績、人物像を把握するための参考資料となります。
面接シート(カード)は、書き方ひとつで面接試験の内容が決定してしまうといえるほど重要なものです。
面接官は試験が始まるまでの短い時間で内容を確認しなければならないため、一目でわかる内容を書かなければなりません。なので、丁寧で読みやすく、内容が伝わりやすい表現を心掛けて作成してください。
この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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