教員採用試験で合否を左右する最大の関門——それが「面接」です。
特に静岡県では、「人柄」や「現場での信頼性」を重視する傾向が強く、学力以上に“その人らしさ”が評価されます。
👨🦱「面接でどんな質問をされるのか不安…」
👨🦱「どんな対策をすればいいのか分からない…」
そんな不安や疑問を抱える方のために、本記事では静岡県教員採用試験の面接試験の特徴や評価基準、過去の質問例、効果的な対策方法までをわかりやすく解説します。
これから受験を考えている方も、すでに準備を始めている方も、ぜひ本記事を参考にして、納得できる面接対策を進めてくださいね!
面接試験の概要(静岡県教員採用試験)
静岡県教員採用試験の面接試験は、自己PRや志望動機から教職員としての適性や素質、人間性などを評価・判断する人物試験です。
志望理由や教育観といった基本的な質問に加え、「教育現場でどう行動できるか」という実践力が問われます。単なる受け答えではなく、「考えの背景」や「教育方針との一致」が求められます。
- 以下の情報は2025年度受験者の報告をもとに作成しています。年度によって変更される可能性があるため、最新の実施要項も併せてご確認ください。
第1次面接の概要
項目 | 内容 |
---|---|
試験時間 | 高等学校:5分 特別支援:10分 |
面接官 | 3人 |
形式 | 個人面接(口頭試問) |
配点 | 75点満点 |
第2次面接の概要
項目 | 内容 |
---|---|
試験時間 | 小中養栄:30分(15分×2回) 高等学校:25分 特別支援:30分 |
面接官 | 4人 |
形式 | 個人面接(口頭試問) |
配点 | 100点(25点×4人) |
静岡県の面接では、より深い質問や場面対応型の問いかけがなされる傾向があります。
教育現場を想定した応答力、課題解決の視点、子ども理解、そして静岡県の教育方針に対する理解度が評価されます。
このように静岡県教員採用試験の面接では、「人間性」「誠実さ」「向上心」といった人物面が重視されます。表面的な模範解答ではなく、自分自身の体験や考えに基づく「語り」が求められるのが特徴です。
次章では、静岡県が面接で具体的にどのような点を評価しているのか、評価基準を詳しく見ていきます。
面接試験の評価基準
静岡県教員採用試験では、筆記試験以上に人物面が重視される傾向が年々強まっており、面接における評価基準の理解は極めて重要です。
この章では、一次試験・二次試験における評価項目をそれぞれ整理し、どのような力が求められているのかを明確に解説します。
第1次面接の評価基準
一次試験は、主に教員としての資質の基礎があるかどうかを確認する位置づけで実施されます。評価観点は以下の5項目です。
項目 | 評価内容 |
---|---|
積極性 | ○志望動機が明確で、教育に対する熱意や行動力が感じられるか ○現状改善に主体的に取り組む姿勢があるか |
思考力 判断力 | ○質問の趣旨を正確に捉え、論理的かつ的確に答える力 ○物事を本質から捉えようとする姿勢や、状況を分析して考える力 |
協調生 社会性 | ○他者を思いやり、柔軟に対応できる力 ○異なる立場を尊重しつつ、集団の中で調和を保てる力 |
表現力 コミュ力 | ○簡潔で分かりやすい話し方ができるか ○論点がぶれず、相手の話にも誠実に対応できているか |
態度 | ○落ち着いた受け答えや礼儀正しさがあるか ○表情・姿勢・服装などに問題がないか |
出典元:静岡県教育委員会資料より作成
第2次面接の評価基準
二次試験では、教員としての適性に加え、「育てがいのある人物か」「現場で信頼を得られるか」という観点から、より実践的かつ深い評価がなされます。
一次試験での評価項目に加えて、将来性や向上心も重視されます。
項目 | 評価内容 |
---|---|
積極性 指導力 | ○自ら進んで行動し、最後までやり抜こうとする粘り強さ ○教員としての使命感や責任感、組織を動かすリーダーシップ |
将来性 向上心 | ○志望動機の強さや教育に対する価値観の明確さ ○学校現場で求められる行動が理解できているか ○向上心があり、継続的に努力できる人物かどうか |
思考力 判断力 | ○質問の意図を的確に把握し、論理的な説明ができるか ○教育課題に対する認識や自分の考えを持っているか ○現場でのトラブルや課題に、適切な判断ができるか |
協調性 社会性 | ○チームの中で調和を図り、他者と協働できるか ○子どもや保護者、同僚との関係づくりが柔軟に行えるか |
誠実性 態度 | ○表情や言葉遣いに誠実さが感じられるか ○細やかな配慮や礼儀正しさがあり、安心して任せられる人物かどうか |
出典元:静岡県教育委員会資料より作成
このように、静岡県教員採用試験では、表面的な受け答えではなく、自分の体験に根ざした言葉で語ることが求められます。そのためには、自分自身の強みや教育観、課題意識などを深く掘り下げ、言語化する準備が不可欠です。
そこで重要となるのが、事前に提出する「面接カード・面接用シート」です。次章では、この面接カード・面接用シートの役割や記載内容、合否を分ける書き方のポイントについて詳しく解説します。
面接カード・面接用シートの重要性
教員採用試験の面接において、面接官が受験者の人柄や考え方を判断するための重要な手がかりとなるのが「面接カード・面接用シート」です。
静岡県では、事前に提出した面接カード・面接用シートの内容をもとに、面接当日の質問や評価が行われるため、単なる書類ではなく、「自分の考えを伝えるための土台」として非常に大きな役割を担っています。
面接カード・面接用シートの内容
面接用シートは全員が提出する書類ですが、校種によって提出時期が異なります。
- 小学校、中学校、養護教諭、栄養教諭:一次試験日に提出(持参)
- 高等学校、特別支援学校:期日までに郵送
面接用シート(小・中・養・栄)

面接カード(高・特)

これらの内容は、当日の面接で質問されるポイントに直結しており、「面接の設計図」と言っても過言ではありません。
書き方で合否が分かれることも
同じような内容でも、文章構成や言葉の選び方によって「伝わり方」は大きく変わります。
たとえば以下のような内容は、面接官に「説得力がない」「中身が薄い」と受け取られ、評価につながりにくくなってしまいます。
- 「何を伝えたいか」がはっきりしない曖昧な文章
- 実体験が乏しく、抽象的な表現ばかり
- 志望動機や自己アピールに一貫性がない
そのため、面接カード・面接用シートは単に提出すればよいのではなく、「自分らしさ」と「教育観」が明確に伝わる構成で仕上げることが重要です。
より詳しい面接カード・面接用シートの書き方やポイントが知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
面接カード・面接用シートの添削や自己PR・志望動機の相談がしたい方は、下記のnoteも読んでおくといいでしょう。
また、面接試験の過去問(質問)
静岡県教員採用試験の面接試験では、毎年さまざまな角度から質問が投げかけられます。
なかでも「教員としての適性」「教育に対する考え方」「実践力」などが重視される傾向があります。
ここでは、実際に過去の受験者から報告された質問を抜粋して紹介します。想定外の質問にも柔軟に対応できるよう、「考えの引き出し」を増やしておくことが合格への近道です。
第1次面接の質問例
- あなたの長所が発揮できた経験を教えてください。
- あなたの苦手なタイプの人が保護者にいたらどうしますか。
- アルバイト経験を通して教育に活かせることはありますか。
- 子どもに信頼されるために必要なことは何だと思いますか。
- 困難な出来事が起こったときはどうやって乗り越えていますか。
- 教員の不祥事で気になることはありますか。
- 教育公務員と一般公務員の違いは何ですか。
- どんな学級を作りたいですか。
- アルバイト経験はありますか。
- 教員の残業時間はどれくらいだと思いますか。
- あなたの個性を活かすことができた経験を教えてください。
- いじめが発生する理由は何だと思いますか。
- 緊張をほぐすにはどうしますか。
- 働きやすい職場はどんな職場だと思いますか。
- 昨日は何時に寝ましたか。
- 教員の不祥事についてどう思いますか。
- 居心地がいいと思える環境はどんな環境ですか。
- 自分を高めるために努力していることはありますか。
- 集団で活動するときに、気を付けていることはありますか。
- 子ども同士で喧嘩が起こったことで保護者が学校にやってきたらどう対応しますか。
第2次面接の質問例
- ICT教育の良さは何だと思いますか。
- あなたが専門の教科を決めた理由について話してください。
- あなたの受け持ったクラスに苦手なタイプの子どもがいたらどうしますか。
- あなたの短所は何ですか。
- 意見の合わない教員や保護者とはどうやって付き合っていきますか。
- 今まで、どんな勉強をしてきましたか。
- 今までに最もチャレンジした経験は何ですか。
- 学習環境を整えるためにはどうすればいいですか。
- 教育の使命は何ですか。
- 教員がもつ子どもへの影響力についてどう思いますか。
- 教員として物事の善悪を判断する場合、何を根拠に判断すべきですか。
- 教員になったらどんなことにチャレンジしたいですか。
- 教員の不祥事が増え、世間から厳しい目で見られるようになりましたが、教員を志望する決意を教えてください。
- 教員の不祥事にSNSを通じたものが増えていますが、どこに問題があると思いますか。
- 教員はブラックともいわれますが、そんな中で教員を志望する理由は何ですか。
- 教師と子どもがメールアドレスやLINEの交換をするのはどう思いますか。
- 教職を目指したきっかけは何ですか。
- 子どもから「今やっている勉強が役に立つの?先生はどうなのか」と聞かれたらどう答えますか。
- 子どもから「これを勉強して将来の役に立つの?」と聞かれたらどう答えますか。
- 子どもから「なぜ勉強をしないといけないの?」と聞かれたらどう答えますか。
このように、より実践的な場面や教育現場での対応力、教員としての信念などが評価されます。
自身の体験や具体的な対応例を交えながら、静岡県の教育方針や評価基準と関連づけて答えることがポイントです。また、自分の課題や成長意欲についても、前向きに語る姿勢が好印象につながります。
面接対策を進めるうえで、これらの質問項目について「自分ならどうするか」「どんな考えがあるか」を具体的なエピソードや教育観と結びつけて語る練習をしましょう。
さらに過去問を知りたい方・自己PRや志望動機の相談をしたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
面接試験の対策方法
教員採用試験の面接対策は、早ければ早いほど合格に近づくといっても過言ではありません。
静岡県でも年々、「人物評価」の重要性が増しており、「人柄や教育観」「コミュニケーション能力」などが、筆記以上に重視される傾向があります。
面接対策はいつから始めるべきか?
結論から言えば、出願時(3月頃)から面接を意識し始めるのが理想的です。
採用者数の増加や志願者数の減少により、筆記試験の倍率は緩やかに下がっています。しかし、面接では「この人と一緒に働きたいか」「現場で信頼できるか」が見られます。
つまり、「筆記で高得点を取ったから安心」ではなく、「面接で自分の魅力を伝えきれるか」が合否の分かれ目です。
面接対策で準備すべきこと
以下の内容を段階的に準備することが、合格に直結します。
- 志望動機・自己PRの構成とブラッシュアップ
-
面接官に響く「一貫性と具体性」のある話を構築する
- 面接頻出質問への回答準備
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実例を交えて、説得力ある返答を準備する
- 教育実習や学校現場での経験の棚卸し
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自分の「教育観」「子ども観」の根拠として使える
- 静岡県の教育方針・重点施策の理解
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自分の考えと照らし合わせて語れるようにする
- 模擬面接・話し方トレーニングの実施
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客観的なフィードバックを受け、改善を重ねる
これらは一夜漬けでどうにかなるものではなく、繰り返し整理・練習する中で「自分の言葉で話せる」レベルに高めていくことが重要です。
自己PR・志望動機の相談がしたい方は、下記のnoteも読んでおくといいでしょう。
早めの準備が合格のカギ
せっかく筆記試験を突破しても、「面接で自分を出し切れなかった」という理由で不合格になってしまうのは、本当にもったいないことです。
だからこそ、時間に余裕のある今のうちから、面接を意識した準備にコツコツ取り組むことが、最終合格の最大のポイントとなります。
より具体的な面接対策の方法や、実践的なテクニックについては、下記の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
まとめ|面接対策は「早め」と「言語化」が大切
筆記で点を取っても、面接で「一緒に働きたい人材」と思ってもらえなければ合格は難しいのが現実です。
本記事では、面接の形式、評価基準、面接カード・面接用シートの重要性、過去の質問例、そして対策の始め方までを紹介しました。
特に重要なのは、自分の体験や考えを「自分の言葉で伝える力」。これは一夜漬けでは身につきません。出願前から少しずつ準備を始めることで、自信をもって本番に臨めるようになります。
筆記試験の結果だけに安心せず、面接対策を万全にすることが最終合格への最大の近道です。ぜひ、本記事の内容を参考に、自分らしい強みや熱意をしっかり準備し、納得のいく面接にしてくださいね。
面接試験の過去問を知りたい方・自己PRや志望動機の相談をしたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
静岡県教員採用試験の内容は以下の記事でまとめています。
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