教員採用試験で合否を左右する最大の関門——それが「面接」です。
特に岡山県では、「人柄」や「現場での信頼性」を重視する傾向が強く、学力以上に“その人らしさ”が評価されます。
👨🦱「面接でどんな質問をされるのか不安…」
👨🦱「どんな対策をすればいいのか分からない…」
そんな不安や疑問を抱える方のために、本記事では岡山県教員採用試験の面接試験の特徴や評価基準、過去の質問例、効果的な対策方法までをわかりやすく解説します。
これから受験を考えている方も、すでに準備を始めている方も、ぜひ本記事を参考にして、納得できる面接対策を進めてくださいね!
個人面接の概要(岡山県教員採用試験)
岡山県教員採用試験の面接は、第1次試験および第2次試験の両方で個人面接(口頭試問)が実施されます。
いずれの試験でも、「人物重視」の方針に基づいて、教員としての適性・資質・教育観が問われる構成です。
- 以下の情報は2025年度受験者の報告をもとに作成しています。年度によって変更される可能性があるため、最新の実施要項も併せてご確認ください。
第1次面接の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験時間 | 10分 |
| 面接官 | 2人 |
| 形式 | 個人面接(口頭試問) |
| 配点 | 10段階評価 |
第1次試験の面接では、志望動機や教育観などの基本的な質問が中心です。
短時間の中で、自分の考えを簡潔かつ的確に伝える表現力や、教育者としての基礎的な姿勢が問われます。
第2次面接の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験時間 | 15分 |
| 面接官 | 2人 |
| 形式 | 個人面接(口頭試問) |
| 配点 | 12段階評価 |
第2次試験では、より深い質問や場面対応型の問いかけがなされる傾向があります。
教育現場を想定した応答力、課題解決の視点、子ども理解、そして岡山県の教育方針に対する理解度が評価されます。
このように岡山県教員採用試験の面接では、1次・2次ともに「人間性」「誠実さ」「向上心」といった人物面が重視されます。表面的な模範解答ではなく、自分自身の体験や考えに基づく「語り」が求められるのが特徴です。
次章では、岡山県が面接で具体的にどのような点を評価しているのか、評価基準を詳しく見ていきます。
個人面接の評価基準
岡山県教員採用試験の個人面接では、筆記では見えない「人間性」「誠実さ」「向上心」が重視されます。
以下は、岡山県の面接評価においてとくに重視される8つの観点です。どれも日頃の学びや経験からにじみ出るものであり、一夜漬けで取り繕うことはできません。
評価観点を意識しながら、面接準備を進めましょう。
① 発言の明確さ・的確さ
- 発言内容が簡潔で論理的に整理されており、聞き手にわかりやすく伝わっているか
- 自分の考えに根拠や具体的な事例を交えて説明できているか
- 的外れな返答や曖昧な表現が多くないか
② コミュニケーション能力
- 質問の意図を正確に捉え、相手と丁寧な対話ができているか
- 表情や視線、姿勢を通じて、聞き手に好印象を与える受け答えができているか
- 緊張しても冷静に受け答えができる精神的な安定感があるか
③ 使命感と責任感
- 教職に対する覚悟や情熱が言葉に表れているか
- 子どもの成長に本気で向き合おうとする姿勢があるか
- 難しい課題にも諦めず取り組む「やり抜く力」があるか
④ 誠実さと社会性
- 相手に対する敬意や礼儀正しさをもって受け答えができているか
- 世の中の常識やルールをきちんと理解・遵守できるか
- 自分の考えを押しつけすぎず、対話を通じて柔軟に受け入れる姿勢があるか
⑤ 協調性と柔軟性
- 多様な価値観を理解し、他者と協力して行動する姿勢があるか
- 教職員チームの一員として、学校運営に貢献できる資質があるか
- 予期せぬ出来事にも落ち着いて対応できる柔軟性があるか
⑥ 向上心と意欲的態度
- 自らの課題に気づき、成長に向けて努力し続ける姿勢があるか
- 新しい教育課題や現場の変化にも前向きに取り組む意欲があるか
- 採用後も学び続け、現場で活躍したいという強い気持ちが伝わるか
⑦ 専門的力量(教科・教育実践)
- 志望教科・校種に必要な指導力、学級経営力を備えているか
- ICT活用、合理的配慮、多様な学び方など現代的教育課題への理解があるか
- 実習や現場経験を通じた気づきや工夫を、自分の言葉で説明できているか
⑧ 教育者としての識見と適性
- 教師としての職責や社会的役割を正しく理解しているか
- 岡山県の教育方針や目指す子ども像を踏まえ、自身の考えを語れるか
- 教育的配慮・公平性・人権尊重など、教育現場で不可欠な視点を持っているか
出典元:岡山県教育委員会資料より作成
このように、岡山県教員採用試験では、表面的な受け答えではなく、自分の体験に根ざした言葉で語ることが求められます。そのためには、自分自身の強みや教育観、課題意識などを深く掘り下げ、言語化する準備が不可欠です。
そこで重要となるのが、事前に提出する「自己推薦書(面接カード)」です。次章では、この自己推薦書の役割や記載内容、合否を分ける書き方のポイントについて詳しく解説します。
自己推薦書(面接カード)の重要性
教員採用試験の面接において、面接官が受験者の人柄や考え方を判断するための重要な手がかりとなるのが「自己推薦書=面接カード」です。
岡山県では、事前に提出した自己推薦書の内容をもとに、面接当日の質問や評価が行われるため、単なる書類ではなく、「自分の考えを伝えるための土台」として非常に大きな役割を担っています。
自己推薦書の内容
岡山県教員採用試験では、出願時(電子申請)に以下のような自己推薦書を提出します。

これらの内容は、当日の面接で質問されるポイントに直結しており、「面接の設計図」と言っても過言ではありません。
書き方で合否が分かれることも
同じような内容でも、文章構成や言葉の選び方によって「伝わり方」は大きく変わります。
たとえば以下のような内容は、面接官に「説得力がない」「中身が薄い」と受け取られ、評価につながりにくくなってしまいます。
- 「何を伝えたいか」がはっきりしない曖昧な文章
- 実体験が乏しく、抽象的な表現ばかり
- 志望動機や自己アピールに一貫性がない
そのため、自己推薦書は単に提出すればよいのではなく、「自分らしさ」と「教育観」が明確に伝わる構成で仕上げることが重要です。
より詳しい自己推薦書の書き方やポイントが知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
また、自己推薦書の添削や自己PR・志望動機の相談がしたい方は、下記のnoteも読んでおくといいでしょう。
個人面接の過去問(質問)
岡山県教員採用試験の個人面接では、毎年さまざまな角度から質問が投げかけられます。
なかでも「教員としての適性」「教育に対する考え方」「実践力」などが重視される傾向があります。
ここでは、実際に過去の受験者から報告された質問を抜粋して紹介します。想定外の質問にも柔軟に対応できるよう、「考えの引き出し」を増やしておくことが合格への近道です。
第1次面接の質問項目
- 岡山県を志望する理由は何ですか。
- 教師を志望する理由は何ですか。
- 公務員の中でも教育公務員を志望する理由は何ですか。
- どのような教員になりたいですか。
- 理想の教師像を教えてください。
- 教師のやりがいは何ですか。
- 教師にとって大切なことは何ですか。
- あなたにとって働くうえで大切なことは何ですか。
- 今までの経験から教師として活かせることはありますか。
- これから教師になるうえで身につけたい能力はありますか。
- 教師になって子どもたちに何を一番伝えたいですか。
- 長所と短所を言ってください。
- 長所を教師としてどのように活かしますか。
- 人間関係で気をつけていることはありますか。
- 苦手なタイプの人が先輩教師だったらどうしますか。
第1次試験の面接では、受験者の人柄や教員としての基礎的な資質、教育への情熱が主に問われます。
質問に対しては、具体的なエピソードを交えつつ、誠実な姿勢や前向きな意欲をしっかり伝えましょう。また、自分なりの「教員像」や、なぜ岡山県で教えたいのかといった思いを明確に語れるよう準備することが大切です。
第2次面接の質問項目
- 併願状況を教えてください。
- 併願先を志望する理由は何ですか。
- これまでの受験歴を教えてください。
- 懲罰の有無について教えてください。
- 民間企業への就職は考えていますか。
- 不合格の場合どうしますか。
- 趣味と特技を教えてください。
- ストレス解消法はありますか。
- 友人関係について教えてください。
- 大学での専攻分野・卒論について教えてください。
- 学生時代の部活動は何かやっていましたか。
- アルバイトは何かしていましたか。
- 岡山県の教育施策で知っていることを2つ言ってください。
- 情報モラルの育成についてどのような取組を行うか。
- 子どもと関わるうえで大切にしたいことを教えてください。
- どのような学級づくりをしますか。
- 新学習指導要領の注目点は何ですか。
- GIGAスクール構想について説明してください。
第2次試験の面接では、より実践的な場面や教育現場での対応力、教員としての信念などが評価されます。
自身の体験や具体的な対応例を交えながら、岡山県の教育方針や評価基準と関連づけて答えることがポイントです。また、自分の課題や成長意欲についても、前向きに語る姿勢が好印象につながります。
面接対策を進めるうえで、これらの質問項目について「自分ならどうするか」「どんな考えがあるか」を具体的なエピソードや教育観と結びつけて語る練習をしましょう。
さらに過去問を知りたい方・自己PRや志望動機の相談をしたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
個人面接の対策方法
教員採用試験の面接対策は、早ければ早いほど合格に近づくといっても過言ではありません。
岡山県でも年々、「人物評価」の重要性が増しており、「人柄や教育観」「コミュニケーション能力」などが、筆記以上に重視される傾向があります。
面接対策はいつから始めるべきか?
結論から言えば、出願時(4月頃)から面接を意識し始めるのが理想的です。
採用者数の増加や志願者数の減少により、筆記試験の倍率は緩やかに下がっています。しかし、面接では「この人と一緒に働きたいか」「現場で信頼できるか」が見られます。
つまり、「筆記で高得点を取ったから安心」ではなく、「面接で自分の魅力を伝えきれるか」が合否の分かれ目です。
面接対策で準備すべきこと
以下の内容を段階的に準備することが、合格に直結します。
- 志望動機・自己PRの構成とブラッシュアップ
-
面接官に響く「一貫性と具体性」のある話を構築する
- 面接頻出質問への回答準備
-
実例を交えて、説得力ある返答を準備する
- 教育実習や学校現場での経験の棚卸し
-
自分の「教育観」「子ども観」の根拠として使える
- 岡山県の教育方針・重点施策の理解
-
自分の考えと照らし合わせて語れるようにする
- 模擬面接・話し方トレーニングの実施
-
客観的なフィードバックを受け、改善を重ねる
これらは一夜漬けでどうにかなるものではなく、繰り返し整理・練習する中で「自分の言葉で話せる」レベルに高めていくことが重要です。
自己PR・志望動機の相談がしたい方は、下記のnoteも読んでおくといいでしょう。
早めの準備が合格のカギ
せっかく筆記試験を突破しても、「面接で自分を出し切れなかった」という理由で不合格になってしまうのは、本当にもったいないことです。
だからこそ、時間に余裕のある今のうちから、面接を意識した準備にコツコツ取り組むことが、最終合格の最大のポイントとなります。
より具体的な面接対策の方法や、実践的なテクニックについては、下記の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
まとめ|面接対策は「早め」と「言語化」がカギ
岡山県教員採用試験では、1次・2次ともに個人面接が行われ、人物評価の比重が非常に高まっています。
筆記で点を取っても、面接で「一緒に働きたい人材」と思ってもらえなければ合格は難しいのが現実です。
本記事では、面接の形式、評価基準、自己推薦書の重要性、過去の質問例、そして対策の始め方までを紹介しました。
特に重要なのは、自分の体験や考えを「自分の言葉で伝える力」。これは一夜漬けでは身につきません。出願前から少しずつ準備を始めることで、自信をもって本番に臨めるようになります。
筆記試験の結果だけに安心せず、面接対策を万全にすることが最終合格への最大の近道です。ぜひ、本記事の内容を参考に、自分らしい強みや熱意をしっかり準備し、納得のいく面接にしてくださいね。
面接試験の過去問を知りたい方・自己PRや志望動機の相談をしたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
その他、岡山県教員採用試験の内容は以下の記事でまとめています。

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