教員採用試験の対策というと、つい筆記試験ばかりに意識が向きがちですが、最終合格を決めるのは面接試験の出来次第です。
特に茨城県では、筆記の倍率が低下している一方で、人物評価の比重が高くなっており、面接重視の傾向が年々強まっています。
そこで本記事では、以下のような不安を持つ方に向けて、
👦「面接試験って何が聞かれるの?」
👧「面接試験の対策ってどんな準備をすればいいの?」
茨城県教員採用試験の面接試験に特化した対策ポイントを網羅的に解説します。
最後まで読めば、「何を準備し、どう答えるか」が明確になります。ぜひ、自信を持って面接に臨めるよう、この記事を活用してください。

面接試験の傾向
茨城県教員採用試験の面接は、教員としての適性や人物像を総合的に評価することを目的としています。
茨城県では次の2種目が行われます。
個人面接
| 試験時間 | 25分 |
|---|---|
| 面接官 | 3人 |
| 配点 | 240点 |
模擬授業
| 試験時間 | 10分間 |
|---|---|
| 面接官 | 3人 |
| 配点 | 240点 |
茨城県教員採用試験の面接では、教育への情熱、誠実な人柄、地域社会との連携姿勢、そして子ども一人ひとりに寄り添う力が重視されます。
特に、「茨城県の求める教員像」や「教諭等の資質向上」に関する知見や、自分自身の教育的役割に対するビジョンを問われる傾向があります。
これらを踏まえ、自分が茨城県の教育にどのように貢献できるか、またどんな教員として成長していきたいのかを具体的に語れるように準備しましょう。
面接試験で評価される観点
面接試験の概要を把握した後に、しっかり押さえておきたいのが「評価の観点」です。
茨城県の教員採用面接では、ただ質問に答えるだけでなく、「この人が茨城県の教員としてふさわしいか」を多面的に判断されることになります。
評価項目と着眼点
- 使命感
- 堅実性
- 判断力
- 表現力
- 態度
- 内容
回答内容は「教員像」との接続を意識しよう
どんな質問にも、「自分の経験」+「茨城県が求める教員像・評価観点」を意識して答えることが効果的です。
- 教育実習の工夫 → 子どもに寄り添う姿勢、指導力、意欲
- 部活動やボランティア → 協調性や社会性、責任感
- 地域との関わりの経験 → 地域貢献意識、教職への適性
このように、自分の過去と未来を「教員像の軸」でつなぐことで、面接官に響く深いアピールが可能になります。
ここまでで評価基準とアピールの方向性がわかりました。では実際に、どんな質問がされるのか、次の章で過去の質問例(過去問)をチェックしておきましょう。
面接試験の過去問
茨城県教員採用試験の面接では、「なぜ茨城県の教員を志望したのですか?」という王道の質問から、「困り感のある子どもにどう対応しますか?」「安心できる学級づくりとは?」といった教育現場に即した実践的な質問まで、非常に幅広く問われます。
これらの質問は、あなたの人間性・教育観・課題対応力・地域理解を総合的に見極めるために用意されています。つまり、事前準備の質=面接の評価に直結するということです。
個人面接の質問例
ここでは、過去に茨城県教員採用試験で実際に問われた面接質問を厳選して紹介します。
- 2分程度で自己アピールをしてください。
- ICTを使ってどんな授業をしたいですか。
- 大学生活で一番頑張ったことは何ですか。
- 茨城県を志望した理由は何ですか。
- 友人からどのような人物だと言われますか。
- あなたのこれだけは他の教員に負けないと思う強みをいってください。
- いじめの原因は何だと思いますか。
- 自己PRをしてください。
- 自己申告書の4段階評価で、なぜ2なのですか、理由を教えてください。
- 指導できる部活動はありますか。
- 志望する教科の魅力は何ですか。
- 志望する校種を選んだ理由は何ですか。
- 毎週行われている小テストでクラスの平均点が低いことが問題になっています。朝のHRで小さな努力の積み重ねが大切であることを伝えてください。
- 今日は,隣県の小学生とオンライン交流会を行い,活発に話し合いを行うことができました。このことを帰りの会で指導してください。
- 先輩教員から「あなたが顧問をしている生徒がよく掃除をしてくれるから助かっている」と褒められることがありました。部活動前にその生徒に対して声掛けをしてください。
模擬授業のテーマ
| 小学校 | 主体的・対話的で深い学びの実現へ向けて、単元等の導入場面において、児童が学習の見通しを立てられるように工夫された授業 |
|---|---|
| 中学校 | 主体的・対話的で深い学びの実現へ向けて、単元等の導入場面において、生徒が学習の見通しを立てられるように工夫された授業 |
| 高等学校 | 主体的・対話的で深い学びの実現へ向けて、単元等の導入場面において、生徒が学習の見通しを立てられるように工夫された授業 |
| 養護教諭 | 心身ともに健康で安全な生活態度や習慣の形成に向けて、学級活動やホームルーム活動の導入場面において、児童生徒の健康・安全に関する興味・関心を高めるなど指導の効果を高めるために工夫された授業 |
| 栄養教諭 | 食育の観点を踏まえた学校給食と望ましい食習慣の形成に向けて、学級活動の導入場面において、児童生徒の食に関する興味・関心を高めるなど指導の効果を高めるために工夫された授業 |
👦「面接、何を聞かれるのか分からなくて不安…」
👧「そもそも、どんな準備が必要なのか見当もつかない…」
そんな不安を抱えるあなたに向けて、茨城県教員採用試験の個人面接に特化した対策マニュアルをまとめました。
下記記事の内容(抜粋)
- 過去に実際に出た質問143問(校種・教科を問わず)
- 面接が苦手な人でも使える回答作成テンプレート
- 返答に困る質問に対応する模範回答50選
- コンピテンシー評価型面接の対策ポイント
- 自己PR・志望動機の添削相談サービス付き
福永面接対策に不安がある方は、まずこの1本を読むことをおすすめします。何を準備し、どう答えるかが明確になります。
面接試験の流れと注意点
ここでは、茨城県教員採用試験における第2次試験(面接)当日の流れと注意点を解説します。
本番で実力を発揮するためには、事前に流れを把握し、落ち着いて対応できるように準備しておくことが大切です。
面接試験の流れ
STEP①待機~移動
控室に集合後、自分の番になったら試験教室へ移動する。
STEP②入室~着席
面接官の合図が合ったらノックして入室、荷物を置いて着席します。その後、氏名と受験番号を伝えたら面接が始まります。
STEP③2分PR
最初に2分間の自己アピールがあります。事前に内容を考えておき、当日口頭で発表します。(メモを見ることはできません。)
STEP④口頭試問
主に自己申告書に関する質疑応答
STEP⑤場面・模擬指導
面接の中盤で、一人2分間の場面・模擬指導があります。テーマが発表されるので、1分間で構想、2分間で実演。
STEP⑥口頭試問
主に場面・模擬指導に関する質疑応答
STEP⑦退室
終了後、荷物を持って退室(終了)
面接当日の注意点
- 入退室の礼儀・所作に注意:ノック・挨拶・着席までの流れを練習しておきましょう。
- 受験番号・校種の伝え忘れに注意:開始時に確実に伝えることが求められます。
- 控室も評価の対象と意識を:私語や緊張の乱れが見られないよう、落ち着いた姿勢を心がけましょう。
- 模擬授業・場面指導では柔軟な対応力が重要:模範解答を準備するより、子どもの立場や気持ちを想像した受け答えを心がけましょう。
面接では「知識」よりも「人物・態度・考え方」が見られます。丁寧な準備と落ち着いた対応が、確かな評価につながります。
面接試験対策ポイント
教員採用試験の面接試験対策はできるだけ早く始めることが重要です。
面接試験対策を始めるときのポイントを3つ紹介します。
- 求める教師像を理解する
- 自己分析に時間をかける
- 自己申告書を作り上げる
- 模擬面接で練習を繰り返す
求める教師像を把握する
茨城県教育委員会が、どんな人物を求めているのか知っていますか?
面接は採用者側(茨城県)が求める教師像と、あなたの人物像がどれだけマッチしているかを確認するために行われています。
ここにズレが生じると不合格が確定してしまうので、必ず求める教師像をきちんと把握してから対策してください。
茨城県が求める教師像は以下のとおりです。
- 教育者としての資質能力に優れた、人間性豊かな教師
- 使命感に燃え、やる気と情熱をもって教育にあたることができる活力に満ちた教師
- 広い教養を身に付け、子どもとともに積極的に教育活動のできる指導力のある教師
- 子どもが好きで、子どもとともに考え、子どもの気持ちを理解できる教師
- 心身ともに健康で、明るく積極的な教師



このような人物が欲しい!という採用者側からのメッセージです!必ず理解しましょう。
自己分析に時間をかける
続いて、自分自身をきちんと理解(自己分析)しましょう。
自己分析が不十分だと、面接官を納得させられる語りができないからです。
自分という人間について深く理解し、売り込む経験をしたことなんてないですよね。なので、自己分析をきちんと行って話す内容を考えておかなければ、面接では絶対に上手くアピールすることはできないのです。
コツは求める教師像を自分なりに解釈して、一つずつエピソードを考えること。そうすれば、自分の芯と茨城県が求める人物像とがマッチングしてくるので、あなたの語りに厚みが出てきますよ。
自己PRや志望動機の作成に困っている方は下記の記事を参考にしてください。チャットでの相談や添削サポートをしています!


自己申告書を作り上げる
自己申告書とは、個人面接で使用される資料のことです。氏名や学歴などの基本情報にくわえ、志望動機や自己PRなどを記入して提出します。
- 評価項目ごとに4段階で自己評価してください。
- 教員としての使命感をもち、その役割と職務内容を理解している。
- 人権を尊重しながら、児童生徒とかかわることができる。
- 学校生活の決まりや勤務規制、法令順守などを意識して行動している。
- 自らのストレスと身体の健康を自己管理することができる。
- 言葉遣い、挨拶、礼儀、マナーなどの社会人としての常識を身につけている。
- 相手に合わせた効果的なコミュニケーションをとることができる。
- 自らの取り組みを振り返り、課題を見つけて改善しようとしている。
- 自らの専門性の向上を図ろうと努力している
- ICT活用能力について問う内容
- 授業に必要な資料、学級経営等に必要な文章や資料作成のために、ワープロソフト、表計算ソフト、プレゼンテーションソフトが活用できる。
- 学習状況を把握するために児童生徒の作品・ワークシートなどをコンピュータなどを活用して記録・整理し、評価に活用できる。
- 児童生徒がグループで話し合って考えをまとめたり協働してレポート等を作成したりするなどの学習の際に、コンピュータやソフトウェアなどを効果的に活用することができる。
- プログラミング教育のねらいと内容を理解している。
- コンピュータやインターネットを安全に利用できるように指導するために、情報セキュリティの基本的な知識を身につけている。
- 次の不完全な文章を読み、最初に浮かんだあなたの考えをそのまま書き足して、文章を作ってください。
- 子どものころの私は( )
- 私は( )だけはだれにも負けない
- 家では( )
- 私が悩んでいることは( )
- 私はよく人から( )
- 今まで一番楽しかったのは( )
- 今まで一番努力したことは( )
- 私の夢は( )
- 学校は( )
- 教員は( )
面接試験では、提出する自己申告書に基づいて過去の経歴や経験、志望動機や今後の抱負など幅広く聞かれているので、わかりやすくアピールできる内容を作成しなくてはいけません。
ポイント2で解説したことを踏まえて面接資料を仕上げましょう!



自分では書けていると思っていても、第三者から見れば意味不明な文章って人は多いんですよね…
詳しい書き方やポイントは下記記事を参考にしてください。


模擬面接で練習を繰り返す
最後は、模擬面接を受けて実践力を鍛えましょう。
- 本番特有の緊張感
- 回答に困る深掘りポイント
- 客観的な評価
1人で面接練習をしているだけでは、気が付かない部分がたくさん発見できるからです。
このような観点は一人では判断(評価)できません。なので、最低でも3回は客観的な評価をもらえるような環境で練習してください。



練習相手は友達や家族でもいいですが、できるだけ経験者(予備校やその道のプロ)にみてもらうといいでしょう。
せっかく筆記試験を突破しても、面接で失敗してしまうのは非常に悔しいですよね。そうならないためにも、早めに面接対策を始めましょう。
より具体的な面接対策の方法については、以下の記事を参考にしてください。


面接試験まとめ
茨城県教員採用試験では、面接試験の評価が最終合格を左右する重要な要素になっています。
- 質問の意図を理解し
- 自分の経験と教員像をつなげて語り
- 面接官に伝わる準備を整える
この3点を押さえることで、あなたの魅力をしっかりと伝えられる面接につながります。
まずは、本記事で紹介した質問例や評価観点を参考に、自分なりの答えを考えてみてください。
さらに深く対策をしたい方は、以下の記事で「回答構成のテンプレート」「模範解答」「自己PR・志望動機チェック」などを解説しています。本気で合格を狙う方におすすめの1本です。



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