本記事は、茨城県の公立学校で先生になりたい方に向けて「受験ガイド」を作る気持ちで書きました。
最後まで読めば、茨城県教員採用試験の内容から対策のヒントまで網羅的に理解できます!
敵を知らずして対策を始めてしまうのは、時間の無駄になりかねません。茨城県教員採用試験の合格に向けて、着実に対策を始めていきましょう。

茨城県教員採用試験の主な変更点
2026年度(2025年実施)茨城県教員採用試験の主な変更点は次のとおり。
外部試験(SPI3)による特別選考の新設
一次試験の筆記試験を適性検査(SPI3)に変更して受験できるようになります。

一般選考とは併用できない点に注意が必要です!
教職専門の廃止
第1次試験に実施していた教職専門(教職教養)を廃止します。
これにより、第1次試験の合格者は専門教科の点数で決定となります。
大学3年生受験の対象校種・教科拡大
大学3年生を対象とした前倒し選考の対象が、小学校教諭だけでなく全校種・教科に拡大します。
茨城県教員採用試験の内容
茨城県教員採用試験は一次試験と二次試験の2段階選考となっています。
第1次試験
専門教科・科目
教員採用試験の専門教科・科目は、志望する校種・教科に関する専門的知識を測る筆記試験です。
試験時間 | 90分 |
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問題数 | 教科・科目による |
出題形式 | 択一式(マークシート方式) |
配点 | 300点満点 |
専門教科・科目の出題科目(範囲)は教科・科目によって異なります。
たとえば、小学校なら国語、算数、社会、理科、外国語などが出題されます。社会科なら日本史、世界史、地理、政治、経済、倫理が出題範囲という具合です。
また、教科・科目に関する知識以外にも、学習指導要領や指導方法・指導案に関する問題が出題されることもあります。
専門教科・科目対策のポイント
専門教科・科目は、受験者ごとに学力レベルや知識の差が大きく出やすいので、自分の学力に合った方法での対策が必須です。
たとえば、数学教員を目指す人の中には微分積分を自由に扱える人から、中学数学ですら苦手な人までおり、同じテキストで勉強しても効果がありません。
まずは過去問を自力で解き、現在の実力に合わせて、次のような勉強計画を考えてみましょう。
- 5割以下:基礎がないので中学受験レベルから勉強しなおす
- 7割以下:高校~大学受験レベルで力をつける
- 7割以上:全国の過去問を解いて知識の定着や弱点克服
専門教科・科目を得意とする受験者は多いので、ライバルたちに差をつけられないように、手厚く勉強することが大事です。
より詳しい出題傾向はこちらで解説しています。


適性検査(SPI3)



2026年度(2025年実施)から新設される特別選考で実施されます!
適性検査(SPI3)は、民間企業や一部自治体の採用試験で使われている筆記試験です。
言語問題(国語)と非言語問題(算数)で構成されています。
適性検査(SPI3)は、専門教科・科目に比べると試験範囲が狭く対策しやすいです。しかし、ボーダーラインは高くなりやすいので注意が必要。
第2次試験
個人面接
茨城県教員採用試験の個人面接は、自己PRや志望動機から教職員としての適性や素質、人間性などを評価・判断する人物試験です。
ここ近年の教員採用試験では面接試験が重視されているので、早い時期から面接対策を見据えていきたいところ。
試験時間 | 25分 |
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面接官 | 3人 |
配点 | 240点満点 |
評価基準 | ・使命感 ・堅実性 ・判断力 ・表現力 ・態度 ・内容 |
集団面接とは違い、受験者は自分一人だけなので緊張しやすい形式ですが、他の受験者がいないことから集中でき、自分をアピールしやすいという利点があります。
個人面接の対策方法
頻出の質問に対する回答をある程度準備した後は、予備校等を利用して面接練習を行い、姿勢や話し方などを最適化していきましょう。
1人で練習しているだけでは気付けない点がたくさんあるからです。
たとえば、自分では自然だと思っている仕草が他人には落ち着きがないと映ることがあります。また、話す速度が速すぎたり、声のトーンが単調すぎたりすることに気づかないことも多いです。
こうした点を他人からフィードバックを受けることで、より効果的なコミュニケーションができるようになります。
なんとなく面接練習しているだけでは、自分のどこが良くてどこが悪いのかがわからないことが多いので注意してください。
より詳しい内容や過去の質問例は下記記事でまとめています。


模擬授業
模擬授業は、教師としての指導技術や専門性を評価する人物試験です。
実際の授業のように、一定の時間内で指定されたテーマや教科について教えることが求められます。
試験時間 | 10分 |
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テーマ | 事前にHPで公開 |
配点 | 240点 |
指定されたテーマに沿って、導入から展開にかけての最初の10分間を模擬授業として行います。
その後、模擬授業の内容に関する質疑応答あり。
模擬授業のテーマ
小学校 | 主体的・対話的で深い学びの実現へ向けて、単元等の導入場面において、児童が学習の見通しを立てられるように工夫された授業 |
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中学校 | 主体的・対話的で深い学びの実現へ向けて、単元等の導入場面において、生徒が学習の見通しを立てられるように工夫された授業 |
高等学校 | 主体的・対話的で深い学びの実現へ向けて、単元等の導入場面において、生徒が学習の見通しを立てられるように工夫された授業 |
養護教諭 | 心身ともに健康で安全な生活態度や習慣の形成に向けて、学級活動やホームルーム活動の導入場面において、児童生徒の健康・安全に関する興味・関心を高めるなど指導の効果を高めるために工夫された授業 |
栄養教諭 | 食育の観点を踏まえた学校給食と望ましい食習慣の形成に向けて、学級活動の導入場面において、児童生徒の食に関する興味・関心を高めるなど指導の効果を高めるために工夫された授業 |
- 単元等の指定はありません。
- 模擬授業に持ち込み可能なものは、「模擬授業メモ(A4用紙1枚)」のみで、スマートフォンやタブレット等の電子機器、掲示物等の持ち込みは不可です。
- 模擬授業メモを見ながら、模擬授業を行っても構いません。模擬授業メモの用紙はA4サイズに限ります。内容は、指導案や板書計画、教材等のコピーなど自由です。
模擬授業対策のポイント
模擬授業では、正確な知識を与える授業を行うことは重要ですが、それよりもどのように子供の興味・関心を高めることができるか、という部分が大事です。
塾や予備校のようなやや強引な展開で授業を進める人もいますが、学校での授業では、子供とのやり取り・掛け合いが非常に重要。発問や質問を重ねて、クラス全体で授業を「つくっていく」ことを意識して準備しましょう。
集団活動
集団活動は、テーマに沿って意見交換をしたり、発表したりする人物試験です。
集団行動を通して、コミュニケーション能力やチーム内での役割の果たし方などを総合的に評価します。
試験時間 | 60分間 |
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人数 | 1グループ4人程度 |
配点 | 240点 |
テーマ例 | 特別支援学校高等部生の進路実現につなげるため、企業に対して特別支援学校の取り組みを伝えるポスターを作成してください。 |
集団活動対策のポイント
集団活動では、説得力のある発言を心がけることです。
具体的には、自分の意見を言うときは、「こう思う」というだけでなく、「こういう理由だから、こう思う」と自分の経験や事例を交えて話す練習をしてください。
根拠のない発言を繰り返しても、討論になりませんし、適当なことを言っていると評価を下げかねません。
また、他の人が何を言っているか聞くのも重要。前の人が言ったことをきちんと受け止めながら、自分の意見を話せるように準備しましょう。
実技試験
茨城県教員採用試験の実技試験は、専門的技能や実践的能力があるかどうかを評価・判断する人物試験です。
専門知識の有無だけでなく、児童生徒に知識を伝えるための教育的なアプローチや方法論も重要視されます。
中学校、高校のうち、以下の教科の受験者が対象です。
- 音楽
- 美術
- 書道
- 保健体育
- 技術
- 家庭
- 英語
実技試験のテーマ
中学校 | 音楽 | ・新曲視唱 ・簡易伴奏づけ ・ピアノによる弾き歌い(歌唱共通教材) |
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美術 | デッサン | |
技術 | 製作(LEDライト)とはんだ付け | |
家庭 | ・製作(ファイルカバー) ・調理(酢のもの) | |
保健体育 | ・陸上(ハードル) ・球技(バレーボール又はバスケットボール) ・武道(柔道又は剣道) ・ダンス | |
高校 | 音楽 | ・新曲視唱 ・リズム視奏(リズム打ち) ・ピアノによる弾き歌い(高等学校教科書掲載の楽曲程度) |
美術 | 鉛筆デッサン | |
書道 | 臨書と創作(半切を含む) | |
保健体育 | ・陸上(ハードル) ・球技(バレーボール又はバスケットボール) ・武道(柔道又は剣道) ・ダンス | |
家庭 | ・被服(ショートパンツとポケットの標本作成) ・調理(ポテトサラダ) |
実技試験対策のポイント
何ができて、できていないのかを早めに把握するようにしましょう。そのうえで出来るように少しずつ技能を磨いていくことが最適解です。
また、自己評価だけでなく、指導者や同僚からフィードバックをもらうことで、自分では気づかない改善点を発見することができます。
なお、課題に沿って完璧にできることにくわえて、熱意や意欲、態度なども評価対象です。そのため、実際の試験では面接と同じように楽しくできるように練習してください。
茨城県教員採用試験に関するFAQ
茨城県教員採用試験に関するFAQ(よくある質問)をまとめています。
試験概要編
試験日程編
試験対策編



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