教員採用試験の対策というと、つい筆記試験ばかりに意識が向きがちですが、最終合格を決めるのは面接試験の出来次第です。
特に広島県では、筆記の倍率が低下している一方で、人物評価の比重が高くなっており、面接重視の傾向が年々強まっています。
そこで本記事では、
👦「面接試験って何が聞かれるの?」
👧「面接試験の対策ってどんな準備をすればいいの?」
といった不安を持つ方に向けて、広島県教員採用試験の面接試験に特化した内容を網羅的に解説します。
最後まで読めば、「何を準備し、どう答えるか」が明確になります。ぜひ、自信を持って面接に臨めるよう、この記事を活用してください。

面接試験の概要
広島県教員採用試験の面接は第2次試験に行われ、教員としての適性や人物像を総合的に評価することを目的としています。
個人面接
試験時間 | 25分間 |
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面接官 | 3人 |
実施形式 | 口頭試問 |
配点 | A~Fの6段階評価 |
広島県教員採用試験の個人面接では、教育への情熱、誠実な人柄、地域社会との連携姿勢、そして子ども一人ひとりに寄り添う力が重視されます。
特に、「広島県教育委員会が定める求められる教職員像」や「教職員に期待される役割と具体的な行動例」に関する知見や、自分自身の教育的役割に対するビジョンを問われる傾向があります。
これらを踏まえ、自分が広島県の教育にどのように貢献できるか、またどんな教員として成長していきたいのかを具体的に語れるように準備しましょう。
アンケート(面接カード)の重要性
広島県教員採用試験の面接では、「アンケート(面接カード)」が面接官の主な質問のベースとなります。
つまり、単なる事前提出資料ではなく、あなたの人物像や教育観、教員としての適性を伝える“自己プレゼンの土台”となる非常に重要な書類です。
面接官は、提出されたアンケートを読み込んだうえで質問を展開するため、記載内容の一貫性と、根拠ある具体的なエピソードが求められます。
提出期日と注意点
提出期日 | 第2次試験日に提出する。 |
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記入方式 | PC入力・手書き自由 |
注意点 | 字の乱れ、誤字脱字、記載漏れに注意し、必ず下書きを完成させてから清書する。 |
アンケートの内容

提出様式は年度ごとに若干変更されることがあります。必ず最新版の指定様式を使用し、指示に従って記入してください。
アンケートの書き方
志望動機 | 広島県では、「子どもたちの可能性を信じ、未来を切り拓く人づくり」を掲げており、地域と連携しながら教育を進める姿勢が重視されます。したがって、広島県の教育施策(例:『夢を育み 未来を拓く ひろしまの教育』)や、地域社会とのつながりを意識した記述を取り入れると、説得力が大きく高まります。 | 広島県を選んだ理由を明確に!
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自己PR | 単なる性格の列挙にとどまらず、「どんな経験からその強みを得たのか」「その強みが教員としてどう活かせるのか」を明確にしましょう。広島県が求める教職員像(例:実行力、粘り強さ、協調性など)に照らして、自己PRの中でその資質が表れていることが伝わると効果的です。 | 具体的なエピソードと結び付ける
教育観等 | 教育実習やボランティア、支援活動など、現場での経験をもとに、「子どもにどう関わり、何を大切にしているのか」を語りましょう。特に、子ども一人ひとりの個性に寄り添う姿勢や、多様性への理解、教育的配慮をどのように実践してきたかを、自分の体験を通して具体的に伝えることが評価されます。 | 価値観を示しながら実践性を伝える
面接官は、自己アピール書の記載内容を読み込んだうえで、質問を展開します。そのため、面接で語る内容とアンケートの記述が矛盾しないように準備することがとても重要です。
アンケートの記入ポイントや、採用担当者の視点でのチェックリストについては、以下の記事で詳しく解説しています。

面接試験で評価される観点
アンケート(面接カード)を丁寧に書き上げたら、次に意識すべきなのが「面接で評価される観点」です。
広島県の面接では、単に質問に答えられるだけでは不十分で、「この人が広島県の教員としてふさわしいか」を多面的に評価されることが合格の鍵となります。
評価の枠組み
面接官は、以下の観点に基づいてA~Fの6段階で総合評価を行います。
この評価軸を知ることで、自分のアピールポイントや弱点を事前に整理することができます。
指導力 | ・児童・生徒の考えを引き出そうとしているか ・児童・生徒に見通しを持って学習させようとしているか ・児童・生徒の自らの考えを深めさせようとしているか ・発達段階に応じた指導となっているか ・児童・生徒を引き付ける表情や動作ができているか |
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表現力 | ・相手に伝わるように動作・言葉等を工夫しているか ・児童・生徒を引き付ける表現ができているか ・主旨が簡潔・的確で話すことに統一性があるか ・話に気迫・説得力はあるか ・音声は明瞭で流ちょうか ・用語は適切か |
専門性 | ・教科指導に関する基礎的能力はあるか ・適切な学級経営が期待できるか ・生徒指導に意欲的に取り組むことが期待できるか |
教育的愛情 使命感 | ・児童・生徒に対する深い愛情を持っているか ・教育に対する熱情を持っているか ・教育者としての使命・責任を自覚しているか |
倫理観・人間性 | ・誠実で責任感は強いか ・忍耐力があり、しっかりしているか ・意志は強いか ・信頼される人物か |
柔軟性 | ・児童・生徒を正しく理解し、柔軟に対応できるか ・最近の教育課題を的確にとらえているか ・日頃から研究・修養に努めているか |
コミュニケーション能力 | ・質問内容を正しく理解できるか ・適切な判断を下せるか ・反応が早いか |
積極性 意欲 | ・活気があるか ・正しいと思うことは実行に移す行動的な性格か ・人が好まないような仕事でも進んで解決しようとする気迫があるか ・困難な状況を克服できる性格か |
協調性 協働性 | ・温和で円満な感じを与えるか ・ものの見方、考え方に独断的なところがないか ・他人の意見を取り入れ、指導・統率できるか |
態度 | ・動作・態度は適切か ・全体の態度が落ち着いているか ・明るく表情豊かであるか ・服装・髪型は適切か ・礼儀や姿勢はよいか ・真面目に応答しているか |
「経験 × 広島県の評価観点」で構成しよう
面接では、どんな質問にも「自分の経験」+「上記の評価観点に通じる力」をセットで語ることが効果的です
- 教育実習の失敗 → 粘り強さ・柔軟性をアピール
- ボランティア経験 → 教育的愛情・コミュニケーション力をアピール
- 困難を乗り越えた経験 → 専門性・積極性・人間性をアピール
面接の準備では、自分の体験を評価基準に照らして言語化しておくことで、「評価されるべきポイントを、正しく伝える」ことが可能になります。
面接試験の過去問(質問)
広島県教員採用試験の個人面接では、「教員を目指した理由は何ですか?」みたいなベタな質問から、『「チーム学校」にどのように取り組んでいきますか。?』といった、教員採用試験ならではの質問まで幅広く聞かれています。
ここでは、実際の面接試験で聞かれた過去問(質問例)を抜粋して紹介します。
質問例
- 学校で行っている新型コロナウイルスの対策についてどう思いますか。
- 学校で新型コロナウイルスのクラスターを発生させないために、こうした方が良いと思うことはありますか。
- 「チーム学校」にどのように取り組んでいきますか。
- 10年後の自分について教えてください。
- あなたの教員に向いていると思うところはどこですか。
- アルバイトの内容と学んだことを教えてください。
- アルバイト経験で今後活かせることはありますか。
- いじめを発見したら担任としてどうしますか。
- コロナ対策で教師が疲弊しているニュースを聞いてどう思いますか。
- 一番初めの授業で、何を伝えたいですか。
- 今まで頑張ったことは、教職にどう活かせますか。
- あなたのセールスポイントを教えてください。
- あなた自身が学生時代の部活動で得たものは何ですか。
- あなた自身が部活動で壁にぶつかったことはありますか。
- アンケートに書いてあること以外で、気になる施策はありますか。
- いじめについてどう思いますか。
- いじめの解決策は何かありますか。
- 今までの経験で、挫折を乗り越えた経験を教えてください。
👦「面接、何を聞かれるのか分からなくて不安…」
👧「そもそも、どんな準備が必要なのか見当もつかない…」
そんな不安を抱えるあなたに向けて、広島県教員採用試験の個人面接に特化した対策マニュアルをまとめました。
下記記事の内容(抜粋)
- 過去に実際に出た質問203問(校種・教科を問わず)
- 面接が苦手な人でも使える回答作成テンプレート
- 返答に困る質問に対応する模範回答50選
- コンピテンシー評価型面接の対策ポイント
- 自己PR・志望動機の添削相談サービス付き

面接対策に不安がある方は、まずこの1本を読むことをおすすめします。何を準備し、どう答えるかが明確になります。
面接試験の対策時期
教員採用試験の面接対策は、早ければ早いほど有利です。
特に近年の広島県では、筆記試験の倍率が下がる一方で、面接試験の重要性が増しており、人物評価の比重が明らかに高まっています。
「筆記試験の後に少し面接練習すれば大丈夫」と思っていると、合格ラインに届かない可能性もあります。
遅いと落ちる可能性が高まる
広島県では、合否判定において面接・人物評価の比重が高い傾向があります。
採用者数の増加や志願者の分母の減少により、筆記試験の競争率が落ちている一方、面接で“誰を採るか”を厳密に判断する傾向が年々強まっています。
つまり、「筆記高得点=安心」ではなく、「面接でどう見せるか」が勝負どころなのです。
面接対策はいつから始めるべきか
結論、出願(4月〜)と同時に面接も意識し始めることです。
最低でも、筆記試験の1〜2ヶ月前には、以下のような準備を始めておくことをおすすめします。
- 志望動機・自己PRの構成とブラッシュアップ
- アンケート(面接カード)の下書き・修正
- 面接でよく出る質問への答えの準備
- 教育実習や指導経験の棚卸し
- 広島県の教育方針・特色の理解
- 模擬面接・話し方トレーニング
これらは短期間で一夜漬けできる内容ではありません。日常的に準備を進めることで、「あなたらしい言葉」で語れる回答が完成していきます。
👦「面接、何を聞かれるのか分からなくて不安…」
👧「そもそも、どんな準備が必要なのか見当もつかない…」
そんな不安を抱えるあなたに向けて、広島県教員採用試験の個人面接に特化した対策マニュアルをまとめました。
下記記事の内容(抜粋)
- 過去に実際に出た質問203問(校種・教科を問わず)
- 面接が苦手な人でも使える回答作成テンプレート
- 返答に困る質問に対応する模範回答50選
- コンピテンシー評価型面接の対策ポイント
- 自己PR・志望動機の添削相談サービス付き



面接対策に不安がある方は、まずこの1本を読むことをおすすめします。何を準備し、どう答えるかが明確になります。
早めに準備が合格のカギ
せっかく筆記試験を突破しても、面接でうまく自分を伝えられずに不合格になるのは非常に悔しいことです。
だからこそ、まだ時間に余裕のある今のうちに、基本的な準備から少しずつ着手することが最大の面接対策になります。
なお、より具体的な面接の対策方法は下記の記事で解説しています。


面接試験まとめ
広島県教員採用試験では、面接試験の評価が最終合格を左右する重要な要素になっています。
- 質問の意図を理解し
- 自分の経験と教員像をつなげて語り
- 面接官に伝わる準備を整える
この3点を押さえることで、あなたの魅力をしっかりと伝えられる面接につながります。
まずは、本記事で紹介した質問例や評価観点を参考に、自分なりの答えを考えてみてください。
さらに深く対策をしたい方は、以下の記事で「回答構成のテンプレート」「模範解答」「自己PR・志望動機チェック」などを解説しています。本気で合格を狙う方におすすめの1本です。


合格のために、今できることを一つずつ着実に進めていきましょう。
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