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群馬県教員採用試験の個人面接対策|頻出質問・場面指導を完全攻略

群馬県教員採用試験の面接対策

「群馬県教員採用試験、個人面接はどんなことが聞かれるんだろう…」

「場面指導って難しそうだな…」

二次試験を控えて、多くの受験者の方がこうした不安を抱えているのではないでしょうか。

結論からお伝えしますね。
群馬県教員採用試験の個人面接で合格を勝ち取るために最も重要なのは、「群馬県が目指す教育」を深く理解し、それを自分の言葉で語れるか、という点に尽きます。

なぜなら、群馬県教員採用試験の面接は、単にあなたの経歴やスキルを確認するだけの場ではないからです。

面接官は、あなたが「群馬県の求める教師像」に合致する人材か、そして「群馬県教育ビジョン」を理解し、未来の子供たちのために共に汗を流してくれる仲間かを、対話を通して見極めようとしています。

この記事では、過去の質問傾向はもちろん、その背景にある県の教育方針までを徹底的に分析しました。

読み進めることで、面接官が本当に知りたいことを理解し、自信を持って「群馬県の先生になりたいです!」とアピールできるようになりますよ。

この記事は、令和8年度(2025年実施)試験の合格を目指す方向けの内容です。最新の「選考方針」に加え、昨年度までの試験データを基に分析・解説しています。

目次

群馬県教員採用試験|個人面接の基本情報

面接対策を始める前に、まずは「いつ」「どのような形式で」試験が行われるのか、そして「どのくらい重要なのか」を正確に把握しておくことが大切です。

試験日程

第二次選考の面接試験は、以下の期間中のいずれか1日で実施されます。

2025年8月25日(月)~9月5日(金)

日程は県教育委員会から指定され、受験者が選ぶことはできません。

一次試験の合格通知で自分の試験日をしっかり確認し、万全の体調で臨めるように準備しておきましょう。

面接形式

群馬県の個人面接は、1日に2回に分けて実施されるのが大きな特徴です。

  • 試験時間:各回 約20分
  • 面接官:2名
  • 実施回数:1人あたり2回

1回目の面接では自己PRや教員としての資質に関する質問、そして「場面指導」が課されます。

そして2回目の面接では、主に「なぜ群馬県なのか」といった志望の熱意を深く問われる傾向にあります。各回の詳しい内容は、後の見出しでじっくり解説しますね。

配点と評価

「個人面接は、合否にどれくらい影響するの?」と疑問に思う方も多いでしょう。

結論として、極めて重要です。

以下の第二次選考の配点表を見てください。

募集区分(教科)①面接総合(個人+集団)②実技総合点
小学校・中学校教員(国・数・社・理など)600点600点
中学校教員(音・美・保体・英など)600点100点700点
高等学校教員(音・美・保体・英など以外)600点600点
高等学校教員(音・美・保体・英など)600点200点800点
特別支援学校教員600点600点
養護教員600点600点

※「令和8年度採用 群馬県公立学校教員選考試験の配点及び選考基準について」を基に作成

この表からわかるように、個人面接(400点)と集団面接(200点)を合わせた「面接総合」の配点は600点にもなります。 実技試験がない校種・教科では、この面接の評価がそのまま最終的な評価に直結すると言っても過言ではありません。

さらに、選考基準には「面接総合」と「実技」でランク分けを行い、Dランクの評価を受けた場合は選考から除外されると明記されています。

つまり、筆記試験や実技試験でどんなに高得点を取っていても、面接で一定の評価を得られなければ合格はない、ということですね。

群馬県が求める3つの教師像を読み解く

個人面接の評価は、面接官の主観で決まるわけではありません。明確な評価基準があり、その根幹をなすのが「群馬県が求める教師像」です。

面接官は、あなたの回答の一つひとつを、この「求める教師像」に照らし合わせながら、「この人は、群馬県の先生としてふさわしいだろうか?」と見ています。

ですから、この3つの教師像を深く理解し、自分の経験や考えと結びつけて語ることが、合格への絶対条件となるのですね

ここでは、募集要項に示された3つの柱を一つずつ丁寧に読み解いていきましょう。

【引用】 群馬県はこのような先生を求めています!

  1. 子供たちと共に成長し続ける教員
  2. 豊かな人間性とコミュニケーション能力を有する教員
  3. 幅広い視野と高い専門性を有する教員
出典:令和8年度採用群馬県公立学校教員募集要項

① 子供たちと共に成長し続ける教員(伴走者、失敗を恐れない心)

これは、「教員は子供に教えるだけ」という一方通行の関係ではなく、子供の可能性を信じ、同じ目線で一緒に走り、成長していく「伴走者」としての姿勢を求めている、ということです。

特に注目したいのが「失敗を恐れない心」という言葉です。

これは、子供たちが挑戦して失敗することを恐れないように励ますだけでなく、教員自身も新しいことや困難なことに前向きに取り組む姿勢を示しています。

【面接でのアピールポイント】

  • あなたの成功体験だけでなく、「失敗から何を学んだか」という経験を語る。
  • サークル活動やボランティア、アルバイトなどで、後輩や仲間の挑戦をサポートした経験を具体的に話す。

② 豊かな人間性とコミュニケーション能力を有する教員(組織の一員、地域連携)

教員の仕事は、一人で完結するものではありません。学年団の先生方、管理職、事務職員、そして保護者や地域の方々など、多くの人との連携・協力が不可欠です。

ここで重要なのは、「組織の一員としての自覚」と「保護者や地域、関係機関等と連携・協働することができる」という点です。

多様な考え方を持つ人たちと円滑な人間関係を築き、チームとして子供たちの教育にあたる力が求められていますね。

【面接でのアピールポイント】

  • チームで目標を達成した経験(部活動、文化祭、ゼミ活動など)を話す。
  • その中で自分が果たした役割(リーダー、調整役、縁の下の力持ちなど)を明確にする。
  • 意見が対立した際に、どのように合意形成を図ったかというエピソードを語る。

③ 幅広い視野と高い専門性を有する教員(たくましく生きる力、学び続ける姿勢)

これは、教科指導の専門知識はもちろん、情報化やグローバル化といった社会の変化に対応し、自らの専門性を常にアップデートし続ける「学び続ける姿勢」を指します。

そして、その専門性を活かして、子供たちに「たくましく生きる力」を育むことが最終的な目標です。

これは、単にテストの点数が取れる力だけではなく、変化の激しい社会を、自分で考え、判断し、たくましく生きていくための総合的な人間力のことですね。

【面接でのアピールポイント】

  • 大学で専門的に学んだ内容を、どのように子供たちに分かりやすく伝えたいかを語る。
  • 教育に関するニュースや社会問題(GIGAスクール構想、多文化共生など)に関心を持ち、自分なりの考えを持っていることを示す。
  • 採用後も学び続けたいこと、挑戦したいことを具体的に話す。

【重要】教育ビジョンのキーワードを自分の言葉で説明できるようにする

ここまで3つの教師像を見てきましたが、これらの根底に流れる最も重要な理念が「群馬県教育ビジョン」です。

特に、その中で核となる2つのキーワード「エージェンシー」「ウェルビーイング」は、必ず自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。

福永

そのまま使っても意味ないからね!

これができると、面接官に「この受験生は、群馬県の教育を本質的に理解しているな」と強い印象を与えることができます。

エージェンシー(Agency)とは?

難しく聞こえますが、要は「自分の人生や社会をより良くするために、自ら考えて行動する力」のことです。

群馬県はこれを「自分と他者を尊重した上で、課題を自分事化し、自ら考え、判断して責任ある行動をとろうとする意志の強さ」などと定義しています。

面接では「やらされ感で勉強するのではなく、子供たちが『もっと知りたい!』『こうすれば良くなるかも!』と主体的に学びに向かう力を引き出すのがエージェンシーの育成だと考えます」のように、具体的に語れると良いですね。

ウェルビーイング(Well-being)とは?

これは、単なる「幸せ」や「健康」とは少し違います。

ポイントは「自分も、周りのみんなも」そして「今だけでなく、将来的にも」心と体、そして社会的に良い状態であることです。

面接では「私一人が頑張るのではなく、クラスの誰もが安心して自分らしさを発揮でき、お互いを認め合える。そんなウェルビーイングな学級を作りたいです」といった形で、あなたの目指す教育と結びつけることができます。


これらのキーワードは、ただ暗記するのではなく、「自分なら、子供たちのエージェンシーをどう育てるか」「自分の学級をウェルビーイングな空間にするために何ができるか」を具体的に考えておくことが、何よりも強力な面接対策になります。

【過去問付】個人面接(1・2回目)の頻出質問と対策

個人面接は2回に分けて実施されますが、それぞれで問われる内容の力点が異なります。

ここでは、1回目と2回目それぞれの特徴と、頻出質問、そして効果的な回答のポイントをまとめて解説します。

1回目の面接|「あなた自身」と「教員としての資質」が問われる

1回目の面接は、自己PRや志望動機といった、あなた自身に関する基本的な質問と、教員としての対応力を試される「場面指導」で構成されています。

どちらも、先ほど解説した「求める教師像」を体現できているかが評価の軸になります。

定番の質問と回答のポイント

まずは、あなたの人柄や教員への熱意を探るための定番質問です。

  • 1分間(または30秒)で自己PRをしてください。
  • 教員を志望する理由は何ですか。
  • あなたの長所と短所を教えてください。
  • 今までに挫折した経験と、それをどう乗り越えたか教えてください。

回答のポイント

あなたの経験と「群馬県の求める教師像」を結びつけて語ることが最も重要です。

「結論→エピソード→学び→教職への貢献」の順で、自分の経験が県の求める資質(例:伴走者、コミュニケーション能力など)にどう繋がるのかを具体的にアピールしましょう。

場面指導の対策(過去テーマ例と乗り切り方)

1回目の面接の山場が、この「場面指導」です。その場で与えられたテーマに対し、1分間で構想を練り、4分間で実演します。

  • (生徒指導)授業中に騒がしい児童にどう指導するか。
  • (人間関係)障害のある子に強く当たる子にどう指導するか。
  • (保護者対応)「部活動ばかりで勉強しない」という相談にどう対応するか。

どんなテーマにも応用できる思考のフレームワークがあります。

  1. 【受容・共感】 まず、相手の気持ちを受け止める。
  2. 【背景の探求】 なぜそうなったのか、一緒に考える。
  3. 【気づきの促進】 どうすればいいか、本人に考えさせる。
  4. 【継続的な関わり】 今後も寄り添う姿勢を見せる。

この4ステップは、群馬県が目指す「子供に寄り添い、共に成長する伴走者」としての資質を示すための有効な型です。

この流れに沿って考えを整理する練習を繰り返しましょう。

2回目の面接|「なぜ群馬か」の覚悟と熱意が試される

2回目の面接は、1回目の内容を踏まえつつ、より深く「あなたの覚悟」を問う場です。

「数ある自治体の中で、なぜ群馬県で教員になりたいのか」という点を、面接官は厳しくチェックしています。

ここで説得力を持たせる鍵も、やはり「群馬県教育ビジョン」への共感です。

「なぜ群馬県か」志望度を測る質問への準備

  • なぜ群馬県を志望したのですか。
  • 首都圏ではなく、なぜ群馬県なのですか。
  • 併願状況を教えてください。
  • もし併願先も合格したら、どうしますか。

回答のポイント

これらの質問には、正直に、しかし戦略的に答える必要があります。

「自然が豊かだから」「実家から近いから」といった理由だけでは、「群馬県でなくても良いのでは?」と思われてしまいます。

回答の核に据えるべきは、「群馬県の教育方針に強く共感し、自分のやりたい教育がここでこそ実現できると確信しているから」という熱意です。

【回答例:なぜ群馬県か?】

「私が群馬県を強く志望する理由は、県が掲げる『エージェンシー』の育成という教育ビジョンに深く共感したからです。(①結論+教育ビジョンへの言及)

「私は大学の教育実習で、子供たちが指示待ちになるのではなく、自ら課題を見つけて学ぶ楽しさを知った時に、目を輝かせる姿を目の当たりにしました。(②自身の経験)

「ただ知識を教えるだけでなく、子供一人ひとりの『やってみたい』という意志を尊重し、社会をより良くするために行動できる力を育むという群馬県の明確な方針は、私が理想とする教育そのものです。(③方針と理想の一致)

「もし他の自治体と両方合格した場合でも、私のこの想いを実現できるのは群馬県だけだと確信しておりますので、迷わず群馬県で教員として働く道を選びます。(④覚悟のアピール)

勤務地やキャリアに関する質問への考え方

  • 勤務地の希望はありますか。僻地での勤務は可能ですか。
  • 担当する学年の希望はありますか。
  • 今後、別の校種や教科の免許を取る気持ちはありますか。

回答のポイント

これらの質問に対しては、「柔軟な姿勢」「貢献意欲」を示すことが重要です。

特定の希望を述べても構いませんが、「しかし、県の教員として、与えられた場所で全力を尽くす覚悟があります」と付け加えるのが賢明です。

「どんな環境でも、子供たちのために貢献したい」「常に学び続け、自分の専門性を高めていきたい」という「求める教師像①③」の姿勢をアピールしましょう。


より詳しい過去の質問項目や対策のポイントを下記の記事でまとめています。あわせてご覧ください。

他の受験生と差をつける!合格を確実にするために必要なこと

ここまでの対策で、個人面接を突破する力は十分に身についているはずです。

最後に、さらに評価を高め、面接官に「ぜひ採用したい!」と思わせるための、2つの追加アクションをご紹介します。

ちょっとした心がけですが、あなたの熱意や人間性を伝える上で、非常に効果的ですよ。

面接官に響く「逆質問」の作り方

面接の最後に「何か質問はありますか?」と尋ねられる「逆質問」の時間は、絶好のアピールチャンスです。

「特にありません」と答えてしまうのは、非常にもったいないですね。

単なる疑問解消の場ではなく、あなたの学習意欲や、群馬県の教育施策への関心の高さを示す機会だと捉えましょう。

【良い逆質問の例】

「子供たちのエージェンシーを育むために、先生方自身が主体的に学び続ける姿勢が重要だと感じました。貴県では、若手の教員が学びを深めるために、どのような研修やサポート体制に力を入れていらっしゃいますか?」

「『働き方改革』を進められていると伺いました。先生方が子供たちと向き合う時間をより多く確保するために、ICTの活用などで特に成果を上げている事例があれば、ぜひお聞かせいただきたいです。」

【NGな逆質問の例】

  • 調べればわかる質問:「二次試験の合格発表はいつですか?」
  • 待遇に関する質問:「お給料やボーナスはいくらですか?」
  • 漠然とした質問:「職場の雰囲気はどうですか?」
  • ネガティブな質問:「先生方の残業は多いのでしょうか?」

これらのNG質問は、「調査不足」「自己中心的」といったマイナスの印象を与えかねません。ぜひ、あなたならではの視点で、熱意の伝わる逆質問を1〜2つ準備しておきましょう。

意外と見られている入退室のマナーと身だしなみ

面接の内容が最も重要なのは言うまでもありません。しかし、入室から退室までの一連の立ち居振る舞いも、面接官は意外とよく見ています。

清潔感のある身だしなみや、ハキハキとした態度は、教員として子供や保護者の前に立った時の「信頼感」に直結するからです。以下の点を、本番前に改めて確認しておきましょう。

【マナー チェックリスト】

  • □ 身だしなみ: 清潔感のあるスーツと髪型か。シャツにシワはないか。靴は磨かれているか。
  • □ 入室時: ドアを3回、ゆっくりノックする。「どうぞ」の声が聞こえてから、「失礼します」と言って入室する。面接官の方を向き、明るい声で挨拶し、丁寧にお辞儀をする。
  • □ 着席時: 椅子の横に立ち、受験番号と氏名を名乗る。「お座りください」と勧められてから、「失礼します」と言って着席する。背筋を伸ばし、良い姿勢を保つ。
  • □ 面接中: 質問者の目を見て、笑顔を意識しながらハキハキと話す。他の面接官にも視線を配る。相槌を打ち、真剣に聞く姿勢を示す。
  • □ 退室時: 面接終了を告げられたら、「本日は、貴重なお時間をいただき、ありがとうございました」と座ったままお礼を言う。立ち上がって再度丁寧にお辞儀をし、ドアの前で面接官の方に向き直り、「失礼します」と一礼してから退室する。ドアは静かに閉める。

一連の動作をスムーズに行えるように、事前に何度かシミュレーションしておくと安心ですね。自信のある態度は、あなたの回答をさらに説得力のあるものにしてくれますよ。


今回は個人面接の対策に絞ってお伝えしましたが、他の面接試験も含めた総合的な対策は、こちらの記事で詳しく解説しています。

まとめ:自信を持って、「群馬県の先生」としての自分を語ろう

今回は、群馬県教員採用試験の個人面接対策について、基本情報から具体的な質問対策、そして他の受験生と差をつけるためのコツまで、詳しく解説してきました。

最も大切なことは、もうお分かりですね。

小手先の面接テクニックを覚えることではなく、「群馬県がどんな教育を目指しているのか」を心から理解し、情熱を持って語ることです。

  • 「子供たちと共に成長し続ける教員」(伴走者)
  • 「豊かな人間性とコミュニケーション能力を有する教員」(協働)
  • 「幅広い視野と高い専門性を有する教員」(探究)

この「求める教師像」の3つの柱と、その根底に流れる「エージェンシー」「ウェルビーイング」というキーワード。これらをあなた自身の経験や言葉と結びつけられたとき、あなたの言葉は初めて、面接官の心に響く力強いメッセージとなります。

面接官は、あなたを試すため、落とすためにいるのではありません。「子供たちと共に 未来へ向かってはばたく群馬県の先生」、つまり未来の素晴らしい同僚を探しています。

完璧な模範解答を話す必要はありません。少し言葉に詰まっても大丈夫です。大切なのは、あなたの教育への情熱、子供たちへの想い、そして「なぜ群馬の教育に貢献したいのか」という真摯な気持ちを、自信を持って伝えることです。

この記事が、あなたの不安を少しでも和らげ、自信を持って本番に臨むための一助となれば幸いです。

もし、「もっと多くの過去問や回答例を見てみたい」「自分の回答を添削してほしい」と感じたら、一歩踏み込んだ対策を取り入れるのも非常に有効です。

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