兵庫県教員採用試験で最終合格をつかむためには、二次試験、特に「模擬授業・個人面接」の対策が合否を分けると言っても過言ではありません。
この記事では、兵庫県の教員採用試験の二次試験に特化し、
- 個人面接と模擬授業の概要と評価基準
- 過去に出題された個人面接の質問40選
- 兵庫県が本当に求める教師像
- 今すぐ始められる具体的な対策法
これら全てを、これまでの傾向や教育委員会の資料に基づいて徹底的に解説していきますね。
「何から対策すればいいかわからない…」という方も、この記事を読めば二次試験の全体像が掴め、自信を持って本番に臨めるようになります。一緒に頑張りましょう!
兵庫県教員採用試験の二次試験が重要な理由
まず、なぜ兵庫県の二次試験が重要なのか、配点から見ていきましょう。
| 試験区分 | 配点 |
|---|---|
| 模擬授業 | 120点 |
| 個人面接 | 180点 |
| 実技試験 (対象者) | 100〜150点 |
| 合計 | 300点(+実技点) |
ご覧の通り、模擬授業と個人面接だけで合計300点という非常に高い配点が設定されています。しかも、一次試験の結果は最終合否に関係しないため、この二次試験の成績がそのまま合否に直結するのです。
最終合否は、第1次選考試験の成績に関わらず第2次選考試験の成績のみで判定します。
令和8年度兵庫県公立学校教員採用候補者選考試験実施要項. p.17.
だからこそ、早い段階から正しい方向で対策を始めることが何よりも大切になります。
ここでは、二次試験の面接に特化した内容をまとめています。兵庫県全体の内容を知りたい場合は下記の記事をご覧ください。
【最重要】個人面接と模擬授業の関係性
兵庫県の二次試験は「模擬授業・個人面接試験」という名称の通り、この2つは密接に関連しています。
試験は連続して実施される
当日の流れとして、まず模擬授業を行い、その直後に同じ面接官との間で個人面接が始まります。
つまり、模擬授業でのあなたの振る舞いや授業内容が、そのまま個人面接の雰囲気や質問内容に影響する可能性があるということですね。
「授業は上手くいったけど、面接で答えに詰まってしまった…」
「面接は完璧だったけど、授業がボロボロだった…」
これでは高評価は望めません。
両者を一つの流れとして捉え、一貫性のある姿勢で臨むことが重要です。
評価基準の共通点と相違点
後ほど詳しく解説しますが、両者の評価基準には「表現力」や「専門性」といった共通項もあれば、個人面接でより問われる「意欲・積極性」や「将来性」といった項目もあります。
模擬授業では「授業力」、個人面接では「人間性や教師としての資質」が重点的に見られていると考えると分かりやすいでしょう。
【配点180点】個人面接の概要と評価基準
それでは、まずは配点の高い個人面接から見ていきましょう。
試験時間・面接官・配点
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験時間 | 約25分 |
| 面接官 | 3人 |
| 配点 | 180点 |
25分という時間は、自己PRや志望動機といった基本的な質問に加えて、あなたの教育観や人間性を深掘りするのに十分な時間です。
個人面接の5つの評価基準
実施要項には、個人面接の評定項目として以下の5つが挙げられています。
- 態度・表現力:表情や話し方に関する評価
- 意欲・積極性:仕事に対する意欲や情熱に関する評価
- 判断力:状況に応じた判断力に関する評価
- 専門性:教科科目の専門的指導力に関する評価
- 将来性:教員としての資質や人間性に関する評価
*令和8年度兵庫県公立学校教員採用候補者選考試験実施要項. p.15.
これらの基準を意識しながら、自分の経験や考えを伝えることが高評価への第一歩です。
【過去問】個人面接の頻出質問40選
ここでは、過去に出題された質問をカテゴリ別に整理しました。自分ならどう答えるか、考えながら読み進めてみてください。
自己PR・志望動機に関する質問(定番)
- 1分間で自己PRをしてください。
- 教員を志望する理由は何ですか。
- 教員を目指したきっかけは何ですか。
- 兵庫県の教員を志望する理由は何ですか。
- 志望する校種の理由は何ですか。
- あなたの長所・短所を教えてください。
- あなたの、どこが教員に向いていると思いますか。
- 今、努力していることはありますか。
- 長所を活かして、どんな指導ができますか。
教職観・教育観に関する質問
- 理想の教師像について教えてください。
- どんな学級(クラス)を作りたいですか。
- 担任を持ちたいと思いますか。また、何年生がいいですか。
- 教員の魅力と、厳しさについてどう考えますか。
- 教員の義務を言ってください。
- ICTを授業でどのように活用したいですか。
- チーム学校の一員として、どのように貢献したいですか。
兵庫県の教育に関する質問(重要)
- 兵庫県の教育で、良いと思う点は何ですか。
- 兵庫県の教育課題は何だと思いますか。
- 「ひょうご教育創造プラン」について知っていますか。
- 兵庫県のいじめの定義を知っていますか。
- 不登校の児童生徒に対して、どのように支援しますか。
生徒指導・保護者対応(場面指導)に関する質問
- 「靴を隠された」と子どもが訴えてきた。保護者から電話がありましたが、どう対応しますか。
- 授業中に騒ぎ出す児童生徒にはどのように対応しますか。
- コンビニから「学校の生徒が万引きをした」と連絡がありました。どうしますか。
- 部活動の日数を増やして(減らして)ほしいと保護者から連絡がありました。どうしますか。
- 保護者から新型コロナウイルス感染予防対策に関してクレームがありました。どうしますか。
- SNSでトラブルがあり学校に来たくない生徒がいます。どう対応しますか。
- 暴言などを発する生徒にどう対応しますか。
あなたの資質・経験に関する質問
- 部活動経験から生徒に教えたいことは何ですか。
- 持っている資格を教えてください。
- 最近気になるニュースはありますか。
- 休日はどのように過ごしていますか。
- ストレス解消法は何ですか。
- これまでの人生で最も困難だったことは何ですか。
- PC操作はどのくらいできますか。
- 周りからはどんな人だと言われますか。
より詳しい過去の質問項目や対策のポイントを下記の記事でまとめています。あわせてご覧ください。
【配点120点】模擬授業の概要と評価基準
次に、個人面接と一対で行われる模擬授業について解説します。
試験の流れ(テーマ告知から口頭試問まで)
模擬授業は、当日テーマを与えられて即興で行う形式です。
- STEP① テーマの告知: 一次試験合格発表後、模擬授業の課題分野が兵庫県教育委員会HPで公開されます。
- STEP② テーマの発表: 試験当日、事前に告知された課題の中から1つが指定され、教科書のコピーなどを受け取ります。
- STEP③ 構想(5分間): 別室で授業の構想を5分間で行います。
- STEP④ 模擬授業(約12分): 冒頭1分で本時のねらいと内容を説明し、授業を開始します。
- STEP⑤ 口頭試問: 模擬授業の内容について面接官から質問されます。
特に構想時間が5分と非常に短いのが特徴です。
事前に公表される課題分野について、複数の授業パターンを準備しておく必要がありますね。
模擬授業の3つの評価基準
模擬授業の評価基準は以下の3点です。
- 教材内容に関する知識・理解:教科等の専門知識に関する評価
- 構成力:授業の構成に関する評価
- 声・表情・所作:教員としての所作等に関する評価
*令和8年度兵庫県公立学校教員採用候補者選考試験実施要項. p.15.
限られた時間の中で、いかに分かりやすく、生徒の興味を引きつける授業を展開できるかが問われます。
過去の出題テーマ例
参考として、昨年度の模擬授業で出題されたテーマの一部をご紹介します。
【令和8年度からの変更点】ICT機器活用の注意点
令和8年度試験から、一部の教科では受験者自身が持ち込んだICT機器(ノートPC、タブレット等)を使用して模擬授業を行うことになりました。
- 中学校・特別支援学校区分(国語、社会、数学、理科、技術、英語)
- 高等学校区分(国語、地理歴史・公民、数学、理科、英語)
対象となる方は、ICT機器の準備はもちろん、プロジェクタへの接続方法の確認や、効果的な活用方法の検討が必須となります。
県教育委員会からは、USB Type-CとHDMIの変換器は用意されるとのことですが、それ以外の変換器が必要な場合は持参する必要があります。
*第2次選考試験模擬授業・個人面接試験の「ICT を活用した模擬授業」について(兵庫県)
【高評価の鍵】兵庫県が求める教師像とは?
さて、ここまで試験の形式や過去問を見てきましたが、最も重要なのは「兵庫県がどのような教師を求めているのか」を理解することです。
その答えは、兵庫県教育の指針である公的文書の中にあります。
「第4期 ひょうご教育創造プラン」を読み解く
兵庫県が今後5年間(令和6年度~10年度)の教育の指針として掲げているのが「第4期 ひょうご教育創造プラン」です。
面接対策として、これに目を通さない手はありません。
兵庫が育む こころ豊かで自立する人づくり
重点テーマ:「『絆』を深め、『在りたい未来』を創造する力」の育成
第4期 ひょうご教育創造プラン. p.38.
この基本理念と重点テーマが、面接のあらゆる質問の根底に流れるテーマとなります。
重点テーマ「『絆』と『在りたい未来』」を面接でどう語るか
「県の教育理念に共感した、と話すだけでは意味がない」という意見を聞いたことがあるかもしれません。
福永これは半分正しく、半分誤解だと僕は思っています!
意味がないのは、理念をオウム返しするだけで、自分の言葉になっていない場合です。
面接官が知りたいのは、あなたが県の教育方針を理解した上で、「あなた自身の経験と強みを、どう教育現場で実践してくれるのか」という点に尽きます。
このように、「理念への共感」を入り口とし、「自身の経験」で裏付けし、「具体的な教育活動」で着地させる。
この3ステップで語ることで、あなたの言葉に一気に説得力と熱意が生まれます。ぜひ、プランを読み込み、ご自身の経験と結びつけてみてください。
合格を掴むための具体的な対策法
最後に、今日から始められる具体的な対策を「個人面接」と「模擬授業」に分けてご紹介します。
個人面接対策:自己分析と回答準備
なぜ教師になりたいのか、どんな教育がしたいのか、自分の強みは何か。これまでの経験(教育実習、アルバイト、部活動、前職など)を全て書き出し、教育と結びつけて整理しましょう。
頻出質問に対して、丸暗記の文章ではなく「結論→理由→具体例→結論(PREP法)」の構成で、話したいキーワードやエピソードを書き出しておきましょう。
スマートフォンで録画するなどして、自分の表情や話し方の癖を確認し、改善を繰り返しましょう。25分間、よどみなく対話できる練習が重要です。
模擬授業対策:指導案作成と実践練習
一次合格後に発表される課題分野について、教科書等を読み込み、どの部分が出題されても対応できるよう複数の授業展開(略案でOK)を考えておきましょう。
「導入(つかみ)→展開(活動)→まとめ(ふりかえり)」という自分なりの授業の「型」を作っておくと、5分という短い構想時間でも焦らずに対応できます。
友人や大学の先生に生徒役を頼み、何度も練習しましょう。特に、ICT機器を活用する教科の方は、機器の操作に慣れておくことが絶対条件です。
今回は個人面接の対策に絞ってお伝えしましたが、他の面接試験も含めた総合的な対策は、こちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ:自信を持って二次試験へ!
今回は、兵庫県教員採用試験の二次試験(個人面接・模擬授業)について、概要から具体的な対策まで詳しく解説しました。
- 二次試験は合計300点満点。個人面接と模擬授業は一体で対策する。
- 個人面接は過去問を参考に、自分の言葉で語る練習を重ねる。
- 模擬授業は構想5分。事前準備と実践練習が鍵。
- 「ひょうご教育創造プラン」を読み込み、兵庫県が求める教師像を理解する。
二次試験は、あなたの教育に対する熱意や人間性を伝える絶好の機会です。しっかりと準備をすれば、必ず面接官に想いは伝わります。
この記事を参考に、自信を持って本番に臨んでください。応援しています!
もし、「もっと多くの過去問や回答例を見てみたい」「自分の回答を添削してほしい」と感じたら、一歩踏み込んだ対策を取り入れるのも非常に有効です。

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