さいたま市の公立学校で教員を目指している方に向けて、教員採用選考試験の内容(第1次試験・第2次試験)をわかりやすく整理しました。
選考スケジュールや実施状況(結果)など、受験に必要な情報をガイドブックのような感覚でまとめています。これから本格的に準備を始める方の役に立つはずです。
出題傾向や選考方法を理解しないまま勉強を進めてしまうと、努力が成果に結びつきにくくなります。
まずはさいたま市教員採用試験の試験制度を正しく把握することから始めていきましょう。
さいたま市教員採用試験の内容
さいたま市教員採用試験では、筆記試験だけでなく、論文試験や面接試験、実技試験など複数の試験が課されます。
試験は第1次試験と第2次試験の2段階で行われます。筆答試験・論文試験・面接試験等の成績に加えて、自己申告書・志願書等を参考資料として総合的に検討して最終合格者が決定されるのが大きな特徴です。
試験内容は、志願区分・選考区分により異なります。一般選考(小学校・中学校・高等学校・中等教育学校教員)の試験内容は以下のとおりです。
| 選考方法 | 試験種目 | 配点 |
|---|---|---|
| 第1次試験 | 教科等専門分野 | 100点 |
| 一般教養・教職科目 | 100点 | |
| 集団面接 | 150点 | |
| 第2次試験 | 適性検査 | ― |
| 論文 | 100点 | |
| 個人面接 | 150点 | |
| 集団面接 | 100点 | |
| 第2次試験(一部対象者) | 実技試験 | 100点 |
第1次試験
さいたま市教員採用試験の第1次試験では、教科等専門分野、一般教養・教職科目、集団面接が実施されます。
志望教科の専門知識や、教育に関する基礎知識・一般教養が問われます。
一般教養・教職科目
人文・社会・自然科学および時事問題等の一般教養と、教育原理等の教職科目にわたる基礎的教養が出題されます。
| 対象校種 | 全校種共通 |
|---|---|
| 試験時間 | 60分間 |
| 問題数 | 44問 |
| 出題形式 | 択一式(マークシート) |
| 出題範囲 *数字は出題数 | 教職科目(教育原理⑩、教育史①、教育心理①、教育法規⑥) |
| 人文科学(国語④、英語④、音楽②、美術②) | |
| 社会科学(日本史①、地理①、経済①、時事③) | |
| 自然科学(数学④、物理①、化学①、生物①、地学①) | |
| 配点 | 100点 |
出題範囲は非常に広く、全科目を均等にカバーするのは現実的ではありません。出題数の多い科目や出題頻度の高い分野から取り組むことが重要です。
まずは問題数が多く、範囲が膨大な「教育原理」と「教育法規」の2科目から着手しましょう。
教科等専門分野
教科等専門分野では、受験する校種・教科に関し、教員として必要な知識・技能・学習指導方法等の基礎が問われます。
解答形式はマークシート方式となっており、教科によって問題数や出題範囲が異なります。
| 対象校種 | 全校種・教科 |
|---|---|
| 試験時間 | 60分 |
| 問題数 | 教科・科目による |
| 出題範囲 | ①志望校種・教科の知識・技能 ②学習指導方法等の基礎 |
| 解答方法 | 択一式(マークシート) |
| 配点 | 100点満点 |
学習指導要領に関する問題も出題されるため、知識問題と並行して対策を進めることが重要です。
教科等専門分野の勉強方法は、こちらの「教員採用試験の専門教養(科目)とは?試験内容や勉強方法を徹底解説」で解説しています。
集団面接(一次)
第1次試験では、集団面接が実施されます。
複数の受験者が1グループとなり、同時に面接を受ける形式です。
| 対象校種 | 全志願区分 |
|---|---|
| 試験時間 | 1グループにつき20分程度 |
| 面接官 | 2人 |
| 受験者数 | 5人 |
| 配点 | 150点 |
社会性・協調性・人間性の豊かさ・礼儀など、教育公務員としての基礎的な資質が評価されます。
他の受験者のことも考えながら端的に回答することが求められます。長々と話さず、周りの状況にも注視しましょう。
面接の質問例や対策は、こちらの「さいたま市教員採用試験|個人・集団面接の傾向と過去の質問」でまとめています。
第2次試験
さいたま市教員採用試験の第2次試験では、適性検査・論文・個人面接・集団面接が実施され、一部の校種・教科で実技試験が加わります。
第2次試験は最終合否を決定する重要な選考であり、自己申告書等の提出書類も含めた総合的な評価が行われます。
適性検査
適性検査では、対人的側面やストレス傾向といった性格特性を確認します。
TAP21(日本文化科学社)が使用されます。
| 対象校種 | 全志願区分 |
|---|---|
| 試験時間 | 15分程度 |
| 配点 | ―(参考資料) |
特別な対策は必要ありません。ありのままに回答しましょう。
論文
論文試験では、学校教育に関する課題への理解や、教師としての実践的指導力、論理的表現力が評価されます。
| 対象校種 | 全志願区分 |
|---|---|
| 試験時間 | 45分間 |
| 文字数 | 800字以内 |
| 問題数 | 1題 |
| 配点 | 100点 |
45分・800字以内という条件は、素早く構成を組み立ててスピーディーに書き進める力が必要です。
さいたま市が求める教師像や教育施策をしっかり把握したうえで、具体的な指導場面をイメージしながら論を展開していきましょう。
論文の過去問や書き方のポイントは、こちらの「【対策】さいたま市教員採用試験の小論文とは?傾向と過去の出題テーマ」で解説しています。
個人面接
個人面接では、教員としての資質・教育観・専門性・児童生徒への対応力などが総合的に評価されます。
あらかじめ作成して提出する「自己申告書」の内容も踏まえ、個別で質疑応答が行われます。
| 対象校種 | 全志願区分 |
|---|---|
| 試験時間 | 1人につき20分程度 |
| 形式 | 個人面接+教科等の専門性に係る質問 |
| 配点 | 150点 |
面接試験では、強い使命感・豊かな社会性・専門職としての自覚・実践的な専門性などが評価の対象になります。
結論を先に述べ、その理由や具体例を続けるなど、分かりやすく簡潔に説明することを意識しましょう。
面接の質問例や対策は、こちらの「さいたま市教員採用試験|個人・集団面接の傾向と過去の質問」でまとめています。
集団面接(二次)
第2次試験でも集団面接が実施されます。
さいたま市が求める教師像に基づく資質・能力・適性等が評価されます。
| 対象校種 | 全志願区分 |
|---|---|
| 試験時間 | 1グループにつき30分程度 |
| 面接官 | 2人 |
| 受験者数 | 4人 |
| 配点 | 100点 |
質問を的確にとらえ、簡潔・明確に受け答えできるかどうかが評価されます。
また、常に学び続けようとする素直さや謙虚さも重視されます。
面接の質問例や対策は、こちらの「さいたま市教員採用試験|個人・集団面接の傾向と過去の質問」でまとめています。
実技試験
実技試験は、一部の校種・教科で実施されます。
教科に応じて演奏・作品制作・運動技能の披露・英語でのディスカッションなどが課され、教科指導に必要な実技能力が評価されます。
| 対象校種 | 小学校(音専特別・英語特別)、中学校・高等学校・中等教育学校(音楽・美術・保健体育・技術・家庭・グローバル・スタディ)、養護教員 | |
|---|---|---|
| 試験内容 | 音楽(中高) | ①アルトリコーダー演奏 ②任意の楽器または歌の演奏 ③指定曲からピアノ弾き歌い (「赤とんぼ」「荒城の月」「早春賦」「夏の思い出」「花」「花の街」「浜辺の歌」から1曲) |
| 美術 | 作品の制作(水彩用具使用) | |
| 保健体育 | ①ハードル走 ②マット運動 ③ダンス ④バスケットボール・サッカー・バレーボールから2種目 ⑤柔道・剣道から1種目 | |
| 技術 | 「材料と加工」「エネルギー変換」「情報」の中から当日指定された2課題 | |
| 家庭 | ①食生活に関すること ②衣生活に関すること | |
| グローバル・スタディ(英語)・英語特別 | 英語によるディスカッション | |
| 配点 | 100点 | |
実技試験では、技能の正確さだけでなく、落ち着いて課題に取り組む姿勢も見られます。
試験形式を事前に確認し、実際の試験を想定した練習を行っておくことが大切です。
さいたま市教員採用試験の選考スケジュール
さいたま市教員採用試験は、例年4月上旬から出願が始まり、第1次試験・第2次試験を経て最終合格者が決定されます。
主な選考スケジュールは以下のとおりです。
| 4月上旬〜5月上旬 | 受験申込み(インターネット) |
|---|---|
| 7月上旬 | 第1次試験(教科等専門分野・一般教養・教職科目・集団面接) |
| 7月下旬 | 第1次試験の合格発表 |
| 7月下旬〜8月下旬 | 第2次試験(プレゼン特別・パイオニア特別) |
| 第2次試験(適性検査・論文・個人面接・集団面接) | |
| 第2次試験(実技) | |
| 9月下旬 | 最終合否発表 |
出願から最終合格発表まで長丁場の試験です。
スケジュール管理が重要なので、対策を始める前にカレンダーに書き込んでおきましょう。
より詳しい試験日程や出願期間については、「さいたま市教員採用試験の試験日程・スケジュールで詳しく解説しています。
さいたま市教員採用試験の実施結果(倍率)
さいたま市教員採用試験の倍率は、採用予定数や受験者数の影響を受けて毎年変動します。
過去5年間の実施結果は次のとおりです。
- 2025年実施(R8採用):4.4倍
- 2024年実施(R7採用):5.0倍
- 2023年実施(R6採用):3.0倍
- 2022年実施(R5採用):3.0倍
- 2021年実施(R4採用):3.1倍
直近5年間を見ると、倍率は3.0倍〜5.0倍程度で推移しています。一定の倍率を維持しており、しっかりとした準備が必須です。
倍率だけで難易度を判断せず、試験内容や配点を踏まえて対策を進めることが大切です。
校種・教科ごとの詳しい倍率や推移については、「さいたま市教員採用試験の倍率|教科別・過去5年の推移の記事で詳しく解説しています。
さいたま市教員採用試験に関するFAQ
さいたま市教員採用試験の志望者が抱く共通の疑問にお答えしていきます。
Q-1.受験資格(年齢制限)はありますか?
A-1 受験するには大きく分けて「年齢・免許・法律」の3つの条件があります。
- 年齢の条件
-
昭和43年(1968年)4月2日以降に生まれた方が対象です。
- 教員免許の条件
-
出願する志願区分に相当する普通免許状を持っている(または令和9年3月31日までに取得見込みである)必要があります。
- 法律上の条件
-
地方公務員法第16条および学校教育法第9条で定められた「欠格条項」に該当しないこと、および「こども性暴力防止法」に基づく特定性犯罪の前科がないことが必須です。
Q-2.過去問はどこで入手できますか?
A-2 各区役所の情報公開コーナーおよびさいたま市ホームページで入手・閲覧できます。
第1次試験の筆答試験問題は各区役所の情報公開コーナーにて閲覧が可能です。その他の問題(論文課題・実技試験内容等)はさいたま市のホームページに掲載されています。
こちらの、「さいたま市教員採用試験の過去問を活用して効率的に勉強しよう!」でも過去問情報をまとめています。
Q-3.令和9年度採用(2026年実施)の主な変更点はありますか?
A-3 新設・休止・継続を含む5点の変更があります。
- 「小学校教員プレ・ライセンス特別選考」の新設
-
教員普通免許状を未所有の方が受験可能な新しい選考区分が追加されました。合格後、定められた期間内に免許状を取得することが前提です。
- 「ティーチャー・リターン選考」を採用試験と同時期に実施
-
過去にさいたま市立学校の教員として勤務し退職した方を対象とする選考が、教員採用選考試験と同時期に実施されます。
- 「現職高等学校教員特別選考」の休止
-
今年度は実施されません。
- 「英語ネイティブ特別選考」の休止
-
今年度は実施されません。
- 「パイオニア特別選考」の継続
-
教員普通免許状を未所有で、受験教科の専門的な勤務経験等を有する方を対象とした選考が引き続き実施されます。
さいたま市教員採用試験の合格に向けて
本記事では、さいたま市教員採用試験の試験内容や配点、選考の流れ、最新の変更点を解説しました。
さいたま市教員採用試験は、第1次試験と第2次試験の成績、自己申告書・志願書等を総合して合否を判定する方式が採用されています。
そのため、筆記から面接、論文、実技に至るまで、すべての試験種目でバランスよく得点することが合格のポイントになります。
対策は早く始めるほど有利になります。正しい方向で準備を進め、合格を目指しましょう。
さいたま市の最終合格者はすべての成績を総合して決まりますが、面接試験は大きなウェイトを占めます。
筆記対策と並行して自己申告書の作成や面接対策の準備を進めましょう。
試験日程や過去問、倍率などの記事もあります。気になるところから読んでみてください。

