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さいたま市教員採用試験 小論文の対策と書き方|過去問解説付

さいたま市教員採用試験の小論文

さいたま市の教員採用試験、二次選考の小論文対策に、不安を感じていませんか?

「何から手をつければいいかわからない…」

「どんなテーマが出るんだろう…」

「45分で800字も書ける自信がない…」

そんな悩みを抱える受験生は、あなただけではありません。

しかし、大丈夫です。
さいたま市教員採用試験の小論文には明確な出題傾向があり、それに沿った正しい書き方の型効果的な練習法が存在します。

この記事では、そんなあなたの悩みを解決するために、過去5年間の出題テーマを徹底的に分析し、合格答案を書くための具体的な方法を、ステップバイステップで余すところなく解説します。

この記事を読み終える頃には、あなたが今やるべきことが明確になり、自信を持って小論文対策のスタートを切れるはずです。 一緒に合格への最短ルートを歩んでいきましょう。

目次

さいたま市教員採用試験の小論文試験

教員採用試験において、面接と並んで人物評価の要となるのが「小論文」です。

筆記試験だけでは測れない、あなたの教育に対する考え方や人間性、論理的思考力が問われます。

まずは、さいたま市教員採用試験の小論文の基本情報を正確に押さえましょう。


ちなみに、「そもそも、さいたま市教員採用試験の全体の流れや特徴を知りたい!」という方は、まずはこちらのまとめ記事からご覧ください。

試験の位置づけ・時期

さいたま市の小論文試験は、第二次選考で実施されます。

一次の筆記試験を突破した受験者が対象となり、面接試験などと合わせて総合的に評価される、合否を左右する重要な試験です。

試験時間と文字数

項目内容
試験時間45分
文字数800字以内
問題数1題
配点100点満点

45分という時間は、800字の論文を構成から推敲まで行うには、決して長くありません。

時間配分を意識した実践的な練習が不可欠と言えるでしょう。

評価のポイント

さいたま市の小論文では、主に以下の点が評価基準とされています。

  • 論題の正しさ:課題の意図を正確に捉え、論点から外れていないか。
  • 具体性:抽象的な理想論だけでなく、教育現場での実践を想定した具体的な記述がなされているか。
  • 論理性と構成力:序論・本論・結論といった構成がしっかりしており、話の筋道が通っているか。
  • 表現の適切さ:誤字脱字がなく、論文としてふさわしい言葉遣いや表記ができているか。
  • 教育への情熱:さいたま市の教員になりたいという強い意欲や、子どもたちへの愛情が感じられるか。

特に、さいたま市は「市の教育方針や社会的課題に基づくテーマ」が出題される傾向にあります。

福永

例えば、近年のテーマとして「GIGAスクール構想」や「探究的な学び」などが挙げられています。

これは、単に一般的な教育論を述べるだけでなく、「さいたま市の教育課題を理解し、その解決に貢献できる人材か」という視点で見られていることを意味します。

「さいたま市という地域性」を意識した対策が求められる点が大きな特徴です。

小論文試験の過去問

さいたま市教員採用試験における小論文の過去問を年度別に紹介します。出題傾向を把握し、どのようなテーマが重視されているのかを確認しましょう。

過去問一覧(直近5年分)

2024年実施 先の見えない不透明で予測困難な時代を生き抜くために、子どもたちは、自分の幸せな人生と豊かな社会を創造する力をつけていくことが重要となります。そのためには、学校で学んだことを地域社会で生かし、多くの他者と協働して、自分の考えや行動で、自身の生活や世の中を少しでも変えようと行動する力が必要不可欠です。あなたは、このことをどう捉え、教師としてどのように取り組んでいきますか。具体的に述べなさい。
2023年実施 さいたま市では、デジタル化された教育環境を最大限に活用した「探求的な学び」を推進し、変化する時代の中で求められる資質・能力を確実に育成していくことを目指しています。あなたは、このことを踏まえ、教師としてどのように取り組んでいきますか。具体的に述べなさい。
2022年実施 さいたま市では、「GIGAスクール構想」により、整備されたICT環境を積極的に活用し、「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)の視点からの授業改善」を推進しています。あなたは、このことを踏まえ、教師としてどのように取り組んでいきますか。具体的に述べなさい。
2021年実施 中教審答申(令和3年1月)では、全ての子どもたちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現を求めています。あなたは、このことを踏まえ、教師としてどのように取り組んでいきますか。具体的に述べなさい。
2020年実施 さいたま市では、「人生100年時代を豊かに生きる『未来を拓くさいたま教育』の推進」を掲げ、やり抜く力で「真の学力」を育成することを進めています。あなたは、このことを踏まえ、教師としてどのように取り組んでいきますか。具体的に述べなさい。

過去問分析

上記の過去問を見てみると、さいたま市の小論文には明確な3つの傾向があることがわかります。

「A × B」の形式で、2つの事柄を結びつけて論じさせる

すべてのテーマが「探究的な学び × デジタル教育」のように、2つのキーワードを掛け合わせた形式になっています。

これは、「Aという教育課題(または手段)と、Bという育てたい資質・能力(または学びの姿)を、あなたはどう関連付けて実践しますか?」という問いかけです。

そのため、答案ではAとBをバラバラに論じるのではなく、両者をどう結びつけるかという論理的な思考力が試されます。

国の教育動向(学習指導要領など)を強く意識したテーマ

「主体的・対話的で深い学び」「個別最適な学びと協働的な学び」「GIGAスクール構想」など、

テーマの多くは文部科学省の学習指導要領や中央教育審議会の答申で示されている重要事項です。

これは、受験生が国の最新の教育動向を正しく理解し、自分の言葉で説明できるかを見ていることを意味します。

「あなたはどう捉え、どう取り組むか」という当事者意識を問う

課題文の最後は、必ず「あなたはこのことをどう捉え(踏まえ)、教師としてどのように取り組んでいきますか。具体的に述べなさい。」という形で締めくくられています。

つまり、単なる知識を問うのではなく、

  • 解釈力:示されたテーマを自分ごととしてどう解釈するか。
  • 実践力:その解釈を、日々の授業や学級経営にどう落とし込むか。 という、教師としての当一人称の視点が求められています。

これらの傾向から、さいたま市の小論文対策としては、国の教育改革のキーワードを理解した上で、それらをさいたま市の教育現場でどう実践するか、具体的なプランを複数用意しておくことが合格への鍵となります。


より多くの過去問テーマで対策を万全にしたい方へ

過去10年分の出題テーマと、それぞれのテーマで高得点を取るための解説・解答例をまとめたnoteもご用意しています。さらに深く対策を進めたい方は、ぜひご活用ください。


さいたま市の出題傾向がわかったところで、次はいよいよ「合格答案」の書き方を具体的に見ていきましょう。

その前に、「小論文の基本的な型や、文章作成のルールについてもっと基礎から復習したい」という方は、ぜひ以下の記事も参考にしてくださいね。

合格答案の書き方3つのステップ【構成・内容・表現】

過去の出題傾向がわかったところで、次はいよいよ「合格答案」の書き方です。

小論文が苦手な方でも、この3つのステップを踏めば、誰でも論理的で説得力のある答案が書けるようになります。

ここでは、2013(平成25)年度のテーマを例に、思考のプロセスを追いながら解説します。

さいたま市は、求める教師像の一つに、「豊かな人間性と社会性」を備えた教師を挙げています。あなたは、「豊かな人間性と社会性」を身に付けるために、どのような努力をしていきますか。あなたが目指す教師像にも触れ、800字以内で具体的に述べてください。

ステップ1:課題の意図を正確に把握する

小論文で最も重要なのは、「出題者が何を求めているか」を正確に読み取ることです。

今回の課題では、以下の3点が問われています。

①「豊かな人間性と社会性」を身に付けるための、あなたの「努力」は何か?

抽象的な精神論ではなく、「何をしているか」「何をしていくか」という具体的な行動計画が求められています。

②その努力と、「あなたが目指す教師像」がどう結びついているか?

「なぜその努力をするのか」という理由が、「理想の教師になるため」という目的と一致している必要があります。

③内容は「具体的」か?

誰にでも言える一般論ではなく、あなた自身の経験や考えに基づいた、オリジナリティのある記述が評価されます。

つまり、この課題は「あなたの自己分析と、教師になるための自己成長プランを、具体的に示してください」と問うているのです。

ステップ2:論理的な構成(序論・本論・結論)を組み立てる

次に、何をどの順番で書くかの「設計図」を作ります。

基本は「序論・本論・結論」の三段構成です。この課題に当てはめてみましょう。

序論(約15%):課題の受け止めと目指す教師像の提示
  • さいたま市が「豊かな人間性と社会性」を重視する意義に触れます。
  • 自身が目指す教師像(例:子どもの心に寄り添える教師)を簡潔に示し、そのためにこれらの資質が不可欠である、というスタンスを明確にします。
本論(約70%):資質を身に付けるための具体的な努力
  • 「豊かな人間性」と「社会性」を身に付けるための具体的な努力を、それぞれ1つずつ、計2つ述べます。
  • 努力①(人間性を磨く):「主張」なぜそれが必要か → 「具体策」何をするか
  • 努力②(社会性を磨く):「主張」なぜそれが必要か → 「具体策」何をするか
  • この「具体策」で、あなたらしさが出ます。
結論(約15%):まとめと教職への決意表明

本論で述べた努力が、序論で示した「目指す教師像」の実現にどう繋がるのかを改めて示し、論全体を締めくくります。

最後に、さいたま市の教員として貢献したいという強い決意を表明します。

ステップ3:具体例と熱意を盛り込み、解答を作成する

設計図が完成したら、いよいよ文章を作成します。

ステップ2の設計図を基に、あなた自身の経験や考えという「肉付け」をしていきましょう。

【解答例】

 さいたま市が求める「豊かな人間性と社会性」とは、多様な価値観を理解し、他者と協働しながらより良い社会を築こうとする姿勢であると考える。私は、子ども一人ひとりの心に寄り添い、保護者や地域と共に成長を支える教師を目指しており、その実現のため、以下の努力を継続していく。

 第一に、「豊かな人間性」を育むため、多様な文化や価値観に触れる努力を続ける。教育という枠の中に留まると、視野が狭くなる危険性があるからだ。私は、月一冊は教育以外の分野の書籍を読むことを習慣とし、地域の国際交流イベントにも積極的に参加している。多様な生き方や考え方に触れることで、固定観念に囚われない多角的な視点を養うことができる。この経験は、様々な背景を持つ子どもたちの気持ちを深く理解し、一人ひとりの個性を尊重した指導を行う上で、不可欠な土台となると確信している。

 第二に、「社会性」を磨くため、他者と協働して課題解決に取り組む努力をする。教師の仕事は一人では成り立たず、同僚、保護者、地域との連携が不可欠だからだ。私は現在、地域の清掃ボランティアに参加しているが、そこでは年代も職業も異なる方々と、地域美化という共通の目標に向かって活動している。意見の違いを乗り越え、役割を分担し、一つのことを成し遂げるプロセスは、まさに社会性の実践である。教職に就いた際も、学年団や校務分掌で積極的に提案・協働し、保護者とは「子どもの成長を共に喜ぶパートナー」として密な連携を図ることで、学校全体で子どもを育む環境づくりに貢献したい。

 私が目指すのは、子どもたちに「人と関わることの温かさ」を伝えられる教師である。そのために、まずは私自身が豊かな人間性と社会性を備えた一人の人間として、学び、行動し続ける。その背中を見せることこそが、最も大切な教育であると信じ、日々精進していく所存である。


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今日からできる!小論文の効果的な対策法3選

合格答案の書き方を理解したら、次はいよいよ実践トレーニングです。

小論文の力は、一朝一夕には身につきません。しかし、正しい方法で練習を重ねれば、必ず上達します。  

ここでは、あなたが今日からすぐに取り組める効果的な対策法を3つご紹介します。

対策1:さいたま市の教育施策・資料を読み込む

さいたま市教員採用試験の小論文は、市の教育方針や課題に深く関連しています。そのため、市の公式資料を読み込み、考えや知識を蓄えておくことが不可欠です。

何を読めばいい?
  • まずは「さいたま市教育振興基本計画」に必ず目を通しましょう。市の教育が目指す大きな方向性がわかります。
  • 次に、さいたま市教育委員会のウェブサイトで公開されている「学ぶなら さいたま市」などの広報誌や、報道発表資料もチェックすると、最近の具体的な取り組みを知ることができます。
どう役立てる?
  • 資料を読む際は、ただ暗記するのではなく、「もし自分が教師なら、この方針を教室でどう実践するか?」という視点を持つことが重要です。
  • 「協働的な学び」「ICT活用」といったキーワードを見つけたら、それに関連する自分の考えや経験をメモしておきましょう。このメモが、あなただけのオリジナルの答案を作るための「ネタ帳」になります。

対策2:時間を計って書く練習を繰り返す

知識を蓄えることと、それを時間内に文章にすることは全く別のスキルです。

さいたま市の小論文は45分という短い時間設定なので、本番を想定した練習が合否を分けます。

時間配分の目安
  • 制限時間45分の場合、以下のような時間配分を意識すると良いでしょう。
    • 構成(設計図づくり):10分
    • 執筆:30分
    • 推敲(見直し):5分
  • 特に最初の「構成」に時間をかけることが、結果的に質の高い論文を時間内に書き上げるコツです。
練習のポイント
  • 必ず本番と同じ「45分・800字以内」という条件で練習しましょう。  
  • 練習で書いた答案は、日付を入れて保管しておくと、自分の上達具合がわかりモチベーションに繋がります。

対策3:第三者に添削してもらう

自分で書いた文章の欠点は、なかなか自分では気づけないものです。

独りよがりな考えや、分かりにくい表現になっていないかを確認するために、必ず誰かに読んでもらいましょう。  

誰に頼めばいい?
  • 大学のキャリアセンターの職員や、教職課程の先生にお願いするのが最も良いでしょう。
  • 難しい場合は、教員採用試験を一緒に受ける仲間と答案を交換し、互いに感想や意見を伝え合うのも非常に効果的です。  
添削のメリット
  • 自分では気づかなかった論理の矛盾や、誤字脱字を指摘してもらえます。
  • 他の人の視点が入ることで、より客観的で説得力のある内容に改善することができます。良い論文とは、採点者という「読み手」にとって分かりやすい論文であることを忘れないようにしましょう。

もし、「周りに頼める人がいない」「より専門的な視点で、質の高いフィードバックが欲しい」という方は、僕(福永)も個別の添削サービスを提供しています。クオリティとスピードには自信がありますので、本気で合格を目指す方は、ぜひ下記noteをご覧ください。

まとめ:さいたま市教員採用試験の小論文を制して合格を掴もう

今回は、さいたま市教員採用試験の小論文対策について、傾向分析から具体的な書き方、トレーニング方法までを解説しました。

最後に、合格を掴むための重要ポイントを振り返りましょう。

さいたま市の出題傾向を掴む

「A × B」というテーマ形式を理解し、市の教育方針と国の教育動向を結びつけて考える。

合格答案の3ステップを徹底する

①課題の意図を把握し、②論理的な構成を立て、③具体例と熱意を込めて書き上げる。

実践的なトレーニングを継続する

市の資料を読み込み、時間を計って書き、第三者の添削を受ける。このサイクルが力を伸ばします。

小論文対策で培った「自分の教育理念を論理的に言語化する力」は、必ず面接試験でも生きてきます。

小論文を制する者は、面接も制すると言っても過言ではありません。

この記事で紹介したステップを信じて、一つひとつ着実に対策を進めていけば、必ず合格レベルの答案が書けるようになります。

あなたの努力が実を結ぶことを、心から応援しています。


より多くの過去問テーマで対策を万全にしたい方へ

過去10年分の出題テーマと、それぞれのテーマで高得点を取るための解説・解答例をまとめたnoteもご用意しています。さらに深く対策を進めたい方は、ぜひご活用ください。

目次