埼玉県教員採用試験の二次試験では、試験時間60分で800字程度を書く小論文が実施されます。
試験時間や文字数、評価基準を知らずに対策を始めてしまうと、的外れな準備になる恐れがあります。
この記事では、小論文対策を始める前に押さえておきたい以下の情報をまとめました。
- 試験時間・文字数
- 配点・評価基準
- 過去の出題テーマ
試験の全体像を正しく理解し、合格に向けた方向性を整理するための資料としてご活用ください。
埼玉県教員採用試験の小論文
埼玉県教員採用試験の小論文は、教師としての考え方や教育観を問う重要な試験科目です。
試験時間・文字数
まずは、試験の基本情報を整理しておきましょう。
| 実施日 | 第2次試験日 |
|---|---|
| 対象校種 | 全校種・教科 |
| 試験時間 | 60分 |
| 文字数 | 800字程度 |
| 問題数 | 1題 |
| 評価基準 | ・論題の理解等 ・教育実践についての自分の考え等 ・教師としての教育実践について具体的に表現しているか。 |
| 配点 | 50点満点 |
筆記試験では測れない、論理的思考力・教育観・表現力が重視されます。
特に「教育実践を踏まえた具体的な考え方」を自分の言葉で書けるかが、合否を分けるポイントです。
評価基準・配点
以下の評価基準で採点されます。
- 論題の理解等
- 教育実践についての自分の考え等
- 教師としての教育実践について具体的に表現しているか。
最終的に50点満点で総合評価をつけます。
過去問(出題テーマ)
ここでは、埼玉県教員採用試験の小論文の過去問(テーマ)を紹介します。
出題傾向を把握し、どのようなテーマが重視されているのかを確認しましょう。
令和7年度(2024年実施)
| 小学校 | 埼玉県では,「埼玉教育の振興に関する大綱 (令和5年9月改定)」において、施策の根本的な方針の一つに「確かな学力と自立する力の育成」を掲げています。あなたは、それぞれの力をどのように捉えますか。 あなたの考えを述べなさい。また、このことを踏まえ、あなたはどのような教育実践をしていきますか。具体的に述べなさい。 |
|---|---|
| 中学校 | |
| 養護教諭 | |
| 栄養教諭 | |
| 高等学校 | 将来の予測が困難な時代の中で、一人一人の豊かで幸せな人生と持続的に発展する社会の実現のためには、社会への主体的な関わりや多様な人々との交流を通じて新たな価値を創造し、人生や社会の未来を切り拓くことのできる力を持った人材を育てることが求められています。 このことについて、児童生徒一人一人に,具体的にどのような力を育むことが大切だと考えますか。あなたの考えを述べなさい。また、そのことを踏まえてあなたは一人の教員としてどのような教育活動に取り組んでいきますか。具体的に述べなさい。 |
| 特別支援 |
令和6年度(2023年実施)
| 小学校 | 埼玉県教育委員会が求める教師像の1つに「幅広い教養と専門的な知識・技能を備えた教師」があります。あなたは、このことをどのようにとらえていますか。あなたの考えを述べなさい。また、あなたは「幅広い教養と専門的な知識・技能を備えた教師」となるためにどのような努力をし、どのような教育実践につなげていきますか。具体的に述べなさい。 |
|---|---|
| 中学校 | |
| 養護教諭 | |
| 栄養教諭 | |
| 高等学校 | 社会の激しい変化に対応していくためには、どのような時代にあっても身に付けておくべき基礎的・基本的な力と、どのような変化にも柔軟かつ創造的に対応できる力の両方が求められます。このうち、「どのような変化にも柔軟かつ創造的に対応できる力」として、具体的にどのような力を育むことが大切だと考えますか。あなたの考えを述べなさい。また、そのことを踏まえてあなたは一人の教員としてどのように教育活動に取り組んでいきますか。具体的に述べなさい。 |
| 特別支援 |
令和5年度(2022年実施)
| 小学校 | 埼玉県では、「第3期教育振興基本計画」において、目標のひとつに「豊かな心の育成」を掲げています。なぜ今「豊かな心の育成」が必要であると考えますか。理由を述べなさい。また、あなたは教師として、子供たちの「豊かな心」を育むために、日々どのような研鑽を積み、どのような教育実践を重ねていきますか。具体的に述べなさい。 |
|---|---|
| 中学校 | |
| 養護教諭 | |
| 栄養教諭 | |
| 高等学校 | 障害のある子供や外国人児童生徒等の増加、家庭を取り巻く環境の変化等に伴い、教育をめぐるニーズが多様化していることを受け、埼玉県では誰一人取り残すことのない教育の実践を目指しています。あなたは、「誰一人取り残すことのない教育」をどのようにとらえますか。あなたの考えを述べなさい。また、これを踏まえ、あなたは一人の教員としてどのように教育活動に取り組んでいきますか。具体的に述べなさい。 |
| 特別支援 |
令和4年度(2021年実施)
| 小学校 | 埼玉県教育委員会が求める教師像3つの中の1つに「健康で、明るく、人間性豊かな教師」があります。あなたは、このことをどのように捉えますか。あなたの考えを述べなさい。また、あなたは「健康で、明るく、人間性豊かな教師」であるために、日々、どのような努力をし、どのような教育実践をしていきますか。具体的に述べなさい。 |
|---|---|
| 中学校 | |
| 養護教諭 | |
| 栄養教諭 | |
| 高等学校 | 埼玉県教育委員会では、令和3年2月に埼玉県教職員MOTTO(モットー)「未来を創る、こどもたち。 未来を育てる、わたしたち。 ~未来への責任~」を策定しました。あなたは、この埼玉県教職員MOTTO(モットー)をどのようにとらえますか。あなたの考えを述べなさい。また、そのことを踏まえ、あなたは教員としてどのように教育活動に取り組んでいきますか。具体的に述べなさい。 |
| 特別支援 |
令和3年度(2020年実施)
| 小学校 | 現在、グローバル化の進展や絶え間ない技術革新等により、社会は大きく、また急速に変化しており、予測が困難な時代を迎えています。あなたは、このような時代を生き抜いていく子供たちに育成すべき資質・能力とはどのようなものだと考えますか。一つ挙げて、理由もあわせて述べなさい。また、あなたは教員として、子供たちにその資質・能力を育成するために、学校教育の中でどのような実践をしますか。具体的に述べなさい。 |
|---|---|
| 中学校 | |
| 養護教諭 | |
| 栄養教諭 | |
| 高等学校 | 児童生徒の確かな学力や豊かな心、健やかな体を育成していくためには、学校教育の質の向上を図ることが不可欠であり、その担い手となる教員の資質・能力の向上を積極的に図っていくことが求められています。このような中で、新しい学習指導要領では、主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善が示されています。その実現のために、教員にはどのような「授業力」が求められているでしょうか。あなたの考えを述べなさい。また、あなたは教員としてどのように取り組んでいきますか。具体的に述べなさい。 |
| 特別支援 |
まずは、これらのテーマを使い、時間を測って書いてみましょう。そして、添削を受けることで、現在の実力(文章構成が苦手、書けるけど知識不足など)がわかります。
あとは、その弱点を伸ばすようにすれば小論文の点数は安定してきますよ。
過去問の解説や模範解答例はこちらの記事でまとめています。
小論文対策に関するFAQ
埼玉県教員採用試験の小論文で、受験生が抱く共通の疑問にお答えしていきます。
小論文は何文字書けばいいですか?
640字以上(8割以上)を書くことを推奨します。
文字数が極端に少ないと、内容以前に「意欲不足」「論理展開が弱い」と判断されやすくなります。一方で、上限ギリギリまで無理に埋める必要はありません。
序論→本論①→本論②→(本論③)→結論が過不足なく収まる文字数を意識しましょう。
小論文の対策はいつから始めればいいですか?
できるだけ早く、遅くとも一次試験の勉強と同時に始めるべきです。
小論文は暗記で対応できる試験ではなく、
- 教育観や価値観の整理
- 論理的な構成力
- 書いて→添削して→直す反復
が必要なため、短期間では仕上がりません。
特に埼玉県のように二次試験で人物評価の比重が高い自治体では、一次試験が終わってから対策を始めると、準備不足のまま本番を迎える受験生が多くなります。
そのため、筆記対策と並行して、前年の秋〜冬頃からテーマ理解や構成練習に着手するのが理想です。
小論文の対策方法(書き方)はこちらの記事で詳しく解説しています。
模範解答はありますか?
公式の模範解答はありません。
教員採用試験の小論文では、自治体が正解となる答案を公表することはほとんどありません。
ただし、評価の観点や「評価されやすい書き方」は明確に存在します。
以下の記事では、採点基準や合格者答案を分析したうえで、学習用の模範答案を作成しています。参考にしてください。
まとめ|次にやるべきこと
埼玉県教員採用試験の小論文は、やるべきことが想像しているよりも多いです。
過去問を眺めるだけでは、小論文を攻略することはできません。過去問を使って答案を作成し、その上で添削を受けることで徐々に上達します。
小論文で落ちる人ほど、書いたら書きっぱなしってことが多いです。答案を書いて誰にも見せないというのは、問題を解いても答え合わせをしないのと同じなので注意しましょう。
で、ここからどうするか。
過去10年分の全文解答と、回数無制限の個別添削が受けられるnoteを用意しました。「これで合ってる?」が全部クリアになります。
文字数配分、構成の作り方、評価される表現。合格答案を書くための技術を解説した記事から始めましょう。
倍率や試験日程、面接などの記事もあります。気になるところから読んでみてください。

