滋賀県の公立学校で教員を目指している方に向けて、教員採用選考試験の内容(第1次選考・第2次選考)をわかりやすく整理しました。
選考スケジュールや実施状況(結果)など、受験に必要な情報をまとめています。これから準備を始める方の役に立つはずです。
出題傾向や選考方法を理解しないまま勉強を進めてしまうと、効率が悪くなってしまいます。
まずは滋賀県教員採用試験の試験制度を正しく把握することから始めていきましょう。
滋賀県教員採用試験の内容
滋賀県教員採用試験では、筆記試験だけでなく、面接試験や模擬授業など複数の試験が課されます。
試験は第1次選考と第2次選考の2段階で行われますが、*最終合格者は二次試験の結果で決定します。
- 滋賀県公立学校教員採用選考試験第二次選考 実施要領(滋賀県教育委員会事務局資料より抜粋)
主な試験内容は以下のとおりです。
| 選考方法 | 試験種目 | 配点 |
|---|---|---|
| 第1次選考 | 専門教科・科目 | 100点 |
| 一般教養・教職教養 | 100点 | |
| 小論文 | 10段階評価 | |
| 第2次選考 | 個人面接および集団討論 | 10段階評価 |
| 指導実技(模擬授業等) | 10段階評価 | |
| 専門実技(該当者のみ) | 10段階評価 |
*志願区分・選考区分により一部異なります)
第1次試験
滋賀県教員採用試験の第1次試験では、専門教科・科目と一般教養・教職教養、小論文が実施されます。
専門教科・科目
滋賀県教員採用試験の専門教科・科目は、志望する校種・教科の専門知識と指導力を問う筆記試験です。
全校種・教科が対象で、試験時60分・100点満点で実施されます。
| 対象校種 | 全校種・教科 |
|---|---|
| 試験時間 | 60分 |
| 問題数 | 教科・科目による |
| 出題範囲 | ①志望校種・教科の知識・技能 ②学習指導要領等の基礎 |
| 解答方法 | 記述式 |
| 配点 | 100点 |
専門知識だけでなく学習指導要領も出題範囲に含まれます。教科の知識と合わせて対策が必要です。
解答方法は記述式のため、正確な知識を自分の言葉でアウトプットできる力が求められます。過去問や参考書を活用して、記述に慣れておくことが重要です。
なお、詳しい勉強方法は、「教員採用試験の専門教養(科目)とは?試験内容や勉強方法を徹底解説」を参考にしてください。
一般教養・教職教養
滋賀県教員採用試験の一般教養・教職教養は、教員として必要な基礎知識を問う筆記試験です。
全校種・教科共通の試験問題で、試験時間40分・100点満点で実施されます。
| 対象校種 | 全校種共通 |
|---|---|
| 試験時間 | 40分 |
| 問題数 | 22問 |
| 出題形式 | 択一式(マークシート) |
| 出題範囲 *数字は出題数 | 教職教養(教育原理①、教育心理②、教育法規③) |
| 人文科学(国語③、英語③) | |
| 社会科学(日本史①、国際関係①) | |
| 自然科学(数学②、生物①、地学①) | |
| その他(教育施策等④) | |
| 配点 | 100点 |
まずは過去問を3〜5年分解いて出題傾向を把握し、教育法規や国数数などの頻出科目・分野に絞って勉強するのが効率的です。
参考書で頻出の1テーマ覚えたらすぐ問題演習で確認し、間違えた部分を繰り返し復習します。1日30分でも回転させることで、安定して得点できるようになりますよ。
なお、詳しい出題傾向や勉強方法は、「【滋賀県教員採用試験】一般教養の勉強法|出題傾向とスケジュール」を参考にしてください。
小論文
滋賀県教員採用試験の小論文は、教育に対する考え方や課題への対応力、論理的に表現する力を評価する試験です。
試験時間は30分間・600字で仕上げる必要があります。
| 対象校種 | 全校種共通 |
|---|---|
| 試験時間 | 30分 |
| 文字数 | 600字 |
| 問題数 | 1題 |
| 評価の定義 | 10段階評価 |
限られた時間内で書き切るためには、最初に構成(序論→本論→結論)を固めてから書き始めることが重要です。
時間配分を意識し、少なくとも一度は30分で書き切る練習をしておきましょう。まずは過去テーマで1本書いてみて、自分の型を作ることから始めてください。
なお、過去の出題テーマや評価基準は、「滋賀県教員採用試験|小論文の過去問5年分と出題傾向まとめ」を参考にしてください。
第2次試験
滋賀県教員採用試験の第2次試験では、面接試験と指導実技(模擬授業)が実施され、一部の校種・教科では実技試験が加わります。
面接試験
滋賀県教員採用試験の個人面接は、志望動機や教育観を問うことで、教員として必要な能力・適性を把握する人物試験です。
面接は個人面接と集団討論に分かれて実施され、「総合的な資質・能力」や「実践的な指導力」を評価・判断します。
| 項目 | 個人面接 | 集団討論 |
|---|---|---|
| 試験時間 | 10分間 | 不明 |
| 面接官 | 3人(民間企業や行政職員も含む) | 不明 |
| 評定 | 10段階 | 10段階 |
内容の良し悪し以上に「自分の言葉で語れているか」が評価を左右します。
志望動機や教育観は暗記するのではなく、エピソードとセットで話せるように準備しておきましょう。まずは想定質問に対して声に出して答える練習を行い、伝わる表現に磨いていくことが重要です。
なお、過去の質問項目や対策方法は、「【滋賀県教員採用】面接試験の傾向と対策【過去の質問例あり】」で詳しく解説しています。
指導実技(模擬授業)
滋賀県教員採用試験の指導実技(模擬授業)は、志望校種・教科の専門的な指導ができるかどうかを評価する人物試験です。
実際の授業のように、一定の時間内で指定されたテーマや教科について教えることが求められます。
(※養護教諭の場合は模擬場面指導となります)
| 試験時間 | 5〜10分間 |
|---|---|
| 面接官 | 3人 |
| 評価方法 | 10段階評価 |
指導実技のテーマ例(2024年度)
| 小学校 | 【算数】速さと時間がわかっているときの、道のりの求め方について指導しなさい。 | |
|---|---|---|
| 中学校 | 国語 | 次の俳句の意味を読みとり、表現の効果について考えたことを伝え合えるよう、例を挙げながら指導しなさい。 「夏草やつはものどもが夢の跡」 |
| 社会 | 市場における価格の決まり方について理解できるよう指導しなさい。 | |
| 数学 | 具体的な場面において、一元一次方程式を活用して解決することについて、例を用いて指導しなさい。 | |
| 理科 | 位置エネルギーと運動エネルギーとは相互に移り変わることに気づかせるとともに、摩擦力や空気の抵抗などが働かない場合には、力的エネルギーが保存されることを指導しなさい。 | |
| 音楽 | 「魔王」を教材にして、音楽を形づくっている要素と場面とのかかわりを感じ取って鑑賞する指導をしなさい。 | |
| 美術 | 「気になる情景」というテーマで、見上げる、見下ろす、近づくなど、視点の違いに着目し、風景画を描く指導をしなさい。 | |
| 保健体育 | オリンピックやパラリンピックなどの国際的なスポーツ大会などが果たす文化的な意義や役割について指導しなさい。 | |
| 技術 | 情報セキュリティについて、情報通信ネットワークの危険性と安全に利用するための対策を指導しなさい。 | |
| 家庭 | クレジットカードによる三者間契約について指導しなさい。 | |
| 英語 | 生徒が、以下に示す英語の表現を初めて学習するとき、どのような効果的な指導が考えられるか。言語活動を行うにあたり、特有の表現がよく使われる場面を設定して指導しなさい。なお、Classroom Englishを必ず使うこと。 ◆言語の使用場面:電話での応答 A: Hello? This is Lucy. Can I talk to Mike? B: Sorry, Lucy. He’s out now. Shall I take a message? | |
| 高等学校 | 国語 | |
| 日本史 | 11世紀後半から12世紀前半にかけての政治体制について | |
| 世界史 | 日露戦争後のイランとオスマン帝国について | |
| 数学 | 極限の証明について | |
| 物理 | なめらかな半円筒の面上をすべり落ちる小物体の運動について(慣性力の考え方を使って説明すること) | |
| 化学 | 電池の原理について | |
| 生物 | アミノ酸とタンパク質の構造について | |
| 地学 | 西南日本の基盤岩の基本構造の特徴について(付加体に触れて説明すること) | |
| 美術 | 「生命感をあらわす」というテーマについて、彫刻で表現させるときの制作方法や彫刻の特性について | |
| 保健体育 | 食品の安全性について | |
| 英語 | 既習の英文を教材とした内容理解・表現定着のための言語活動 | |
| 家庭 | 将来の経済生活について | |
| 情報 | データ「51」を二分探索(バイナリサーチ)により探し出すアルゴリズムについて | |
| 農業 | 単粒構造と団粒構造について | |
模擬授業では、内容の正確さだけでなく、「分かりやすく伝える力」や「生徒を意識した発問・展開」が重視されます。
まずは1つの単元でよいので指導案を作成し、実際に声に出して練習してみましょう。
専門実技
滋賀県教員採用試験の実技試験は、一部の校種・教科で実施されます。
単に技術が高いかだけでなく、「見本として適切か」「安全に配慮できているか」といった教師としての視点も見られます。
| 対象校種 | 中学校 | 音楽、美術、保健体育、技術、家庭 |
|---|---|---|
| 高等学校 | 音楽、美術、保健体育、家庭、農業、工業、商業 | |
| 養護教諭 | ー | |
| 試験内容 | 音楽 | 中学校(PDF) 高校(PDF) |
| 美術 | 中学校(PDF) 高校(PDF) | |
| 保健体育 | ||
| 技術 | ||
| 家庭 | 中学校(PDF) | |
| 家庭 | ||
| 農業 | ||
| 工業 | ||
| 商業 | ||
| 養護教諭 | ||
| 配点 | 10段階評価 | |
専門実技は、種目ごとに評価ポイントが異なるため、事前に出題内容と評価観点を把握しておくことが重要です。
特に「見せ方」や「安全面への配慮」は多くの自治体で共通して見られるポイントです。まずは自分の受験区分の実技内容を確認し、1度通しで練習してみましょう。
滋賀県教員採用試験の選考スケジュール
滋賀県教員採用試験は、出願から最終合否の発表まで約半年にわたる試験です。
試験日程を早めに把握しておくことが、対策を進めるうえでの最初の準備になります。
例年の選考スケジュールは以下のとおりです。
| 4月中旬〜5月中旬 | 受験申込み(電子申請) |
|---|---|
| 6月中旬 | 第1次選考(専門教科・科目、一般教養・教職教養、小論文) |
| 7月上旬 | 第1次選考の結果発表 |
| 7月下旬〜8月中旬 | 第2次選考(面接および集団討論、指導実技、専門実技等) |
| 9月中旬 | 最終合否発表 |
近年、教員採用試験は全国的に日程の前倒しや第1次試験の共同実施が進んでおり、今後も日程が変動する可能性があります。
例年の感覚で動くと出願を逃すリスクもあるため、必ず最新の公式情報を確認するようにしましょう。
なお、詳しい試験の日程は、「【令和9年度】滋賀県教員採用試験の日程|いつから対策を始める?」で確認してください。
滋賀県教員採用試験の実施結果(倍率)
滋賀県教員採用試験の倍率は、以下のように推移しています。
- 2025年実施(令和8年度):3.2倍
- 2024年実施(令和7年度):3.0倍
- 2023年実施(令和6年度):3.1倍
- 2022年実施(令和5年度):3.3倍
- 2021年実施(令和4年度):3.7倍
ここ数年で倍率は3倍台前半で推移しており、全体としては安定した状況が続いています。
とはいえ、単純に「合格しやすくなった」と判断するのは早見です。採用予定数の増減や志願者数の変化によって倍率は大きく左右されるため、見かけの数字だけで難易度を判断することはできません。
また、滋賀県でも校種や教科によって倍率に差がある点に注意が必要です。小学校は比較的倍率が安定している一方で、中学校や高校は特定の教科で高倍率になることもあります。
そのため、重要なのは全体の倍率ではなく、自分が受験する校種・教科での倍率がどうなっているかという視点です。まずは自分の志望する校種・教科の倍率を確認するところから始めてみましょう。
なお、校種・教科別の倍率推移は、「滋賀県教員採用試験の倍率|教科別・過去の推移」でまとめています。
滋賀県教員採用試験に関するFAQ
滋賀県教員採用試験の志望者が抱く共通の疑問にお答えしていきます。
Q-1.受験資格(年齢制限)はありますか?
A-1 受験するには大きく分けて「年齢・免許・法律」の3つの条件があります。
- 年齢の条件
-
昭和42年(1967年)4月2日以降に生まれた方が対象です。(※令和9年度試験の場合)
- 教員免許の条件
-
出願する校種・職種、教科等に相当する普通免許状を持っている(または取得見込みである)必要があります。
- 法律上の条件
-
地方公務員法第16条および学校教育法第9条で定められた「欠格条項」に該当しないこと、および児童対象性暴力等の防止に関する法律等の要件を満たすことが必須です。
Q-2.過去問はどこで入手できますか?
A-2 滋賀県庁新館2階にある「県民情報室」で閲覧・コピーが可能です。
教員採用選考試験の過去の問題および正答例等は、県庁に直接行くことで閲覧およびコピーができます(コピー代は有料です)。
なお、詳しい入手方法や出題傾向については、「滋賀県教員採用試験の過去問|入手方法と出題傾向」でまとめています。
Q-3.令和9年度(2026年実施)の主な変更点はありますか?
A-3 小学校の体育実技の廃止や、社会人特別選考の要件緩和などがあります。
- 小学校第2次選考の専門実技の廃止
-
第2次選考で実施されていた、小学校教員の専門実技(体育実技)が廃止されます。
- 高等学校教員における第2志望の拡充
-
高等学校教員について、数学または理科に出願した場合、工業を第2志望とすることができるようになります。
- 社会人特別選考の要件緩和
-
民間企業等の勤務経験年数の条件が、教員免許状を有する場合に限り通算「2年」以上に短縮されます。
- 提出書類の電子化
-
加点に関わる提出書類がすべて電子化され、出願フォームの中で添付して提出する形式に変更されます。
滋賀県教員採用試験の合格に向けて
本記事では、滋賀県教員採用試験の試験内容や配点、選考の流れなどを解説しました。
滋賀県教員採用試験は、筆記試験だけでなく人物評価も重視し、すべての成績を総合して合否を判定する方式が採用されています。
そのため、筆記から面接、模擬授業に至るまで、すべての試験種目でバランスよく評価を得ることが合格に必要になります。
対策は早く始めるほど有利になります。正しい方向で準備を進め、合格を目指しましょう。
滋賀県では個人面接や集団討論、指導実技など多くの人物試験が実施されます。筆記対策と並行して、面接対策や模擬授業の準備を早めに進めておきましょう。
試験日程や過去問、倍率などの記事もあります。気になるところから読んでみてください。

