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【対策ガイド2025】名古屋市教員採用試験の内容と傾向

名古屋市教員採用試験の内容

名古屋市の公立学校で教員を目指している方に向けて、本記事では名古屋市教員採用試験の内容や傾向をわかりやすく整理しました。

試験の概要はもちろん、一次・二次試験の傾向から対策方法まで、受験に必要な情報を“ガイドブック”のような感覚でまとめています。これから本格的に準備を始める方にとっても、きっと役立つはずです。

出題傾向や選考方法を理解しないまま勉強を進めてしまうと、努力が成果に結びつきにくくなります。まずは名古屋市教員採用試験の試験制度を正しく把握することから始めていきましょう。

目次

名古屋市教員採用試験の基本情報(概要)

まずは、2026年度(2025年実施)募集要項をもとに名古屋市教員採用試験の概要を簡単に紹介します。

求める教師像

名古屋市では、下記3つを求める教師像として提示しています。

  1. 専門的な知識と幅広い教養を有する人
  2. 教育に対する情熱と使命感をもつ人
  3. 健康な体と豊かな人間性を備えた知・徳・体のバランスのとれた人

「このような人物が欲しい!」という教育委員会からのメッセージなので、必ず理解しておきましょう。

受験資格(年齢制限等)

  • 地方公務員法第16条各号および学校教育法第9条各号に該当しないこと。
  • 選考区分に応じる教諭普通免許状を所有または令和8年3月31日までに取得見込であること。なお、特別支援学校教諭については、養護学校教諭および特別支援学校教諭の免許状を所有または令和8年3月31日までに取得見込であり、かつ特別支援学校の小学部・中学部・高等部に相当する学校の教諭普通免許状を所有または令和8年3月31日までに取得見込であること。
  • 50歳未満(昭和51年4月2日以降に生まれた人)であること。
    ※ 特例B-1①〜⑥、D-1、D-2(p.3・4・6参照)に該当する人は60歳未満(昭和41年4月2日以降に生まれた人)であること。

せっかく合格しても受験資格を満たしていないと採用されないので注意してください。

募集教科

選考区分教科
幼稚園教員
小学校教員
中学校教員国語、社会、数学、理科、音楽、美術、保健体育、技術、家庭、英語
高等学校教員国語、地理・歴史、数学、理科、保健体育、英語、商業、工業
特別支援学校教員
養護教員
栄養教員
  • 小学校・中学校合格者の中から特別支援学級担当教員を配置します。
  • 小学校合格者の中から小学校英語専科教員を配置します。
  • 中学校の合格者は、夜間中学校での勤務となることもあります。
  • 高等学校教員のうち、募集がない教科(音楽・美術・家庭)において欠員が生じたときは、中学校教員に合格した人で**申込時に「高等学校で欠員が生じた教科の希望」を「有」**にした人の中から若干名を選考し、面接の上、採用することもあります。

採用予定人数

校種202620252024
小学校175250200
中高155135145
幼稚園55若干
特別支援906055
養護教諭51015
栄養教諭若干若干若干
合計430460415

選考スケジュール

スケジュール日程
出願期間2025年4月18日(金)〜5月2日(金)
第1次試験2025年6月14日(土)
第1次試験
合格発表
2025年7月中旬
第2次試験2025年7月19日(土)、20日(日)
最終
合格発表
2025年8月下旬

全国の試験日程を下記の記事で詳しくまとめています。併願等を考えるときの参考にしてください。

試験内容

名古屋市教員採用試験では、第1次試験・第2次試験を通して、教員としての知識、技能、そして人物面まで幅広く評価されます。

区分試験名内容概要
第1次試験総合教養教職に関する基礎的知識、一般教養(人文・社会・自然科学)・時事問題、に関する理解度を問う択一式試験。
専門教科志望する教科・職種に関する専門的知識を問う択一式試験。
小論文教育に関するテーマについての論述力、教育観、課題解決力、論理的思考力を評価。
第2次試験個人面接1・2志望動機、教育観、コミュニケーション力、人間性、ストレス耐性、協調性などを多角的に評価。
実技試験志望職種に応じた実技の技能・指導力を確認。
福永

試験ごとの傾向と対策方法を後述しています!

過去の実施状況(結果)

採用年度受験者数合格者数倍率
20251,5544723.3
20241,6464623.6
20231,6394663.5
20221,7384543.8
20211,8494464.1

校種・教科別の実施状況は下記の記事で詳しくまとめています。

第1次試験の傾向と対策

名古屋市教員採用試験の第1次試験では、主に筆記試験によって受験者の基礎的な知識と専門性を評価します。

試験内容は次のとおり。

総合教養(教職・一般教養)

総合教養は、教職教養+一般教養を融合した内容で、教員としての幅広い基礎的教養力が求められます。

試験概要

項目内容
試験時間40分
問題数36問
解答形式択一式(マークシート)
出題範囲(科目)教職教養
・教育原理
・教育法規
一般教養
・人文科学
・社会科学
・自然科学
配点100点満点(1問あたり2〜3点)
  • この情報は2025年度試験に基づいており、年度によって変更の可能性があります。必ず公式の最新要項をご確認ください。

出題傾向

過去の出題データを見ると、年度によって問題数の増減はありますが、教育原理や教育法規の比重が高い傾向にあります。

試験科目202520242023
教育原理132013
教育法規111
国語444
英語444
世界史21
日本史21
地理121
政治1
物理111
化学211
生物221
地学11
その他7
科目別出題数一覧(名古屋市)
  • 各数字は科目ごとの出題数です。
  • 上記は僕自身の解釈であり、公式発表されたものではありません。

対策方法

①出題数の多い科目から着手

まずは、配点の大きい科目から勉強を始めることが合格への近道です。

名古屋市の場合、教育原理・教育法規・国語・英語といった科目が毎年多く出題されており、全体の得点の大部分を占めます(科目別出題数一覧はこちら)。

これらでしっかり点数を取っておけば、理科や日本史など出題数の少ない科目で多少失点しても合格ラインを維持しやすくなります。

逆に、出題数の少ない科目に時間をかけすぎると、努力の割に得点への影響が小さく、効率が下がってしまうので注意が必要です。

②出題頻度の高い分野を優先的に勉強

各科目の中でも毎年必ず出題される頻出分野を重点的に押さえましょう。

たとえば、教育原理なら「特別支援教育」、国語なら「読解・鑑賞」、英語なら「英文読解」などが定番で10年連続出ています。

こうした頻出分野と捨て分野は過去問を分析すれば見えてくるので、効率よく勉強するためにも早い段階で理解してください。

より詳しい頻出分野(過去10年分の出題傾向)を下記の記事で分析・整理しています。ぜひ参考にしてください。

③量より質を重視する

最終合格を目指すなら、全ての範囲を完璧にしようとするのではなく、出題数の多い科目や頻出分野に的を絞って集中的に取り組むことが大切です。

まずは配点の高い科目を重点的に対策し、その中でよく出るテーマを優先的に学びましょう。

そのためには学習計画を立てて、どの科目をどの順番で勉強するか、週ごと・日ごとに目標を設定すると、効率的かつ無理なく勉強を進めることができますよ。

具体的な学習スケジュール例や、実践的な勉強法は下記の記事も参考にしてください。

教科専門

教科専門は、志望する校種・教科に関する専門的知識を測るための筆記試験です。

小学校・中学校・高校・特別支援学校・養護教諭など、受験する校種や教科によって出題範囲が異なり、それぞれに特化した学力が求められます。

試験概要

項目内容
試験時間60分
問題数教科・科目による
解答形式択一式と記述式
配点100点
  • この情報は2025年度本試験をもとに作成しています。年度によって変更される可能性があるため、最新の実施要項も併せてご確認ください。

対策方法

教科専門は、受験者ごとに学力の差が大きく出やすい科目です。自分の現在の実力や理解度に応じた学習計画を立てることが、最も重要なポイントになります。

まずは1〜2年分の過去問を使って腕試ししてみましょう。「自力で解けた問題」「つまずいたテーマ」を見極めて、勉強の優先順位を整理すると効率的です。

正答率別・学習方針の目安

正答率状態対策方針
5割以下基礎力不足中学レベルの基礎からやり直し。用語や原理の理解から徹底。
5~7割中級レベル高校〜大学入試レベルの標準問題で実力を固める。
7割以上準上級〜上級全国の過去問・実戦問題で弱点補強と得点力アップ。
福永

「正答率5割以下だけど何から始めれば…」という方は、中学レベルや教科書からのやり直しを迷わず行いましょう。

自分に合わないレベルの問題集を使っても、学習効率は上がりません。無理なく「解けそう」で「伸びる」教材選びが合格への近道です。

教科専門の具体的な勉強方法や、おすすめ教材、学習スケジュールについては、下記の記事も参考にしてください。

小論文

小論文は「どんな教員になりたいか」を文章にして伝える試験で、人物評価の一環として重視されています。

試験概要

項目内容
試験時間50分
文字数制限なし
*原稿用紙からは上限600字程度
問題数1題
配点A~Dの4段階評価
  • 出典元:2025年度名古屋市教員採用試験より作成

傾向・特色

名古屋市では、毎年「つまずく」や「バランス」など、抽象的な言葉がテーマとして提示され、その言葉から自分でテーマを設定する形式が続いています。

単なる知識の披露ではなく、「体験」と「教育観」を結びつける思考力と構成力が問われるのが特徴です。

対策方法

①書き方の型を身につける

「キーワードの解釈 → 体験の提示 → 教職への展望」という基本構成を理解し、ブレない論述の土台を作りましょう。

②具体的な体験を軸に書く

教育実習やボランティア、学生時代の経験など、「自分だけのエピソード」を教育観と結びつけることが高評価につながります。

③添削を通して磨き上げる

 一人で書いて満足するのではなく、他者からのフィードバックを受けて、より伝わる文章に仕上げることが大切です。

小論文の【評価基準】【出題テーマ】【書き方の構成】【添削の活用法】などを詳しく解説した記事を公開しています。これから本格的に取り組む方は、ぜひご覧ください。

第2次試験の傾向と対策

第2次試験では、人物評価と実技力の確認が中心となります。名古屋市では、学力だけでは測れない「教員としての資質・人間性」を重視する傾向があります。

第2次試験の内容は次のとおり。

個人面接

個人面接は、第2次試験で最も重視される選考項目です。筆記試験では測れない「教員としての適性」や「人柄」を見極めるために実施されます。

試験概要

項目内容
試験時間30分
面接官3人
形式個人面接(口頭試問)+場面指導
配点A~Eの5段階評価
  • この情報は2025年度受験者の報告をもとに作成しています。年度によって変更される可能性があるため、最新の実施要項も併せてご確認ください。
福永

2026年度から集団面接が廃止され、個人面接が2回実施されます!

傾向・特色

名古屋市の個人面接では、「教員としての意識の高さ」と「市の教育方針への理解」が問われます。

志望動機や自己PRといった定番質問に加え、次のような特色が見られます。

  • 教育現場での判断力を問う場面指導型の質問
  • 子ども理解、協働性、柔軟性を評価する対話
  • 名古屋市の教育施策(ICT、チーム学校など)への意識

「どんな教員になりたいか」「名古屋市で働く意味」を、自分の体験や価値観と結びつけて語れることが重要です。

対策方法

①過去の質問項目を把握する(過去問分析)

まずは、過去に問われた質問項目を把握することが重要です。

教員採用試験では大きく質問項目が変わることはなく、同じような質問を皮切りにして行われます。

そのため、これまでの面接で聞かれている定番の質問項目を把握し、それに対する回答を準備しておく必要があるのです。

②質問に対する回答を練る(自己分析)

次に、質問項目に対する回答を考えていきましょう。

想定問答集を用意し、教育観・場面対応・人間関係に関する質問に「自分の言葉」で答えられるよう訓練が必要です。

これまでの経験や体験が重要になるので、時間をかけて思い返しながら具体的に内容を考えてください。

③練習と修正を繰り返す(実践)

上記①と②で面接対策の70%は終了したことになりますが、まだまだ終わりではありません。どれだけ素晴らしい回答を練ったとしても、それが面接官に伝わらなければ意味がないのです。

したがって、過去の質問項目で傾向を把握し、回答を作成したら模擬面接を多く重ねることが重要。

面接では内容だけでなく、あなたの印象(表情や態度、話し方など)も評価対象です。

  • 自分の言いたいことが正確に伝わっているか。
  • 年齢や経験に応じた話ができているか。
  • 笑顔でハキハキ喋れているか。

このような部分は一人では判断できないため、第三者に評価・判断してもらう作業が必要となります。この点はあらかじめ理解しておいてくださいね。

過去の質問項目や自己アピールシート、評価基準などをまとめた詳細記事を公開しています。これから面接対策に取り組む方は、ぜひご活用ください。

実技試験

一部の校種・教科で実技試験が課されます。専門的な技能を見られる場であると同時に、指導力や授業力の片鱗を見せる機会となります。

試験概要

項目内容
対象教科音楽、美術、保健体育、技術、家庭、英語、幼稚園教諭、養護教諭
配点A~Eの5段階評価
  • この情報は2026年度募集要項をもとに作成しています。年度によって変更される可能性があるため、最新の実施要項も併せてご確認ください。

傾向(過去)

美術

「休み時間を自由に過ごす子どもたちを表しなさい」

  • 縦置き・横置きは自由とする
  • 水彩絵の具、もしくはポスターカラーで彩色すること
  • 作品の主題を名札の「 」に記入すること
  • この用紙の余白や裏紙は、下書きに使ってもよい
音楽

弾き歌い:「赤とんぼ」「夏の思い出」「浜辺の歌」「帰れソレントへ」

ピアノ課題曲:モーツァルトのソナタ「K.283 第1楽章」または、ベートーヴェンのソナタ「Op.49, No.2 第1楽章」で、いずれか1曲を自ら選択して演奏します。

ピアノ自由曲

技術

試験内容:不定形の板材から、指定された形状の部品の完成に向けて板材の過去をする。

材料:4すみを一定の寸法でカットしたパイン集成材(300✖️210✖️15)

完成を目指す部品:100✖️150✖️15の直方体(部品2つ) *1つはのこぎりびきのみ

家庭

試験内容:1枚の布を裁断し、「ミニ座布団カバー」を製作する。*まつり縫い、なみ縫い、スナップづけあり

材料:布26枚(25cm✖️45cm)、縫い糸(黒色手縫い糸)26個、スナップ(1cm)26個

保健体育

ハードル走:男女一緒に2回ほど練習し、コース(インターバル)を決め始める。

バスケットボール:ゴール下からの連続シュート(18秒間)

マット運動:側方倒立回転→前転→倒立前転

縄跳び:前回し6回連続(10秒間)して行い、続いて得意技1種目を6回連続(10秒間)して行う。

英語

次の英文を読み、英語での質問に英語で回答しなさい。

 Positive thinking is an attitude or a mindset characterized by optimism and happiness. A positive person hopes for the best and anticipates success in his life. Although many may scoff at the idea of always being positive, it has plenty of benefits not only for the mind but also for the body. Positivity imparts happiness to the soul and makes one lighter. This causes us to exude goodwill and joy. People are drawn towards such individuals.

 Being negative in one’s words and actions causes the exact opposite reaction. It is a known fact that people try to avoid people who relay negativity. They do not want to be around someone who brings down the energy of the room. Positive feedback to yourself can improve your health and increase your chances of success in life. It is advisable that one refrains from using harsh words in their thoughts or words.

幼稚園教諭

ピアノ:標準バイエルピアノ教則本の中の「98番」・「102番」のいずれか1曲を選び演奏する。

歌唱:幼児向きの曲(自由選曲)1曲と課題曲(ありさんのおはなし、め・め・めのいずれか1曲)を伴奏しながら視唱する。

表現:選択した幼児向けの曲を、歌いながら体全体で表現する。

養護教諭

次の事例について、応急処置と保健指導を行う

事例:来室生徒(中学校2年生)

保健体育会の授業でバスケットボールをしていて、パスを受け損ねて、左手示指をつき指して来室した。腫脹あり。変形なし。痛みあり。

この人は中学校2年生の生徒です。つき指をして来室しました。養護教諭の保健室におけるフィジカルアセスメントを行いながら、つき指への応急処置をしてください。処置にはそちらにあるものを使っていただいても結構です。時間は3分間です。3分後にベルを鳴らします。それでは始めてください。

  • この情報は2024年度実施内容をもとに作成しています。年度によって変更される可能性があるため、参考程度にご確認ください。

対策方法

何ができて、できていないのかを早めに把握するようにしましょう。そのうえで出来るように少しずつ技能を磨いていくことが最適解です。

また、自己評価だけでなく、指導者や同僚からフィードバックをもらうことで、自分では気づかない改善点を発見することができます。

なお、課題に沿って完璧にできることにくわえて、熱意や意欲、態度なども評価対象です。

毎年大きく内容が変わることは少ないため、直近の出題例と形式を把握し、試験本番で戸惑わないようにしておきましょう。

まとめ|名古屋市教員採用試験は難しいのか?

名古屋市教員採用試験は、しっかりと対策をすれば決して突破が不可能な試験ではありません

ただし、単に筆記試験の得点だけで決まるわけではなく、面接での人間性や指導観が大きく評価されるため、努力の方向性を誤ると結果につながりにくいという難しさがあります。

実際、筆記試験を通過しても、二次試験でなかなか合格できない受験者も一定数存在します。

「どうせ無理かも…」と感じる瞬間があっても大丈夫。正しい努力は、必ず報われます。この記事が、あなたの“合格までの道しるべ”になれば幸いです。

本記事はここまでです。

本サイトでは、名古屋市教員採用試験の合格に必要な情報を多く配信しています。これから本格的に対策を始めたい方は、ぜひ他の記事も参考にして、自分に合った準備を進めていきましょう。

福永

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