名古屋市の公立学校で教員を目指している方に向けて、教員採用選考試験の内容(第1次試験・第2次試験)をわかりやすく整理しました。
選考スケジュールや実施状況(結果)など、受験に必要な情報をまとめています。これから準備を始める方に役立つ内容です。
出題傾向や選考方法を理解しないまま勉強を進めてしまうと、効率が悪くなってしまいます。
まずは名古屋市教員採用試験の試験制度を正しく把握することから始めていきましょう。
名古屋市教員採用試験の内容
名古屋市教員採用試験では、筆記試験だけでなく、個人面接や模擬指導など複数の試験が課されます。
試験は第1次試験と第2次試験の2段階で行われ、それぞれの試験結果を総合的に評価して最終合格者が決定されます。
主な試験内容は以下のとおりです。
| 選考方法 | 試験種目 | 配点 |
|---|---|---|
| 第1次試験 | 小論文 | 4段階 |
| 総合教養 | 100点 | |
| 専門(教科等) | 100点 | |
| 第2次試験 | 口述試験(個人面接1・個人面接2※模擬指導含む) | 5段階 |
| 実技試験(該当者のみ) | 5段階 |
*志願区分・選考区分により一部異なります
第1次試験
名古屋市教員採用試験の第1次試験では、小論文と専門教科等、総合教養が実施されます。
小論文
名古屋市教員採用試験の小論文は、教育に対する考え方や課題への対応力、論理的に表現する力を評価する試験です。
試験時間は50分間で、600字程度で仕上げる必要があります。
| 対象校種 | 全校種共通 |
|---|---|
| 試験時間 | 50分 |
| 文字数 | 制限なし *原稿用紙からは上限600字程度 |
| 問題数 | 1題 |
| 配点 | A~Dの4段階評価 |
限られた時間内で書き切るためには、最初に構成(序論→本論→結論)を固めてから書き始めることが重要です。
時間配分を意識し、少なくとも一度は50分で書き切る練習をしておきましょう。まずは過去テーマで1本書いてみて、自分の型を作ることから始めてください。
なお、過去の出題テーマや評価基準は、「名古屋市教員採用試験|小論文の傾向や過去7年の出題テーマ」を参考にしてください。
総合教養
名古屋市教員採用試験の総合教養(教職・一般教養)は、教員として必要な基礎知識を問う筆記試験です。
全校種・教科共通の試験問題で、試験時間40分・100点満点で実施されます。
| 対象校種 | 全校種共通 |
|---|---|
| 試験時間 | 40分 |
| 問題数 | 40問 |
| 出題形式 | 択一式(マークシート) |
| 出題範囲 *数字は出題数 | 教職教養(教育原理⑩、教育法規⑥) |
| 人文科学(国語④、英語④) | |
| 社会科学(日本史①、地理①、政治①、国際関係④、環境②) | |
| 自然科学(物理①、化学①、生物①、地学①) | |
| その他③ | |
| 配点 | 100点 |
まずは過去問を3〜5年分解いて出題傾向を把握し、教育原理や教育基本法などの頻出科目・分野に絞って勉強するのが効率的です。
参考書で頻出の1テーマ覚えたらすぐ問題演習で確認し、間違えた部分を繰り返し復習します。1日30分でも回転させることで、安定して得点できるようになりますよ。
なお、詳しい出題傾向や勉強方法は、「【教員採用試験】教職教養・一般教養の勉強法と出題傾向(全国一覧)」を参考にしてください。
専門教科等
名古屋市教員採用試験の専門教科は、志望する校種・教科の専門知識と指導力を問う筆記試験です。
全校種・教科が対象で、試験時間60分・100点満点で実施されます。
| 対象校種 | 全校種・教科 |
|---|---|
| 試験時間 | 60分 |
| 問題数 | 教科・科目による |
| 出題範囲 | ①志望校種・教科の知識・技能 ②学習指導要領等の基礎 |
| 解答方法 | 択一式 |
| 配点 | 100点 |
専門知識だけでなく学習指導要領も出題範囲に含まれます。教科の知識と合わせて対策が必要です。
また、記述式のため、正確な知識を自分の言葉でアウトプットできる力が求められます。過去問や参考書を活用して、記述に慣れておくことが重要です。
なお、詳しい勉強方法は、「教員採用試験の専門教養(科目)とは?試験内容や勉強方法を徹底解説」を参考にしてください。
第2次試験
名古屋市教員採用試験の第2次試験では、一人2回の個人面接が実施され、一部の校種・教科では実技試験が加わります。
個人面接
名古屋市教員採用試験の個人面接は、志望動機や教育観を問うことで、教員として必要な能力・適性を把握する人物試験です。
一人2回行われ、2回目に模擬指導(場面指導)が課されます。
| 試験時間 | 20分×2回 |
|---|---|
| 面接官 | 2人 |
| 形態 | 1回目:個人面接 2回目:模擬指導(場面指導) |
| 評価方法 | A~Eの5段階評価 |
内容の良し悪し以上に「自分の言葉で語れているか」が評価を左右します。
志望動機や教育観は暗記するのではなく、エピソードとセットで話せるように準備しておきましょう。まずは想定質問に対して声に出して答える練習を行い、伝わる表現に磨いていくことが重要です。
なお、過去の質問項目や対策方法は、「名古屋市教採の面接対策!傾向や質問内容から評価基準まで徹底解説!」で詳しく解説しています。
実技試験
特定の校種・教科の受験者を対象に、専門的な実技能力を評価します。
| 対象校種 | 音楽、美術、保健体育、技術、家庭、英語、幼稚園教諭、養護教諭 | |
|---|---|---|
| 試験内容 | 音楽 | 1 弾き歌い:「赤とんぼ」「夏の思い出」「浜辺の歌」「帰れソレントへ」 2 ピアノ課題曲:モーツァルトのソナタ「K.283 第1楽章」または、ベートーヴェンのソナタ「Op.49, No.2 第1楽章」で、いずれか1曲を自ら選択して演奏します。 3 ピアノ自由曲 |
| 美術 | 「休み時間を自由に過ごす子どもたちを表しなさい」 | |
| 技術 | 1枚の布を裁断し、「ミニ座布団カバー」を製作する。*まつり縫い、なみ縫い、スナップづけあり | |
| 保健体育 | ハードル走:男女一緒に2回ほど練習し、コース(インターバル)を決め始める。 バスケットボール:ゴール下からの連続シュート(18秒間) マット運動:側方倒立回転→前転→倒立前転 縄跳び:前回し6回連続(10秒間)して行い、続いて得意技1種目を6回連続(10秒間)して行う。 | |
| 英語 | 次の英文を読み、英語での質問に英語で回答しなさい。 Positive thinking is an attitude or a mindset characterized by optimism and happiness. A positive person hopes for the best and anticipates success in his life. Although many may scoff at the idea of always being positive, it has plenty of benefits not only for the mind but also for the body. Positivity imparts happiness to the soul and makes one lighter. This causes us to exude goodwill and joy. People are drawn towards such individuals. Being negative in one’s words and actions causes the exact opposite reaction. It is a known fact that people try to avoid people who relay negativity. They do not want to be around someone who brings down the energy of the room. Positive feedback to yourself can improve your health and increase your chances of success in life. It is advisable that one refrains from using harsh words in their thoughts or words. | |
| 幼稚園教諭 | ピアノ:標準バイエルピアノ教則本の中の「98番」・「102番」のいずれか1曲を選び演奏する。 歌唱:幼児向きの曲(自由選曲)1曲と課題曲(ありさんのおはなし、め・め・めのいずれか1曲)を伴奏しながら視唱する。 表現:選択した幼児向けの曲を、歌いながら体全体で表現する。 | |
| 養護教諭 | 次の事例について、応急処置と保健指導を行う 事例:来室生徒(中学校2年生) 保健体育会の授業でバスケットボールをしていて、パスを受け損ねて、左手示指をつき指して来室した。腫脹あり。変形なし。痛みあり。 この人は中学校2年生の生徒です。つき指をして来室しました。養護教諭の保健室におけるフィジカルアセスメントを行いながら、つき指への応急処置をしてください。処置にはそちらにあるものを使っていただいても結構です。時間は3分間です。3分後にベルを鳴らします。それでは始めてください。 | |
専門的な指導技能の正確さや、落ち着いて課題に取り組む姿勢が評価されます。
試験内容を募集要項で事前に確認し、本番を想定した実践的な練習を行っておきましょう。
名古屋市教員採用試験の選考スケジュール
名古屋市教員採用試験は、出願から最終合否の発表まで約半年にわたる試験です。
試験日程を早めに把握しておくことが、対策を進めるために必要です。
例年の選考スケジュールは以下のとおりです。
| 4月中旬〜5月上旬 | 受験申込み(インターネット・電子申請) |
|---|---|
| 6月中旬 | 第1次試験(小論文・総合教養・専門) |
| 7月中旬 | 第1次試験の合格発表 |
| 7月中旬 | 第2次試験(口述試験・実技試験等) |
| 8月下旬 | 最終合否発表 |
近年、教員採用試験は全国的に日程の前倒しが進んでおり、今後も日程が変動する可能性があります。
例年の感覚で動くと出願を逃すリスクもあるため、必ず最新の公式情報を確認するようにしましょう。
なお、詳しい試験の日程は、「【令和8年度】名古屋市教員採用試験の日程|いつから対策を始める?」で確認してください。
名古屋市教員採用試験の実施結果(倍率)
名古屋市教員採用試験の実質倍率(全校種)は、以下のように推移しています。
- 2025年実施(令和8年度):3.5倍
- 2024年実施(令和7年度):3.3倍
- 2023年実施(令和6年度):3.6倍
- 2022年実施(令和5年度):3.5倍
- 2021年実施(令和4年度):3.8倍
ここ数年で倍率は3倍台半ばで推移しており、安定した傾向にあります。
とはいえ、採用予定数の増減や志願者数の変化によって倍率は左右されるため、見かけの数字だけで難易度を判断することはできません。
また、名古屋市では校種や教科によって倍率に差がある点にも注意が必要です。小学校などは比較的低倍率で推移する一方で、中学校や高校は教科によって高倍率になることもあります。
そのため、重要なのは全体の倍率ではなく、自分が受験する校種・教科での倍率がどうなっているかという視点です。まずは自分の志望する校種・教科の倍率を確認するところから始めてみましょう。
なお、校種・教科別の倍率推移は、「【令和8年度】名古屋市教員採用試験の倍率|教科別・過去5年の推移」でまとめています。
名古屋市教員採用試験に関するFAQ
名古屋市教員採用試験の志望者が抱く共通の疑問にお答えしていきます。
Q-1.受験資格(年齢制限)はありますか?
A-1 受験するには大きく分けて「年齢・免許・法律」の3つの条件があります。
- 年齢の条件
-
原則として50歳未満(昭和52年4月2日以降に生まれた方)が対象です。(※一部の特例に該当する場合は60歳未満まで受験可能です。)
- 教員免許の条件
-
出願する選考区分に応ずる教諭普通免許状を所有している(または令和9年3月31日までに取得見込である)必要があります。
- 法律上の条件
-
地方公務員法第16条および学校教育法第9条で定められた「欠格条項」に該当しないこと、および「こども性暴力防止法」に基づく特定性犯罪事実該当者ではないことが必須です。
Q-2.過去問はどこで入手できますか?Webサイトにはありますか?
A-2 名古屋市教員採用試験の過去問は、市の公式ウェブサイトでは公開されていません。
名古屋市役所 西庁舎1階にある「市民情報センター」にて、直近2年分の試験問題(総合教養、専門、小論文、口述の課題など)と正答を閲覧したり、コピーしたりすることができます(コピーは有料)。
なお、詳しい入手方法や対策を、「名古屋市教員採用試験の過去問|入手方法と効果的な活用法」でまとめています。
Q-3.名古屋市ならではの特徴的な選考や制度はありますか?
A-3 経験や資格を評価する各種特例や、大学3年生等を対象とした選考試験などがあります。
- 各種特例による一部免除・加点
-
スポーツ・芸術等の実績、英会話能力、専修免許状を所有する人向けの「特例A」や、常勤講師・非常勤教諭経験、名古屋市における子どもと関わる活動(なごや教職インターンシップ等)を評価する「特例B」があり、第1次試験の一部免除や加点が行われます。
- 「大学3年生等を対象とした選考試験」
-
大学3年生等を対象に第1次試験のみを実施する制度です。1次選考の結果、2次試験受験対象となった人は、翌年度の採用試験で2次試験からの受験となります。
- 多様な特別措置
-
大学院在学者や進学者が合格を辞退した場合の翌年度措置や、名古屋市公立学校で勤務し、介護や子育てを理由に退職した人を対象に、2次試験の面接のみで選考を行う特例などが用意されています。
名古屋市教員採用試験の合格に向けて
本記事では、名古屋市教員採用試験の試験内容や選考の流れなどを解説しました。
名古屋市教員採用試験は、筆記試験だけでなく人物評価も重視し、1次試験および2次試験の結果ならびに提出書類を総合して合否を判定する方式が採用されています。
そのため、筆記から個人面接、模擬指導に至るまで、すべての試験種目でバランスよく評価を得ることが合格に必要です。
対策は早く始めるほど有利になります。正しい方向で準備を進め、合格を目指しましょう。
名古屋市では個人面接や模擬指導など人物試験が重視されます。筆記対策と並行して、面接対策や模擬指導の準備を早めに進めておきましょう。
試験日程や過去問、倍率などの記事もあります。気になるところから読んでみてください。

