本記事では、名古屋市教員採用試験の内容と対策のポイントを徹底解説します。
一次・二次試験の概要から合格に向けた具体的な準備方法まで、網羅的に理解できる内容となっています。
敵を知らずして対策を始めてしまうのは、時間の無駄になりかねません。本記事を参考に名古屋市教員採用試験の合格に向けて着実に対策を始めましょう。
名古屋市教員採用試験|一次試験の内容
名古屋市教員採用試験の一次試験は、「総合教養(教職・一般教養)」、「専門教科」、「小論文」の3科目で構成されています。
それぞれの試験内容と対策のポイントを詳しく解説します。
名古屋市教員採用試験|総合教養の内容
総合教養は、教師として必要な基礎知識と幅広い一般教養がどれくらい備わっているかを測る筆記試験です。
ここでは、総合教養の概要と出題範囲、対策方法をまとめています。
- 総合教養の概要
- 総合教養の出題範囲
- 総合教養の対策方法
総合教養の概要
試験時間 | 40分 |
---|---|
問題数 | 36問 |
出題形式 | 穴埋め問題、正誤問題 |
解答方法 | 択一式(マークシート) |
配点 | 100点満点 |
40分で40問近くを解かなくてはいけないため時間配分が非常に重要!
総合教養の出題範囲
教育に関する基礎的な知識を問う「教職教養科目」と、高校までに習った基礎学力を測る「一般教養科目」から出題されます。
教 職 科 目 | 教育原理 | 教育の基本的な理念や原則、教育の目的や目標、教育制度の基本構造についての知識を問う科目 |
---|---|---|
教育法規 | 教育に関する法律や規則、教育行政の仕組み、学校運営に関する法的知識を問う科目 | |
一 般 科 目 | 人文科学 | 国語、英語など、人間の文化や芸術、言語に関する分野 |
社会科学 | 日本史、世界史、地理、政治、経済など、社会の歴史や地理、政治経済に関する分野 | |
自然科学 | 物理、化学、生物、地学、情報など、自然界の法則や科学的な知識を問う分野 |
出題範囲は広いので、過去問の分析を徹底し、必要な科目とそうでない科目を見極め効率よく勉強しましょう。
総合教養の対策方法
総合教養を効率よく勉強するには、次の2つを意識しましょう。
出題数の多い科目から勉強する
Point①:たとえば、科目ごとの出題数は以下のようになっています。
採用年度 | 2022 | 2023 | 2024 |
---|---|---|---|
教育原理 | 13 | 20 | 16 |
教育法規 | 1 | – | 4 |
教育心理 | – | – | – |
教育史 | – | – | – |
国語 | 4 | 4 | 4 |
英語 | 4 | 4 | 4 |
音楽 | – | – | – |
保健体育 | – | – | – |
美術 | – | – | – |
世界史 | 1 | 2 | – |
日本史 | 1 | – | 1 |
地理 | 1 | 2 | 1 |
政治 | 1 | – | – |
経済 | – | – | – |
国際関係 | – | – | 2 |
環境 | – | – | – |
数学 | – | – | – |
物理 | 1 | 1 | 1 |
化学 | 1 | 1 | 1 |
生物 | 1 | 2 | 1 |
地学 | 1 | 1 | 1 |
情報 | – | – | – |
その他 | 7 | – | – |
- 各数字は科目ごとの出題数です。
- 上記は僕自身の解釈であり、公式発表されたものではありません。
まずは、出題数が多く、理解に時間がかかる教育原理や英語から勉強を始めることが重要です。
出題数の多い科目に集中することで、短期間で得点を伸ばすことができます。また、重要な科目で高得点を取ることで、全体の合格ラインを上げることができます。
主要科目(出題数の多い科目)にある程度の自信がついたら、次に他の科目の勉強を本格的に進めるのが効果的な方法です。
頻出度の高い分野から覚える
Point②:たとえば、社会科学「地理」の出題範囲は次のようになっています。
- 各数字は分野ごとの出題数です。
- 上記は僕自身の解釈であり、公式発表されたものではありません。
まずは、出題頻度の高い(3年連続出ている)「人類と地球」から重点的に覚えるのが効果的です。出題頻度の低い、「世界の国々と産業」の勉強に時間を割く必要はありません。
頻出度の高い分野をしっかりと抑えた後、その他の分野を補完的に学習することで、全体的な理解を深め、試験に万全の態勢で臨むことができます。
頻出度の高い分野を優先的に覚えることで、時間を効率よく使うことが可能です!
出題傾向や勉強方法は、下記の記事も参考にしてください。
名古屋市教員採用試験|専門教科の内容
専門教科は、志望する校種・教科に関する専門的知識を測る筆記試験です。
ここでは、専門教科の概要と出題範囲、対策方法をまとめています。
- 専門教科の概要
- 専門教科の出題範囲
- 専門教科の対策方法
専門教科の概要
試験時間 | 60分 |
---|---|
問題数 | 教科・科目によって異なる |
出題形式 | 択一式と記述式 |
配点 | 50~100点満点 |
専門教科の出題範囲
専門教科の出題範囲は、受験する教科や科目によって異なります。
たとえば、小学校なら国語、算数、社会、理科、外国語、音楽、図工、体育、家庭などが出題されます。理科の場合、物理、化学、生物、地学などが出題範囲です。
また、教科・科目に関する知識だけでなく、学習指導要領や指導方法・指導案に関する問題が出題されることがあります。
各科目の基本的な知識を確実に身につけるとともに、学習指導要領についても把握しておくことが重要です。
専門教科の対策方法
専門教科は、受験者ごとに学力レベルや知識の差が大きく出やすいため、自分の学力に合った対策が必要不可欠です。
たとえば、国語教員を目指す人の中には難関大学の入試問題を解ける人もいれば、高校の基礎問題に苦戦する人もいます。同じテキストで勉強しても、自分の実力に合っていなければ効果が薄いです。
まずは過去問を自力で解き、自分の実力を正確に把握することから始めてみてください。
過去問を解くことで、どの分野が得意でどの分野が苦手かが明確になります。この自己評価をもとに、次のような勉強計画を立ててみましょう。
- 5割以下:基礎がないので中学受験レベルから勉強しなおす。基本的な概念や知識をしっかり固めることが大切です。
- 7割以下:高校~大学受験レベルで力をつける。より高度な問題に挑戦し、理解を深めることを目指しましょう。
- 7割以上:全国の過去問を解いて知識の定着や弱点克服。さらに実践的な問題に取り組むことで、試験本番に備えます。
専門教科では、基礎学力をしっかり固めることが大事です。
専門教科がしっかりしていれば、応用問題にも対応できるようになりますし、試験本番での安定したパフォーマンスにつながります。
まずは基本を徹底し、そこから応用力を磨いていきましょう。
専門教科の勉強方法は、下記の記事も参考にしてください。
名古屋市教員採用試験|小論文の内容
名古屋市教員採用試験の小論文は、自分の考えや主張を論理的に説明する文章形式の試験です。
ここでは、小論文の概要や過去問、対策方法を解説します。
- 小論文の概要
- 小論文の過去問
- 小論文の対策方法
小論文の概要
試験時間 | 50分 |
---|---|
文字数 | 500字程度 |
問題数 | 1題 |
配点 | 100点満点 |
筆記試験では判断できない、論理的思考力や読解力、教師としての適性などを総合的に評価します。
小論文の過去問
「つまずく」という言葉から想定されるテーマを想定し、あなた自身の具体的な体験と教育観とを関わらせて論述しなさい。
「絆」や「ハードル」のような抽象的なテーマが頻出です!
小論文の対策方法
まずは出題テーマを分析し、小論文を書くために必要な知識を把握しましょう。
次に、過去問を使って具体的なテーマの傾向を把握することが大事です。過去問を通じて傾向を知れば、どのような切り口で論じるべきかが見えてきます。
傾向を掴んだら、過去問を使って答案を作成し、繰り返し添削を受けることが重要です。小論文で落ちる人ほど、書いた後にそれを放置してしまうことが多いので注意しましょう。
詳しい傾向や過去問は、下記の記事も参考にしてください。
名古屋市教員採用試験|二次試験の内容
名古屋市教員採用試験の二次試験は、「個人面接」、「集団面接」、「実技試験」の3科目で構成されています。
それぞれの試験内容と対策のポイントを詳しく解説します。
名古屋市教員採用試験|個人面接の内容
名古屋市教員採用試験の個人面接は、自己PRや志望動機から教職員としての適性や素質、人間性などを評価・判断する人物試験です。
ここでは、個人面接の概要と過去問、対策方法をまとめています。
- 個人面接の概要
- 個人面接の過去問
- 個人面接の対策方法
個人面接の概要
試験時間 | 30分 |
---|---|
面接官 | 3人 |
内容 | ①志望動機、教職関連等 ②自己PR、仕事意識等 ③教職に係る質問 |
配点 | A~Eの5段階評価 |
面接カード | あり(出願時に自己PRシートを提出) |
ここ近年の教員採用試験では面接試験が重視されているので、早い時期から面接対策を見据えていきたいところです。
個人面接の過去問
- 緊張していますか。
- 自己アピールをしてください。
- 志望理由は何ですか。
- なぜ名古屋市の教員を志望するのですか。
- 名古屋市の魅力はどこですか。
- 教師を目指したきっかけは何ですか。
- 中央教育審議会の令和3年1月26日の答申の中で、「2020年代を通じて実現すべき令和の日本型学校教育の姿」として掲げられている「個別最適な学び」と「協働的な学び」とは、それぞれどのようなものですか。
- 文科省の示した「学校における」新型コロナウイルス感染症に関する衛生マニュアル~学校の新しい生活様式~」において、学校での「3つの密」の回避のために、どのような対応が必要であるとされていますか。
- 「チームとしての学校」とは、どのような対応が必要であるとされていますか。また「チーム学校」を進めるにあたって、大切なことはなんですか。
このほかの質問や回答例は、下記の記事も参考にしてください。
個人面接の対策方法
頻出の質問に対する回答をある程度準備した後は、予備校等を利用して面接練習を行い、姿勢や話し方などを最適化していきましょう。
1人で練習しているだけでは気付けない点がたくさんあるからです。
たとえば、自分では自然だと思っている話し方が他人には緊張しているように見えることがあります。また、手の動きが多すぎたり、声のトーンが一定で単調に聞こえたりすることも多いです。
こうした点を他人からフィードバックを受けることで、より効果的なコミュニケーションができるようになります。
面接は、見た目や態度、話し方といった非言語的な要素も評価の対象となります。
他人の視点からのフィードバックを積極的に取り入れて、全体的な印象を良くする努力をしましょう。
なんとなく面接練習しているだけでは、自分のどこが良くてどこが悪いのかがわからないことが多いので注意してください。
詳しい傾向や情報は、下記の記事も参考にしてください。
名古屋市教員採用試験|集団面接の内容
名古屋市教員採用試験の集団面接は、複数の受験者が一つのグループとなりテーマに沿って話し合ったり、質問に回答したりする人物試験です。
ここでは、集団面接の概要や流れ、過去問、対策方法をまとめています。
- 集団面接の概要
- 集団面接の流れ
- 集団面接の過去問
- 集団面接の対策方法
集団面接の概要
試験時間 | 30分 |
---|---|
受験人数 | 4人 |
面接官 | 2人 |
内容 | 面接+討論+場面指導 |
評価基準 | ○自分の考えをわかりやすく伝えることができるか ○子どもの自己肯定感を高め、よりよく成長させようとする姿勢をもっているか ○他者の意見も聞き、教師として大切なことを考えようとする姿勢があるか ○子どもの状況や心情をふまえ、個に応じた指導をしようとしているか |
集団面接の流れ
考察1分、発表1分で行います。
発表の順番は挙手制です。
考察1分、発表1分で行います。
発表の順番は挙手制です。
考察30秒、発表30秒で行います。
発表の順番は挙手制です。
試験時間は8分。
- 場面指導の内容
- 集団討論の内容
- 人間性・即応性を確かめる内容
最後に面接官が聞き取りたいことについて質問をするので、指名された順番に回答します。
試験時間は6分程度。
一般的な集団面接(質問に対して順番に回答する)ではないので注意が必要!
集団面接の過去問
討論・場面指導のテーマ
- あなたは、小学校3年生の担任です。1学期の運動会で、2人ペアで大玉を運ぶ競技をすることになりました。協力して競技に取り組むため、担任として指導するときに意識することは何ですか。一人ずつ発表してください。
- 練習では、必ず最下位になってしまい、クラスの児童のやる気がどんどんなくなってきています。児童の気持ちを大切にしながらクラスで解決するために、全体に向けて話をします。こちら側に児童がいると想定し、1分で話をしてください。
- 今の模擬指導についての感想を聞きたいと思います。自分の模擬指導を振り返ったり、他の人の模擬指導を見たりして、感じたことを話してください。
- ある児童が運動会の1週間前に、突然転校することが決まりました。その児童は、運動会でペアの種目をやりたかったと言って泣いています。担任として、その児童にいつ、どのような対応をしますか。意見交換をしてください。
口頭試問の質問
- 模擬指導やその感想を通して新たに気づいた視点は何ですか。
- 模擬指導でもう少し時間があったらどんなことを付け加えますか。
- 意見交換で自分の意見をどのくらい伝えることができましたか。
- 教師として指導を行った結果、逆効果となった場合はどうしますか。
- 保護者が「教師の指導に不満がある」と連絡してきた場合はどうしますか。
集団面接の対策方法
集団面接の対策は次の手順で進めることがポイントです。
- 指導力・知識を鍛える
- 友人同士で意見交換を行う
- 実践形式で練習する
これを詳しく深掘りしていきます。
「教育時事や学級経営」がテーマになりやすいです。
そのため、教職の知識や自分なりの教育観を考えおくことが重要。
どれだけコミュニケーション能力が高くても、話すネタや教育感が定まっていないと話し合いになりません。
普段から教育時事などの知識をインプットできるようにしておきましょう。
その際、名古屋市の方向性や文科省の資料などにも目を通しておけると良いです。
日頃から友人同士で教育問題などについて意見交換を行いましょう。
討論では他者とのコミュニケーションが何よりも大切なので、意見を聞くこと、まとめることも重要な要素になるからです。
このときは自分の意見に説得力を持たせるため「こういうことだから、こう思う」と、根拠を盛り込んで論理的に話すことがポイント。
必ず1回、できれば2回は実戦形式の練習を受けましょう。
どんなに知識を持っていても、それをきちんと伝えることができるとは限らないからです。
また、緊張感のある場で実力が発揮できるかを確かめる意味もあります。
大学などでも対策してくれると思いますが試験は年齢や身分が不特定の人と一緒になるため、予備校などを使うと効果的です。
名古屋市教員採用試験|実技試験の内容
名古屋市教員採用試験の実技試験は、専門的技能や実践的能力があるかどうかを評価・判断する人物試験です。
ここでは、実技試験の概要やテーマ、対策方法を解説します。
- 実技試験の概要
- 実技試験のテーマ
- 実技試験の対策方法
実技試験の概要
中学校、高校のうち、以下の教科および養護教諭、幼稚園教諭の受験者が対象です。
- 音楽
- 美術
- 保健体育
- 技術
- 家庭
- 英語
- 養護教諭
- 幼稚園教諭
専門知識の有無だけでなく、児童生徒に知識を伝えるための教育的なアプローチや方法論も重要視されます。
実技試験のテーマ
実技試験の対策方法
何ができて、できていないのかを早めに把握するようにしましょう。そのうえで出来るように少しずつ技能を磨いていくことが最適解です。
また、自己評価だけでなく、指導者や同僚からフィードバックをもらうことで、自分では気づかない改善点を発見することができます。
なお、課題に沿って完璧にできることにくわえて、熱意や意欲、態度なども評価対象です。
実際の試験では面接と同じように楽しくできるように練習してください。
名古屋市教員採用試験に関するFAQ
名古屋市教員採用試験に関するFAQ(よくある質問)をまとめています。
まとめ|名古屋市教員採用試験は難しいのか?
今回は、名古屋市教員採用試験の内容と対策のポイントについて、一次試験・二次試験ごとに詳しく解説しました。
再度、試験内容をまとめます。
一次試験 | 総合教養 | 教職員として必要な基礎学力(教職教養と一般教養)に関する筆記試験。(択一式:60分) |
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専門教科 | 志望する校種・教科に関する専門知識や学習指導要領の理解度を測る筆記試験。(択一式:60分) | |
小論文 | 抽象的なテーマに基づき、自分の考えを論理的に展開し記述する試験。教育現場で直面する課題への対応策や教育哲学など、深い思考と表現力が求められます。(50分) | |
二次試験 | 個人面接 | 教育現場での対応力や人柄、コミュニケーション能力などに関する面接試験。過去の経験や指導教科について質問されます。(30分程度) |
集団面接 | 集団形式による面接。テーマに沿って話し合ったり、教育課題について場面指導をしたりします。(40分程度) | |
実技試験 | 一部の教科のみ、教科など特定の教科の指導能力を見るための人物試験。 |
名古屋市教員採用試験の難易度は決して高くありませんが、最終合格するにはしっかりとした準備が求められる試験です。
あなたの努力が実を結び、試験に合格することを心から応援しています。今すぐ行動を始め、夢に向かって一歩踏み出しましょう!
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