仙台市の公立学校で教員を目指している方に向けて、教員採用選考試験の内容(第1次選考・第2次選考)をわかりやすく整理しました。
選考スケジュールや実施状況(結果)など、受験に必要な情報をまとめています。これから準備を始める方の役に立つはずです。
出題傾向や選考方法を理解しないまま勉強を進めてしまうと、効率が悪くなってしまいます。
まずは仙台市教員採用試験の試験制度を正しく把握することから始めていきましょう。
仙台市教員採用試験の内容
仙台市教員採用試験では、筆記試験だけでなく、面接試験や集団討議など複数の試験が課されます。
試験は第1次選考と第2次選考の2段階で行われ、それぞれの試験結果を総合的に評価して最終合格者が決定されます。
主な試験内容は以下のとおりです。
| 選考方法 | 試験種目 | 配点・評価 |
|---|---|---|
| 第1次選考 | 筆記試験1(専門) | 100点または200点(※1) |
| 筆記試験2(教養) | 100点 | |
| 実技試験(対象教科のみ ※2) | 50点または100点 | |
| 第2次選考 | 適性検査 | 参考 |
| 集団討議 | 5段階評定 | |
| 個人面接1 | 5段階評定 | |
| 個人面接2 | 5段階評定 |
(※1 音楽・美術・保健体育は100点、それ以外は200点。
※2 中学校・高等学校教諭の音楽・美術・保健体育・英語が対象です。)
第1次選考
仙台市教員採用試験の第1次試験では、専門教科と一般教養が実施され、一部の校種・教科では実技試験が加わります。
筆記試験1(専門)
仙台市教員採用試験の筆記試験1(専門)は、志望する校種・教科の専門知識と指導力を問う筆記試験です。
全校種・教科が対象で、試験時60分・100点満点で実施されます。
| 対象校種 | 全校種・教科 |
|---|---|
| 試験時間 | 60分 |
| 問題数 | 教科・科目による |
| 出題範囲 | ①志望校種・教科の知識・技能 ②学習指導要領等の基礎 |
| 解答方法 | 択一式 |
| 配点 | 100点または200点(※1) 音楽・美術・保健体育は100点、それ以外は200点 |
専門知識だけでなく学習指導要領も出題範囲に含まれます。教科の知識と合わせて対策が必要です。
解答方法は択一式のため、正確な知識をもとに素早く判断する力が求められます。過去問や問題集を繰り返し解き、出題パターンやひっかけの傾向に慣れておくことが重要です。
なお、詳しい勉強方法は、「教員採用試験の専門教養(科目)とは?試験内容や勉強方法を徹底解説」を参考にしてください。
筆記試験2(教養)
仙台市教員採用試験の筆記試験2(教養)は、教員として必要な基礎知識を問う筆記試験です。
全校種・教科共通の試験問題で、試験時間40分・100点満点で実施されます。
| 対象校種 | 全校種共通 |
|---|---|
| 試験時間 | 60分 |
| 問題数 | 25問 |
| 出題形式 | 択一式(マークシート) |
| 出題範囲 *数字は出題数 | 教職教養(教育原理⑬、教育史①、教育法規③) |
| 人文科学(国語②、英語①) | |
| 社会科学(地理②) | |
| 自然科学(数学②、化学①) | |
| 配点 | 100点 |
まずは過去問を3〜5年分解いて出題傾向を把握し、教育法規や国数数などの頻出科目・分野に絞って勉強するのが効率的です。
参考書で頻出の1テーマ覚えたらすぐ問題演習で確認し、間違えた部分を繰り返し復習します。1日30分でも回転させることで、安定して得点できるようになりますよ。
なお、詳しい出題傾向や勉強方法は、「【仙台市教員採用試験】教職・一般教養の出題傾向と対策【期間別】」を参考にしてください。
実技試験
仙台市教員採用試験の実技試験は、一部の校種・教科で実施されます。
単に技術が高いかだけでなく、「見本として適切か」「安全に配慮できているか」といった教師としての視点も見られます。
| 対象校種 | 中高 | 音楽、美術、保健体育、英語 |
|---|---|---|
| 試験内容 | 音楽 | ・指 揮 (50 点) 以下にあげる曲を、指揮をしながら歌う。 「大地讃頌」(大木惇夫作詞/佐藤眞作曲) ※無伴奏・歌うパートと小節は当日指定 ・弾き歌い(50 点) 以下にあげる曲から1曲選択し、ピアノ伴奏しな がら歌唱する。調は問わない。ピアノ伴奏は、教科 書に記載されている程度とする。 「赤とんぼ」(三木露風作詞/山田耕筰作曲) 「夏の思い出」(江間章子作詞/中田喜直作曲) 「花の街」(江間章子作詞/團伊玖磨作曲) |
| 美術 | 絵画表現(100 点) ① デッサン 鉛筆を使い、写実的に描く。(60 分) ② 水彩表現(作品構想の記述を含む) アクリル絵の具を使い、作品の構想を踏まえて描く。(100 分) | |
| 保健体育 | 【共通】 ・陸上競技(30 点) ハードル走 ・器械運動(30 点) マット運動※ ※マット運動の種目は当日提示する。 ・球技選択(20 点) ※ア、イいずれか1種目を出願時に選択 ア バスケットボール イ バレーボール ・武道選択(20 点) ※ア、イいずれか1種目を出願時に選択 ア 柔 道 イ 剣 道 | |
| 英語 | ・英文朗読(10 点) 当日指定する英文の朗読 ・英語による面接(40 点) 英語による質疑応答(教育に関する話題等) | |
| 配点 | 100点満点(英語は50点) | |
実技試験は、種目ごとに評価ポイントが異なるため、事前に出題内容と評価観点を把握しておくことが重要です。
特に「見せ方」や「安全面への配慮」は多くの自治体で共通して見られるポイントです。まずは自分の受験区分の実技内容を確認し、1度通しで練習してみましょう。
第2次選考
仙台市教員採用試験の第2次試験では、個人面接と集団討議が実施されます。
- 個人面接
- 集団討議
個人面接
仙台市教員採用試験の個人面接は、志望動機や教育観を問うことで、教員として必要な能力・適性を把握する人物試験です。
面接は一人2回あり、「総合的な資質・能力」や「実践的な指導力」を評価・判断します。
| 試験時間 | 各20分間 |
|---|---|
| 面接官 | 2人 |
| 評定 | A~Eの5段階評価 |
内容の良し悪し以上に「自分の言葉で語れているか」が評価を左右します。
志望動機や教育観は暗記するのではなく、エピソードとセットで話せるように準備しておきましょう。まずは想定質問に対して声に出して答える練習を行い、伝わる表現に磨いていくことが重要です。
なお、過去の質問項目や対策方法は、「【面接対策】仙台市教員採用試験 個人面接の過去問と概要」で詳しく解説しています。
集団討議
仙台市教員採用試験の集団討議は、複数の受験者が一つのグループとなりテーマに沿って話し合う人物試験です。
| 試験時間 | 40分間 |
|---|---|
| 面接官 | 2人 |
| 受験者数 | 5人程度 |
| 評価基準 | ・他者とのコミュニケーション能力を身に付けているか。 ・学習指導や生徒指導等における場面対応力を備えているか。 ・教員としての適性を備えているか。等 |
| 評定 | A~Eの5段階評価 |
1グループ2回の討論を行います。1回目は「社会一般に関すること」、2回目は「学校での指導場面に関すること」がテーマとなります。
集団討議の流れ
試験5分前になったら、控室から移動し、試験会場前で待機。面接官に受験票を提出し、試験会場へ入室します。
グループで話し合うテーマが発表されるので、1分間で構想。
討論を始める前に、受験者同士で司会者を決めます。
テーマに沿って受験者間で討論(15分)を行います。
1回目の討論終了後、2回目の討論テーマが発表されます。
テーマに沿って受験者間で討論(15分)を行います。配点A~Eの5段階評価評価基準・他者とのコミュニケーション能力を身に付けているか。・学習指導や生徒指導等における場面対応力を備えているか。・教員としての適性を備えているか。等
集団討論の過去問
集団討論では、説得力のある発言を心がけることが大切です。
具体的には、自分の意見を言うときは、「こう思う」というだけでなく、「こういう理由だから、こう思う」と自分の経験や事例を交えて話す練習をしてください。
根拠のない発言を繰り返しても、討論になりませんし、適当なことを言っていると評価を下げかねません。
また、他の人が何を言っているか聞くのも重要。前の人が言ったことをきちんと受け止めながら、自分の意見を話せるように準備しましょう。
仙台市教員採用試験の選考スケジュール
仙台市教員採用試験は、出願から最終合否の発表まで約半年にわたる試験です。
試験日程を早めに把握しておくことが、対策を進めるうえで重要です。
例年の選考スケジュールは以下のとおりです。
| 4月中旬〜5月中旬 | 受験申込み(オンライン申請) |
|---|---|
| 7月中旬 | 第1次選考(筆記試験・実技試験) |
| 8月上旬 | 第1次選考の合格発表 |
| 8月下旬〜9月上旬 | 第2次選考(適性検査・集団討議・個人面接) |
| 10月上旬 | 最終合否発表 |
近年、教員採用試験は全国的に日程の前倒しが進んでおり、今後も日程が変動する可能性があります。
例年の感覚で動くと出願を逃すリスクもあるため、必ず最新の公式情報を確認するようにしましょう。
なお、詳しい試験の日程は、「【令和9年度】仙台市教員採用試験の日程|いつから対策を始める?」で確認してください。
仙台市教員採用試験の実施結果(倍率)
仙台市教員採用試験の倍率は、以下のように推移しています。
- 2025年実施(令和8年度):2.9倍
- 2024年実施(令和7年度):3.4倍
- 2023年実施(令和6年度):3.7倍
- 2022年実施(令和5年度):3.8倍
- 2021年実施(令和4年度):2.7倍
ここ数年で倍率は緩やかに低下傾向にあり、全体としては受験しやすい環境になりつつあるといえます。
とはいえ、倍率が下がっているからといって、単純に「合格しやすくなった」と判断することはできません。採用予定数の増減や志願者数の変化によって倍率は大きく左右されるため、見かけの数字だけで難易度を判断しないように注意が必要です。
また、仙台市では校種や教科によって倍率に差があります。小学校は比較的低倍率で推移する一方で、中学校や高校は教科によって高倍率になることもあります。
そのため、確認すべきは全体の倍率ではなく、自分が受験する校種・教科での倍率がどうなっているかということです。まずは自分の志望する校種・教科の倍率を確認するところから始めてみましょう。
なお、校種・教科別の倍率推移は、「【令和8年度】仙台市教員採用試験の倍率|教科別・過去5年の推移」でまとめています。
仙台市教員採用試験に関するFAQ
仙台市教員採用試験の志望者が抱く共通の疑問にお答えしていきます。
Q-1.受験資格(年齢制限)はありますか?
A-1 受験するには大きく分けて「年齢・免許・法律」の3つの条件があります。
- 年齢の条件
-
昭和40年(1965年)4月2日以降に生まれた方(令和9年4月1日時点で62歳未満の方)が対象です。
- 教員免許の条件
-
出願する校種・職種、教科等の普通免許状を持っている(または令和9年3月31日までに取得見込みである)必要があります。
- 法律上の条件
-
地方公務員法第16条および学校教育法第9条で定められた「欠格条項」に該当しないこと、および「特定性犯罪事実該当者」に該当しないことが必須です。
Q-2.過去問はどこで入手できますか?
A-2 宮城県庁内にある「県政情報センター」等で閲覧やコピーが可能です。
宮城県庁内にある「県政情報センター」(行政庁舎地下1階)や、各地方振興事務所等の「県政情報コーナー」へ行くことで、公開されている試験問題の閲覧およびコピーが可能です。
なお、詳しい入手方法や効果的な活用法は、「仙台市教員採用試験の過去問|入手方法と効果的な活用法」でまとめています。
Q-3.令和9年度(令和8年実施)の変更点はありますか?
A-3 国際貢献活動等経験者特別選考の新設や、実技試験の一部変更などがあります。
- 「国際貢献活動等経験者特別選考」を新設
-
青年海外協力隊など、在外教育施設において派遣(勤務)経験が1年以上ある方を対象とした特別選考が新たに実施されます。
- 「講師等経験者特別選考」に区分を設定
-
講師等経験者特別選考において、新たに区分(A・B)が設定されました。
- 実技試験等の一部変更
-
中学校・高等学校教諭「音楽」の実技試験が一部変更され、指揮、弾き歌いのみの実施となりました。また、第2次選考の「集団討論」が「集団討議」に名称変更されています。
仙台市教員採用試験の合格に向けて
本記事では、仙台市教員採用試験の試験内容や配点、選考の流れなどを解説しました。
仙台市教員採用試験は、筆記試験だけでなく人物評価も重視し、すべての成績を総合して合否を判定する方式が採用されています。
そのため、筆記から集団討議、個人面接に至るまで、すべての試験種目でバランスよく評価を得ることが合格に繋がります。
対策は早く始めるほど有利になります。正しい方向で準備を進め、合格を目指しましょう。
仙台市では個人面接を2回実施するほか、集団討議も行われます。筆記対策と並行して、面接対策や討議の準備を早めに進めておきましょう。
試験日程や過去問、倍率などの記事もあります。気になるところから読んでみてください。

