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【2026年受験対策】愛知県教員採用試験の内容と傾向を徹底解説!

愛知県教員採用試験の対策ロードマップ

愛知県の教員を目指して、採用試験の対策を始めようとしているあなたへ。

  • 「試験の内容って具体的に何があるんだろう?」
  • 「筆記だけじゃなく、面接や小論文もあるみたいだけど、どう対策すれば…?」

そんな疑問や不安で、何から手をつければいいか迷っていませんか?

大丈夫です。

この記事を読めば、愛知県教員採用試験の全体像から、一次・二次試験の具体的な内容、そして最新の変更点まで、合格に必要な情報がすべてわかります。

現時点で最新の「令和8年度(2025年実施)採用」の情報を基に、どこよりも分かりやすく、そして「どう対策に活かすか」という視点で徹底解説しますね。

試験の全体像をしっかり掴むことが、合格への第一歩です。さあ、一緒に合格への最短ルートを走り出しましょう!

目次

【令和8年度】愛知県教員採用試験の概要

これから愛知県教員採用試験の合格に向けて準備を始めるわけですが、何から手をつければいいか迷うかもしれません。

まずは敵を知ることから始めましょう。

ここでは、現時点で最新の「令和8年度(2025年実施)採用」の受験案内をもとに、愛知県教員採用試験の全体像を分かりやすく解説していきます。

試験の全体像をしっかり掴んで、合格までの最短ルートを走り出しましょう!

受験資格

「そもそも自分は受験できるのかな?」

最初に確認すべき大切なポイントですね。愛知県の教員採用試験(大学3年生等前倒し選考を除く)では、主に以下の3つの要件を満たす必要があります。

①欠格事項に該当しないこと

地方公務員法第16条や学校教育法第9条で定められている、教員になれない条件に当てはまらないことが大前提です。

②年齢要件

昭和41年(1966年)4月2日以降に生まれた人、と定められていますね。

幅広い年齢層の方がチャレンジできるのが特徴です。

③免許状の要件

受験する校種・教科の普通免許状を持っているか、令和8年(2026年)3月31日までに取得する見込みがあることが必要です。

「取得見込み」で受験する学生さんがほとんどだと思いますので、安心してくださいね。

福永

上記は一般選考の主な要件です。特別選考や、一部の教科では追加の要件があるため、詳細は必ず公式の受験案内で確認しましょう。

募集校種・教科

愛知県がどのような先生をどれくらい求めているのか、具体的な数字で見ていきましょう。

以下の表は「令和8年度採用」の募集内容です。ご自身の受験する校種・教科の採用規模感を掴んでおきましょう。

受験区分採用予定教科(科目)
小学校約730人
中学校約400人国語, 社会, 数学, 理科, 音楽, 美術, 保健体育, 技術, 家庭, 英語
高等学校約290人国語, 地理歴史, 公民, 数学, 理科, 音楽, 美術, 保健体育, 家庭, 英語, 商業, 工業(機械/電気/建築/デザイン), 農業, 水産(情報通信), 情報, 福祉, 看護
特別支援約150人【小学部】
【中学・高等部】国語, 社会, 数学, 理科, 音楽, 美術, 保健体育, 技術, 家庭, 英語, 工業(機械)
養護教諭約55人
栄養教諭約10人
ここに記載されているのは、令和8年度の情報です。

教科ごとの採用があるかどうかは、年度によって変動します。特に、高校の先生を目指す方は、自分の専門教科の募集があるかどうかが死活問題になりますね。

福永

採用見込数の詳細は、例年4月頃に愛知県教育委員会のウェブサイトで発表される「実施要項」で必ず確認してください。

試験日程(選考スケジュール)

試験対策は、スケジュール管理が命です。令和8年度採用試験の大きな流れを把握し、いつまでに何をすべきか計画を立てましょう。

出願受付期間令和7年4月25日(金)〜5月9日(金)
第1次試験令和7年6月14日(土)
1次結果発表令和7年7月7日(月)
第2次試験令和7年7月19日(土)〜7月20日(日)
最終結果発表令和7年8月29日(金)
配置校の連絡令和8年3月上旬〜中旬
ここに記載されているのは、令和8年度の情報です。

この流れを見ると、出願から一次試験まで約1ヶ月、一次試験から二次試験までも約1ヶ月と、意外と時間がないことが分かります。

▼なお、併願等を考えている方は以下の記事も参考にしてください。全自治体の試験日程を一覧でまとめています。

実施状況

愛知県教員採用試験の倍率は、全体としては緩やかな低下傾向にありますが、校種や教科によって大きく異なります。

ここでは、試験結果の全体像を、校種ごとに見ていきましょう。まずは大まかな競争率を把握してみてください。

校種受験者数合格者数倍率
小学校1,741人710人約2.5倍
中学校1,374人430人約3.2倍
高等学校1,198人350人約3.4倍
特別支援366人170人約2.2倍
養護教諭441人80人約5.5倍
栄養教諭96人10人9.6倍
合 計5,216人1,750人約3.0倍
令和7年度(2024年実施)結果

この表を見ると、全体の倍率は約3.0倍ですが、栄養教諭や養護教諭は非常に競争が厳しいことが分かりますね。

倍率はあくまで参考指標です。この数字を冷静に受け止め、合格に向けてやるべき対策を一つひとつ進めていきましょう。

▼「もっと詳しく、教科ごとの倍率や過去の推移も知りたい!」という方は、ぜひこちらの記事をご覧ください。より詳細な分析をまとめています。

主な変更点

最後に、今回の令和8年度試験から適用される、特に重要な変更点を押さえておきましょう。

古い情報や昨年度までの感覚で対策を進めていると、スタートラインで損をしてしまう可能性があります。ライバルに差をつけるためにも、ここでしっかりと最新情報にアップデートしておきましょう!

①特別支援学校教諭の実技試験が廃止に!

これまで二次試験で課されていた特別支援学校教諭区分の実技試験が、全教科で廃止されることになりました。

これは、特別支援を目指す受験生にとって非常に大きな変更ですね。実技対策にかけていた時間を、すべて筆記試験や面接対策に充てることができます。

特に個人面接が重視される愛知県の試験において、より人物評価に比重が置かれる可能性も考えられます。

②元教諭・講師経験者向けの選考が変わる

経験者向けの選考も、以下のように見直されました。

  • 市町村教育長推薦特別選考(新設): 小・中学校の受験者で、市町村教育長の推薦を得られた場合、一次試験が全免除となります。現場での実績が大きく評価される制度ですね。
  • 元教諭・講師経験者特別選考: 上記の推薦がない場合でも、この選考で認められれば、一次試験の「教職・教養」が免除されます。専門教科の対策に集中できるのは大きなアドバンテージです。

愛知県教員採用試験の一次試験内容

ここからは、教員になるための最初の関門、一次試験について詳しく見ていきましょう。

一次試験は、教員としての基礎的な知識や思考力が問われる筆記試験です。愛知県の一次試験は、大きく分けて以下の3つの科目で構成されています。

  1. 教職・一般教養:教員として知っておくべき共通の知識
  2. 専門教科:担当する教科の専門的な知識
  3. 小論文:教員としての資質や思考力を問う記述試験

この3つの科目をバランス良く対策することが、一次試験突破のカギになりますね。

それでは、それぞれの科目の特徴と、押さえるべきポイントを順番に解説していきます!

教職・一般教養

「教員採用試験の対策を始めよう!」と思ったとき、多くの受験生が最初に壁と感じるのが、この「教職・一般教養」ではないでしょうか。

教育原理、教育法規、教育心理…。それに加えて、国語、数学、理科、社会…。 あまりの範囲の広さに、「いったい何から手をつければいいんだ…」と途方に暮れてしまいますよね。

でも、安心してください。

この科目は、やみくもに全範囲を勉強する必要はありません。 実は、合格への最短ルートを導き出す「明確な攻略法」が存在します。

その攻略の第一歩は、まず相手(試験)の全体像を正確に把握することです。 さっそく、基本情報から見ていきましょう。

教職・一般教養の概要

まずは、試験の全体像を把握しておきましょう。

試験時間60分
問題数30問(必答)
出題形式正誤問題、穴埋め問題
解答方法択一式(OCR)
配点100点満点
令和8年度(2025年実施)データ

この試験の最大のポイントは、全30問のうち、実に4割にあたる12問が「教職教養」から出題されることです。

では、過去の出題傾向をさらに詳しく見て、具体的な傾向を理解していきましょう。

教職・一般教養の傾向

教職・一般教養は、大きく分けて「教師としての専門知識を問う『教職教養』」と、「社会人としての基礎学力を問う『一般教養』」の2分野から出題されます。

それぞれの分野の具体的な科目と問題数を見ていきましょう。

▼ 教職教養分野(計12〜13問)

教師になるための「必修科目」とも言える、最重要分野です。

科目と出題数は以下のとおりです。

科目R8年度R7年度R6年度
教育原理766
教育法規333
教育心理111
教育史222
教職合計131212
当サイトが試験問題を独自に分析したデータです。

教職教養の中でも、出題数の半分以上を占める「教育原理」が合否の鍵を握ることが分かりますね。学習指導要領や特別支援教育は最優先で対策すべき分野です。

▼ 一般教養分野(計17〜18問)

こちらは、高校までに履修した、幅広い知識が問われる分野です。

科目と出題数は以下のとおりです。

科目R8年度R7年度R6年度
国語222
倫理000
英語222
音楽001
美術011
保健体育111
世界史011
日本史100
地理110
政治000
経済001
国際関係110
環境100
数学222
物理010
化学101
生物120
地学002
情報111
その他211
ローカル122
一般合計171818
当サイトが試験問題を独自に分析したデータです。

見ての通り、科目数が非常に多く、すべてを完璧にするのは非効率です。

次の「勉強法」で解説しますが、どこを優先し、どこを思い切って捨てるか、という戦略が不可欠になります。

教職・一般教養を突破する5ステップ勉強法

試験の範囲は膨大ですが、心配はいりません。 やみくもに手をつけるのではなく、正しい手順で効率よく勉強を進めれば、合格に必要な力は必ず身につきます。

ここでは、多くの合格者が実践してきた王道の5ステップ勉強法をご紹介しますね。


STEP1:まずは過去問で「現在地」を知る

何事も、まずは計画からですが、その前にやるべきことがあります。それは、まず1年分の過去問を時間を計って解いてみることです。

本格的な勉強を始める前に一度解いてみることで、「今の自分の実力(現在地)」と「合格までの距離」が明確になり、学習計画が格段に立てやすくなります。

点数が低くても全く気にする必要はありません。目的は、敵を知り、己を知ることです。

(参考)教職・一般教養の過去問


STEP2:最重要の「教職教養」から始める

学習を始めるにあたって、最も優先すべきは「教職教養」分野です。

理由は2つあります。

  1. 配点が全体の4割(12〜13問)を占める最重要分野だから
  2. 知識の定着に時間がかかる「積み上げ型」の科目だから

特に「教育原理」や「教育法規」は、一夜漬けが全く通用しません。早い段階からコツコツと取り組み、繰り返し触れることで知識を定着させることが、合格の絶対条件です。


STEP3:参考書と問題集でインプット・アウトプットを繰り返す

具体的な勉強は、「参考書でインプット」→「問題集でアウトプット」というサイクルを高速で繰り返すのが基本です。

  1. 【インプット】 参考書を読み、用語や制度の背景を理解する。
  2. 【アウトプット】 すぐに同じ分野の問題集を、自力で解いてみる。
  3. 【復習】 間違えた問題は、なぜ間違えたのか解説を熟読し、もう一度解き直す。

このサイクルを回すことで、知識が脳に深く刻まれ、初見の問題にも対応できる応用力が養われます。定評のある参考書を1冊に絞り、それを徹底的にやり込むのが合格への近道です。

▼ちなみに、どんな参考書を使えばいいか、具体的な進め方を知りたい方は、こちらの王道パターンを解説した記事を参考にしてくださいね


STEP4:「一般教養」は“出る”分野に絞って賢く対策する

科目数が多く、範囲が広すぎる「一般教養」は、“すべてを完璧にやろうとしない”ことが何よりも重要です。

ここでの鉄則は、「愛知県で出題頻度の高い分野に絞り、そこだけは確実に得点する」という戦略です。

たとえば、自然科学の数学で「数と式」に関する分野。どの参考書でも重要度Aとされており、多くの受験生がこの分野に重点的に取り組んでいます。

教員採用試験の出題重要度
セサミノート(東京アカデミー著)より引用

ところが、愛知県の過去10年分の出題を徹底分析したところ、なんとこの『数と式』はほとんど出題されていなかったのです。

愛知県教員採用試験 数学の出題範囲
当サイトが過去10年間の試験問題を独自に分析したデータです。

このように市販の参考書の重要度ランクだけを信じて学習を進めるのは非常に危険です。あなたが今、貴重な時間を使って必死に暗記しているその知識…もしかしたら、それは“愛知県では”ほとんど出ない分野かもしれません。

そんな非効率な学習を避け、あなたの努力を100%得点に結びつけるために、愛知県の過去10年分の出題傾向を徹底分析したデータをご用意しました。

学習を始める前に、まずはこの「合格へのコンパス」で、本当にやるべき頻出分野と、後回しにできる分野をしっかりと見極めましょう。


STEP5:過去問演習で時間配分を体に染み込ませる

試験直前期になったら、本番と同じ「60分で30問」という条件で、時間を計って過去問を解くトレーニングを積みましょう。

この実践演習の目的は、以下の3つです。

  • 時間配分の習得:1問あたり約2分というペースを体に染み込ませる。
  • 本番のシミュレーション:試験の緊張感に慣れ、解く順番などを確立する。
  • 弱点の最終確認:最後まで得点できない分野を洗い出し、最後の追い込みをかける。

特に、時間内に全ての問題を解ききることは困難です。

「少し考えても解法が思い浮かばない問題は、潔く飛ばして次に進む」という判断力も、この段階で養っておきましょう。


教職・一般教養の対策は「戦略」が9割

教職・一般教養の傾向と対策を解説しました。最後に、合格を掴むための重要ポイントをもう一度おさらいしておきましょう。

  • 教職教養、特に「教育原理」が最優先(配点の4割)
  • 一般教養は頻出分野に絞り、深追いしない(英・数・国・情報・ローカル問題)
  • 参考書の「重要度」を鵜呑みにしない(“愛知県で出るか”が全て
  • 正しい「5ステップ」で学習すれば、最短ルートで合格できる

やみくもな努力はもうやめましょう。正しい戦略と正しい努力で、あなたの合格はぐっと近づきます。

▼「何から手をつければ…」ともし迷っているなら、まずは以下の記事で解説している学習の羅針盤となる出題範囲の理解から始めてみてください。ライバルたちが分厚い参考書と格闘している間に、あなたは最短ルートでゴールを目指しましょう!

専門教科

教職・一般教養と並ぶ、もう一つの大きな柱が「専門教科」です。 ご自身の専門教科に関する深い知識と指導力が問われる、非常に重要な試験ですね。

まずは、試験の全体的な概要を把握しておきましょう。

試験時間60分
問題数教科・科目による
出題形式択一式
配点100点満点
令和8年度(2025年実施)データ

専門教科の試験は、教職・一般教養と同じく100点満点です。 そして、一番のポイントは表にもある通り、問題数や出題内容が、受験する校種・教科によって大きく異なるという点です。

例えば、中学校の英語を受験する方と、小学校全科を受験する方とでは、当然問われる内容も対策も変わってきます。

出題レベルと学習の軸

出題レベル

その教科を指導する上で土台となる基礎的・基本的な知識が問われます。単なる暗記だけでなく、「なぜそうなるのか」という背景や理論まで含めた、指導者としての深い理解度が試される問題が多いのが特徴です。

学習の軸

対策の大きな軸となるのが学習指導要領です。出題範囲が広い教科はもちろん、専門的な教科においても、指導要領に示されている目標や内容を深く理解しておくことが不可欠です。

合格へ近づく3つのステップ

自分の受験教科に合わせた対策はもちろん重要ですが、その土台となる合格へ近づくステップが3つあります。

STEP1:過去問を分析する

まずは過去問に目を通し、自分の受験する教科で「どのような形式で」「どの分野が」「どのくらいの難易度で」出題されるのかを肌で感じましょう。

STEP2:基礎を固める

次に、出題範囲の基本的な知識を総復習します。

  • 普通教科(国語・数学・英語など)の場合:高校時代の教科書や参考書が、知識を体系的に見直す上で最も役立ちます。
  • 専門教科(保健体育・養護・栄養など)の場合:大学で使った専門書や、各専門分野の教本・ガイドラインなどを中心に、基礎となる理論や知識を固めましょう。
STEP3:問題演習を繰り返す

基礎が固まったら、問題集や過去問を使い、ひたすらアウトプットを繰り返して知識を定着させます。

この王道のステップを、ご自身の専門分野に合わせて実践していくことが合格への最短ルートです。

▼具体的な勉強法や、各教科ごとの出題傾向、おすすめの参考書については、こちらの記事で詳しく解説しています。ご自身の教科の部分を重点的に読み込み、学習計画を立ててみてください。

小論文

筆記試験と並行して対策が必要で、多くの受験生が頭を悩ませるのが「小論文」です。

「900字も何を書けばいいんだろう…」「そもそも文章を書くのが苦手…」と感じる方も多いかもしれません。

でも、大丈夫です。

愛知県教員採用試験の小論文は、評価されるポイントと出題のクセさえ押さえれば、決して怖くありません

小論文の概要

まずは、試験の基本情報を確認しましょう。

試験時間60分
文字数900字
問題数1題
配点A~Eの5段階
令和8年度(2025年実施)データ

注目すべきは、「60分で900字」という点ですね。これは、10分で150字という、かなりの筆記スピードと構成力が求められることを意味します。また、評価はA〜Eの5段階で行われます。

では、その評価はいったい何を見られているのでしょうか。

愛知県教育委員会の示す評価基準は、そのまま「合格答案の条件」と言い換えられます。小論文は単なる作文ではなく、以下の5つのポイントで採点されていることを常に意識しましょう。

  • 教育への見識:最新の教育課題を理解し、自分の意見を述べられるか。
  • 教育への意欲:「愛知県の教師になりたい」という熱意が伝わるか。
  • 教師としての展望:理想論だけでなく、具体的・現実的な実践プランを語れるか。
  • 論理の一貫性:問いにズレなく答え、結論まで筋道が通っているか。
  • 文章の適切さ:誤字脱字がなく、基本的な文章力があるか。
福永

要するに、小論文は「教育への熱い想いを持った、信頼できる社会人か」を見極めるための試験だということです!

小論文の傾向

実は、愛知県教員採用試験の小論文には、知っていると対策が非常に立てやすくなる、ある特徴的な傾向が見られます。

まずは、過去4年間のテーマを振り返ってみましょう。

実施年度出題形式テーマ概要
R7実施図表題自律性・積極性と心身の疲労感の関係についての調査結果から、教員として心がけたい教育について
R6実施文章題ある文章を読み、筆者の考えをどうとらえるか、またそれを踏まえどのような教員になりたいか
R5実施図表題インターネットの利用状況についての調査結果から、教員として心がけたい教育について
R4実施文章題ある文章を読み、筆者の考えをどうとらえるか、またそれを踏まえどのような教員を目指したいか

お気づきの通り、愛知県の小論文は、「教育に関する文章を読み、自身の考えを論述する形式(文章題)」と「グラフや表などの資料を読み解き、自身の考えを論述する形式(図表題)」が、交互に出題されているのです。

福永

このパターンに基づくと、令和8年実施試験では「文章題」が出題される可能性が非常に高いと考えられますね!

小論文の対策方法

評価基準と出題傾向がわかったら、いよいよ対策です。

合格レベルの小論文は、以下の3つのステップで完成します。一つずつ見ていきましょう。

STEP1:まずは「型」を身につける

小論文で最も重要なのは、オリジナリティよりも「論理的な構成」です。

まずは、どんなテーマにも対応できる「序論→本論→結論」という合格の型を徹底的に身につけましょう。

STEP2:教育時事の知識をインプットする

良い文章の「型」がわかったら、次はその中身となる「ネタ」を集めます。

小論文で高い評価を得るには、最新の教育課題(GIGAスクール、不登校支援、多様性など)に対する自分なりの考えを述べることが不可欠です。

普段からニュースや新聞の教育欄に目を通し、自分ならどう考えるか、どう実践するかをメモしておく習慣をつけましょう。

STEP3:実際に書き、添削してもらう

最後のステップは、実際に900字を60分で書く練習をし、それを第三者に添削してもらうことです。 自分では気づけない論理の矛盾や、誤字脱字、表現のクセなどを客観的に指摘してもらうことで、文章力は飛躍的に向上します。

大学のキャリアセンターや、信頼できる先生、先輩などにお願いして、必ずフィードバックをもらうようにしましょう。

▼より詳しい構成術や、評価される文章の書き方、過去の出題テーマについては、こちらの記事で徹底的に解説しています。ぜひ、何度も読み込んで対策を進めてください。

愛知県教員採用試験の二次試験内容

筆記が中心の一次試験を突破すると、次はいよいよ最終関門、二次試験です。

愛知県の二次試験は、特に「人物重視」の傾向が強いと言われており、教員としての適性や人間性、コミュニケーション能力などが総合的に評価されます。ここが合格を掴むための最大のヤマ場ですね!

二次試験は、主に以下の2つの項目で構成されています。

  • 個人面接:自己PRや教育観を伝える場
  • 実技試験:専門教科の技術を披露する場(※該当教科のみ)

ペーパーテストとは違い、付け焼き刃の対策では通用しない項目ばかりです。だからこそ、早期からの準備がライバルと差をつけます。

それでは、それぞれの試験で「何が評価され」「どう対策すればよいのか」を具体的に見ていきましょう!

個人面接

「面接、苦手だな…」「何を聞かれるんだろう…」と不安に思う方も多いかもしれません。

でも、安心してください。

愛知県の面接は、何を見られていて、どう対策すればいいかがハッキリしています。ポイントを押さえて、自信を持って臨みましょう!

個人面接の概要

どんな試験も、まずは相手を知ることから。面接の基本的な概要を確認しておきましょう。

実施形式個人面接+場面指導
実施回数1人2回
試験時間各20分
面接官3人
配点60点満点
令和8年度(2025年実施)データ

個人面接の傾向

上の表を見て、「え、面接って2回もあるの!?」と驚かれた方もいるかもしれません。

そう、これこそが愛知県の面接の最大の特徴です。

そして、この2回の面接の中で必ず「場面指導」も実施されます。「こんな時、あなたならどう指導しますか?」という問いに対し、あなたの教育観や子どもへの向き合い方といった「教師としての対応力」が試される、非常に重要な項目といえるでしょう。

個人面接の対策方法

では、具体的にどう対策すればいいのでしょうか。 その答えは、以下の3つのステップを順番に踏んでいくことにあります。

STEP1:自己分析で「自分の軸」を固める

まず最初に行うべきは、「なぜ自分は教師になりたいのか」「どんな教師になりたいのか」という、あなた自身の「軸」を深く掘り下げることです。

  • これまでの人生で、やりがいを感じた経験は?
  • 子どもと関わる中で、嬉しかったエピソードは?
  • なぜ、他の自治体ではなく「愛知県」の教員なのか?

こうした問いに答える中で見えてくる「自分物語(経験)」が、面接で語る全ての土台となります。

STEP2:「求める教師像」と自分を繋げる

次に、STEP1で見つけた「自分物語」と、愛知県が公表している「6つの評価基準」を結びつける作業を行います。

  • 積極性:困難な課題にも、自ら進んで取り組もうとする姿勢
  • 表現力:自分の考えを、相手に分かりやすく豊かに伝える力
  • 協調性:同僚や保護者と協力し、チームとして教育活動にあたる資質
  • 適応性:多様な子どもたちや変化する状況に、柔軟に対応できる力
  • 社会性:教員としてふさわしい常識や、社会の一員としての自覚
  • 安定性:精神的に落ち着いており、粘り強く職務を遂行できる力

「私は、〇〇という経験を通して、貴県が求める△△(6つの力)を身につけてきました」

この「型」に沿って、あなたの経験が「愛知県の求める教師像」に合致していることを、具体的なエピソードで証明する準備をしましょう。

STEP3:声に出して「模擬面接」を繰り返す

最後に、そして最も重要なのが、声に出して話す練習です。 頭の中で回答を準備するのと、実際に声に出して話すのとでは、全く感覚が違います。

大学のキャリアセンターや先生、友人にお願いして、必ず第三者を相手にした模擬面接を繰り返してください。

自分では気づけない表情のクセや、話すスピード、論理の矛盾などを客観的に指摘してもらうことで、あなたの受け答えは飛躍的に洗練されます。

▼より詳しい面接の過去問や、評価をグッと高める回答の作り方、場面指導の考え方については、こちらの記事で徹底的に解説しています。この記事を羅針盤にして、万全の準備で、自信を持って本番に臨みましょう!

実技試験

最後は、特定の教科・科目を受験する方が対象となる「実技試験」です。

これは、筆記試験や面接だけでは測れない、教師として不可欠な技能や表現力を評価するための試験です。

実技試験の対象者

まず、ご自身が対象となるかを確認しましょう。

愛知県の二次試験で実技試験が課されるのは、以下の校種・教科の受験者です。

中学校音楽、美術、保健体育、英語
高等学校音楽、美術、保健体育、英語、工業(デザイン)
令和8年度(2025年実施)データ
福永

小学校や特別支援学校、養護教諭・栄養教諭の区分で受験される方には、実技試験はありません。

実技試験の内容

実技試験では、それぞれの専門分野における基礎的な技能が問われます。

▼音楽(令和8年度)

新曲視唱奏「旋律にふさわしい伴奏を付け、母音又は階名のいずれかで歌う。」

愛知県教員採用試験 実技試験の内容(音楽)
愛知県教員採用試験 実技試験の内容(音楽)
美術(令和8年度)

デッサン「手と輪ゴムを観察し、鉛筆でデッサンする」

【問題】

直径 5cm 程度の柔らかい白いゴムボールを片手で持ち、ボールを持つ手の力で変形させている状態を想定し、次の条件に従って鉛筆でデッサンせよ。

<条件>

  • 観察する手は、利き手でなくてもよい。
  • 手とボールの両方が見えるように描くこと。
  • 背景は描かないこと。
  • 定規、コンパス等の作図器具は使用しないこと。
保健体育(令和8年度)
STEP
器械運動(マット運動)

以下の順で6要素の連続演技

伸膝前転 ⇒ 倒立前転 ⇒ 開脚前転 ⇒ 後転 ⇒ 伸膝後転 ⇒ 側方倒立回転

STEP
選択I 陸上競技・水泳(雨天中止)

*陸上競技・水泳から1種目選択

(1) 陸上競技(ハードル走)

ハードル走のタイムを測定(スタンディングスタート)

(2) 水泳 以下の順で50mを泳ぎ、タイムを測定する。

スタート(水中スタート)⇒ 平泳ぎ(25m)⇒ クロール(25m)

STEP
選択II 武道・ダンス

*柔道・剣道・ダンスから1種目選択

(1) 柔道

  1. 前回受け身 ⇒ 2回
  2. 投げ技(「背負い投げ」「払い腰」「体落とし」から1つ)⇒ 打ち込み2回、投げ1回

(2) 剣道

  1. 切り返し
  2. 小手・面
  3. 体当たり・引き胴

(3) ダンス

与えられた題で、1分間の創作ダンスを行う。

STEP
選択III サッカー・ハンドボール(雨天中止)

*サッカー・ハンドボールから1種目選択 各種目、一連の動きを以下の順で行う。

(1) サッカー

トラップ ⇒ リフティング ⇒ ドリブル ⇒ シュート ⇒ パスを受けてシュート

(2) ハンドボール

パス・キャッチ ⇒ ドリブル ⇒ パス・キャッチ ⇒ ストップ・フェイント ⇒ ジャンプシュート

STEP
選択IV バレーボール・バスケットボール

*バレーボール・バスケットボールから1種目選択 各種目、一連の動きを以下の順で行う。

(1) バレーボール

アンダーハンドレシーブ2回 ⇒ オーバーハンドトス1回 ⇒ スパイク1回

(2) バスケットボール

パス(チェストパス2往復)⇒ ドリブルシュート ⇒ ゴール下ジャンプシュート

英語(令和8年度)

問題カードを読む(30秒間黙読▶︎声を出して読む)⇒英語の質問3つに英語で回答する。

【問題】

A public junior high school in Saitama prefecture has liberalized the dress code for students.

“In the case of uniforms, students wear them without much thought. But with casual wear, they think about the weather and events. For example, ‘It’s hot today,’ or ‘It’s the end of the term.’ I want them to be able to think for themselves like that,” the principal said.

At first, some teachers and guardians voiced concerns about the liberalization of clothing. So the school gave the students a lesson on what is appropriate attire and implemented a “casual month” during which students were allowed to attend school in their own clothes. However, there was no related trouble and the school decided to liberalize the dress code.

【質問】

Q1 Please look at your card. According to the text, what does the principal want the students to do through the liberalization of clothing?

Q2 What benefits do you think the liberalization of clothing at school will bring to students? State your opinion.

Q3 This is the main question. When you become a teacher, how do you make or review school rules?

Make a one-minute speech. I will give you 1 minute to prepare.

工業(デザイン)(令和8年度)

問題1】

実用的な園芸用スコップのデザイン4種類を考え、アイデアスケッチを問題1(解答用紙)に描きなさい。

条件

  1. 手に持って使用するものとする。
  2. 解答用紙は横位置とする。
  3. スケッチにアイデアの説明を加えてもよい。

問題2

問題1のデザイン4種類から1つを選び、手に持って使用している状態を画用紙に鉛筆でデッサンしなさい。

条件

  1. 画用紙は縦位置、横位置のどちらでもよい。
  2. 受験番号欄のない面にデッサンする。

実技試験の対策ポイント

これらの試験で最も重要な対策は、「求められる課題を、制限時間内に、正確に実演する練習」に尽きます。

ただ得意なだけでなく、初見の課題にも対応できる応用力や、時間内に完成させる手際の良さが評価のポイントになります。学生時代の経験だけに頼らず、必ず試験を想定した練習を繰り返しましょう。

大学の先生や部活動の顧問の先生など、専門家に見てもらい、客観的なフィードバックをもらうことも極めて有効です。万全の準備で、自信を持ってあなたの技能をアピールしてくださいね。

愛知県教員採用試験に関するFAQ

ここでは、受験生からよく寄せられる質問にお答えしていきます。

Q1. 合格最低点は公表されていますか?

A. いいえ、愛知県では合格最低点は公表されていません。

そのため、「あと何点あれば合格だったのか…」といった正確な自己分析は難しいのが現状です。

また、校種・教科によって4割〜8割の得点が必要なので、一概に「何点取ればOK」と言うことはできません。まずは過去問で7割以上を安定して取れる実力をつけることを目標にしましょう!

Q2. オススメの参考書や問題集はありますか?

A. 目的や科目によって様々ですが、定番と言われるシリーズから始めるのがオススメです。

例えば、教職教養では「オープンセサミシリーズ(東京アカデミー)」や「要点整理シリーズ(時事通信社)」、専門教科では「専門教養Build Upシリーズ(時事通信社)」などが多くの受験生に利用されています。

どの参考書・問題集を使うかによって学習効率を大きく変わるので、じっくり見て選んでください。

▼参考書選びは学習効率を大きく左右する重要なポイントです。自分に合った一冊を見つけるための詳しい選び方や、科目ごとのおすすめ参考書は、こちらの記事で徹底比較しています。

Q3. 過去問はどこで手に入りますか?

A. 愛知県庁舎で閲覧・コピーするか、市販の問題集を購入するのが主な方法です。

愛知県では、公式サイトでのWeb公開は行っていません。そのため、実物を手に入れるには、以下のいずれかの方法を取る必要があります。

  • 愛知県庁舎 自治センター2階で閲覧・コピーする
    一次試験の問題(教職・一般教養、専門教科)、小論文の課題、実技試験の内容などを直接確認することができます。
  • 市販の過去問題集を購入する
    協同出版などから出版されている過去問集は、複数年分がまとまっており、詳しい解説も付いているため、効率的な対策には欠かせません。

▼以下の記事でも過去問の入手方法と、手に入れた後の具体的な活用法を詳しく解説しています。まずは出題の雰囲気やレベル感を掴むことから始めましょう。

福永

その他、愛知県教員採用試験に関する質問はこちらからどうぞ!

まとめ:試験内容を正確に把握し、計画的な対策を始めよう

今回は、愛知県教員採用試験の試験内容について、概要から一次・二次試験の詳細、そして最新の変更点までを網羅的に解説しました。

最後に、合格を掴むために押さえておきたい重要ポイントを振り返っておきましょう。

  • 試験概要の把握が第一歩
    まずは受験資格やスケジュール、そして最新の変更点を正確に理解することが、効率的な対策のスタートラインです。
  • 一次試験は「戦略」がカギ
    範囲の広い教職・一般教養は頻出分野に絞り、専門教科と小論文は早期から計画的に対策を進めましょう。
  • 二次試験は「人物重視」
    面接や模擬授業は、一朝一夕では身につきません。日頃から教育への想いを言語化し、実践する練習が不可欠です。

大切なのは、やみくもに勉強を始めるのではなく、試験の全体像と最新情報を正確に把握した上で、自分に合った計画を立てることです。

この記事が、あなたの合格に向けた計画立案のコンパスとなれば幸いです。あなたの挑戦を、心から応援しています!

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