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【対策ガイド2025】横浜市教員採用試験の内容と傾向

横浜市教員採用試験の内容

本記事は、横浜市内の公立学校で先生になりたい方に向けて「受験ガイド」を作る気持ちで書きました。

最後まで読めば、横浜市教員採用試験の内容から対策のヒントまで網羅的に理解できます

敵を知らずして対策を始めてしまうのは、時間の無駄になりかねません。横浜市教員採用試験の合格に向けて、着実に対策を始めていきましょう。

目次

横浜市教員採用試験の内容

横浜市教員採用試験の内容を第1次試験と第2次試験ごとに詳しく解説します。

第1次試験

横浜市教員採用試験の一次試験は、「一般教養・教職専門」と「教科専門」、「論文試験」で構成されています。

  • 論文試験も実施されますが、採点は二次試験です。

一般教養・教職専門

教育に関する基礎的な知識を問う「教職教養科目」と、高校までに習った基礎学力を測る「一般教養科目」から出題されます。

一般教養・教職専門の傾向(横浜市教員採用試験)
試験時間60分間
出題数39問
出題形式択一式
試験方式マークシート
配点100点満点
出題分野・教職教養:15問
・人文科学:8問
・社会科学:8問
・自然科学:8問
※2025年度(2024年実施)のデータ。

一般教養・教職専門の出題範囲は非常に広く、全ての科目・分野を均等にカバーするのは現実的ではありません。

以下の出題傾向を参考にして、出題数の多い科目や出題頻度の高い分野から勉強していくと効率的です。

出題傾向

科目別出題数

試験科目202320242025
教育原理865
教育法規445
教育心理355
教育史000
国語444
英語222
音楽111
保健体育000
美術111
世界史001
日本史222
地理212
政治342
経済001
国際関係100
環境000
数学444
物理111
化学111
生物111
地学111
情報000
その他010
科目別出題数
  • 各数字は科目ごとの出題数です。
  • 上記は僕自身の解釈であり、公式発表されたものではありません。
福永

出題数が多く、理解に時間がかかる教育原理や教育法規、数学から勉強を始めることが重要です。

分野別出題範囲

一般教養・教職専門の出題範囲は信じられないほど広いですが、実はその中で毎年繰り返し出題される分野はごく一部に限られています。

つまり“出ないところ”を頑張って勉強しても、ほとんど点につながらないのです。

たとえば、教育原理の出題傾向を分析すると、「学習指導要領」や「特別支援教育」は高頻度で出題されています。一方で、「道徳教育」「特別活動」などはほとんど出題されていません。

下図のように、出題分野ごとの傾向には明確な偏りがあるのです。

横浜市教員採用試験の出題傾向
横浜市教員採用試験の出題傾向

このように、出題傾向を見れば、優先すべき分野がはっきりと浮かび上がります

最初から最後までコツコツ全部を勉強する方法もあります。ですが、時間は有限です。出るところを優先して、効率よく合格に近づくべきです。

勉強を始める前に傾向分析をして、点につながる戦略的な学習を始めましょう!

福永

過去10年間の出題範囲を下記の記事で詳しくまとめています。ぜひ参考にしてください!

教科専門

志望校種・教科に関する専門的知識を測る筆記試験です。出題科目(範囲)は教科・科目によって異なります。

教科専門の傾向(横浜市教員採用試験)
試験時間60分
問題数教科・科目によって異なる
出題形式択一式
配点100点満点

問題レベルは、大学入試共通テスト(旧センター試験)から国公立大二次試験で問われるレベルの問題が6割程度を占めています。

教科専門の対策ポイント

教科専門は、受験者ごとに学力レベルや知識の差が大きく出やすいので、自分の学力に合った方法での対策が必須です。

たとえば、英語教員を目指す人の中には英検1級レベルの人から3級すら危うい人までおり、同じテキストや手順で勉強しても効率がよくありません。

まずは過去問を自力で解き、自分の実力を正確に把握することが大事です。

過去問を解いてみて…、

  • 5割以下:基礎がないので中学受験レベルから勉強しなおす。基本的な概念や知識をしっかり固めることが大切です。
  • 7割以下:高校~大学受験レベルで力をつける。より高度な問題に挑戦し、理解を深めることを目指しましょう。
  • 7割以上:全国の過去問を解いて知識の定着や弱点克服。さらに実践的な問題に取り組むことで、試験本番に備えます。

このように捉えて勉強を始めるといいでしょう。

福永

教科専門の勉強方法は、下記の記事でも解説しています。あわせて確認してみてください!

論文試験

自分の考えや主張を論理的に説明する文章形式の試験です。筆記試験では判断できない、論理的思考力や読解力、教師としての適性などを総合的に評価します。

福永

一次試験で実施しますが、採点は二次試験です!

論文の試験内容(横浜市教員採用試験)
試験時間45分
文字数800字
問題数1題
評価基準【基本的事項】
・文章構成
・わかりやすさ
・誤字脱字や不適切な表現
・字数

【論文内容】
・テーマを正しく理解している
・テーマに沿って論じている
・自分の考えを具体的に記述している
配点100点満点
テーマ例「いじめのメカニズム」を踏まえたうえで、いじめが生まれない学級づくりの方法を、学年の発達段階を考慮して論じなさい。

小論文は、自分では文章が書けると思っていても、意外に書けなかったり、書けた(気になった)としても課題に対してまったく十分な解答にはならないことはよくあります

毎年、小論文で評価がもらえずに不合格となる受験者は多いので早めに準備をしてください。

小論文の詳しい傾向や過去問などは下記の記事でまとめています!

福永

小論文の傾向やテーマは下記の記事でも解説しています。あわせて確認してみてください!

第2次試験

横浜市教員採用試験の二次試験は、「模擬授業」、「個人面接」、「実技試験」の3科目が行われます。

模擬授業

横浜市教員採用試験の模擬授業は、教師としての指導技術や専門性を評価する人物試験です。実際の授業のように、一定の時間内で指定されたテーマや教科について教えることが求められます。

模擬授業の試験内容(横浜市教員採用試験)
実施形態児童生徒参加型(面接官が生徒役として参加)
試験時間18分
面接官2人
配点100点満点
試験の流れSTEP①テーマの発表
試験会場で模擬授業のテーマが3つ掲示されるので、1つ選びます。

STEP②内容の構想
テーマを選んだら内容を考えます。時間は5分間。

STEP③模擬授業を実施
最初にテーマ・学年・分野を発表してから模擬授業を行ないます。試験時間は10分。

STEP④質疑応答
模擬授業が終わると、「模擬授業で工夫した点」と「気をつけた点」を質問されるので回答して終わりです。
模擬授業のテーマ例

2023(令和4)年度

横浜市教員採用試験 模擬授業の過去問(2023年度)
小学校・あいさつ / お金 / 案内状
・引き算 / 修飾語 / 整理整頓
中高数学二元一次方程式 / 平面図形 / 健康
中高保体医薬品の正しい使い方 / スポーツの多様性 / 思いやり
特別支援安全な生活 / 楽器 / 感謝
養護教諭歯と口の健康 / 運動習慣 / 心と体の関係

2022(令和3)年度

横浜市教員採用試験 模擬授業の過去問(2022年度)
小学校・情報 / 方言と共通語 / 持ち物
・言語活動 / 自然災害 / 友情
・日本国憲法 / 身近な自然 / 読書
中高社会国会 / 日清・日露戦争 / 挑戦
中高英語インタビュー / 食べ物 / この街の未来
特別支援園芸 / 安全 / 年賀状
養護教諭病気の予防 / 目の病気 / 心の健康

2021(令和2)年度

横浜市教員採用試験 模擬授業の過去問(2021年度)
小学校・スピーチ / 音 / 自然環境
・謙虚な心 / 通学路 / 長さ
・部首 / 情景描写 / 信頼
中高数学図形の移動 / 平方根 / 三角形と比
中高理科遺伝 / 化学変化 / 物体の運動 
保健体育体の発育 / スポーツの多様性 / 情報社会
中高家庭食生活 / 衣生活 / 国際社会と家庭生活
養護教諭スポーツ障害 / 規則の正しい生活 / 依存症

志望教科の専門性や指導力だけでなく、どのように(な)授業をしているのか、児童生徒の興味・関心を惹きだす内容か、などを総合的に評価されます。

塾や予備校のようなやや強引な展開で授業を進める人もいますが、学校での授業では、子供とのやり取り・掛け合いが非常に重要。

発問や質問を重ねて、クラス全体で授業を「つくっていく」ことを意識して準備しましょう。

個人面接

横浜市が求める教員としてふさわしい人物であるか、人柄・意欲・対人関係能力等を評価・判断する試験です。

個人面接の試験内容(横浜市教員採用試験)
試験時間30分
面接官2人
評価基準・姿勢
・態度
・判断力
・表現力
・堅実性
・信頼感
配点100点満点
個人面接の質問例
  • 自己PRをしてください。
  • どんな人間と相性が良いと思いますか。
  • 教員になろうと思った理由はなんですか。
  • 今、一番チャレンジしていると思うことはなんですか。
  • どんな性格だと思っていますか。それが原因で失敗した経験は。
  • 人に助けてもらって感動した経験はありますか。

頻出の質問に対する回答を準備した後は、予備校などで面接練習を行いましょう。1人で練習しているだけでは気付けない点がたくさんあるからです。

たとえば、自分では自然だと思っている話し方が他人には緊張しているように見えることがあります。また、手の動きが多すぎたり、声のトーンが一定で単調に聞こえたりすることも多いです。

こうした点を他人からフィードバックを受けることで、より効果的なコミュニケーションができるようになります。

面接は、見た目や態度、話し方といった非言語的な要素も評価の対象となります。

他人の視点からのフィードバックを積極的に取り入れて、全体的な印象を良くする努力をしましょう。

福永

過去の質問例や対策方法などは、下記の記事で詳しく解説しています!

実技試験

専門的技能や実践的能力があるかどうかを評価・判断する人物試験です。専門知識の有無だけでなく、児童生徒に知識を伝えるための教育的なアプローチや方法論も重要視されます。

中学校(高校)のうち、以下の教科が対象です。

  • 音楽
  • 美術
  • 保健体育
  • 英語
横浜市教員採用試験 実技試験のテーマ(2024年度)
中高音楽①ピアノ伴奏による弾き歌い:夏の思い出、花、浜辺の歌から1曲選択
②リコーダー演奏:忠実な音楽の師、忠実な羊飼い等から1曲選択
③暗譜による楽器演奏:任意の楽器、曲で1曲
中高美術①平面作品:画用紙に着彩して表現
②立体作品:紙粘土などを使用して表現
中高保体①機械運動:マット、鉄棒、平均台、跳び箱
②陸上競技:ハードル走、走り幅跳び、走り高跳び
③水泳:クロール、平泳ぎ、背泳ぎ、バタフライ
④球技:ゴール型、ネット型、ベースボール型
⑤武道:柔道または剣道
⑥ダンス:創作ダンス、フォークダンス、現代的なリズムのダンス
中高英語プレゼンテーションにおける英語運用能力試験

何ができて、できていないのかを早めに把握するようにしましょう。そのうえで出来るように少しずつ技能を磨いていくことが最適解です。

また、自己評価だけでなく、指導者や同僚からフィードバックをもらうことで、自分では気づかない改善点を発見することができます。

なお、課題に沿って完璧にできることにくわえて、熱意や意欲、態度なども評価対象です。

横浜市教員採用試験に関するFAQ

横浜市教員採用試験に関するFAQ(受験者から頻繁に寄せられる質問とその回答)をまとめています。

試験概要編

Q-1 横浜市の求める教師像は?

A-1 横浜市の求める教師像は次の3つを掲げています。

  • 教育への使命感や情熱をもち、学び続ける教師
  • 「チーム学校」の一員として、ともに教育を創造する教師
  • 子どもによりそい、豊かな成長を支える教師

Q-2 横浜市教員採用試験の受験資格(年齢制限)は?

A-2 2026年度(2025年実施)の場合、昭和40年4月2日以降に生まれた人が対象です。

Q-3 横浜市教員採用試験の採用予定人数は?

A-3 2026年度(2025年実施)横浜市教員採用試験では1,020人程度の採用を予定しています。

横浜市教員採用試験 採用予定人数
校種202620252024
小学校630570570
中高一括320215210
高等学校若干若干若干
特別支援504545
養護教諭202025
合計1,020850850

Q-4 横浜市教員採用試験の受験倍率は?

A-4 横浜市教員採用試験の受験倍率は2.3倍〜2.9倍で推移しています。

横浜市教員採用試験の実施状況
採用年度受験者数合格者数倍率
20252,1111,0032.3
20242,4781,0782.3
20232,6329742.7
20222,9821,0252.9
20212,8381,0012.8
福永

教科別の倍率は下記の記事で詳しくまとめています!

試験日程編

  1. 募集要項の告示
  2. 出願期間
  3. 試験日
  4. 合格発表日

Q-5 横浜市教員採用試験の募集要項はいつ発表されますか?

A-5 4月上旬に募集要項が発表されます。

2026(令和8)年度の募集要項は2025年4月7日(月)に公示されました。

募集要項には、試験内容や実施状況などの詳細な情報が掲載されていますので、必ず確認してください。

Q-6 横浜市教員採用試験の出願期間は?

A-6 4月上旬から5月上旬にかけて受付を行います。

2026(令和8)年度の出願期間は、2025年4月9日(水)~5月12日(月)までです。

Q-7 横浜市教員採用試験の試験日は?

A-7 第1次試験は7月、第2次試験は8月に実施されます。

2026(令和8)年度の試験日は以下のとおり。

第1次試験2025年7月6日(日)
第2次試験2025年8月上旬~9月中旬の
福永

他自治体の試験日は、下記の記事でまとめています!

Q-8 横浜市教員採用試験の合格発表日は?

A-8 第1次試験の合格発表は7月、第2次試験は10月に行われます。

2026(令和8)年度の合格発表日は以下のとおり。

第1次試験2025年7月下旬
※昨年度は7月26日
第2次試験2025年10月中旬
※昨年度は10月11日

第2次試験に合格すると、採用候補者名簿に登録されます。その後、意向聴取、受験資格の確認等を行い、学校現場の欠員状況等を考慮した上で採用者を内定。

福永

原則として2026年4月1日付けで採用されます。

試験対策編

  1. 過去問
  2. 参考書・問題集

Q-9 横浜市教員採用試験の過去問はどこで入手できますか?

A-9 横浜市教員採用試験の過去問は、『横浜市市民情報センター』で閲覧及びコピーできます。

過去の問題と解答を入手できるため、出題内容や形式、問題レベルを把握するのに活用しましょう。過去問を活用することで、試験対策が効果的に進められますよ。

下記の記事でも問題や入手方法を紹介しています。

Q-10 横浜市教員採用試験の対策でオススメの参考書や問題集は?

A-10 横浜市教員採用試験の問題集や参考書でオススメなのは「教員採用試験「過去問」シリーズ(協同出版)」です。

数年分の過去問が掲載されています。勉強を始める前に難易度や傾向を把握でき、無駄のない勉強ができて効果的です。

福永

オススメの問題集・参考書は下記の記事で解説しています。

本記事はここまでです。

本サイトでは、横浜市教員採用試験の合格に必要な情報を多く配信しています。ぜひ、参考にして対策を始めてくださいね。

福永

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コメント

コメント一覧 (2件)

    • 現在(2024年実施)は、小学校、中学校(技術、家庭)、特別支援のみ受験できますが、大学からの推薦が必要です。次年度は条件や募集教科の拡大が予想されます。

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