本記事は、大阪府内の公立学校で先生になりたい方に向けて「受験ガイド」を作る気持ちで書きました。
最後まで読めば、大阪府教員採用試験の内容から対策のヒントまで網羅的に理解できます!
敵を知らずして対策を始めてしまうのは、時間の無駄になりかねません。大阪府教員採用試験の合格に向けて、着実に対策を始めていきましょう。

大阪府教員採用試験の主な変更点
2026年度(2025年実施)大阪府教員採用試験の主な変更点は次のとおりです。
年齢要件の緩和
一般選考 | 昭和39年4月2日以降に出生していること |
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特別選考 | |
大学3年生 | 昭和40年4月2日以降に出生していること |
免許状要件の緩和
支援学校(中高) | 特別支援学校教諭の普通免許状について、出願時に所有していない場合であっても受験可とします(採用後3年以内に特別支援学校教諭の普通免許状の取得に必要な単位を修得し、その免許状の取得が必要です)。 |
---|---|
中学校・技術 | 免許状要件に「特別免許状の取得を前提とした者」を追加。 |
資格要件の緩和
大学3年生等を対象とした選考の資格要件を「出願に必要な免許状を令和8年4月2日から令和9年4月1日までに取得見込みの方」とします(科目等履修生も対象)。
大阪府教員採用試験の内容
大阪府教員採用試験は第1次試験と第2次試験の二段階選抜方式で行われます。
第1次試験
大阪府教員採用試験の第1次試験は「筆答テスト(一般教養・教職科目)」が実施されます。
筆答テスト(一般教養・教職科目)
教育に関する基礎的な知識を問う「教職教養科目」と、計算力や読解力を測る「思考力・判断力を問う科目」から出題されます。
試験時間 | 90分間 |
---|---|
出題数 | 30問 |
出題形式 | 択一式 |
試験方式 | マークシート |
配点 | 150点満点 |
出題分野 | ・教職科目:15問 ・思考力・判断力を問う科目:15問 ※2025年度(2024年実施)のデータ。 |

平成30年度から従来の一般教養(人文・社会・自然科学)を廃止し、計算力や読解力を測る「思考力・判断力を問う科目」に変わっています。
筆答テスト(一般教養・教職科目)の出題範囲は非常に広く、全ての科目・分野を均等にカバーするのは現実的ではありません。
以下の出題傾向を参考にして、出題数の多い科目や出題頻度の高い分野から勉強していくと効率的です。
科目別出題数
- 各数字は科目ごとの出題数です。
- 上記は僕自身の解釈であり、公式発表されたものではありません。
採用年度 | 2023 | 2024 | 2025 |
---|---|---|---|
教育原理 | 10 | 10 | 10 |
教育法規 | 3 | 2 | 3 |
教育心理 | 1 | 2 | 1 |
教育史 | 1 | 1 | 1 |
判断推理 | 4 | 4 | 1 |
数的推理 | 3 | 2 | 5 |
資料解釈 | 3 | 3 | 3 |
文章理解 | 5 | 6 | 6 |



出題数が多く、理解に時間がかかる教育原理や数的推理から勉強を始めることが重要です。
分野別出題範囲
筆答テストの出題範囲は膨大ですが、全範囲から出題されているわけではありません。
たとえば、教育史は西洋教育史と日本教育史が交互に出題されていることがわかりますね(下図参照)。





なので、2026年度(2025年実施)に受験する方は、教育史は西洋教育史(近代・現代)を集中して勉強すればOKです。
頻出度の高い分野をしっかりと抑えた後、その他の分野を補完的に学習することがとても大事です。
最初から最後までコツコツ勉強するのもいいですが無駄が多いです。傾向分析をしてから効率よく対策しましょう。
過去10年間の出題範囲を下記の記事で詳しくまとめています。ぜひ参考にしてください!


第2次試験
大阪府教員採用試験の二次試験の内容と対策ポイントを解説します。
専門教養
志望校種・教科に関する専門的知識を測る筆記試験です。出題科目(範囲)は教科・科目によって異なります。
試験時間 | 90分 (小学校120分、実技のある教科70分) |
---|---|
問題数 | 教科・科目による |
出題形式 | 択一式・記述式 |
配点(*) | 400点満点 (実技試験のある教科は200点) |
問題レベルは、大学入試共通テスト(旧センター試験)から国公立大二次試験で問われるレベルの問題が6割程度を占めています。
専門教養は、受験者ごとに学力レベルや知識の差が大きく出やすいため、自分の学力に合った対策が必要不可欠です。
- 5割以下:基礎がないので中学受験レベルから勉強しなおす。基本的な概念や知識をしっかり固めることが大切です。
- 7割以下:高校~大学受験レベルで力をつける。より高度な問題に挑戦し、理解を深めることを目指しましょう。
- 7割以上:全国の過去問を解いて知識の定着や弱点克服。さらに実践的な問題に取り組むことで、試験本番に備えます。



たとえば、英語教員を目指す人の中には英検1級レベルの人から3級すら危うい人までおり、同じテキストで勉強しても意味がないですよね…。
まずは過去問を自力で解き、自分の実力を正確に把握することから始めてみてください。過去問を解くことで、どの分野が得意でどの分野が苦手かが明確になりますよ。
専門試験の勉強方法は、下記の記事でも解説しています。あわせて確認してみてください!


個人面接
大阪府が求める教員としてふさわしい人物であるか、人柄・意欲・対人関係能力等を評価・判断する試験です。
試験時間 | 15分 |
---|---|
面接官 | 2人 |
配点 | 315点満点 |
評価基準 | ・教育を取り巻く状況や課題を理解しているか。 ・教職について理解し、意欲をもって取り組む姿勢はあるか。 ・教員としてふさわしい実践的なコミュニケーション能力を備えているか。 |
教員採用試験の面接試験は、一つの回答に対しより掘り下げて受験者の行動特性を把握する「コンピテンシー評価型面接」で行われています。
たとえば、「長所は何ですか?」→「長所が活躍したエピソードはありますか?」→「その長所を教員としてどのように活かしますか?」といったように追加質問をしてきます。
しっかり自己分析ができていないと、深掘り質問に対応できません。過去に聞かれた質問に根拠を踏まえて回答できるよう、早め早めに準備を始めましょう。
より詳しい内容や対策方法は、下記の記事で確認できます!


模擬授業
教員として必要な専門的知識、指導技術、人間性などを評価する人物試験です。
志望教科の専門性や指導力だけでなく、どのように(な)授業をしているのか、児童生徒の興味・関心を惹きだす内容か、などを総合的に評価されます。
試験時間 | 4分30秒 |
---|---|
面接官 | 3人 |
配点 | 105点満点 |
流れ | STEP①テーマの発表 あらかじめ模擬授業のテーマが発表されます。 STEP②説明 試験日当日に下記の説明があります。 ・テーマと関係ない導入は不要である。 ・持ち込みはA4サイズのメモ1枚と貴重品のみ。 ・入室後は受験番号、氏名、校種、教科、科目を言って始めること。 ・模擬授業中、面接官は何も反応しないこと。 ・終了後、ホワイトボードを消すこと。 STEP③模擬授業 テーマに沿って模擬授業を行ないます。試験時間は4分30秒。 終了後、すぐに個人面接が始まります。 |
評価基準 | ・指導力 表現力教育を取り巻く状況や課題を理解しているか。 ・教職について理解し、意欲をもって取り組む姿勢はあるか。 ・教員としてふさわしい実践的なコミュニケーション能力を備えているか。 |
模擬授業では、正確な知識を与える授業を行うことは重要ですが、それよりもどのように子供の興味・関心を高めることができるか、という部分が大事です。
塾や予備校のようなやや強引な展開で授業を進める人もいますが、学校での授業では、子供とのやり取り・掛け合いが非常に重要です。
発問や質問を重ねて、クラス全体で授業を「つくっていく」ことを意識して準備しましょう。
模擬授業の過去問(テーマ)は、下記の記事で確認できます!


実技試験
専門的技能や実践的能力があるかどうかを評価・判断する人物試験です。
中学校、高校、特別支援学校のうち、以下の教科の受験者が対象です。
音楽 | ・ピアノ弾き歌い ・アルトリコーダー (いずれも曲は当日指定) |
---|---|
英語 | ・リスニング(筆答テスト時に実施) ・スピーチ及び英語による口頭試問 |
美術 | 描写・立体 |
書道 | 「漢字仮名交じりの書」、「漢字の書」、「仮名の書」の3分野における臨書、創作、目的や用途に即した表現 |
保健体育 | ・水泳 ・マット運動 ・ハードル走 ・柔道、剣道、ダンスから1種目選択 ・球技(5種目から1つ選択) |
何ができて、できていないのかを早めに把握するようにしましょう。そのうえで出来るように少しずつ技能を磨いていくことが最適解です。
また、自己評価だけでなく、指導者や同僚からフィードバックをもらうことで、自分では気づかない改善点を発見することができます。
なお、課題に沿って完璧にできることにくわえて、熱意や意欲、態度なども評価対象です。そのため、実際の試験では面接と同じように楽しくできるように練習してください。
実技試験の過去問(テーマ)は、下記の記事で確認できます!


大阪府教員採用試験に関するFAQ
大阪府教員採用試験に関するFAQ(よくある質問)をまとめています。
試験概要編
大阪府の求める教師像(人物像)は?
大阪府の求める教師像(人物像)は、「豊かな人間性」、「実践的な専門性」、「開かれた社会性」を備えた人です。
- 豊かな人間性
-
・人権意識を持ち、他者を思いやることができる人
・子どもの悩みや思いを共感的に受け止め、信頼関係を構築することができる人 - 実践的な専門性
-
・学校教育を取り巻く環境の変化に対応し、学び続けることができる人
・教科や教職に関する専門的知識を備え、子どもの可能性を伸ばす実践的指導力がある人 - 開かれた社会性
-
・チームの一員として組織的・協働的に課題に取り組む姿勢を持つ人
・他の教職員や保護者、地域の人々と良好な人間関係を構築することができる人
大阪府教員採用試験の受験資格(年齢制限)は?
2026年度(2025年実施)の場合、以下のとおりです。
一般選考 | 昭和39年4月2日以降に出生していること |
---|---|
特別選考 | |
大学3年生 | 昭和40年4月2日以降に出生していること |
大阪府教員採用試験の採用予定人数は?
2026年度(2025年実施)大阪府教員採用試験では、1,810人程度の採用を予定しています。
校種 | 2026 | 2025 | 2024 |
---|---|---|---|
小学校 | 700 | 450 | 300 |
中学校 | 600 | 300 | 250 |
高等学校 | 250 | 230 | 210 |
特別支援 | 220 | 200 | 200 |
養護教諭 | 30 | 40 | 40 |
栄養教諭 | 10 | 10 | 10 |
計 | 1810 | 1230 | 1010 |
大阪府教員採用試験の倍率は?
2025年度(2024年実施)の最終倍率は3.8倍で過去最低を記録しています。
詳しいデータは下記の記事を参考にしてください。


試験日程編
大阪府教員採用試験の募集要項はいつ発表されますか?
例年、3月上旬に募集要項が発表されます。
2026(令和8)年度の募集要項は、2025年2月28日(金)に公示されました。
募集要項には、試験内容や実施状況などの詳細な情報が掲載されていますので、必ず確認してください。
大阪府教員採用試験の出願期間は?
3月上旬から4月中旬にかけて受付を行います。
2026(令和8)年度の出願期間は、2025年3月7日(金)~4月18日(金)までです。
大阪府教員採用試験の試験日や合格発表日はいつ?
第1次試験は6月、第2次試験は8月に実施されます。
2026(令和8)年度の試験日は以下のとおり。
一次試験 | 2025年6月14日(土) |
---|---|
二次試験 | 1日目:2025年7月上旬~9月上旬のうち指定日 2日目:2025年8月9日(土)、20日(水)、24日(日)の指定日 |



一次試験日は大阪市や堺市も同じ日です!
他自治体の試験日は、下記の記事でまとめています。併願先を決めるときの参考にしてください。


大阪府教員採用試験の合格発表日は?
第1次試験の合格発表は7月、第2次試験は9月に行われます。
2026(令和8)年度の合格発表日は以下のとおり。
一次試験 | 2025年6月27日(金) |
---|---|
二次試験 | 2025年9月26日(金) |
第2次試験に合格すると、採用候補者名簿に登録されます。その後、意向聴取、受験資格の確認等を行い、学校現場の欠員状況等を考慮した上で採用者を内定。



原則として2026年4月1日付けで採用されます。
試験対策編
大阪府教員採用試験の過去問はどこで入手できますか?
大阪府教員採用試験の過去問は、大阪府公立学校教員採用選考テストのホームページからダウンロードできます。
過去の問題と解答が入手できるので、出題内容や形式、問題レベルを測るのに活用できます。
下記の記事でもまとめているので、参考にしてください。


大阪府教員採用試験の問題集や参考書でおすすめは?
大阪府教員採用試験の問題集や参考書でオススメなのは「教員採用試験「過去問」シリーズ(協同出版)」です。
過去問・参考書があるので、傾向に沿った無駄のない勉強ができて効果的です。
おすすめの問題集・参考書は、下記の記事も参考にしてください。


大阪府教員採用試験の合格ラインは?
大阪府教員採用試験の合格ライン(筆記試験)は、過去のデータから教職教養5割、教科専門6〜7割が目安となります。
なお、校種や教科によって差はあるうえ、競争試験なので、年度によって変動する点は注意が必要です。
詳細は下記記事でまとめています。





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本サイトでは、大阪府教員採用試験の合格に必要な情報を多く配信しています。ぜひ、参考にして対策を始めてくださいね。




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