本記事は、浜松市内の公立学校で先生になりたい方に向けて「受験ガイド」を作る気持ちで書きました。
最後まで読めば、浜松市教員採用試験の内容から対策のヒントまで網羅的に理解できます!
敵を知らずして対策を始めてしまうのは、時間の無駄になりかねません。浜松市教員採用試験の合格に向けて、着実に対策を始めていきましょう。

浜松市教員採用試験の変更点
2026年度(2025年実施)浜松市教員採用試験での変更点はありません。
- 2025年2月7日時点。
浜松市教員採用試験の内容
浜松市教員採用試験は一次試験と二次試験の2段階選考となっています。
第1次試験
浜松市教員採用試験の一次試験は、「教職・一般教養」と「教科等専門」、「個人面接」の3科目で構成されています。
教職・一般教養
教育に関する基礎的な知識を問う「教職教養科目」と、高校までに習った基礎学力を測る「一般教養科目」から出題されます。
試験時間 | 60分 |
---|---|
出題数 | 50問(必答) |
出題形式 | 択一式 |
試験方式 | マークシート |
配点 | 50点満点 |
出題分野 | ・教職教養:35問 ・人文科学:7問 ・社会科学:2問 ・自然科学:4問 ・一般常識:2問 ※2025年度(2024年実施)のデータ。 |
出題傾向
教職・一般教養の出題範囲は非常に広く、全ての科目・分野を均等にカバーするのは現実的ではありません。
以下の出題傾向を参考にして、出題数の多い科目や出題頻度の高い分野から勉強していくと効率的です。
科目別出題数
出題科目 | 2023 | 2024 | 2025 |
---|---|---|---|
教育原理 | 26 | 26 | 26 |
教育法規 | 4 | 4 | 4 |
教育心理 | 3 | 4 | 4 |
教育史 | 2 | 1 | 1 |
国語 | 2 | 2 | 2 |
英語 | 2 | 2 | 2 |
音楽 | 1 | 1 | – |
保健体育 | 2 | 2 | 2 |
美術 | – | – | 1 |
世界史 | 1 | – | – |
日本史 | – | 1 | 1 |
地理 | 1 | – | – |
政治 | – | – | 1 |
経済 | – | 1 | – |
環境 | 1 | – | – |
数学 | 2 | 2 | 2 |
物理 | 1 | 1 | – |
化学 | – | 1 | 1 |
生物 | – | – | – |
地学 | – | – | – |
情報 | 1 | 1 | 1 |
その他 | 1 | 1 | 2 |
- 各数字は科目ごとの出題数です。
- 上記は僕自身の解釈であり、公式発表されたものではありません。

出題数が多く、理解に時間がかかる教育原理や教育法規、数学から勉強を始めることが重要です。
分野別出題範囲
教職・一般教養試験の出題範囲は膨大ですが、全範囲から出題されているわけではありません。
たとえば、教育心理の出題範囲を分析すると「学習の理論」や「人格と適応」がそれなりに出ています(下図参照)。





学級集団や教育評価はまったく出ていませんね。知らずに勉強していたら時間がもったいないかも…。
頻出度の高い分野をしっかりと抑えた後、その他の分野を補完的に学習することがとても大事です。
最初から最後までコツコツ勉強するのもいいですが無駄が多いです。傾向分析をしてから効率よく対策しましょう。
過去10年間の出題範囲を下記の記事で詳しくまとめています。ぜひ参考にしてください!


教科等専門
志望校種・教科に関する専門的知識を測る筆記試験です。出題科目(範囲)は教科・科目によって異なります。
試験時間 | 80分 |
---|---|
出題数 | 教科・科目による |
出題形式 | 択一式 |
試験方式 | マークシート |
配点 | 100点満点 |
教科等専門は、受験者ごとに学力レベルや知識の差が大きく出やすいので、自分の学力に合った方法での対策が必須です。
- 5割以下:基礎がないので中学受験レベルから勉強しなおす。基本的な概念や知識をしっかり固めることが大切です。
- 7割以下:高校~大学受験レベルで力をつける。より高度な問題に挑戦し、理解を深めることを目指しましょう。
- 7割以上:全国の過去問を解いて知識の定着や弱点克服。さらに実践的な問題に取り組むことで、試験本番に備えます。



たとえば、英語教員を目指す人の中には英検1級レベルの人から3級すら危うい人までおり、同じテキストで勉強しても意味がないですよね…。
まずは過去問を自力で解き、自分の実力を正確に把握することから始めてみてください。過去問を解くことで、どの分野が得意でどの分野が苦手かが明確になりますよ。
教科等専門の勉強方法は、下記の記事でも解説しています。あわせて確認してみてください!


個人面接(一次)
浜松市が求める教員としてふさわしい人物であるか、人柄・意欲・対人関係能力等を評価・判断する試験です。
試験時間 | 15分間 |
---|---|
面接官 | 3人 |
配点 | A~Cの三段階 |
質問内容 (過去問) | ・浜松市の教師を志望した理由は何ですか。 ・教職に就こうと思ったきっかけは何ですか。 ・浜松市の教師としてやってみたいことは何ですか。 ・教育実習はどうでしたか。 ・子どもと関りをもつ上で、大切にしたいことはどのようなことですか。 |
より詳しい内容や対策方法は、下記の記事で確認できます!


第2次試験
浜松市教員採用試験の二次試験は、「授業・保健に関する面接」、「個人面接」、「学校教育に関するレポート」、「専門実技試験」の4科目が行われます。
授業・保健に関する面接
授業・保健に関する面接は、与えられたテーマをもとにして、授業のポイントを説明したり、質問に答えたりする人物試験です。
試験時間 | 60分(構想40分+発表等20分) |
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面接官 | 3人 |
評価項目 | ・授業で身につけさせたい力を理解しているか ・子供への愛情を持ち、学習意欲を高める工夫ができるか |
授業・保健に関する面接の流れ
小学校、中学校、発達支援
試験日に「学年、題材名、小単元名」が記載された課題が発表されます。
どのような授業を展開するのか、40分間で構想します。
構想した授業について、5分間で板書。
構想した授業について、3分間で発表。
授業などに関して10分程度の質問。
養護教諭
試験日に「学年、題材名、小単元名」が記載された課題が発表されます。
どのような授業を展開するのか、40分間で構想します。
面接官を子供に見立てて、4分間の実演指導。
面接官からいくつか質問。
健康相談に関する5分程度の場面指導
面接官からいくつか質問。
授業・保健に関する面接の過去問
授業テーマ
2025年度 | 授業テーマ(PDF) |
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2024年度 | 授業テーマ(PDF) |
2023年度 | 授業テーマ(PDF) |
口頭試問
- 本時の授業で児童生徒に身につけさせたい力は何ですか。
- その力を身につけさせるためにどのような工夫をしましたか。
- 志望教科の学習を通して、あなたが児童生徒に身につけさせたい力は何ですか。
- 児童生徒の興味や関心を高めるために、どのような工夫を考えていますか。
- 今回の授業で、児童生徒がつまずきやすいと予想されるところと対応方法を説明してください。
- 志望教科に意欲を持てない児童生徒への対応方法について説明してください。
- 授業で学ぶ楽しさをどのように考えますか。
- 児童生徒同士の学び合いを深めるために、ICTをどのように活用しますか。
- 授業以外に、養護教諭の専門性を生かし、効果的な指導ができる場がありますか。
- あなたの楽興で不登校気味の子どもが増えてきたので、健康相談をすることになりました。どんな子どもが、健康相談の対象となりますか。
- 不安や悩みを抱える児童生徒に対応する際に、養護教諭として心掛けたいことはどんなことですか。
- 健康相談を行う上で留意することは何ですか。
個人面接(二次)
浜松市教員採用試験の個人面接(二次試験)は、自己PRや志望動機から教職員としての適性や素質、人間性などを評価・判断する人物試験です。
自己PRや志望動機などの一般的な内容から、専門的な知識まで幅広く聞かれています。
試験時間 | 20分 |
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面接官 | 3人 |
配点 | 5段階評価 |
形式 | 個人面接、場面指導 |
評価基準 | ・子供への愛情 ・課題解決能力 ・教員としての意欲や姿勢 |
質問例 | ・浜松市を志望した理由をこれまでの人生経験や教職への思いを含めて2分程度で教えてください。 ・子供や保護者から信頼される教員とは、どのような教員だと思いますか。 ・これまで毎日元気に学校に通い、欠席もなかった子供が体調不良を訴え、毎日のように保健室に行くようになりました。あなたは、学級担任として、どのように対応していきますか。 ・合唱コンクールを前にして、クラスの雰囲気がいっこうに高まってきません。担任としてどう対処しますか。 ・清掃に消極的な子供に対してどう指導しますか。 |
個人面接の対策方法
二次試験の面接では、一つの回答に対し、より掘り下げて受験者の行動特性を把握する「コンピテンシー評価型面接」で行われています。
たとえば、「長所は何ですか?」→「長所が活躍したエピソードはありますか?」→「その長所を教員としてどのように活かしますか?」といったように追加質問をしてきます。
しっかり自己分析ができていないと、深掘り質問に対応できません。過去に聞かれた質問に根拠を踏まえて回答できるよう、早め早めに準備を始めましょう。
過去の質問や模範回答例は下記記事でまとめています。


学校教育に関するレポート
浜松市教員採用試験の学校教育に関するレポートは、自分の考えや主張を論理的に説明する文章形式の試験です。
試験時間 | 50分 |
---|---|
問題数 | 3題 |
文字数 | ※制限なしですが、原稿用紙から以下の文字数を参考にするといいでしょう。 問題1:250字程度 問題2:350字程度 問題3:250字程度 |
配点 | 20点(2人の採点者) |
学校教育に関するレポート対策のポイント
まずは出題テーマを分析し、小論文を書き上げるにはどんな知識が必要なのか把握しましょう。
次に、過去問を使って具体的なテーマの傾向を把握することが大事です。過去問を通じて傾向を知れば、どのような切り口で論じるべきかが見えてきます。
傾向を掴んだら、過去問を使って答案を作成し、繰り返し添削を受けることが重要です。論文で落ちる人ほど、書いた後にそれを放置してしまうことが多いので注意しましょう。
過去問やより詳しい対策方法は、下記の記事も参考にしてください。


専門実技試験
浜松市教員採用試験の実技試験は、専門的技能や実践的能力があるかどうかを評価・判断する人物試験です。
中学校、高校のうち以下の教科が対象です。
- 音楽
- 美術
- 保健体育
- 技術
- 家庭
- 英語
専門実技試験のテーマ


専門実技試験のポイント
何ができて、できていないのかを早めに把握するようにしましょう。そのうえで出来るように少しずつ技能を磨いていくことが最適解です。
なお、課題に沿って完璧にできることにくわえて、熱意や意欲、態度なども評価対象。
そのため、実際の試験では面接と同じように楽しくできるように練習してください。
浜松市教員採用試験に関するFAQ
浜松市教員採用試験に関するFAQ(よくある質問)をまとめています。
試験概要編
試験日程編
試験対策編



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本サイトでは、浜松市教員採用試験の合格に必要な情報を多く配信しています。ぜひ、参考にして対策を始めてくださいね。




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