本記事では、浜松市教員採用試験の内容と対策のポイントを徹底解説します。
浜松市教員採用試験の一次・二次試験の概要から合格に向けた具体的な準備方法まで、網羅的に理解できる内容となっています。
敵を知らずして対策を始めてしまうのは、時間の無駄になりかねません。本記事を参考に浜松市教員採用試験の合格に向けて着実に対策を始めましょう。
浜松市教員採用試験の内容
浜松市教員採用試験は一次試験と二次試験の2段階選考となっています。
一次試験
浜松市教員採用試験の一次試験は、「教職・一般教養」と「教科等専門」、「個人面接」の3科目で構成されています。
教職・一般教養
教職・一般教養は、教師として必要な基礎知識と幅広い教養がどれくらい備わっているかを測る筆記試験です。
試験時間 | 60分 |
---|---|
問題数 | 50問(必答) |
出題形式 | 正誤問題、穴埋め問題 |
解答方法 | 択一式(マークシート) |
配点 | 50点満点 |
出題範囲 ※数字は出題数 | 教育原理㉖、教育法規④、教育心理④、教育史① 一般教養科目 人文科学⑦、社会科学②、自然科学④、一般常識② | 教職教養科目
教育に関する基礎的な知識を問う「教職教養科目」と、高校までに習った基礎学力を測る「一般教養科目」から出題されます。
科目数は多いため、優先順位を決めて効率よく勉強することが大事です。
出題科目 | 2023 | 2024 | 2025 |
---|---|---|---|
教育原理 | 26 | 26 | 26 |
教育法規 | 4 | 4 | 4 |
教育心理 | 3 | 4 | 4 |
教育史 | 2 | 1 | 1 |
国語 | 2 | 2 | 2 |
英語 | 2 | 2 | 2 |
音楽 | 1 | 1 | – |
保健体育 | 2 | 2 | 2 |
美術 | – | – | 1 |
世界史 | 1 | – | – |
日本史 | – | 1 | 1 |
地理 | 1 | – | – |
政治 | – | – | 1 |
経済 | – | 1 | – |
環境 | 1 | – | – |
数学 | 2 | 2 | 2 |
物理 | 1 | 1 | – |
化学 | – | 1 | 1 |
生物 | – | – | – |
地学 | – | – | – |
情報 | 1 | 1 | 1 |
その他 | 1 | 1 | 2 |
- 各数字は科目ごとの出題数です。
- 上記は僕自身の解釈であり、公式発表されたものではありません。
教職・一般教養の対策方法
教職・一般教養を効率よく勉強するには、次の2つを意識しましょう。
問題数の多い科目から勉強する
Point①:科目別問題数一覧を見たらわかるように、科目ごとの問題数に差がありすぎますよね。
まずは問題数が多く理解に時間を要する教育原理に絞って勉強を始めるのがポイントです。
主要科目(問題数の多い科目)の勉強にある程度メドをつけ、その後に他の科目の勉強を本格化させるのが必勝パターンといえるでしょう。
問題数が多い科目から勉強を始めれば、短期間で点数を伸ばせます。また、重要な科目でしっかり点数を取れば、全体の合格ラインを底上げできますね!
出題頻度の高い分野から覚える
Point②:たとえば、教職教養分野「教育心理」は次の6分野が出題範囲です。
- 教育心理学の歴史・意義・定義
- 発達の理論
- 学習の理論
- 人格と適応
- 学級集団
- 教育評価
下記の出題範囲一覧をみたらわかると思いますが、分野ごとの出題頻度に差がありすぎるんですよね。直近で出題頻度の高い「学習の理論」と「人格と適応」は時間を使って対策、それ以外の分野は余力があれば対策していくと効率よく進められます。
頻出度の高い分野をしっかりと抑えた後、その他の分野を補完的に学習することで、全体的な理解を深め、試験に万全の態勢で臨むことができますよ。
こちらのnoteで詳しくまとめているので、チェックしておいてくださいね!
全科目の出題範囲を教科等専門
教科等専門は、志望する校種・教科に関する専門的知識を測る筆記試験です。
試験時間 | 80分 |
---|---|
問題数 | 教科・科目による |
出題形式 | 択一式 |
配点 | 100点満点 |
問題レベルは、大学入試共通テスト(旧センター試験)から国公立大二次試験で問われるレベルの問題が6割程度を占めています。
教科等専門の出題範囲
教科等専門の出題範囲は、受験する教科や科目によって異なります。
たとえば、小学校なら国語、算数、社会、理科、外国語、音楽、図工、体育、家庭などが出題されます。社会科なら日本史、世界史、地理、政治、経済、倫理が出題範囲という具合です。
また、教科・科目に関する知識だけでなく、学習指導要領や指導方法・指導案に関する問題が出題されることがあります。
各科目の基本的な知識を確実に身につけるとともに、学習指導要領についても把握しておくことが重要です。
教科等専門の対策方法
教科等専門は、受験者ごとに学力レベルや知識の差が大きく出やすいため、自分の学力に合った対策が必要不可欠です。
たとえば、国語教員を目指す人の中には難関大学の入試問題を解ける人もいれば、高校の基礎問題に苦戦する人もいます。同じテキストで勉強しても、自分の実力に合っていなければ効果が薄いです。
まずは過去問を自力で解き、自分の実力を正確に把握することから始めてみてください。
過去問を解くことで、どの分野が得意でどの分野が苦手かが明確になります。この自己評価をもとに、次のような勉強計画を立ててみましょう。
- 5割以下:基礎がないので中学受験レベルから勉強しなおす。基本的な概念や知識をしっかり固めることが大切です。
- 7割以下:高校~大学受験レベルで力をつける。より高度な問題に挑戦し、理解を深めることを目指しましょう。
- 7割以上:全国の過去問を解いて知識の定着や弱点克服。さらに実践的な問題に取り組むことで、試験本番に備えます。
教科等専門では、基礎学力をしっかり固めることが大事です。
基礎知識がしっかりしていれば、応用問題にも対応できるようになりますし、試験本番での安定したパフォーマンスにつながります。まずは基本を徹底し、そこから応用力を磨いていきましょう。
教科等専門の勉強方法は、下記の記事も参考にしてください。
個人面接(一次)
浜松市教員採用試験の個人面接(一次面接)では、教職員(社会人)として働く素質があるかどうかを見極めることがメインです。
具体的には、マナーや礼儀、教職に対する情熱があるかなどの基本的な点をチェックされていると思ってください。
試験時間 | 15分 |
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面接官 | 3人 |
総合評価 | A~Cの三段階 |
質問例 | ・浜松市の教師を志望した理由は何ですか。 ・教職に就こうと思ったきっかけは何ですか。 ・浜松市の教師としてやってみたいことは何ですか。 ・教育実習はどうでしたか。 ・子どもと関りをもつ上で、大切にしたいことはどのようなことですか。 |
個人面接の対策方法
次の3ステップに分けて行うことがポイントです。
- 過去の質問項目を把握する(過去問分析)
- 質問に対する回答を練る(自己分析)
- 練習と修正を繰り返す(実践)
上記①と②で面接対策の70%は終了したことになりますが、まだまだ終わりではありません。
どれだけ素晴らしい回答を練ったとしても、それが面接官に伝わらなければ意味がないのです。したがって、過去の質問項目で傾向を把握し、回答を作成したら模擬面接を多く重ねることが重要。
また、面接では内容だけでなく、あなたの印象(表情や態度、話し方など)も評価対象です。
- 自分の言いたいことが正確に伝わっているか。
- 年齢や経験に応じた話ができているか。
- 笑顔でハキハキ喋れているか。
こうした点を他人からフィードバックを受けることで、より効果的なコミュニケーションができるようになります。
なんとなく面接練習しているだけでは、自分のどこが良くてどこが悪いのかがわからないことが多いので注意してください。
早めに傾向や自己分析を終わらせて、他人の視点からのフィードバックを積極的に取り入れて、全体的な印象を良くする努力をしましょう。
実際にされた過去の質問や詳しい対策方法は下記ページで解説していますので、チェックしてくださいね!
二次試験
浜松市教員採用試験の二次試験は、「授業・保健に関する面接」、「個人面接」、「学校教育に関するレポート」、「専門実技試験」の4科目が行われます。
授業・保健に関する面接
授業・保健に関する面接は、与えられたテーマをもとにして、授業のポイントを説明したり、質問に答えたりする人物試験です。
試験時間 | 60分(構想40分+発表等20分) |
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面接官 | 3人 |
評価項目 | ・授業で身につけさせたい力を理解しているか ・子供への愛情を持ち、学習意欲を高める工夫ができるか |
授業・保健に関する面接の流れ
小学校、中学校、発達支援
試験日に「学年、題材名、小単元名」が記載された課題が発表されます。
どのような授業を展開するのか、40分間で構想します。
構想した授業について、5分間で板書。
構想した授業について、3分間で発表。
授業などに関して10分程度の質問。
養護教諭
試験日に「学年、題材名、小単元名」が記載された課題が発表されます。
どのような授業を展開するのか、40分間で構想します。
面接官を子供に見立てて、4分間の実演指導。
面接官からいくつか質問。
健康相談に関する5分程度の場面指導
面接官からいくつか質問。
授業・保健に関する面接の過去問
授業テーマ
2025年度 | 授業テーマ(PDF) |
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2024年度 | 授業テーマ(PDF) |
2023年度 | 授業テーマ(PDF) |
口頭試問
- 本時の授業で児童生徒に身につけさせたい力は何ですか。
- その力を身につけさせるためにどのような工夫をしましたか。
- 志望教科の学習を通して、あなたが児童生徒に身につけさせたい力は何ですか。
- 児童生徒の興味や関心を高めるために、どのような工夫を考えていますか。
- 今回の授業で、児童生徒がつまずきやすいと予想されるところと対応方法を説明してください。
- 志望教科に意欲を持てない児童生徒への対応方法について説明してください。
- 授業で学ぶ楽しさをどのように考えますか。
- 児童生徒同士の学び合いを深めるために、ICTをどのように活用しますか。
- 授業以外に、養護教諭の専門性を生かし、効果的な指導ができる場がありますか。
- あなたの楽興で不登校気味の子どもが増えてきたので、健康相談をすることになりました。どんな子どもが、健康相談の対象となりますか。
- 不安や悩みを抱える児童生徒に対応する際に、養護教諭として心掛けたいことはどんなことですか。
- 健康相談を行う上で留意することは何ですか。
個人面接(二次)
浜松市教員採用試験の個人面接(二次試験)は、自己PRや志望動機から教職員としての適性や素質、人間性などを評価・判断する人物試験です。
自己PRや志望動機などの一般的な内容から、専門的な知識まで幅広く聞かれています。
試験時間 | 20分 |
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面接官 | 3人 |
配点 | 5段階評価 |
形式 | 個人面接、場面指導 |
評価基準 | ・子供への愛情 ・課題解決能力 ・教員としての意欲や姿勢 |
質問例 | ・浜松市を志望した理由をこれまでの人生経験や教職への思いを含めて2分程度で教えてください。 ・子供や保護者から信頼される教員とは、どのような教員だと思いますか。 ・これまで毎日元気に学校に通い、欠席もなかった子供が体調不良を訴え、毎日のように保健室に行くようになりました。あなたは、学級担任として、どのように対応していきますか。 ・合唱コンクールを前にして、クラスの雰囲気がいっこうに高まってきません。担任としてどう対処しますか。 ・清掃に消極的な子供に対してどう指導しますか。 |
個人面接の対策方法
二次試験の面接では、一つの回答に対し、より掘り下げて受験者の行動特性を把握する「コンピテンシー評価型面接」で行われています。
たとえば、「長所は何ですか?」→「長所が活躍したエピソードはありますか?」→「その長所を教員としてどのように活かしますか?」といったように追加質問をしてきます。
しっかり自己分析ができていないと、深掘り質問に対応できません。過去に聞かれた質問に根拠を踏まえて回答できるよう、早め早めに準備を始めましょう。
過去の質問や模範回答例は下記記事でまとめています。
学校教育に関するレポート
浜松市教員採用試験の学校教育に関するレポートは、自分の考えや主張を論理的に説明する文章形式の試験です。
試験時間 | 50分 |
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問題数 | 3題 |
文字数 | ※制限なしですが、原稿用紙から以下の文字数を参考にするといいでしょう。 問題1:250字程度 問題2:350字程度 問題3:250字程度 |
配点 | 20点(2人の採点者) |
学校教育に関するレポート対策のポイント
まずは出題テーマを分析し、小論文を書き上げるにはどんな知識が必要なのか把握しましょう。
次に、過去問を使って具体的なテーマの傾向を把握することが大事です。過去問を通じて傾向を知れば、どのような切り口で論じるべきかが見えてきます。
傾向を掴んだら、過去問を使って答案を作成し、繰り返し添削を受けることが重要です。論文で落ちる人ほど、書いた後にそれを放置してしまうことが多いので注意しましょう。
過去問やより詳しい対策方法は、下記の記事も参考にしてください。
専門実技試験
浜松市教員採用試験の実技試験は、専門的技能や実践的能力があるかどうかを評価・判断する人物試験です。
中学校、高校のうち以下の教科が対象です。
- 音楽
- 美術
- 保健体育
- 技術
- 家庭
- 英語
専門実技試験のテーマ
専門実技試験のポイント
何ができて、できていないのかを早めに把握するようにしましょう。そのうえで出来るように少しずつ技能を磨いていくことが最適解です。
なお、課題に沿って完璧にできることにくわえて、熱意や意欲、態度なども評価対象。
そのため、実際の試験では面接と同じように楽しくできるように練習してください。
浜松市教員採用試験に関するFAQ
浜松市教員採用試験に関するFAQ(受験者から頻繁に寄せられる質問とその回答)をまとめています。
試験概要
試験日程
試験対策
浜松市教員採用試験の内容まとめ
この記事では、浜松市教員採用試験の内容と対策のポイントについて、一次試験・二次試験に分けて詳しく解説しました。
再度、試験内容をまとめます。
- 一次試験
- 二次試験
浜松市教員採用試験の難易度は、他の自治体と比較して決して高くはありません。しかし、最終合格するためには計画的な準備と十分な対策が不可欠です。
あなたの努力が実を結び、試験に合格することを心から応援しています。今すぐ行動を始め、夢に向かって一歩踏み出しましょう!
浜松市以外の試験内容は、下記の記事で詳しくまとめています。
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