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【2026年受験対策】大阪市教員採用試験の内容と傾向を徹底解説!

大阪市教員採用試験の対策ロードマップ

大阪市立学校の教員を目指して、採用試験の対策を始めようとしているあなたへ。

  • 「試験の内容って具体的に何があるんだろう?」
  • 「筆記だけじゃなく、面接や場面指導もあるみたいだけど、どう対策すれば…?」

そんな疑問や不安で、何から手をつければいいか迷っていませんか?

大丈夫です。

この記事を読めば、大阪市教員採用試験の全体像から、第1次選考試験・第2次選考試験の具体的な内容、そして対策方法まで合格に必要な情報がすべてわかります。

現時点で最新の「令和8年度(2025年実施)採用」の情報を基に、どこよりも分かりやすく、そして「どう対策に活かすか」という視点で徹底解説しますね。

試験の全体像をしっかり掴むことが、合格への第一歩です。さあ、一緒に合格への最短ルートを走り出しましょう!

目次

【令和8年度】大阪市教員採用試験の概要

これから大阪市教員採用試験の合格に向けて準備を始めるわけですが、何から手をつければいいか迷うかもしれません。

まずは敵(=試験の仕組み)を知ることから始めましょう。

ここでは、現時点で最新の「令和8年度採用(2025年実施)」の募集要項をもとに、大阪市教員採用試験の全体像を分かりやすく解説していきます。

受験資格

あなた

「そもそも自分は受験できるのかな?」

最初に確認すべき大切なポイントですね。

大阪市教員採用試験では、主に以下の3つの要件を満たす必要があります。

①欠格事項に該当しないこと

地方公務員法第16条や学校教育法第9条で定められている、教員になれない条件に当てはまらないことが大前提です。

②年齢要件

昭和41年4月2日以降に出生していること」、と定められていますね。

幅広い年齢層の方がチャレンジできるのが特徴です。

③免許状の要件

受験する校種・教科の普通免許状を持っているか、令和8年(2026年)3月31日までに取得する見込みがあることが必要です。

「取得見込み」で受験する学生さんがほとんどだと思いますので、安心してくださいね。

福永

上記は一般選考の主な要件です。特別選考や、一部の教科では追加の要件があるため、詳細は必ず公式の募集要項で確認しましょう。

募集教科・採用人数

あなた

「大阪市がどのような先生をどれくらい求めているの」

そもそも、あなたの希望する校種・教科が募集されていないことには受験できませんよね。具体的な数字で見ていきましょう。

校種教科採用数
幼稚園15
幼稚園
小学校
小学校450
中学校国語、社会、数学、理科、音楽、美術、保健体育、技術、家庭、英語、特別支援学校310
養護教諭幼稚園若干
小・中学校共通15
栄養教諭小・中学校共通15
令和8年度募集教科と採用予定人数

教科ごとの採用があるかどうかは、年度によって変動します。

福永

採用見込数の詳細は、例年4月頃に大阪市教育委員会のウェブサイトで発表される「募集要項」で必ず確認してください。

試験日程(選考スケジュール)

あなた

「大阪市の試験はいつやっているの?合格発表日は?」

試験対策は、スケジュール管理(把握)が大事です。

採用試験の大きな流れを把握し、いつまでに何をすべきか計画を立てましょう。

スケジュール日程
出願受付期間2025年3月3日(月)~4月14日(月)午後5時まで
第1次試験1日目(筆記):2025年6月14日(土)
2日目(面接):2025年7月5日(土)、6日(日)のうち1日。
1次結果発表筆記:2025年6月26日(木)
面接:2025年7月29日(火)
第2次試験1日目(筆記):2025年8月9日(土)
2日目(面接):2025年8月11日、16日(土)、17日(日)、23日(土)のうち1日。
3日目(実技):2025年8月2日(土)~10日(日)のうち1日。
最終結果発表2025年9月26日(金)
配置校の連絡2026年3月上旬〜中旬
ここに記載されているのは、令和8年度の情報です。

この流れを見ると、出願から一次試験まで約2ヶ月第1次試験から第2次試験までも約1ヶ月と、意外と時間がないことが分かります。

▼なお、併願等を考えている方は以下の記事も参考にしてください。全自治体の試験日程を一覧でまとめています。

試験科目(種目)

あなた

「大阪市の試験科目は?何を対策すればいいのかな?」

大阪市教員採用試験は、第1次選考と第2次選考の2段階選抜方式です。

まず第1次選考で受験者を採用予定の2〜2.5倍まで絞り込み、その後、通過者を対象に第2次選考を行って採用候補者を決定します。

▼第1次選考の試験科目(種目)

  • 筆答テスト(教職・一般教養)
  • 面接テスト(個人面接)

▼第2次選考の試験科目(種目)

  • 筆答テスト(専門教科)
  • 面接テスト(個人面接・場面指導)
  • 実技試験
福永

総合評価なので、筆記と面接をバランスよく対策することが大事です!

主な変更点

あなた

「大阪市の試験で昨年度との変更はあるの?」

最後に、今回の令和8年度試験から適用される、特に重要な変更点を押さえておきましょう。

小論文の廃止

  • 大学推薦特別選考
  • 教職大学院推薦特別選考

上記区分の書類選考のうち、小論文を取りやめます


古い情報や昨年度までの感覚で対策を進めていると、スタートラインで損をしてしまう可能性があります。ライバルに差をつけるためにも、ここでしっかりと最新情報にアップデートしておきましょう!

第1次選考の試験内容

大阪市教員採用試験 第1次選考の最初の関門が、筆答テスト(教職・一般教養)面接テスト(個人面接)です。

教員として必要な基礎知識と人間性がバランスよく問われるため、しっかり対策していきましょう。

筆答テスト(教職・一般教養)

まずは、試験の基本的な情報を整理して、全体像を掴むことが大切です。

筆答テスト(教職・一般教養)の概要

試験時間90分間
出題数30問
出題形式択一式
試験方式マークシート
配点450点満点
令和8年度(2025年実施)試験をベースに作成

90分で30問を解くので、1問あたりにかけられる時間は3分です。時間配分を意識して過去問演習に取り組むことが、本番での得点力アップに繋がります。

筆答テスト(教職・一般教養)の傾向

筆答テスト(教職・一般教養)は、大きく分けて「教師としての専門知識を問う『教職に関する科目』」と、「計算力や読解力を問う『思考力・判断力を問う問題』」の2分野から出題されます。

福永

「思考力・判断力を問う問題」は、公務員試験の「数的処理」や「文章理解」に近い対策が必要になるので、ここは押さえておきたいポイントです!

では、それぞれの分野でどんな科目から何問くらい出題されているのか、過去3年間のデータを見てみましょう。

▼教職に関する科目(計15問)

科目R8年度R7年度R6年度
教育原理91010
教育法規432
教育心理112
教育史111
当サイトが試験問題を独自に分析したデータ

思考力・判断力を問う問題(計15問)

科目R8年度R7年度R6年度
数的推理252
判断推理412
空間把握2
資料解釈333
文章理解666
当サイトが試験問題を独自に分析したデータ

このデータを見ると、学習の優先順位が明確になりますね。

  • 「教育原理」と「文章理解」の2科目だけで、毎年15問前後(全体の半分)を占めています。
  • 一方で、「教育心理」や「教育史」は毎年1〜2問と少ないです。

つまり、出題範囲の広い教職教養を効率的に攻略するには、まず「教育原理」と「文章理解」を得点源にすることが何よりも重要だということです。

ここから優先的に学習を始めるのが、合格への最短ルートになります。

筆答テスト(教職・一般教養)の対策方法

試験の範囲は膨大ですが、心配はいりません。 やみくもに手をつけるのではなく、正しい手順で効率よく勉強を進めれば、合格に必要な力は必ず身につきます。

ここでは、多くの合格者が実践してきた王道の5ステップ勉強法をご紹介しますね。


STEP1:まずは過去問で「現在地」を知る

何事も、まずは計画からですが、その前にやるべきことがあります。それは、まず1年分の過去問を時間を計って解いてみることです。

本格的な勉強を始める前に一度解いてみることで、「今の自分の実力(現在地)」と「合格までの距離」が明確になり、学習計画が格段に立てやすくなります。

点数が低くても全く気にする必要はありません。目的は、敵を知り、己を知ることです。

福永

過去問の入手方法は後述しています!


STEP2:出題数の多い科目から始める

学習を始めるにあたって、最も優先すべきは出題数の多い科目から手をつけること。

具体的には、前のセクションで紹介した「教育原理」と「文章理解」の2つです。この2科目だけで全体の半分を占めるため、ここを得点源にできるかどうかが合否を大きく左右します。

また、「数的推理」に苦手意識がある方は、早めに着手することをオススメします。解法のパターンを理解するのに時間がかかる科目なので、後回しにすると焦りの原因になるからです。


STEP3:アウトプット→インプットを繰り返す

多くの受験生が「まずは参考書をじっくり読んでから…」と考えがちですが、それは合格への遠回りです。

最短ルートは、まず「問題(アウトプット)」から始めること。この方法こそ、試験で点が取れる知識だけを効率的に吸収する最強の戦略です。

具体的な手順は、次の3つです。

STEP
問題集を解く

最初に、いきなり問題集を開いて解いてみましょう。もちろん、最初は解けない問題ばかりで構いません。

ここでの目的は、点数を取ることではなく、「何が、どのような形で問われるのか」という出題パターンを知ることです。敵の姿を知ることで、何を覚えれば点数になるのかが明確になります。

STEP
参考書を「辞書」として使う

次に、問題集で間違えた箇所や、理解が曖昧だった部分だけを調べるために参考書を開きます。参考書を通読するのではなく、「調べるための辞書」として使うのです。

この方法なら、分厚い参考書の中から試験に出るポイントだけをピンポイントで学ぶことができ、学習時間を大幅に短縮できます。

STEP
全国の過去問で仕上げる

問題集と参考書の往復で知識が整理できたら、総仕上げとして全国の過去問に挑戦します。

過去問は、本番の出題形式やレベルに最も近い最高の実践演習です。ここで時間配分の感覚も養い、合格を盤石なものにしましょう。

STEP4:出題頻度の高い分野に絞り効率よく対策する

科目数が多く、範囲が広すぎる「筆答テスト(教職・一般教養)」は、“すべてを完璧にやろうとしない”ことが何よりも重要です。

ここでの鉄則は、「大阪市で出題頻度の高い分野に絞り、そこだけは確実に得点する」という戦略です。

たとえば、教職に関する科目の教育法規で「日本国憲法と教育基本法」に関する分野。どの参考書でも重要度Aとされており、多くの受験生がこの分野に重点的に取り組んでいます。

大阪府出題傾向
オープンセサミノート(東京アカデミー)

ところが、大阪市の過去10年分の出題を徹底分析したところ、なんとこの『日本国憲法と教育基本法』はほとんど出題されていなかったのです。

大阪府教員採用試験の出題傾向(教育法規)
当サイトが過去10年間の試験問題を独自に分析したデータ

このように市販の参考書の重要度ランクだけを信じて学習を進めるのは非常に危険です。過去の傾向から「出る」可能性が高い分野を見極め、そこに学習時間を集中させることが、賢い対策のコツといえるでしょう。

▼科目別の出題範囲をまとめた資料を以下の記事で公開しています。あわせて活用してください。


STEP5:過去問演習で時間配分を体に染み込ませる

試験直前期になったら、本番と同じ「90分で30問」という条件で、時間を計って過去問を解くトレーニングを積みましょう。

この実践演習の目的は、以下の3つです。

  • 時間配分の習得:1問あたり約3分というペースを体に染み込ませる。
  • 本番のシミュレーション:試験の緊張感に慣れ、解く順番などを確立する。
  • 弱点の最終確認:最後まで得点できない分野を洗い出し、最後の追い込みをかける。

特に、時間内に全ての問題を解ききることは困難です。

「少し考えても解法が思い浮かばない問題は、潔く飛ばして次に進む」という判断力も、この段階で養っておきましょう。

このように、筆答テスト(教職・一般教養)はやり方さえ間違わなければ合格点は十分に取れる試験です。

▼「何から手をつければ…」ともし迷っているなら、まずは以下の記事で解説している学習の羅針盤となる出題範囲の理解から始めてみてください。ライバルたちが分厚い参考書と格闘している間に、あなたは最短ルートでゴールを目指しましょう!

面接テスト(個人面接)

大阪市が求める教員としてふさわしい人物であるか、人柄・意欲・対人関係能力等を評価・判断する試験です。

面接テスト(個人面接)の概要

試験時間10分間
面接官2人
配点450点満点
評価項目①社会人として望ましい態度であるか。
②望ましい対人関係を築ける資質を備えているか。
令和8年度(2025年実施)試験をベースに作成

面接テスト(個人面接)の傾向

一次面接は、試験時間が10分と短く、質問内容も「自己分析」や「志望動機」に関するオーソドックスなものが中心です。

これは、面接官が「あなたがどんな人間なのか」「なぜ教員になりたいのか」という、人物の根幹部分を短時間で確認しようとしていることを示しています。

奇をてらった回答よりも、あなた自身の言葉で、誠実に、そして論理的に伝えられるかが重要視されます。

評価項目にある「社会人として望ましい態度」とは、身だしなみや言葉遣い、入退室のマナーといった基本的な部分です。ここでの失点は絶対に避けなければなりません。

面接テスト(個人面接)の対策方法

一次面接を突破するためには、以下の3つの対策を徹底しましょう。

STEP1:徹底した自己分析で「自分」を語る軸を作る

まず、すべての土台となる自己分析を徹底的に行います。

  • 「強み・弱み」
  • 「学生時代に最も力を注いだこと」
  • 「教員として活かせる経験」

などを深掘りし、あなたという人間を形作る要素を言語化しましょう。

この作業を通じて、どんな角度から質問されてもブレない、一貫性のある「回答の軸」が生まれます。なぜそう思うのか(Why)を5回繰り返す「なぜなぜ分析」も有効です。


▼STEP2:具体的なエピソードで「志望動機」を固める

次に、自己分析で見えてきたあなたの強みや経験と、「なぜ教員なのか」「なぜ大阪市なのか」という志望動機を結びつけます。

「子どもの成長に貢献したい」といった抽象的な言葉だけでは、他の受験生との差別化はできません。

「〇〇という経験を通じて、子どもたちの△△な力を育みたいと強く感じた。その実現には、□□という教育目標を掲げる大阪市が最適だと考えた」

というように、あなただけの具体的なエピソードを交えて、説得力のあるストーリーを構築しましょう。


▼STEP3:頻出質問への回答練習で「伝える力」を磨く

最後に、準備した内容を実際に声に出して話す練習をします。

基本的な質問に対し、1分程度で簡潔に、かつ論理的に話せるようにトレーニングを重ねましょう。

このとき、回答を丸暗記するのはNGです。

棒読みになってしまい、あなたの熱意が伝わりません。話したいキーワードや骨子だけを覚え、その場で自分の言葉で組み立てて話す練習をすることで、本番でも自然体で、自信を持って受け答えができるようになります。

福永

一次面接は、あなたという人間を面接官に知ってもらう最初のステップです。自分という商品をプレゼンするつもりで、自信を持って臨めるよう、万全の準備をしましょう。

▼過去の質問例や詳しい対策方法を以下の記事でまとめています。あわせて確認してください。

第2次選考の試験内容

第1次選考試験を突破し、最終合格まであと一歩となるのが第2次選考試験です。

ここでは、第1次選考試験で評価された基礎的な資質に加え、教員としての実践的な指導力現場での対応力がより厳しく問われます。

最終合格を掴み取るため、各試験の内容を正確に把握し、万全の準備で臨みましょう。

筆答テスト(専門教科)

筆答テスト(教職・一般教養)と並ぶ、もう一つの大きな柱が「筆答テスト(専門教科)」です。

あなたの志望する教科に関する深い知識と指導力が問われる、非常に重要な試験ですね。

筆答テスト(専門教科)の概要

試験時間90分
(小学校120分、実技のある教科70分)
問題数教科・科目による
出題形式択一式・記述式
配点(*)・240点満点(幼稚園、小学校)
・200点満点(音楽、美術、保体、英語)
・400点満点(その他)
令和8年度(2025年実施)試験をベースに作成

筆答テスト(専門教科)は400点満点(一部教科は除く)です。 そして、一番のポイントは表にもある通り、問題数や出題内容が、受験する校種・教科によって大きく異なるという点です。

例えば、中学校の英語を受験する方と、小学校全科を受験する方とでは、当然問われる内容も対策も変わってきます。

筆答テスト(専門教科)の出題レベルと学習の軸

出題レベル

その教科を指導する上で土台となる基礎的・基本的な知識が問われます。単なる暗記だけでなく、「なぜそうなるのか」という背景や理論まで含めた、指導者としての深い理解度が試される問題が多いのが特徴です。

学習の軸

対策の大きな軸となるのが学習指導要領です。出題範囲が広い教科はもちろん、専門的な教科においても、指導要領に示されている目標や内容を深く理解しておくことが不可欠です。

筆答テスト(専門教科)の対策方法

あなたの受験教科に合わせた対策はもちろん重要ですが、その土台となる合格へ近づくステップが3つあります。

STEP1:過去問を分析する

まずは過去問に目を通し、

  • 「どのような形式で」
  • 「どの分野が」
  • 「どのくらいの難易度で」

出題されるのかを肌で感じましょう。


STEP2:基礎を固める

次に、出題範囲の基本的な知識を総復習します。

  • 普通教科(国語・数学・英語など)の場合:高校時代の教科書や参考書が、知識を体系的に見直す上で最も役立ちます。
  • 専門教科(保健体育・養護・栄養など)の場合:大学で使った専門書や、各専門分野の教本・ガイドラインなどを中心に、基礎となる理論や知識を固めましょう。

▼STEP3:問題演習を繰り返す

基礎が固まったら、問題集や過去問を使い、ひたすらアウトプットを繰り返して知識を定着させます。

この王道のステップを、ご自身の専門分野に合わせて実践していくことが合格への最短ルートです。

▼具体的な勉強法や、各教科ごとの出題傾向、おすすめの参考書については、こちらの記事で詳しく解説しています。ご自身の教科の部分を重点的に読み込み、学習計画を立ててみてください。

面接テスト(個人面接・場面指導)

第二次選考でも個人面接が実施されます。

場面指導が行われるなど、一次面接よりも一歩踏み込み、より実践的な指導力や対応力が問われます。

面接テスト(個人面接・場面指導)の概要

試験時間15分間
面接官3人
配点450点満点
(中学校は420点満点)
令和8年度(2025年実施)試験をベースに作成

面接テスト(個人面接・場面指導)の傾向

二次面接は、試験時間が15分に、面接官が3人に増え、より多角的な視点から評価されます。

質問内容も、単なる自己PRだけでなく、

  • 「授業中のトラブル」
  • 「同僚との連携」
  • 「保護者対応」

といった、教育現場で実際に起こりうる場面を想定したものが多くなります。

特に注目すべきは、場面指導(保護者対応などをその場で実演させるロールプレイング形式の質問)す。

ここでは、あなたの知識だけでなく、誠実な対応力やコミュニケーション能力といった、より実践的なスキルが見られています。あなたの「教育観」や「子ども観」が本物であるかを、具体的な場面を通して試される、難易度の高い試験です。

面接テスト(個人面接・場面指導)の対策方法

二次面接で高評価を得るためには、提出する面接個票の作成から面接本番まで、戦略的な準備が不可欠です。

以下の4ステップで、現場対応力を徹底的に鍛えましょう。

▼STEP1:合否を左右する「面接個票」を戦略的に作成する

まず、二次面接の設計図となる「面接個票」の作成に全力を注ぎます。

面接官は、この個票に書かれた内容を基に質問を展開するため、その出来が面接全体の流れを決定づけると言っても過言ではありません。

一次面接で行った自己分析をさらに深掘りし、

  • 「教育実習で最も困難だったことと、それをどう乗り越えたか」
  • 「あなたの強みを教育現場でどう発揮するか」

など、より具体的なエピソードを盛り込みましょう。

▼面接個票の内容や書き方は以下の記事で解説しています。


▼STEP2:「場面指導」のシミュレーションで指導力を示す

次に、教育現場で起こりうる様々な場面を想定し、「自分ならどう指導・対応するか」を具体的に考えるトレーニングを行います。

「授業に集中できない子」「友達とトラブルになった子」「忘れ物が多い子」など、具体的なケースを設定し、

  • 状況の把握
  • 子どもへの声かけ
  • 具体的な指導
  • その後のフォロー、

という流れで対応策を言語化します。

なぜその対応をとるのか、という教育的な意図も合わせて説明できるように準備しましょう。


▼STEP3:「ロールプレイング」で実践的な対話力を鍛える

続いて、場面指導の中でも特に難易度の高い「保護者対応」や「生徒指導」について、実際に声に出して対応を演じてみるロールプレイング練習を行います。

友人や家族に面接官役を頼み、過去問にあるような保護者からの相談に答えてみましょう。

練習の際は、

  • まずは相手の言葉を傾聴し、気持ちに共感する
  • 事実関係を確認する
  • 解決策や学校としての方針を丁寧に説明する、

という対話の基本ステップを常に意識してください。この練習が、本番での落ち着きと自信につながります。


▼STEP4:「模擬面接」で客観的な評価を得て完成度を高める

最後の仕上げとして、必ず第三者から客観的なフィードバックをもらう機会を設けます。二次面接対策は、独学だけでは自分のクセや改善点に気づきにくいため、模擬面接は必須です。

大学のキャリアセンターや予備校などを最大限に活用し、面接官経験のある人から評価してもらいましょう。

特に、予期せぬ質問への対応力や、ロールプレイングでの立ち居振る舞い、表情、声のトーンなどは、客観的な視点からのアドバイスなしに改善することは困難です。

▼過去の質問例や詳しい対策方法を以下の記事でまとめています。あわせて確認してください。

実技試験

最後は、特定の教科・科目を受験する方が対象となる「実技試験」です。

これは、筆記試験や面接だけでは測れない、教師として不可欠な技能や表現力を評価するための試験です。

実技試験の概要

実技試験では、それぞれの専門分野における基礎的な技能が問われます。

幼稚園
幼小共通
①無伴奏による歌唱(指定曲の中から1曲を選択)
②ピアノ弾き歌い
*以下①~③の中から1曲、当日指定
1うみ
2ふしぎなポケット
3にじ
音楽・ピアノ弾き歌い(当日指定)
・自由演奏(楽器、曲目は自由)
美術・描写
・立体
保体・体つくり運動
・水泳(クロールと平泳ぎ)
・球技(バレーボール、サッカー、バスケットボール、ハンドボールから1種目選択)
・器械運動(マット運動)、陸上競技(ハードル走)、武道(柔道、剣道)、ダンス(創作ダンス)から1種目選択
英語・Listening
・Group discussion
令和8年度(2025年実施)
幼稚園
幼小共通
①無伴奏による歌唱 指定曲の中から1曲を選択
②ピアノ弾き歌い
*以下①~③の中から1曲、当日指定
1くだものれっしゃ(こわせ たまみ/高井 達雄)
2おもいでのアルバム(増子 とし/本多 鉄麿)
3しゃぼん玉(野口 雨情/中山 晋平)
小学校「音楽」、「体育」、「英語」のいずれか1つを選択

【音楽】
・無伴奏による歌唱
・指定曲の中から1曲を選択(器楽演奏:「ピアノ」、「リコーダー」、「管楽器」、「その他の楽器」より選択。 曲目は自由)

【体育】
・水泳(クロールと平泳ぎのいずれかを選択し25m 1本)

【英語】
・英語による自己紹介
・基本的な英会話
音楽実技試験課題(PDF)
美術実技試験課題(PDF)
保体実技試験課題(PDF)
英語・Listening
・Group discussion
令和7年度(2024年実施)

実技試験の対策ポイント

これらの試験で最も重要な対策は、「求められる課題を、制限時間内に、正確に実演する練習」に尽きます。

ただ得意なだけでなく、初見の課題にも対応できる応用力や、時間内に完成させる手際の良さが評価のポイントになります。学生時代の経験だけに頼らず、必ず試験を想定した練習を繰り返しましょう。

大学の先生や部活動の顧問の先生など、専門家に見てもらい、客観的なフィードバックをもらうことも極めて有効です。万全の準備で、自信を持ってあなたの技能をアピールしてくださいね。

大阪市教員採用試験に関するFAQ

ここでは、受験生からよく寄せられる質問にお答えしていきます。

Q1. 合格最低点は公表されていますか?

A. はい、大阪市教員採用試験の合格最低点は教育委員会のHPで公表されています。

過去のデータから教職教養5割、教科専門6〜7割が目安となります。なお、校種や教科によって差はあるうえ、競争試験なので、年度によって変動する点は注意が必要です。

▼詳しい合格最低点は以下の記事でまとめています。

Q2. オススメの参考書や問題集はありますか?

A. 目的や科目によって様々ですが、定番と言われるシリーズから始めるのがオススメです。

例えば、教職教養では「オープンセサミシリーズ(東京アカデミー)」や「要点整理シリーズ(時事通信社)」、専門教科では「専門教養Build Upシリーズ(時事通信社)」などが多くの受験生に利用されています。

参考書選びは学習効率を大きく左右する重要なポイントです。

どの参考書・問題集を使うかによって学習効率を大きく変わるので、じっくり見て選んでください。

▼自分に合った一冊を見つけるための詳しい選び方や、科目ごとのおすすめ参考書は、こちらの記事で徹底比較しています。

Q3. 過去問はどこで手に入りますか?

A. 大阪市立学校教員採用選考テストのホームページからダウンロードできます。

Web上で過去の問題と解答を入手できるため、出題内容や形式、問題レベルを把握するのに活用しましょう。

過去問を活用することで、試験対策が効果的に進められますよ。

▼以下の記事でも過去問の入手方法と、手に入れた後の具体的な活用法を詳しく解説しています。まずは出題の雰囲気やレベル感を掴むことから始めましょう。

Q4.競争倍率はどれくらいですか?

A.近年は3倍代後半で推移しています。

令和7年度(2024年実施)は、全体で3.1倍という結果でした。

詳細は以下のとおりです。

区分受験者数合格者数倍率
幼稚園46114.2
幼小共通31122.6
小学校9524112.3
中学校8442293.7
養護教諭2061416.3
栄養教諭4995.4
合計2,1286863.1
令和7年度(2024年実施)大阪市教員採用試験の結果一覧

▼教科別の倍率や過去の推移を知りたい方は以下の記事をご覧ください。

Q5.合格するにはどうすればいいですか?

A.大阪市が求める人物像と評価基準を理解して対策することが大事です!

大阪市では、子どもが安心して成長できる安全な社会(学校園・家庭・地域)の実現や、心豊かに力強く生き抜き未来を切り拓くための学力・体力の向上、ICTを活用した教育の推進に貢献できる次のような教員を求めています。

求める教師像を理解する

情熱

教職に対する情熱、愛情、使命感を持ち、困難にも立ち向かえる人

教師としての基礎力

広く豊かな教養を基盤とした、専門性と指導力を備えた人

人間味

子どもに対する教育的愛情と、カウンセリングマインドを備えた人

まずは、この意味不明な内容を自分の言葉でしっかり語れるように準備することが大切です。また、合格基準(合否判定方法)を理解して対策を始めることも重要。

合否判定方法を把握して対策を始める

▼第1次選考の合否判定方法

  • 筆答テストを受験する者は、同テストの合格基準点に達した者のみ、面接テストの対象とします。
  • 選考区分「大学3年次前倒し特別選考」は一定の基準を満たす者を合格とします。
  • 選考区分「教諭経験者特別選考」を除く選考の合否は、筆答テストを受験する者は筆答テストと面接テストの合計
  • 得点により、筆答テストを免除される者は面接テストの得点(大阪市立学校園現職講師特例の出願者は、出願時点の在籍校園での評価を含む。)により、それぞれ判定します。ただし、面接テストの得点が合格基準点に達しない場合には、不合格とします。
  • 選考区分「教諭経験者特別選考」の合否は、面接テストの得点により判定します。

▼第2次選考の合否判定方法

校種教科等合否判定方法
幼稚園
(小学校共通)
筆答テスト及び実技テストの合計得点により判定します。ただし、上記にかかわらず、合格者数の概ね2割を目途に、面接テストの得点により判定します。
小学校
養護教諭
筆答テストの得点により判定します。ただし、上記にかかわらず、合格者数の概ね2割を目途に、面接テストの得点により判定します。
中学校筆答テスト及び実技テストの合計得点により判定します。
特別支援筆答テスト及び実技テストで教科ごとに設定する合格基準点にすべて達している人を対象とし、面接テストの得点により判定します。

*筆答、面接、実技の各テストにおいて、得点が合格基準点に達しないものが一つでもある場合は、不合格とします。


福永

その他、大阪市教員採用試験に関する質問はこちらからどうぞ!

まとめ:大阪市教員採用試験は難しいのか

結論を言うと、「正しい戦略を知らない人にとっては難しく、知っている人にとっては着実に合格が目指せる試験」です。

なぜなら、大阪市教員採用試験は単なる暗記力だけでなく、出題傾向を分析する情報収集力、そして面接や場面指導で自分を表現する力が総合的に求められるからです。

しかし、それは裏を返せば、ポイントを押さえて正しく対策すれば、誰にでも合格のチャンスがあるということ。

この記事で解説した、合格へのロードマップの重要ポイントをもう一度振り返りましょう。

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全体像の把握

まずはこの記事で試験の全体像(ロードマップ)を掴むことから始めます。

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一次選考(筆答)の攻略

「問題集→参考書→過去問」のアウトプット先行型学習で、出題頻度の高い「教育原理」と「文章理解」を最優先で攻略します。

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二次選考(人物)の攻略

専門教科の勉強に時間をかけつつも人物試験対策も早めにやっておくことが大切です。

場面指導では「生徒との対話」を意識し、一方的な知識伝達ではない双方向の指導を目指します。個人面接では、自己分析を深め、自身の経験と求める教師像を結びつけて語れるように準備します。

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効率的な学習

すべての範囲を完璧にするのではなく、過去の傾向から「出るところ」に的を絞って学習時間を投下します。

試験の全体像と、これからあなたがやるべきことが明確になったのではないでしょうか。

あなたの合格への輝かしい第一歩は、まず最新の試験要項を大阪市教育委員会の公式サイトで再確認し、そして過去問を1年分解いて「現在地」を知ることです。

この記事が、あなたの挑戦を後押しする羅針盤となれば、これほど嬉しいことはありません。心から応援しています!

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