静岡県教員採用試験は、一次試験から面接が課されるなど、人物評価の比重が高いのが大きな特徴です。
そのため、「何から勉強すればいいのか分からない」「筆記と面接をどう両立すればいいのか不安」という声も少なくありません。
この記事では、試験内容・選考スケジュールの全体像とあわせて、合格に向けた効率的な対策ロードマップを分かりやすく整理しています。
試験の全体像を把握し、無駄のない対策を進めていきましょう。
静岡県教員採用試験とは
静岡県教員採用試験とは、静岡県教育委員会が行う公立学校の教員を採用するための選考試験です。
試験に合格すると、静岡県内の公立小学校・中学校・高等学校・特別支援学校に教員として配属されます。
静岡市・浜松市との違い
静岡県内では、3つの教育委員会が、それぞれ独自に教員採用試験を実施しています。
- 静岡県教育委員会
- 静岡市教育委員会
- 浜松市教育委員会
実施主体と勤務地の違い
これらは別々の試験であり、採用後の勤務地も異なります。
| 実施主体 | 勤務地 | 備考 |
|---|---|---|
| 静岡県 | 静岡市・浜松市を除く県内全域 | 本記事で解説 |
| 静岡市 | 静岡市内の学校 | 別途、静岡市が募集要項を公開 |
| 浜松市 | 浜松市内の学校 | 別途、浜松市が募集要項を公開 |
注意点
出願先を間違えると、希望する地域で働くことができません。
そのため、自分がどの自治体の教員として働きたいのかを明確にしたうえで、受験する試験を事前に確認しておきましょう。
試験内容(試験科目)
静岡県教員採用試験では、筆記試験だけでなく、面接試験や小論文など数多くの試験が課されます。
選考は一次試験と二次試験の2段階で行われ、総合点で最終合格者を決定します。
ここでは一次試験・二次試験の内容をそれぞれ解説します。
一次試験
静岡県教員採用試験の一次試験は、筆記試験(教職・一般教養、教科等専門)と人物試験(面接、実技)が課されます。
| 教職・一般教養 | 教職教養と一般教養の知識を問う筆記試験 (60分/50問/択一式/50点満点) |
|---|---|
| 教科等専門 | 志望校種・教科の知識を問う筆記試験 (80〜90分/記述式/100点満点) |
| 面接試験 | 自己PRや志望動機を問う個人面接 (高校・特支のみ/5〜10分/75点満点) |
| 実技試験 | 教科指導に必要な技能・資質を問う人物試験 (高校・保体のみ) |



一次試験から面接があるのは静岡県の特徴です。筆記対策と並行して、早めに面接準備も進めておきましょう。
二次試験
静岡県教員採用試験の二次試験は、人物試験(面接、実技)が課されます。
| 適性検査 | 期日までに各自、Webで実施 |
|---|---|
| 個人面接 | 自己PRや志望動機、教員の資質・能力等を問う人物試験 (30分程度/100点満点) |
| 集団面接 | 協調性や他者と協力して課題を解決する集団形式の人物試験 (高校・特支のみ/30分/45点満点) |
| 実技試験 | 教科指導に必要な技能・資質を問う人物試験 (中学校:音楽、美術、保体、技術、家庭、英語) (高校:家庭、英語) |



二次試験は面接が中心です。配点も高いので、遅くても一次試験が終わったらすぐに対策を始めましょう
受験資格
静岡県教員採用試験は、誰でも受験できるわけではありません。
出願にあたって必要な条件を確認します。
基本要件(年齢制限など)
一般選考における基本的な受験資格は以下のとおりです。
- 志望教科・科目の教員免許状
- 昭和40年4月2日以降に生まれた人
- 欠格条項(地方公務員法第16条、学校教育法第9条)に該当しない人
特別選考・独自の募集枠
一般選考とは別に、特定の経験やスキルを持つ人を対象とした特別選考があります。
該当者は試験の一部免除などの優遇措置を受けられる場合があるので、積極的に活用しましょう。
| 区分 | 概要・対象 |
|---|---|
| しずおか未来創造枠 | 小学校教員対象。県への愛着と育成への熱意を持つ者を対象とした自己推薦枠 |
| 大学3年生選考 | 大学3年次に1次試験(筆記)を前倒しで受験可能 |
| 障害者特別選考 | 身体障害者手帳等の交付を受けている者 |
| 多文化共生・国際貢献 | 青年海外協力隊経験者、在外教育施設経験者、日本語指導経験者など |
| 社会人経験者 | 民間企業等で正規採用として通算3年以上の勤務経験がある者 |
| スペシャリスト選考 | 高校対象。英語ネイティブ、博士号取得者、専門分野の民間経験者など(教員免許不要枠あり) |
| カムバック選考 | 過去に静岡県の教諭として勤務経験がある者 |



一般選考に比べて、加点などのメリットがあるので積極的に活用しましょう!
選考スケジュール(試験日程)
静岡県教員採用試験は、下記のスケジュール(試験日程)で行われます。
募集要項の発表
2026年1月14日に募集要項が発表されます。
変更点がないかチェックしましょう。特に試験科目や配点、選考区分の変更は見落とさないように。
出願(願書の提出)
2026年1月14日(水)〜3月3日(火)
「ふじのくに電子申請サービス」からの電子申請です。
申請後に表示される「整理番号」と「パスワード」は必ずメモしておきましょう。自己推薦用紙などの書類は3月10日(火)までに郵送が必要です。
一次試験
2026年5月9日(土)・10日(日)
一次試験はゴールデンウィークが明けてすぐの週末に実施される予定です。
一次試験の合格発表
2026年6月8日(月)正午以降
結果を待たずに、二次対策を始めておくのがベストです。
適性検査
一次合格発表後、Webで各自実施します。
期間が短いので、合格発表当日に済ませてしまうと安心です。



結果は面接試験の資料としても活用されます!
二次試験
2026年6月27日(土)〜28日(日)のうち指定された1日
個人面接が中心で、ここの配点が最も高いです。想定問答を繰り返し練習し、自分の言葉で話せるようにしておきましょう。
二次試験(最終)の合格発表
2026年8月7日(金)正午以降
採用・辞令伝達式
2027年4月1日(予定)
▼詳しい日程や学習計画については、以下の記事で解説しています。
合格するための対策ロードマップ
静岡県教員採用試験に合格するための勉強手順を、5つのステップで整理しました。
この順番どおりに進めれば、迷わず対策できます。
出題傾向を把握する
勉強を始める前に、必ずやってほしいのが出題傾向の把握です。
教員採用試験は、自治体ごとに
- 出る科目
- 出る分野
- 問われ方
がはっきり異なります。静岡県も例外ではありません。
例えば、静岡県教員採用試験(教育原理)の直近5年間の過去問を分析すると、出題分野には明確な偏りがあります。
- 学習指導要領(5年連続出題)
- 特別支援教育(5年連続出題)
- 学校と学級の運営(5年連続出題)
- 生徒指導(4年連続出題・高配点の年あり)
- 教育時事(ほぼ毎年出題・高配点の年あり)
これらは、静岡県対策の中核となる分野です。
まずはここを確実に得点源にすることが最優先になります。
- 教育方法(令和4年度を最後に出題なし)
- 教育の意義と目的
- 道徳教育
- 特別活動
- 社会教育
- 生涯学習
直近5年間で出題実績が確認できない分野については、初期段階では思い切って優先度を下げる判断が重要です。
ポイントは、「全部やる」ではなく「出るところからやる」という発想に切り替えることです。
主要科目から勉強する
主要科目から勉強してください。
静岡県教員採用試験で、特に時間と労力がかかるのは次の3つです。
- 教科等専門
- 教育原理
- 教育法規
理解に時間がかかり、暗記量も多いため、直前の追い込みでは間に合いません。
試験まで時間がある場合は、最初の数ヶ月をこの3科目だけに絞っても大丈夫です。主要科目に見通しが立ってから、他の科目に広げていきましょう。
最も重要な教科等専門の勉強方法は、こちらの記事で解説しています。
学習サイクルを確立する
ここで意識してほしいのが、勉強のやり方です。
「参考書を完璧にしてから問題演習に進む」という人は多いですが、この方法では得点力が伸びにくい傾向があります。
本番で求められるのは、「試験時間内に、正解を選び切る力」です。つまり、アウトプット中心の学習が不可欠です。
- 要点だけを押さえられる薄い参考書で全体像を確認
- 全国版の過去問集を解く
- 間違えた部分だけ参考書に戻る
演習量を確保するためには、全国版の過去問集が最適です。
「解く → 間違える → 戻る」を繰り返すことで、知識が使える形に変わっていきます。
指導をしていて特に多いのが、参考書を読む時間が長すぎる人です。 読んだ安心感よりも、手を動かした時間のほうが、確実に合格に近づきますよ。
オススメの参考書・問題集はこちらの記事で紹介しています。
人物対策は早期に着手する
静岡県では、人物評価(面接・論文)も重視されます。 そのため、人物対策は一次試験後ではなく、筆記と並行して始めるのが基本です。
特に意識したいのは次の2点です。
- 教育時事のインプット
- 文部科学省の答申・通知
- 静岡県の教育振興基本計画
- 「生涯学び続ける教員」「子どもに寄り添う姿勢」など、静岡県が掲げる教員像
これらは面接・論文だけでなく、教職教養の得点にも直結します。
- 自己分析とアウトプット
- 志望動機
- 自己PR
- 教育観
頭の中で考えるだけでは不十分です。必ず書き出してください。
書いたものは、講師や先輩など第三者に見せて添削を受けましょう。客観的なフィードバックが入ることで、内容の質は一段階上がります。
面接対策に不安な方は、こちらのnoteも活用してください。僕が直々に徹底サポートしています!
過去問でリハーサルを行う
直前期は、静岡県の過去問を使って本番のシミュレーションを行います。
この段階での目的は、点数確認ではありません。 時間配分と解き方を身体に覚えさせることです。
- 解く順番を決めておく(例:知識問題を先に、思考問題をあとに)
- 見切りの基準をもつ(例:3分考えて無理なら飛ばす)
この準備があるだけで、本番の心理的余裕は大きく変わります。
過去問は「実力チェック」ではなく、当日の作戦づくりの道具として使い切ってください。
よくある質問(FAQ)
静岡県教員採用試験の受験生が抱く共通の疑問にお答えしていきます。
過去問はどこで入手できますか?
県庁・県民サービスセンターでの閲覧・コピー、または協同出版の過去問シリーズ購入することで入手できます。
対策ロードマップのSTEP1でも説明したように、過去問は出題傾向やレベルを知るために必要なツールです。なので、早めに入手してください。
静岡県教員採用試験の過去問は、こちらの記事でも復元問題や入手方法をまとめています。
倍率はどれくらい?
3倍代後半で推移しています。
過去5年間の倍率推移は次のとおりです。
- 令和8年度(2025年実施):3.5倍
- 令和7年度(2024年実施):3.9倍
- 令和6年度(2023年実施):3.7倍
- 令和5年度(2022年実施):4.0倍
- 令和4年度(2021年実施):3.8倍
受験区分の難易度を正確に把握することが、効果的な対策を立てる上での第一歩となります。
校種・教科別の倍率は、こちらの記事でまとめています。
対策(勉強)はいつから始めるべきですか?
一般的には、試験の約1年前から始める方が多いです。
大学2~3年生であれば、春から夏休みにかけて。社会人や既卒の方でじっくり時間をかけたい場合は、1年半前からスタートすると、より余裕を持った計画が立てられます。
もちろん、スタート時期が全てではありません。大切なのは、合格までの学習計画を立て、それを着実に実行することです。
教員採用試験の勉強方法(スケジュール)は、こちらの記事で解説しています。
まとめ
本記事では、静岡県教員採用試験の概要と、合格に向けた対策の考え方を整理しました。
静岡県の試験で押さえておきたいポイントは、次のとおりです。
- 選考は一次・二次の2段階で、総合点で合否が決まる
- 一次試験から面接があるのが大きな特徴
- 二次試験は面接中心で、配点の比重が高い
- 特別選考に該当する場合は、積極的に活用したい
- 試験日程は比較的早く、早期からの準備が重要
静岡県教員採用試験は、筆記対策だけでは不十分で、「何から、どの順番で対策するか」が合否を大きく左右します。
本記事で全体像を把握したうえで、次のステップに進みましょう。
で、ここからどうするか。
試験科目ごとの傾向や過去問、対策方法などを詳しく解説しています。
教員採用試験は自治体ごとに内容が異なります。他にも興味・関心のある自治体があれば併せて確認しましょう。

