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【対策ガイド2025】奈良県教員採用試験の内容と傾向

奈良県教員採用試験の内容

奈良県の公立学校で教員を目指している方に向けて、本記事では奈良県教員採用試験の内容や傾向をわかりやすく整理しました。

試験の概要はもちろん、一次・二次試験の傾向から対策方法まで、受験に必要な情報を“ガイドブック”のような感覚でまとめています。これから本格的に準備を始める方にとっても、きっと役立つはずです。

出題傾向や選考方法を理解しないまま勉強を進めてしまうと、努力が成果に結びつきにくくなります。まずは奈良県教員採用試験の試験制度を正しく把握することから始めていきましょう。

目次

奈良県教員採用試験の基本情報(概要)

まずは、2026年度(2025年実施)募集要項をもとに奈良県教員採用試験の概要を簡単に紹介します。

求める教師像

  • 使命感や情熱にあふれ、愛情をもって児童生徒との信頼関係が築ける人
  • 豊かな人間性をもち、深い専門知識に裏付けられた実践的な指導ができる人
  • 奈良の伝統、文化を理解し、地域と社会的絆の中で子どもを育てられる人

受験資格(年齢制限等)

  • 昭和39年4月2日以降に出生した人
  • 受験する校種・教科等の免許状を所有し、所有する免許状が令和8年4月1日現在有効の人(ただし、実習助手・寄宿舎指導員、社会人選考、大学院選考を受験する場合は除く。)
  • 令和8年4月1日から公立学校教諭として勤務することができる人(3年次選考は令和9年4月1日現在)
  • 学校教育法第9条及び地方公務員法第16条の欠格事項のいずれにも該当しない人
  • 県内どこにでも勤務できる人

募集教科・採用予定人数

校種・教科20262025
小学校156145
中学校国語1414
社会108
数学1414
理科1113
音楽55
美術44
保体77
技術76
家庭
英語1514
高等学校国語1512
地歴1314
数学910
理科(物理)67
理科(化学)
理科(生物)
音楽11
美術11
書道11
保体87
英語1312
家庭33
農業32
工業(薬学)3
工業(機械)3
工業(電気)
商業33
情報22
特別支援学校4040
養護教諭1212
栄養教諭44
実習助手33
合計383367
奈良県教員採用試験の募集教科と採用予定人数(推移)

小学校・特別支援学校の募集人数が多く、需要が高い一方で、音楽や美術などは例年通り少人数の募集です。

選考スケジュール

スケジュール日程
出願期間2025年4月25日(金)〜5月19日(月)
第1次試験筆記:2025年6月14日(土)
実技:2025年6月15日(日)
第1次試験
合格発表
2025年7月9日(水)
第2次試験*1日目:2025年7月19日(土)、20日(日)
2日目:2025年8月7日(木)〜10日(日)、12日(火)〜15日(金)
最終
合格発表
2025年9月5日(金)
  • 第2次試験はいずれも指定された1日で実施。
  • 合格発表は奈良県Webサイトに掲載されます。

全国の試験日程を下記の記事で詳しくまとめています。併願等を考えるときの参考にしてください。

試験内容

第1次試験
  • 教職教養
  • 教科専門
  • 実技試験(音楽、美術、保健体育、書道の志望者のみ)
第2次試験
  • 集団面接
  • 個人面接
福永

試験ごとの傾向と対策方法を後述しています!

過去の実施状況(結果)

採用年度受験者数合格者数実質倍率
20251,6703644.6
20241,8103455.2
20231,5663384.6
20221,5933065.2
20211,6463285.0
奈良県教員採用試験の実施状況(過去5年分)

校種・教科別の実施状況は下記の記事で詳しくまとめています。

奈良県教員採用試験の傾向と対策

奈良県教員採用試験では、第1次試験・第2次試験を通して、教員としての知識、技能、そして人物面まで幅広く評価されます。

まずは第1次試験の内容や傾向から見ていきましょう。その後、第2次試験についても詳しく解説しますので、全体像をつかみながら対策の優先順位を考えるヒントにしてみてください。

本記事の内容は、奈良県教員採用試験を実際に受験した方々からの報告をもとに作成しています。できる限り正確な情報提供を心がけていますが、年度や実施回によって形式やテーマが一部異なる可能性もあります。ご自身でも最新の募集要項・試験案内をご確認のうえ、参考としてご活用ください。

第1次試験

奈良県教員採用試験の第1次試験では、主に筆記試験によって受験者の基礎的な知識と専門性を評価します。

試験内容は次のとおり。

いずれも合格のためにはしっかりとした対策が必要です。

教職教養の傾向と対策

奈良県教員採用試験の教職教養では、教育に関する基礎的な知識を問う問題が出題されます。

項目内容
試験時間45分
問題数30問
解答形式択一式(マークシート)
出題範囲(科目)教職教養
・教育原理
・教育法規
・教育心理
・教育史
その他
・奈良県の教育施策等
配点100点満点(1問あたり3〜4点)
  • この情報は2025年度本試験をもとに作成しています。年度によって変更される可能性があるため、最新の実施要項も併せてご確認ください。

特徴的なのは、高校までの基礎学力を測る「一般教養(人文・社会・自然科学)」の出題がない点です。教職教養科目のみで構成されており、教育に関する理解や制度的知識が重視されています。

一見すると範囲が限定されていて対策しやすそうに見えますが、実際には「教育原理」「教育法規」「教育心理」「教育史」、さらには「奈良県の教育施策」など、カバーすべき内容は多岐にわたります。

すべてを網羅しようとすると膨大な時間がかかってしまうため、どの科目・分野から、どれくらい出題されているかを把握しておくことが重要です。

-科目別出題数一覧-

各科目の出題割合は年度によって若干の変動はありますが、おおむね次のような傾向が見られます。

出題科目202520242023
教育原理191818
教育法規465
教育心理444
教育史222
教育施策11
  • 各数字は科目ごとの出題数です。
  • 上記は僕自身の解釈であり、公式発表されたものではありません。

このように出題数の偏りを知っておくことで、「満遍なく」よりも「重点的に」学習するべき科目が見えてきます。

-分野別出題数一覧-

科目ごとの出題傾向をさらに細かく見ていくと、分野内でも「よく出るテーマ」と「ほとんど出ないテーマ」が存在します。

たとえば、教育心理について出題された問題の傾向を分析すると、「発達の理論」や「学習の理論」がよく出ています。

奈良県教職教養
  • 各数字は科目ごとの出題数です。
  • 上記は僕自身の解釈であり、公式発表されたものではありません。

出題範囲は広いものの、特定のテーマに集中する傾向が強く、漫然と全体を勉強するのではなく、「頻出テーマから勉強する」ことが効率的な対策につながります。

福永

迷ったらまず「教育原理」から手をつけるのがオススメです。出題数も多く、他の分野とつながりやすいため、基礎固めに最適です。

より詳しい出題傾向や勉強方法が知りたい方は、下記の記事で詳しく解説しています。

科目ごとの出題分野については下記の記事で詳しくまとめています。

教科専門の傾向と対策

教科専門は、志望する校種・教科に関する専門的知識を測るための筆記試験です。

小学校・中学校・高校・特別支援学校・養護教諭など、受験する校種や教科によって出題範囲が異なり、それぞれに特化した学力が求められます。

項目内容
試験時間60分
問題数教科・科目による
解答形式記述式と択一式
配点200点満点
※実技有の教科は150点
  • この情報は2025年度本試験をもとに作成しています。年度によって変更される可能性があるため、最新の実施要項も併せてご確認ください。

教科専門は、受験者ごとに学力の差が大きく出やすい科目です。自分の現在の実力や理解度に応じた学習計画を立てることが、最も重要なポイントになります。

まずは1〜2年分の過去問を使って腕試ししてみましょう。「自力で解けた問題」「つまずいたテーマ」を見極めて、勉強の優先順位を整理すると効率的です。

正答率状態対策方針
5割以下基礎力不足中学レベルの基礎からやり直し。用語や原理の理解から徹底。
5~7割中級レベル高校〜大学入試レベルの標準問題で実力を固める。
7割以上準上級〜上級全国の過去問・実戦問題で弱点補強と得点力アップ。
福永

「正答率5割以下だけど何から始めれば…」という方は、中学レベルからのやり直しを迷わず行いましょう。

自分に合わないレベルの問題集を使っても、学習効率は上がりません。無理なく「解けそう」で「伸びる」教材選びが合格への近道です。

教科専門の具体的な勉強方法や、おすすめ教材、学習スケジュールについては、下記の記事も参考にしてください。

実技試験の傾向と対策

奈良県教員採用試験の実技試験は、専門的技能や実践的能力があるかどうかを評価・判断する人物試験です。

中学校、高校のうち、以下の教科が対象となります。

2026(令和8)年度

実技試験の内容(2026年度)
教科内容
音楽①創作を含む新曲視奏
旋律の創作と読譜、アルトリコーダー演奏

②弾き歌い
ピアノによる弾き歌い(赤とんぼ、荒城の月、早春賊、夏の思い出、花、花の街、浜辺の歌から当日指定)
美術①立体制作
②鉛筆と水彩絵の具による表現
書道毛筆による「漢字、仮名、漢字仮名交じりの書」の作品制作。
保体①球技(バレーボール)
②ダンス(現代的なリズムのダンス)
③水泳(背泳ぎ、平泳ぎ、クロール)
④器械運動(マット運動)

2025(令和7)年度

実技試験の内容(2025年度)
教科内容
音楽①創作を含む新曲視奏
旋律の創作と読譜、アルトリコーダー演奏

②弾き歌い
ピアノによる弾き歌い(赤とんぼ、荒城の月、早春賊、夏の思い出、花、花の街、浜辺の歌から当日指定)
美術①鉛筆による素描
②水彩絵の具による表現
書道毛筆による「漢字、仮名、漢字仮名交じりの書」の作品制作。
保体①球技(バスケットボール)
②武道(柔道または剣道)
③水泳(背泳ぎ、平泳ぎ、クロール)
④陸上競技(ハードル走)
福永

年度ごとに出題内容が変更されているため、必ず最新の内容を確認しましょう。

何ができて、できていないのかを早めに把握するようにしましょう。そのうえで出来るように少しずつ技能を磨いていくことが最適解です。

また、自己評価だけでなく、指導者や同僚からフィードバックをもらうことで、自分では気づかない改善点を発見することができます。

なお、課題に沿って完璧にできることにくわえて、熱意や意欲、態度なども評価対象です。

第2次試験

第2次試験では、人物評価と実技力の確認が中心となります。奈良県では、学力だけでは測れない「教員としての資質・人間性」を重視する傾向があります。

第2次試験の内容は次のとおり。

いずれも合格のためにはしっかりとした対策が必要です。

集団面接(討議)の傾向と対策

奈良県教員採用試験の集団面接(討議)は、決められたテーマについて受験者同士で意見を出し合い、話し合いを深めていく形式の面接です。

ただ単に「自分の意見を言う場」ではありません。他者の考えをきちんと聞き、共通点を見つけたり、違いを整理したりしながら、建設的な議論ができる力が求められます。

項目内容
試験時間30分
人数7人
面接官2人
配点100点
評価基準① 論理的思考力
② 発信力
③ 受信力
④ 社会性・対応力
  • この情報は2025年度受験者の報告をもとに作成しています。年度によって変更される可能性があるため、最新の実施要項も併せてご確認ください。

この形式では、一人ひとりの「話し方」だけでなく、「聞く姿勢」「場の空気を読む力」まで含めて評価されます。

まさに、教員に必要な総合的コミュニケーション力が試される場だといえるでしょう。


集団面接(討議)の流れ

STEP
テーマの発表

試験の前に討論するテーマが発表されます。

STEP
構想

テーマについて、2分間の構想時間が与えられます。

STEP
発表

1人1分間で自分の意見を発表します。

順番は挙手制。

STEP
討論

全員が意見を発表したら、討論を行います。

この流れに沿って、一人ひとりが「主張する」「聞く」「つなげる」役割を担うことが、評価に直結します。


集団面接(討論)のテーマ

過去に出題されたテーマは、教育に関する時事問題や社会的課題が中心です。以下は一例です。

採用年度テーマ例
2025・体罰・不祥事の根絶
・働き方改革
・ICTの活用
2024・奈良の魅力発信
・体罰・不祥事の根絶
・情報モラル教育
・ヤングケアラー
・教育におけるAIの活用
2023・子供の貧困
・質の高い教育
・いじめ問題
・学ぶ意欲
・働き方改革
2022・人権の尊重
・多様性の尊重
・コロナ禍での人間関係
・働きがいのある仕事
・オンライン学習
2021・危機管理
・教育格差
・虐待としつけ
・SNSの利用
・規範意識の育成

共通しているのは、「現場で直面する課題」や「教育における価値観」が問われていることです。日頃から教育関連のニュースや施策にアンテナを張っておくことが、討論の質を高めるポイントになります。

個人面接の傾向と対策

奈良県教員採用試験の個人面接は、自己PRや志望動機から教職員としての適性や素質、人間性などを評価・判断する人物試験です。

筆記試験では測れない「思考の深さ」「姿勢」「実践力」などが重視され、最終合否を左右する重要な試験となっています。

項目内容
試験時間30分
面接官2人
形式個人面接+場面指導+教科指導に関する質問
配点300点満点
  • この情報は2025年度受験者の報告をもとに作成しています。年度によって変更される可能性があるため、最新の実施要項も併せてご確認ください。

奈良県の面接形式は「話す内容+その場の判断力+実践的な知識」が総合的に問われる構成となっており、形式的な受け答えだけでは通用しません。


個人面接の流れ

STEP
教科に関する質問

志望する職種・教科に関連した口頭試問

STEP
場面指導

学校(授業内・外)で起こりうる場面を想定した実践的な指導

STEP
口頭試問

受験者自身に関連した口頭試問


過去の質問内容

  • 志望教科はいつから好きですか。
  • 志望教科を学ぶ意味をどのように伝えますか。
  • 良い職場の定義を教えてください。
  • ICTをどのように活用しますか。
  • 「(志望教科)を勉強する意味がわからない」と言われたら、どのように対応しますか。
  • どのような教員になりたいですか。
  • 周りと比べてここだけは負けないという部分はどこですか。
  • 希望する勤務地はありますか。
  • 携帯電話の使用禁止にもかかわらず、教室で使用していた生徒にはどう対応しますか。

自身の体験や具体的な対応例を交えながら、奈良県の教育方針や評価基準と関連づけて答えることがポイントです。また、自分の課題や成長意欲についても、前向きに語る姿勢が好印象につながります。

過去の質問例や対策方法については、以下の記事で詳しく紹介しています。面接対策を深めたい方は、ぜひチェックしてみてください。

まとめ|奈良県教員採用試験は難しいのか?

奈良県教員採用試験は、しっかりと対策をすれば決して突破が不可能な試験ではありません

ただし、単に筆記試験の得点だけで決まるわけではなく、面接での人間性や指導観が大きく評価されるため、努力の方向性を誤ると結果につながりにくいという難しさがあります。

実際、筆記試験を通過しても、二次試験でなかなか合格できない受験者も一定数存在します。

「どうせ無理かも…」と感じる瞬間があっても大丈夫。正しい努力は、必ず報われます。この記事が、あなたの“合格までの道しるべ”になれば幸いです。

本記事はここまでです。

本サイトでは、奈良県教員採用試験の合格に必要な情報を多く配信しています。これから本格的に対策を始めたい方は、ぜひ他の記事も参考にして、自分に合った準備を進めていきましょう。

福永

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