「川崎市で先生になりたい!」 そう決意したあなたが、まず何から始めるべきか、知っていますか?
教員採用試験は、やみくもに勉強を始めても、なかなか成果には結びつきません。 大切なのは、相手(自治体)を知り、正しい戦略を立てて、計画的に対策を進めることです。
この記事は、川崎市の教員採用試験(一般選考)の合格を目指すあなたのために、試験の全体像から、一次・二次試験の具体的な傾向と対策までを網羅した「対策ロードマップ」です。
この記事を読めば、あなたが今すぐ何をすべきか、そして合格までの道のりが明確になります。
さあ、川崎市の先生になるための第一歩を、ここから踏み出しましょう。
川崎市教員採用試験の概要
まずは、川崎市の教員採用試験がどのようなスケジュールで進み、どのような資格が必要なのか、全体像を掴んでいきましょう。
試験日程
教員採用試験は、対策期間を含めると約半年がかりの長丁場になります。 まずは、いつ何があるのか、大まかな流れを把握しておくことが大切です。
令和7年4月4日(金)~5月15日(木)
令和7年7月6日(日)
令和7年7月25日(金)
令和7年8月上旬~8月中旬
令和7年9月19日(金)
例年、大きな日程の変更は少ないですが、必ずご自身が受験する年度の募集要項を確認してくださいね。
募集校種と採用予定人数
令和8年度採用試験では、以下の校種・教科で募集が行われました。
| 校種 | 募集教科・人数 |
|---|---|
| 小学校 | 230名程度 |
| 中学校 高等学校 | 合計200名程度 (国語:20名程度、社会:20名程度、数学:30名程度、理科:30名程度、英語:40名程度、その他、音楽、美術、保健体育、技術、家庭も募集あり) |
| 特別支援 | 20〜25名 |
| 養護教諭 | 10〜15名 |
| 高等学校 | (工業・商業)若干名 |
福永あなたの専門や希望する校種で、どのくらいの採用が見込まれるかを知っておくことは、目標設定の上でとても重要ですね。
受験資格
一般選考を受験するには、以下の2つの条件を両方満たす必要があります。
| 項目 | 条件 |
| 年齢要件 | 昭和39年4月2日以降に生まれた人 |
|---|---|
| 免許状要件 | 受験する校種・教科の普通免許状を有する、または取得見込みの人 |



特に高校志望の方は、中学・高校両方の免許状が必要な点に注意しましょう。免許状が要件を満たしているか、早めに確認してくださいね。
川崎市が求める教師像
試験対策を進める上で、「川崎市がどんな先生を求めているのか」を知ることは、面接や論文対策の軸を定める上で非常に重要です。
| 求められる資質 | 具体的な内容 |
| 聴く力 聞き出す力 | 子どもの話をしっかりと受け止め、気持ちを汲み取りながら聴く姿勢。良好な人間関係づくりの土台となります。 |
|---|---|
| 気づく力 行動力 | 子どもが出しているサインや、サインを出せずに困っている子に気づき、誠意をもって関わる行動力。 |
| 判断力 対話力 | 子どもたちが自ら課題に気づき、考え、行動できるよう導くための、的確な判断力と対話力。 |
| 目的意識 向上心 | 子どもが「できた」「わかった」と感じる授業をつくるため、目的意識をもって教材研究に励み、授業を改善し続ける意欲。 |



これらのキーワードを意識して、「自分ならどんな実践ができるか」を考えておくと、論文や面接であなたらしさを表現できますよ。
川崎市教員採用試験の一次試験内容
ここからは、一次試験の内容を具体的に見ていきましょう。
川崎市教員採用試験の一次試験は、教員としての専門的な知識と、一般的な教養の両方が問われます。
教科専門試験
概要
| 項目 | 内容 |
| 試験時間 | 60分 |
|---|---|
| 形式 | マークシート方式 |
| 内容 | 小学校は「小学校全科」、中学校・高等学校は受験する各教科の専門知識、特別支援学校は特別支援教育に関する専門知識、養護教諭は養護に関する専門知識が問われます。 |
傾向
学習指導要領の内容を中心に、基礎・基本が定着しているかを問う標準的なレベルの問題で構成されています。
一部、思考力や応用力を試す問題も含まれますが、まずは土台となる知識を固めることが重要です。
対策
対策の王道は、学習指導要領を読み込み、標準的な参考書と過去問を繰り返し解くことです。
特に、指導要領の改訂点は狙われやすいポイントなので、変更点を正確に理解しておきましょう。
60分という試験時間で確実に得点できるよう、時間を計りながら過去問を解き、出題形式に慣れておくことが合格への近道です。
▼より詳しい勉強法は、こちらの記事で解説しています。
一般教養・教職専門試験
概要
| 項目 | 内容 |
| 試験時間 | 60分 |
|---|---|
| 形式 | マークシート方式 |
| 内容 | 教育に関する基礎的知識を問う「教職教養」と、高校までに習った基礎学力を測る「一般教養」から出題されます。神奈川県と同じ問題が使用されます。 |
傾向
出題分野と問題数(2025年度試験)は以下の通りです。「教職教養」の配点が最も大きく、次いで人文・社会・自然科学が均等に出題される、知識量が問われる構成になっています。
| 試験科目 | 2023 | 2024 | 2025 |
|---|---|---|---|
| 教育原理 | 8 | 6 | 5 |
| 教育法規 | 4 | 4 | 5 |
| 教育心理 | 3 | 5 | 5 |
| 教育史 | 0 | 0 | 0 |
| 国語 | 4 | 4 | 4 |
| 英語 | 2 | 2 | 2 |
| 音楽 | 1 | 1 | 1 |
| 保健体育 | 0 | 0 | 0 |
| 美術 | 1 | 1 | 1 |
| 世界史 | 0 | 0 | 1 |
| 日本史 | 2 | 2 | 2 |
| 地理 | 2 | 1 | 2 |
| 政治 | 3 | 4 | 2 |
| 経済 | 0 | 0 | 1 |
| 国際関係 | 1 | 0 | 0 |
| 環境 | 0 | 0 | 0 |
| 数学 | 4 | 4 | 4 |
| 物理 | 1 | 1 | 1 |
| 化学 | 1 | 1 | 1 |
| 生物 | 1 | 1 | 1 |
| 地学 | 1 | 1 | 1 |
| 情報 | 0 | 0 | 0 |
| その他 | 0 | 1 | 0 |
対策
最も配点の大きい「教職教養」(教育原理、教育法規など)を重点的に学習することが合格への近道です。
信頼できる参考書を1冊決めて繰り返し、知識を定着させましょう。一般教養(人文・社会・自然科学)は出題範囲が非常に広いため、過去問を分析して頻出のテーマに絞って対策するのが効率的です。
▼オススメの勉強方法については、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
小論文B
概要
| 項目 | 内容 |
| 試験時間 | 60分 |
| 形式 | 600字以内の論述 |
| 特徴 | 一次試験の日に実施されますが、採点は二次試験の対象者のみに行われます。 |
傾向
過去には「児童生徒の話を聴くことの重要性」や「ICTの効果的な活用」「多様性が尊重される学級づくり」といったテーマが出題されています。
これらは、川崎市が求める教師像と深く結びついており、あなたの教育に対する考え方や姿勢が問われます。
対策
高評価を得るためには、以下のステップで書く練習をしましょう。
- テーマの意図を正確に読み取る
- 「結論→具体例→結論」など、構成をしっかり決める
- 自身の経験に基づいた具体例を盛り込む
- 川崎市の教育方針と関連付けて締めくくる
▼「そもそも小論文ってどう書けばいいの?」という方は、まず以下の記事で基本の型をマスターすることをオススメします。



小論文は、あなたという人間性を伝えられる唯一の筆記試験です。早めに対策を始め、自分だけの言葉で教育への想いを語れるように準備しましょう!
川崎市教員採用試験の二次試験内容
二次試験は、あなたが「川崎市の先生」としてふさわしい資質・能力を持っているかを多角的に評価する場です。
知識だけでなく、あなたの人間性や教育への熱意をアピールすることが合格の鍵となります。
個人面接
概要
| 項目 | 内容 |
| 形式 | 面接官3人 対 受験者1名 |
|---|---|
| 時間 | 20分~30分程度 |
| 特徴 | 事前に提出する「面接票」に基づいて質問が展開されます。和やかな雰囲気で行われることが多いようです。 |
傾向
自己PRや志望動機はもちろん、「なぜ川崎市なのか」という点が深く問われます。また、いじめや保護者対応といった具体的な場面を想定した質問も多く、あなたの教育観や対応力が見られています。
過去には以下のような質問がありました。
- 川崎市の教育で貢献したいことは何ですか。
- あなたの強みと弱みを教えてください。
- 保護者から理不- ินな要求をされたらどうしますか。
- これまでの失敗経験と、そこから学んだことは何ですか。
対策
まずは、面接の土台となる「面接票」を時間をかけて作成し、自己分析を徹底的に行うことが重要です。
その上で、過去の質問例を参考に、自分なりの回答を準備しましょう。特に「なぜ川崎市か」という問いに対しては、市の教育プランなどを読み込み、自分の経験と結びつけて具体的に語れるようにしておく必要があります。
大学のキャリアセンターなどで模擬面接を繰り返し、実践練習を積むことが合格への一番の近道です。
▼面接対策に特化した記事も用意していますので、ぜひ参考にしてください。
場面指導
概要
| 項目 | 内容 |
| 形式 | 受験者が教師役となり、特定の場面における児童・生徒への指導を実演するロールプレイング形式です。 |
|---|---|
| テーマ | 指導する内容(テーマ)は、一次試験の時にお知らせされます。 |
傾向
「廊下を走っている生徒を注意する」「宿題をやってこない子に話を聞く」など、学級担任として日常的に遭遇する場面がテーマとなります。
ここでは、単に叱るのではなく、なぜそのような行動をしたのかという子どもの気持ちに寄り添い、対話を通じて自主的な行動を促すような指導ができるかが見られています。
対策
一次試験当日にテーマが告知されてから、二次試験までに対策する時間が十分にあります。
与えられたテーマに対し、「自分ならどう指導するか」という指導案(セリフや動きの脚本)を作成し、声に出して練習を重ねましょう。
その際、「なぜその指導をするのか」という教育的な意図を明確に持つことが大切です。
実技試験(対象教科のみ)
概要
| 項目 | 内容 |
| 対象教科 | 中学校・高等学校の「音楽」「美術」「保健体育」「英語」で実施されます。 |
|---|---|
| 内容 | 各教科の指導に不可欠な専門的技能を評価します。 |
- 音楽:新曲視唱、ピアノ弾き歌い(課題曲)、ピアノ独奏(課題曲)など。
- 美術:静物淡彩。
- 保健体育:器械運動(マット必須+選択)、陸上競技(ハードル走)、球技(バスケ・バレー)。
- 英語:英語によるスピーチ、ディスカッション、模擬授業。
傾向
募集案内に示された内容がそのまま出題されるため、いかに課題を高いレベルでクリアできるかが問われます。
単に技術がうまいだけでなく、音楽であれば豊かな表現力、保健体育であれば安全への配慮など、「教師としての技能」が評価のポイントになります。
対策
対策はシンプルで、募集案内に示された課題をひたすら練習することです。
音楽の課題曲は楽譜を入手し、毎日練習を重ねましょう。保健体育は各種目のフォームを確認し、安全に演技・競技できるよう体を慣らしておくことが必要です。
川崎市教員採用試験に関するFAQ
最後に、受験生からよく寄せられる質問にお答えします。
Q1. 筆記試験のボーダーラインはどのくらいですか?
川崎市から正式なボーダーラインは公表されていません。しかし、同じ一般教養試験の問題を使用している神奈川県のデータによると、筆記試験の合格ラインはおおむね6割程度とされています。
ただし、これはあくまで目安です。年度や校種・教科の倍率によって変動するため、安心して一次試験を突破するには7割以上を目指して学習を進めるのが理想的です。
Q2. 倍率はどのくらいですか?
校種別の倍率は以下の通りです。
| 校種 | 倍率 |
| 小学校 | 1.6倍 |
|---|---|
| 中学校・高等学校 | 2.9倍 |
| 特別支援学校 | 1.6倍 |
| 養護教諭 | 6.1倍 |
倍率はあくまで結果論であり、重要なのは自分自身が合格点を取れるかどうかです。数字に一喜一憂せず、目の前の対策に集中しましょう。
▼教科別の詳しい倍率は以下の記事でまとめています。
Q3. 独学でも合格できますか?
筆記試験は、市販の参考書や過去問が充実しているため、計画的に学習を進めれば独学でも十分に合格レベルに到達できます。
ただし、個人面接や場面指導といった人物試験は、独りよがりな対策に陥りがちです。
独学で進める場合でも、大学のキャリアセンターや、教員をしている知人にお願いするなどして、必ず第三者から客観的なフィードバックをもらう機会を設けましょう。
Q4.過去問はダウンロードできますか?
なぜなら、市の公式ウェブサイトで公開されていないからです。
最も手軽で確実なのが、市販の過去問シリーズを購入する方法です。費用をできるだけ抑えたい方や、市販の過去問が発売される前から対策を始めたい方には、川崎市役所本庁舎2階の「かわさき情報プラザ」で過去問をコピーする方法もあります。
▼詳しくは以下の記事でまとめているので、参考にしてください。
まとめ:川崎市教員採用試験合格への第一歩を踏み出そう
今回は、川崎市の教員採用試験(一般選考)の全体像と対策のロードマップを解説しました。
- 試験概要:まずは日程や募集内容、求められる教師像を把握しよう。
- 一次試験:教職教養を重点的に対策し、過去問演習で時間配分に慣れよう。
- 二次試験:個人面接と場面指導が鍵。川崎市の教育方針を理解し、自己PRと結びつけよう。
教員採用試験は、決して楽な道のりではありません。しかし、計画的に正しい対策を続ければ、必ず道は拓けます。
この記事が、あなたの「川崎市の先生になる」という夢を叶えるための一助となれば幸いです。応援しています!
▼教員採用試験の内容は以下の記事で全自治体分をまとめています。参考にしてください。

コメント