福岡県の公立学校で教員を目指している方に向けて、教員採用候補者選考試験の内容(第1次試験・第2次試験)をわかりやすく整理しました。
選考スケジュールや実施状況(結果)など、受験に必要な情報をガイドブックのような感覚でまとめています。これから本格的に準備を始める方の役に立つはずです。
出題傾向や選考方法を理解しないまま勉強を進めてしまうと、努力が成果に結びつきにくくなります。
まずは福岡県教員採用試験の試験制度を正しく把握することから始めていきましょう。
福岡県教員採用試験の内容
福岡県教員採用試験では、筆記試験だけでなく、模擬授業・個人面接・実技試験など複数の試験が課されます。
試験は第1次試験と第2次試験の2段階で行われます。専門教科・教養試験の成績に加えて、模擬授業・個人面接・志願書等を参考資料として総合的に検討して最終合格者が決定されるのが大きな特徴です。
試験内容は、試験区分・選考区分により異なります。一般選考の試験内容は以下のとおりです。
| 選考方法 | 試験種目 | 配点 |
|---|---|---|
| 第1次試験 | 専門教科 | 150点 |
| 教職教養 | 50点 | |
| 第2次試験 | 模擬授業 | A〜D評価 |
| 個人面接 | A〜E評価 | |
| 実技試験(対象者のみ) | A〜E評価 |
※小学校教員は専門教科に教職教養・一般教養等を含めて出題
第1次試験
福岡県教員採用試験の第1次試験では、専門教科と教職教養が実施されます。
志望教科の専門知識や、教育に関する基礎知識・一般教養が問われます。
専門教科
受験する校種・教科に関し、教員として必要な知識・技能・学習指導方法等の基礎が問われます。
| 対象校種 | 全試験区分 |
|---|---|
| 試験時間 | 60分 |
| 問題数 | 教科・科目による |
| 出題形式 | 択一式(マーク方式) |
| 配点 | 150点満点 |
令和9年度採用試験より、記述式問題が廃止され全問マーク方式に変更されました。また英語リスニングテストも廃止されています。
なお、小学校教員の専門教科試験は、教職教養に関する内容(教育原理・教育心理・教育法規・人権同和教育・一般教養等)を含めて出題されます。
専門教科の勉強方法は、こちらの「教員採用試験の専門教養(科目)とは?試験内容や勉強方法を徹底解説」で解説しています。
教職教養
教員として必要な教育原理・教育心理・教育法規・人権同和教育・一般教養等から出題される筆記試験です。
| 対象校種 | 中学校・高等学校・特別支援学校・養護教員・栄養教員 (小学校は専門教科に含めて出題) |
|---|---|
| 試験時間 | 50分 |
| 問題数 | 25問 |
| 出題形式 | 択一式(マーク方式) |
| 配点 | 50点 |
25問を50分で解く試験で、1問あたり約2分のペースです。出題の中心は教育原理で、過去3年間ではほぼ毎年12〜13問程度を占めています。
まずは出題数の多い教育原理から取り組むことが対策のポイントです。
教職教養の勉強方法は、こちらの「教員採用試験の教職教養・一般教養とは?試験内容や勉強方法を解説」で解説しています。
第2次試験
福岡県教員採用試験の第2次試験では、模擬授業・個人面接が実施され、一部の校種・教科で実技試験・英語面接が加わります。
第2次試験は最終合否を決定する重要な選考であり、第1次試験の結果および志願書・自己PR用紙の記載事項も含めた総合的な評価が行われます。
模擬授業
教員としての指導力・説得力・子どもへの働きかけの力を評価する試験です。
| 対象校種 | 全試験区分 |
|---|---|
| 構想時間 | 15分 |
| 試験時間 | 7分(高校は10分) |
| 面接官 | 3名 |
| 評価 | A〜D評価(C以上で個人面接に進む) |
| 主な評価の観点 | 話し方・指導力・説得力・質問等への対応・教員としての資質や意欲 |
模擬授業でC以上の評価を得ることが、個人面接に進むための必須条件です。
テーマは教科指導ではなく「生活リズム」「男女間の協力」など学級担任として直面するリアルな場面が中心で、生徒指導力や動機づけの力が問われます。
面接・模擬授業の質問例や対策は、こちらの「福岡県教員採用試験|個人面接の傾向と過去の質問」でまとめています。
個人面接
個人面接では、教員としての資質・意欲・対人関係能力などが総合的に評価されます。
| 対象校種 | 全試験区分 |
|---|---|
| 試験時間 | 約20分 |
| 面接官 | 3名 |
| 評価 | A〜E評価 |
| 主な評価の観点 | 態度・表現力・コミュニケーション能力・積極性・社会性 |
模擬授業の直後に実施されます。結論を先に述べ、その理由や具体例を続けるなど、わかりやすく簡潔に説明することを意識しましょう。
面接の質問例や対策は、こちらの「福岡県教員採用試験|個人面接の傾向と過去の質問」でまとめています。
実技試験
実技試験は、一部の校種・教科で実施されます。
| 対象区分 | 中学校(音楽・美術・保健体育・家庭) 高等学校(音楽・美術・保健体育・書道・家庭・工業) 養護教員 | |
|---|---|---|
| 試験内容(例) | 音楽 | ピアノ演奏・歌唱・アルトリコーダー等 |
| 保健体育 | 実技種目(出願時に選択した専門種目) | |
| 養護 | 救急処置・健康診断・保健指導・健康相談から当日指定 | |
| 評価 | A〜E評価 | |
実技試験では、技能の正確さだけでなく、落ち着いて課題に取り組む姿勢も見られます。
試験形式を事前に確認し、実際の試験を想定した練習を行っておくことが大切です。
福岡県教員採用試験の選考スケジュール
福岡県教員採用試験は、例年3月下旬から出願が始まり、第1次試験・第2次試験を経て最終合格者が決定されます。
主な選考スケジュールは以下のとおりです。
| 3月下旬〜5月下旬 | 受験申込み(電子申請) |
|---|---|
| 7月上旬 | 第1次試験(専門教科・教職教養) |
| 7月下旬 | 第1次試験 結果発表 |
| 8月中旬 | 第2次試験(模擬授業・個人面接・実技試験) |
| 9月下旬 | 最終合否発表 |
出願から最終合格発表まで長丁場の試験です。
スケジュール管理が重要なので、対策を始める前にカレンダーに書き込んでおきましょう。
より詳しい試験日程や出願期間については、「福岡県教員採用試験の試験日程・スケジュール」で詳しく解説しています。
福岡県教員採用試験の実施結果(倍率)
福岡県教員採用試験の倍率は、採用予定数や受験者数の影響を受けて毎年変動します。
過去5年間の実施結果は次のとおりです。
- 2025年実施(R8採用):2.6倍
- 2024年実施(R7採用):2.5倍
- 2023年実施(R6採用):2.7倍
- 2022年実施(R5採用):2.7倍
- 2021年実施(R4採用):2.7倍
直近5年間を見ると、倍率は2.5〜2.7倍程度で推移しており、全国的に見ても比較的受験しやすい水準です。しかし、倍率が低いからといって油断は禁物で、しっかりとした準備が必須です。
倍率だけで難易度を判断せず、試験内容や配点を踏まえて対策を進めることが大切です。
校種・教科ごとの詳しい倍率や推移については、「福岡県教員採用試験の倍率|教科別・過去5年の推移の記事で詳しく解説しています。
福岡県教員採用試験に関するFAQ
福岡県教員採用試験の志望者が抱く共通の疑問にお答えしていきます。
Q-1.受験資格(年齢制限)はありますか?
A-1 受験するには大きく分けて「年齢・免許・法律」の3つの条件があります。
- 年齢の条件
-
昭和42年(1967年)4月2日以降に生まれた方が対象です(令和9年4月1日現在で59歳以下の者)。
- 教員免許の条件
-
出願する試験区分に相当する普通免許状を持っている(または令和9年3月31日までに取得見込みである)必要があります。
- 法律上の条件
-
地方公務員法第16条および学校教育法第9条で定められた「欠格条項」に該当しないこと、および「こども性暴力防止法」に基づく特定性犯罪事実該当者でないことが必須です。
Q-2.過去問はどこで入手できますか?
A-2 福岡県の県民情報センターで閲覧およびコピーできます。
過去の問題と解答を入手できるため、出題内容や形式、問題レベルを把握するのに活用しましょう。
こちらの、「福岡県教員採用試験の過去問はダウンロードできる?入手方法と活用法」でも過去問情報をまとめています。
Q-3.令和9年度採用(2026年度実施)の主な変更点はありますか?
A-3 令和9年度採用試験では複数の変更があります。
- 第1次試験の試験方式変更
-
記述式問題を廃止し、全問マーク方式に変更されました。また英語リスニングテストも廃止されました。
- 大学3年生チャレンジ特別選考の要件緩和
-
出願に際して大学からの推薦要件が不要となり、個人による出願が可能になりました。
- 小学校・特別支援学校教員採用試験の対象拡大
-
養護教員志願者が第2希望として小学校教員(一般)を併願できるようになりました。
また特別支援学校教員に併願合格した者で免許状未所有の場合、取得を条件に名簿登載期間を最大2年間延長できます。
- 点数加算の拡充
-
県立高等学校教員志願者のうち、高等学校教諭(情報)免許状所有者または情報処理技術者試験合格者に対して、第1次試験専門教科の得点への加算が追加されました。
福岡県教員採用試験の合格に向けて
本記事では、福岡県教員採用試験の試験内容や配点、選考の流れ、最新の変更点を解説しました。
福岡県教員採用試験は、第1次試験と第2次試験の成績、志願書・自己PR用紙等を総合して合否を判定する方式が採用されています。
そのため、筆記から模擬授業・個人面接・実技に至るまで、すべての試験種目でバランスよく対策することが合格のポイントになります。
対策は早く始めるほど有利になります。正しい方向で準備を進め、合格を目指しましょう。
福岡県の最終合格は模擬授業・個人面接による人物評価が重視されます。
筆記対策と並行して自己PR用紙の作成や模擬授業の練習を進めましょう。
試験日程や過去問、倍率などの記事もあります。気になるところから読んでみてください。

