福岡市教員採用試験の内容を解説します。
福岡市では、一次試験で教養試験・専門試験、二次試験で面接試験や模擬授業などが実施されます。
とはいえ、校種や職種によって試験内容が異なるため注意が必要です。
まずは試験の全体像を確認していきましょう。
福岡市教員採用試験の内容
福岡市教員採用試験は、一次試験・二次試験で構成される二段階選抜方式です。
一次試験では筆記試験による基礎的な知識・技能を確認し、二次試験では人物試験を通して、教員としての人物面や実践力を評価します。
試験内容は校種・職種によって少し異なるため、最初に全体像を確認しておきましょう。
| 選考 | 試験内容 | 小 | 中 | 高 | 特 | 養 | 栄 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 一次試験 | 教養試験 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
| 専門試験 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
| 二次試験 | 面接試験 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
| 模擬授業 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
| 実技試験 | ー | ー | ◯ | ー | ー | ー |
*「ー」:実施なし
配点
| 選考・検査 | 試験・検査内容 | 配点・評価 |
|---|---|---|
| 第1次試験 | 教養試験 | 50点 |
| 専門試験 | 50点 | |
| 第2次試験 | 面接試験 | 90点(A〜Dランク、D不可) |
| 模擬授業 | 60点(A〜Dランク、D不可) | |
| 実技試験(対象者のみ) | 可・不可の2段階 |
福岡市は、一次試験の筆記試験に対して二次試験の面接や模擬授業の配点が高く設定されています。
二次試験の人物評価が非常に重視されるのが特徴です。また、各試験に「不可とする基準」があるため、バランスよく対策を進めましょう。
選考方法
| 第1次試験 | 各試験科目について「不可とする基準」を設定し、不可の試験科目が一つでもある場合は不合格となります。不可の基準を満たした受験者について、総合的に第1次試験合格者を決定します。 |
|---|---|
| 登録判定 (最終結果) | 採用区分ごとに、各試験科目において「不可とする基準」に該当しない受験者のうち、「面接試験」及び「模擬授業」の合計得点の高い者から合格者を決定します。 |
福岡市では、一次試験の点数が二次試験に持ち越されないリセット方式に近い形がとられており、「面接試験」と「模擬授業」の合計得点で最終合格が決まります。
そのため、第1次試験の筆記試験を確実に突破したうえで、面接や模擬授業といった人物評価へ向けた総合的な対策を進めることが大切です。
福岡市教員採用試験の一次試験
福岡市教員採用試験の一次試験では、教養試験、専門試験が実施されます。
教養試験
教養試験は、教員として必要な基礎知識を問う筆記試験です。
福岡市では、教職教養と一般教養から出題され、50分間で25問を解答します。
| 対象校種 | 全校種共通 |
|---|---|
| 試験時間 | 50分間 |
| 問題数 | 25問 |
| 試験形式 | 択一式(マークシート) |
| 出題範囲 | 教職教養(教育原理など全体の約5割) 一般教養(人文・社会・自然科学は少なめ) |
| 配点 | 50点 |
出題範囲は広いため、やみくもに勉強を始めるのではなく、出題傾向を把握しておくことが大切です。
教職科目の出題数一覧
| 科目 | 2025年 | 2024年 | 2023年 |
|---|---|---|---|
| 教育原理 | 13 | 13 | 12 |
| 教育法規 | 2 | 2 | 4 |
| 教育心理 | 1 | 1 | 1 |
| 教育史 | 0 | 0 | 0 |
一般教養(人文・社会・自然科学)の出題数一覧
| 科目 | 2025年 | 2024年 | 2023年 |
|---|---|---|---|
| 国語 | 2 | 2 | 2 |
| 英語 | 1 | 1 | 1 |
| 政治 | 1 | 2 | 1 |
| 経済 | 2 | 1 | 1 |
| 環境 | 1 | 1 | 1 |
| 数学 | 1 | 1 | 1 |
| 生物 | 0 | 1 | 0 |
| 地学 | 1 | 0 | 0 |
| その他 | 1 | 0 | 1 |
福岡市の教養試験は「教育原理特化型」である点が最大の特徴です。
教育原理や教育法規などの基礎分野を優先的に対策しつつ、頻出分野を中心に安定して得点を積み上げることが重要な科目です。
教職・一般教養の勉強方法を詳しくみる
専門試験
専門試験は、志望する校種・教科の専門知識と指導力を問う筆記試験です。
全校種・教科が対象で、試験時間60分・50点満点で実施されます。
| 対象校種 | 全校種・教科 |
|---|---|
| 試験時間 | 60分 |
| 問題数 | 教科・科目による |
| 出題範囲 | 各採用区分に必要な専門知識 |
| 解答方法 | 択一式、記述式 |
| 配点 | 50点満点 |
専門試験は受験者ごとに知識の差が出やすく、合否を大きく左右する重要な科目です。
学習指導要領を軸にしながら幅広く理解を深めましょう。また、「授業でどのように扱うか」を意識して学習を進めることが、二次試験対策にもつながります。
専門試験の勉強方法を詳しくみる
福岡市教員採用試験の二次試験
福岡市教員採用試験の第2次試験では、面接試験・模擬授業が実施され、高等学校のみ実技試験が加わります。
第2次試験は最終合格者を決定する重要な選考であり、人物評価を重視した総合的な評価が行われます。
面接試験
面接試験では、自己PRや志望動機から教職員としての適性や素質、人間性などが総合的に評価・判断されます。
| 試験形式 | 個人面接 |
|---|---|
| 試験時間 | 20分間 |
| 面接官 | 3人 |
| 配点 | 90点満点 |
面接対策を進めるうえで大切なのは、質問への回答を考えることだけではありません。
まずは面接官がどのような観点で評価しているのかを理解しておきましょう。
評価の観点
| 項目 | 評価される内容 |
|---|---|
| 総合的な評定 | 教育的愛情、向上心、社会性、コミュニケーション力等の観点から、教員としての資質、適格性、人物性を総合的に評価する。 |
志望理由や教育観といった基本的な質問に加え、「教育現場でどう行動できるか」という実践力が問われます。
単なる受け答えではなく、「考えの背景」や「教育方針との一致」を自分の言葉で説明できるよう準備してください。
福岡市教員採用試験|個人面接・模擬授業の傾向と対策を詳しくみる
模擬授業
模擬授業は、学習指導要領に基づいた授業づくりや実践的な指導力を問う試験です。
福岡市では、学習指導案の作成(30分)、模擬授業(10分)、口頭試問(10分)という流れで実施されます。
| 対象校種 | 全受検区分 |
|---|---|
| 試験時間 | 50分間(指導案作成30分、模擬授業10分、口頭試問10分) |
| 面接官 | 3人 |
| 配点 | 60点満点(A〜Dランク、D評価不可) |
具体的な試験の流れは以下のとおりです。
配付された問題と教科書等のコピーをもとに、1単位時間分(小学校・特支小学部は45分、その他は50分)の「略案」を作成します。
作成した指導案と教科書のコピーのみを使用して授業を行います。(通常学級は25〜35人程度、特別支援学校は4〜6人程度の児童生徒がいる想定。始めの挨拶は省き「導入」から10分間実施します。)
模擬授業終了後、指導案や授業内容に関する質疑応答が行われます。
模擬授業中、評定員が児童生徒の立場から意見を言ったり質問をしてきたりすることがあります。
その際は、実際の授業と同様に適切な指導・対応を行うことが求められます。
過去問
| 校種 | 教科 | 学年 / 単元・テーマ | 授業のポイント・設定されている条件 |
|---|---|---|---|
| 小学校 | 国語 | 第4学年「つなぎ言葉のはたらきを知ろう」 | つなぎ言葉のはたらきについて理解させる。 |
| 小学校 | 算数 | 第5学年「正多角形と円周の長さ」 | 直径と円周の長さの関係に着目し、比例関係を見いだし説明する。 |
| 中学校 | 社会 | 第2学年(歴史)「開国後の政治と経済」 | 江戸時代の開国が日本社会に与えた影響を、政治的・経済的側面から考えさせる。 |
| 中学校 | 英語 | 第2学年「Unit 3 Plans for the Summer」 | 未来形の表現を学ぶ単元の導入。すべて英語で授業を行い、生徒の発話を促す。 |
| 高等学校 | 国語 | 第1学年「ありのままの世界は見えない」 | 文章を読んで、事例をもとに筆者の考えを読み取らせる。 |
| 高等学校 | 情報 | 第1学年「プログラミングの方法」 | アルゴリズムの表現について理解させる。 |
| 特別支援(小) | 生活 | 第6学年「誕生日プレゼントをつくろう」 | 知的障がい(5名)。役割分担して作る。A児(癇癪を起こしやすい)への支援を明記。 |
| 養護教諭 | (小・体育) | 第3学年(保健)「体のせいけつ」 | 学級担任とTTで授業。体や衣服を清潔にする必要性について理解を深める。 |
| 栄養教諭 | (中・理科) | 第2学年「消化と吸収」 | 栄養教諭の立場から、栄養素の特徴や働きについての理解を深める。 |
個人資料や自作の教具類の持ち込みは一切禁止されています。
板書を中心とした授業構成や、生徒とのやり取りを想定した練習を繰り返しておくことが大切です。
模擬授業の対策方法を詳しくみる
実技試験
実技試験は、受検する学校の種類及び教科に応じた実技の能力をみるために実施されます。(高等学校のみ)
| 対象校種 | 高等学校の外国語、国語、理科、情報、工業、商業等 | |
|---|---|---|
| 試験内容例 | 外国語(英語) | 入試問題を解答後、その解説を行うことを通して、専門知識及び技能(教科指導力)を評価。 |
| 国語 | 大学入試問題(古典分野)を解答後、その解説を行う(10分間)。解説中、必要に応じて、面接官が生徒として質問する。 | |
| 情報 | ネットワークに関する問題を解き、問題解説用の教材をパワーポイントで作成することを通して、専門知識及び技能を評価。 | |
| 評価段階 | 可・不可の2段階評価 | |
点数による加点方式ではなく、一定の標準レベルに達しているかどうかの「可・不可」で判定されるのが特徴です。
例えば英語や国語であれば、単に問題を解くだけでなく「解説を行う」という模擬授業に近い要素が含まれています。
対象教科を受験する場合は、自身の専門技能が標準レベル以上であることをしっかり示せるよう、事前に対策を練っておきましょう。
福岡市教員採用試験の情報を配信しています。倍率や試験結果、過去問分析などをまとめていますので、受験対策に活用してください。
福岡市教員採用試験の合格に向けて今から始めたいこと
福岡市教員採用試験では、教養試験・専門試験・模擬授業・面接試験など、さまざまな試験が実施されます。
まずは自分が受験する校種・教科の試験内容を確認したうえで、配点や選考方法を踏まえて優先順位を決めることが大切です。
特に専門試験や人物試験は合否に大きく影響するため、早めに対策を始めておきましょう。
他の自治体の試験内容については、以下の記事でまとめています。


