本記事は、愛媛県内の公立学校で先生になりたい方に向けて「受験ガイド」を作る気持ちで書きました。
最後まで読めば、愛媛県教員採用試験の内容から対策のヒントまで網羅的に理解できます!
敵を知らずして対策を始めてしまうのは、時間の無駄になりかねません。愛媛県教員採用試験の合格に向けて、着実に対策を始めていきましょう。

愛媛県教員採用試験の主な変更点
2026年度(2025年実施)愛媛県教員採用試験の主な変更点は次のとおりです。
- 小学校体育専科教員の採用
- 特別選考の対象拡大
- 大学3回生特別選考の実施
小学校体育専科教員の採用
中学校教員(保健体育)の試験区分において選考した者を、本人の希望 に基づき、小学校で体育科の指導に当たる体育専科教員として配置する。
特別選考の対象拡大
教職経験者 | 本県の国公立学校における教職経験者から、本県及び他の都道府県の国公立学校における教職経験者に拡大。 |
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社会人 | 高校農業、高校水産を追加。 |
大学等推薦 | 大学等推薦特別選考における各大学等からの推薦人数の上限を撤廃 |
大学3回生特別選考の実施
大学3回生等特別選考で前年度に前期第1次選考試験に合格した者に ついて、申請により前期第1次選考試験を免除し、前期第2次選考試験のみの受験とする特別選考を実施
愛媛県教員採用試験の内容
愛媛県教員採用試験の内容を第1次試験と第2次試験ごとに詳しく解説します。
第1次試験
愛媛県教員採用試験の一次試験は、「教職教養」と「教科専門」、「実技試験」で構成されています。
教職教養
教育の基本的な理論や規則を問う筆記試験です。
試験時間 | 20分間 |
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出題数 | 35問 |
出題形式 | 空欄補充等 |
試験方式 | 記述式 |
配点 | 100点満点 |
出題分野 | 〇教育原理(教育時事含む) 〇教育法規 〇教育史 |
教職教養の出題範囲は非常に広く、全ての科目・分野を均等にカバーするのは現実的ではありません。
以下の出題傾向を参考にして、出題数の多い科目や出題頻度の高い分野から勉強していくと効率的です。
科目別出題数
採用年度 | 2023 | 2024 | 2025 |
---|---|---|---|
教育原理 | 20 | 20 | 25 |
教育法規 | 10 | 10 | 5 |
教育史 | 5 | 5 | 5 |
配点の高い科目に集中することで、短期間で得点を伸ばすことができます。また、重要な科目で高得点を取ることで、全体の合格ラインを上げることができます。
主要科目(出題数の多い科目)にある程度の自信がついたら、次に他の科目の勉強を本格的に進めるのが効果的な方法です。
教科専門
志望校種・教科に関する専門的知識を測る筆記試験です。出題科目(範囲)は教科・科目によって異なります。
試験時間 | 50分 ※高校は70分 |
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問題数 | 教科・科目による |
出題形式 | 択一式と記述式 |
配点 | 400点満点 |
問題レベルは、大学入試共通テスト(旧センター試験)から国公立大二次試験で問われるレベルの問題が6割程度を占めています。
教科専門は、受験者ごとに学力レベルや知識の差が大きく出やすいので、自分の学力に合った方法での対策が必須です。
たとえば、英語教員を目指す人の中には英検1級レベルの人から3級すら危うい人までおり、同じテキストや手順で勉強しても効率がよくありません。
まずは過去問を自力で解き、自分の実力を正確に把握することが大事です。
過去問を解いてみて…、
- 5割以下:基礎がないので中学受験レベルから勉強しなおす。基本的な概念や知識をしっかり固めることが大切です。
- 7割以下:高校~大学受験レベルで力をつける。より高度な問題に挑戦し、理解を深めることを目指しましょう。
- 7割以上:全国の過去問を解いて知識の定着や弱点克服。さらに実践的な問題に取り組むことで、試験本番に備えます。
このように捉えて勉強を始めるといいでしょう。

教科専門の勉強方法は、下記の記事でも解説しています。あわせて確認してみてください!


集団面接
複数の受験者が一つのグループとなり、同時に面接を受ける形式です。1グループの人数は3人~4人で、全体を通して10分で行われます。
試験時間 | 10分 |
---|---|
受験者 | 3人程度 |
形式 | 集団形式 |
評価基準 | 〇指導力があるか。 〇創造性があるか。 〇堅実性があるか。 社会人としての素養 〇言語活動、言語表現が適切で品位があるか。 〇服装・態度が適切で品位があるか。 〇知性・教養があるか。 〇社会適応性があるか。 教職への意欲 〇教員志願の動機や教育観は適当か。 〇意欲・積極性があるか。 | 教員としての資質
配点 | 300点満点 |
- これまでに努力したことは何ですか。
- 子供たちに身につけさせたいことは何ですか。
- あなたのセールスポイントはどこですか。
- コミュニケーションをとるときに注意していることはありますか。
- 現時点で、教師への適性はどのくらいだと思いますか。
- 希望勤務地はありますか。
- 優しい教師と厳しい教師ならどちらになりたいですか。理由も教えてください。
- あなたを採用するメリットは何ですか。
- 失敗から学んだことはありますか。
- 集団活動をするうえで気をつけていることはありますか。
- 最近の子どもの課題は何だと思いますか。
- なぜ志望校種・教科を選んだのですか。
- 社会人として大切なことは何だと思いますか。
面接官の質問に回答するときは、他の受験者のことも考えて端的に行うことが求められます。アピールしたいからといって、長々と話さないようにしましょう。
また、自分の発言だけに全集中するのではなく、他の受験者の意見を聞くことや自分の意見が他の受験者にどのように受け止められたのかなど、周りの状況にも注視することが大切です。
第2次試験
愛媛県教員採用試験の二次試験は、「小論文」、「個人面接」、「実技試験」で構成されています。
小論文
自分の考えや主張を論理的に説明する文章形式の試験です。
筆記試験では判断できない、論理的思考力や読解力、教師としての適性などを総合的に評価します。
試験時間 | 60分 |
---|---|
文字数 | 1000~1200字 |
問題数 | 1題 |
評価基準 | 〇文章力 〇人物・適正 〇国語力 |
配点 | 20点満点 |
小論文は、自分では文章が書けると思っていても、意外に書けなかったり、書けた(気になった)としても課題に対してまったく十分な解答にはならないことはよくあります。
毎年、小論文で評価がもらえずに不合格となる受験者は多いので早めに準備をしてください。
小論文の詳しい傾向や過去問などは下記の記事でまとめています!


個人面接
愛媛県が求める教員としてふさわしい人物であるか、人柄・意欲・対人関係能力等を評価・判断する試験です。
試験時間 | 20分 |
---|---|
面接官 | 4人 |
形式 | 個人面接+場面指導 |
評価基準 | 〇指導力があるか。 〇実践力・対応力があるか。 社会人としての素養 〇言語活動は適切か。 〇服装・態度が適切で品位があるか。 〇知性・教養があるか。 教師としての使命感 〇教育観は適当で、教師としての使命感があるか。 〇教師としての積極性があるか。 〇自己アピールは適当か。 | 教員としての資質
配点 | 60点満点 ※実技試験のある校種・教科は40点満点。 |
- 志望動機を言ってください。
- 愛媛県を志望する理由は何ですか。
- 勤務地の希望はありますか。
- 併願状況を教えてください
- 1年生の男性Aが保健室に来室しました。見るからに体調が悪そうなので、しっかり寝ているか確認したら、毎日、夜10:30 に寝ていると言われました。どのような対応をしますか。
教員採用試験の面接試験は、一つの回答に対しより掘り下げて受験者の行動特性を把握する「コンピテンシー評価型面接」で行われています。
たとえば、「長所は何ですか?」→「長所が活躍したエピソードはありますか?」→「その長所を教員としてどのように活かしますか?」といったように追加質問をしてきます。
しっかり自己分析ができていないと、深掘り質問に対応できません。過去に聞かれた質問に根拠を踏まえて回答できるよう、早め早めに準備を始めましょう。
過去の質問例や対策方法などは、下記の記事で詳しく解説しています!


実技試験
専門的技能や実践的能力があるかどうかを評価・判断する人物試験です。
対象教科 | 〇理科 〇音楽 〇美術 〇保健体育 〇技術 〇家庭 〇英語 高等学校 〇保健体育 〇音楽 〇美術 〇書道 〇英語 養護教諭 栄養教諭 | 中学校
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配点 | 20点 |
2024(令和6)年度
理科 | ①身の回りの物質についての実験 ②鉱物の観察 |
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音楽 | ①ピアノ演奏(任意の曲) ②声楽(任意の曲) ③初見演奏(ピアノ伴奏しながら歌う) |
美術 | 水彩画による人物画製作 |
書道 | 仮名交じり書の製作と臨書 |
保健体育 | ①陸上競技(短距離走・リレー、長距離走又はハードル走) ②球技2種目(ゴール型、ネット型、ベースボール型) ③武道(剣道又は柔道) |
技術 | ①コンピュータによる情報処理 ②木材加工 |
家庭 | 手提げ袋の製作 |
英語 | ①グループスピーチ ②グループトーキング |
養護教諭 | 包帯法 |
2023(令和5)年度
理科 | ①水溶液の実験 ②植物観察 |
---|---|
音楽 | ①ピアノ演奏(任意の曲) ②声楽(任意の曲) ③初見演奏(ピアノ伴奏しながら歌う) |
美術 | 水彩画による人物画製作 |
書道 | 仮名交じり書の製作と臨書 |
保健体育 | ①陸上競技(短距離走・リレー、長距離走又はハードル走) ②球技2種目 ③武道(剣道又は柔道) |
技術 | ①コンピュータによる情報処理 ②木材加工 |
家庭 | トートバックの製作 |
英語 | ①グループスピーチ ②グループトーキング |
養護教諭 | ①体位保持法 ②包帯法 |
栄養教諭 | 簡単な調理 |
何ができて、できていないのかを早めに把握するようにしましょう。そのうえで出来るように少しずつ技能を磨いていくことが最適解です。
また、自己評価だけでなく、指導者や同僚からフィードバックをもらうことで、自分では気づかない改善点を発見することができます。
なお、課題に沿って完璧にできることにくわえて、熱意や意欲、態度なども評価対象です。
愛媛県教員採用試験に関するFAQ
愛媛県教員採用試験に関するFAQ(受験者から頻繁に寄せられる質問とその回答)をまとめています。
試験概要編
Q-1 愛媛県の求める教師像は?
A-1 愛媛県の求める教師像は次の5つを掲げています。
- 子どもが好きで、未来を担う子どもたちを育成しているという誇りと気概を持って教育に当たることができる人
- 愛顔(えがお)にあふれ、あいさつを大切にする人
- 仕事にも人にも誠実に向き合う人
Q-2 愛媛県教員採用試験の受験資格(年齢制限)は?
A-2 2026年度(2025年実施)の場合、昭和41年4月2日以降に生まれた人が対象です。
Q-3 愛媛県教員採用試験の採用予定人数は?
A-3 2026年度(2025年実施)愛媛県教員採用試験では460人程度の採用を予定しています。
校種 | 2026 | 2025 | 2024 |
---|---|---|---|
小学校 | 185 | 220 | 190 |
中学校 | 155 | 150 | 140 |
高等学校 | 100 | 100 | 100 |
養護教諭 | 20 | 10 | 10 |
栄養教諭 | 若干 | – | – |
合計 | 460 | 480 | 440 |
Q-4 愛媛県教員採用試験の受験倍率は?
A-4 直近(2025年度)の最終受験倍率は2.0倍でした。
- 受験者数:967人
- 合格者数:481人
- 受験倍率:2.0倍
*前期(夏)試験の結果です。



教科別の倍率は下記の記事で詳しくまとめています!


試験日程編
Q-5 愛媛県教員採用試験の募集要項はいつ発表されますか?
A-5 3月上旬に募集要項が発表されます。
2026(令和8)年度の募集要項は2025年3月17日(月)に公示されました。
募集要項には、試験内容や実施状況などの詳細な情報が掲載されていますので、必ず確認してください。
Q-6 愛媛県教員採用試験の出願期間は?
A-6 4月上旬から5月下旬にかけて受付を行います。
2026(令和8)年度の出願期間は、2025年4月4日(金)~5月30日(金)までです。
Q-7 愛媛県教員採用試験の試験日は?
A-7 第1次試験は7月、第2次試験は8月に実施されます。
2026(令和8)年度の試験日は以下のとおり。
第1次試験 | 1日目:2025年7月19日(土) 2日目:2025年7月20日(日) |
---|---|
第2次試験 | 2025年8月19日(火)~22日(金)のうち指定した日 |



他自治体の試験日は、下記の記事でまとめています!


Q-8 愛媛県教員採用試験の合格発表日は?
A-8 第1次試験の合格発表は8月、第2次試験は9月に行われます。
2026(令和8)年度の合格発表日は以下のとおり。
第1次試験 | 2025年8月8日(金) |
---|---|
第2次試験 | 2025年9月中旬 ※昨年度は9月20日 |
第2次試験に合格すると、採用候補者名簿に登録されます。その後、意向聴取、受験資格の確認等を行い、学校現場の欠員状況等を考慮した上で採用者を内定。



原則として2026年4月1日付けで採用されます。
試験対策編
Q-9 愛媛県教員採用試験の配点は?
A-9 愛媛県教員採用試験の配点は以下のとおりです。
一次試験 | 教職教養 | 100点 |
---|---|---|
専門教科 | 400点 | |
集団面接 | 300点 | |
二次試験 | 個人面接 | 60点 *実技試験のある教科は40点 |
小論文 | 20点 | |
実技試験 | 20点 | |
1次試験 換算点 | 80点 ※1次試験の総得点の10分の1に換算する。 |
Q-10 愛媛県教員採用試験の過去問はどこで入手できますか?
A-10 愛媛県教員採用試験の過去問は、『情報センター等』で閲覧及びコピーできます。
過去の問題と解答を入手できるため、出題内容や形式、問題レベルを把握するのに活用しましょう。
過去問を活用することで、試験対策が効果的に進められますよ。
Q-11 愛媛県教員採用試験の対策でオススメの参考書や問題集は?
A-11 愛媛県教員採用試験の問題集や参考書でオススメなのは「教員採用試験「過去問」シリーズ(協同出版)」です。
数年分の過去問が掲載されています。勉強を始める前に難易度や傾向を把握でき、無駄のない勉強ができて効果的です。



オススメの問題集・参考書は下記の記事で解説しています。


本記事はここまでです。
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