- 「京都市教員採用試験の対策は何からすればいいの…。」
- 「効率よく合格するための、対策の優先順位が知りたい…。」
- 「そもそも試験内容や傾向がわからない…。」
これから対策を始めるあなたは、やるべきことが多すぎて不安を感じているかもしれません。
京都市教員採用試験は、1次試験から個人面接が課されるなど独自色が強く、計画なしに進めると対策が後手に回ってしまう可能性があります。
そこで本記事では、京都市教員採用試験に合格するための正しい手順を徹底解説します。
詳しい試験内容や傾向もまとめているので、ぜひ参考にしてくださいね。
▼教員採用試験の内容は以下の記事でもまとめています。


京都市教員採用試験の対策は何から?
結論から言うと、「教科専門」と「個人面接(場面指導)」の同時並行が正解です。
多くの自治体では「まずは筆記対策、面接は1次が終わってから」が定石ですが、京都市でそのやり方は通用しません。
なぜなら、京都市は第1次試験の段階から配点の高い「個人面接(場面指導含む)」が課されるからです。
優先順位は以下の通りです。
- 教科専門(筆記):範囲が広く、積み重ねが必要。直前では間に合わない。
- 個人面接・場面指導:1次試験で実施。即興性が求められるため早期対策が必須。
- 一般・教職教養:範囲は広いが、出る分野が決まっているため効率よく対策可能。
- 2次試験対策(模擬授業・討論):1次対策と並行してネタ出しを行い、1次終了後に仕上げる。
「筆記だけ」に偏らず、最初から「話す練習」を取り入れることが京都市合格の鉄則です。
【京都市教員採用試験】合格までのロードマップ
「いつから対策を始めればいいの?」という疑問への答えは、「今すぐ」です。
京都市は出願時期も試験時期も早いため、逆算して動く必要があります。以下に理想的なスケジュールをまとめました。


9月〜12月【基礎固め期】
この時期の結論は、「専門教科の基礎知識のインプット」に全集中することです。
教養科目や面接の練習は年明けからで間に合いますが、範囲が膨大で配点の高い(100点)専門教科だけは、直前対策では太刀打ちできません。
以下の戦略を立ててみましょう!
- 教科専門(筆記)
-
まずは過去3〜5年分の過去問を解き、出題傾向(頻出単元)を把握します。
解けなかった問題や、特に時間がかかる計算問題などを中心に、参考書を使って基礎を徹底的に固めてください。
- 自己分析(面接)
-
本格的な練習はまだ不要ですが、「なぜ京都なのか」「学生時代に力を入れたことは何か」といった素材をノートに書き出し始めましょう。
ネタ集めをこの時期に終えておくと、後の負担が激減します。
- 情報収集
-
京都市教育委員会のHPをチェックし、「求める人物像」や「教育振興基本計画」に目を通しておきましょう。
自分が目指すべき方向性を合わせる作業です。
1月〜4月【実践・出願準備期】
この時期の結論は、「4月の出願」と「場面指導の対策」を完了させることです。
京都市は出願時期が全国でもトップクラスに早いため、春先はバタバタします。また、1次試験から課される「個人面接(場面指導)」は一朝一夕では身につかないため、年明けから声に出す練習が必要です。
以下の戦略を立ててみましょう!
- 教職・一般教養
-
配点の高い「教育原理」や「教育法規」の暗記を本格化させます。
一般教養は深入りせず、出題数の多い「英語・数学・一般知能」の過去問演習を中心に回しましょう。
- 願書作成・出願(4月)
-
4月の出願時に提出するエントリーシート(志望動機・自己PR)は、面接の資料として使われます。
適当に書くと後で自分が苦しむことになるため、3月中に推敲を重ね、信頼できる第三者に添削してもらった上で提出しましょう。
- 個人面接(場面指導)
-
「明日遠足です。生徒に何を話しますか?」といった過去問に対し、1分間で話す練習を始めます。
スマホで録画し、「笑顔・声の大きさ・目線」を客観的にチェックして修正していきましょう。
5月〜6月【1次直前・論文始動期】
この時期の結論は、「論文対策のスタート」と「1次試験の総仕上げ」です。
論文(小論文)は2次試験の科目ですが、1次試験が終わってからでは間に合いません。「本番の3ヶ月前から対策する」のが合格への鉄則です。
- 論文(小論文)
-
遅くとも5月までには対策を開始します。
まずは「序論・本論・結論」の型を覚え、過去のテーマで実際に書いてみましょう。
書いたものは必ず添削を受け、論理のズレや誤字脱字を修正します。
- 個人面接
-
回答の中身だけでなく、「話し方」や「表情」を磨きます。
場面指導では、子供が目の前にいるかのような演技力を完成させ、自信を持って1次試験本番(6月)に挑みます。
- 第1次試験本番(6月)
-
筆記試験と面接試験が行われます。
終わった瞬間から頭を切り替え、翌日には2次試験対策(模擬授業など)の準備に入りましょう。
7月〜8月【2次試験対策期】
この時期の結論は、「実践力(授業・討論)」の完成です。
1次試験の合格発表を待たず、直ちに行動を開始してください。ここでの準備量が、最終合格を決定づけます。
- 模擬授業
-
京都市特有の「冒頭1分間の単元観プレゼン」の原稿を作成し、暗記します。
授業実演(8〜10分)では、子供への発問や机間巡視の演技を何度も練習し、スムーズに流れるように仕上げます。
- 集団討論
-
7〜8人での議論に慣れるため、予備校や自主ゼミの練習会に参加します。
「他者の意見を肯定してから自分の意見を言う」というフレーズを身体に染み込ませましょう。
- 論文・実技
-
論文は時間内に書き切るスピードを養います。
実技がある教科(音楽・保体・英語など)は、本番形式でのリハーサルを行い、8月中旬の最終決戦に備えます。
【京都市教員採用試験】内容を確認しよう!
対策の方向性がわかったところで、試験内容の詳細を知っておきましょう。
京都市は独自の形式が多いため、概要の把握が合否を分けます。
- 参考元:京都市立学校教員採用案内(京都市教育委員会)
京都市が求める教師像
京都市は「求める人物像」として、京都の教育理念を深く理解し、子供一人一人を大切にする姿勢を求めています。


- 「一人一人の子どもを徹底的に大切にする」本市教育の理念のもと、子どもに対する教育的愛情と教職に対する使命感や情熱をもっている。
- 本市の目指す「伝統と文化を受け継ぎ、次代と自らの未来を切り拓く子ども」の育成に向けた教育活動を推進する意欲がある。
- 子どもや保護者との信頼関係を築きながら、子どもと共に学び、共に成長していこうとする姿勢がある。
- 教員の職務内容の全体像や教員に課せられる服務上・身分上の義務を理解し、法令順守を含め社会人として求められる倫理観をもっている。
- 人権尊重の精神をもち、子ども一人一人の人権や多様な価値観を尊重した教育活動の重要性を理解している。
- 周囲と円滑なコミュニケーションを図りながら、多様な考え方を柔軟に受け入れる等、謙虚に学び続ける意欲や姿勢がある。
- 課題発見に繫がる観察力やその解決に必要な情報を収集・分析したり、幅広い知見を活用したりして解決する力を有している。
- 学校園の管理下で発生する事件・事故及び災害の実情を踏まえ、危機管理や事故対応を含む学校安全の必要性について理解している。
「このような人物が欲しい!」という教育委員会からのメッセージなので、必ず理解しておきましょう。
試験日程・選考スケジュールを確認
例年、1次試験は6月中旬、2次試験は8月中旬に行われます。
出願期間が4月〜5月上旬と早いため、うっかり見逃さないように注意が必要です 。
詳細は次のとおりです。
| 出願期間 | 令和7年4月1日~4月30日(正午) |
|---|---|
| 一次試験 | 筆記:令和7年6月14日(土) 面接:令和7年6月15日(日)、21日(土)、22日(日)のうち指定する日 |
| 一次試験 合格発表 | 令和7年8月1日(金) |
| 二次試験 | 令和7年8月16日(土)、17日(日) |
| 最終合格 | 令和7年9月12日(金) |
日程を把握することで、科目ごとの勉強時間配分や面接対策のタイミングを効率的に決められます。
実質倍率は3.4倍程度
令和8年度(2025年実施)の京都市教員採用試験の倍率は、全体で3.4倍でした。
校種別の倍率は以下の通りです。
| 小学校 | 2.7倍 |
|---|---|
| 中学校 | 3.9倍 |
| 高等学校 | 7.4倍 |
| 総合支援 | 2.0倍 |
| 養護教諭 | 7.3倍 |
| 栄養教諭 | 8.3倍 |
小学校や総合支援学校は比較的落ち着いていますが、高等学校や栄養教諭は依然として高倍率です。
自分の志望区分の詳細な倍率については、以下の記事で詳しく解説しています。


第1次試験は筆記と面接!
京都市の最大の特徴は、第1次試験で「個人面接」が課されることです。
筆記試験の勉強だけしていても、面接対策が不十分だと1次で不合格になります。
第1次試験の科目は次のとおりです。
| 試験科目 | 内容・特徴 |
|---|---|
| 一般・ 教職教養 | 教育の基礎知識 + 一般教養。京都市独自の教育施策に関する出題もあるため対策必須。 |
| 専門筆記 | 志望する教科の専門知識。難易度は標準〜やや難。 |
| 個人面接 | 10分程度の面接。口頭試問に加え、場面指導が含まれるのが特徴。 |
- 一部の特別選考では、一般・教職教養に代わって論文試験が課されます。
第2次試験は実践力重視!
第2次試験は、集団での議論や実際の授業力を見る試験です。
詳細は次のとおりです。
| 試験科目 | 内容・特徴 |
|---|---|
| 集団討論 | 7〜8人のグループで30分間討議。テーマは校種別に設定される。 |
| 模擬授業 | 単元観の説明+授業実演。指導案の提出も求められる。 |
| 論文 | 論理的思考力や表現力を問う。 |
| 実技試験 | 音楽・保体・英・美など一部の教科のみ。 |
ご覧の通り、筆記だけでなく「話す」「演じる」「議論する」力が求められます。
これを頭から順番にこなそうとすれば、試験日までに時間が足りなくなるのは明白ですよね。
ここからは、合格するための具体的な優先順位(対策ステップ)を解説します。
【京都市教員採用試験】科目別の対策方法とポイント
ここからは、優先順位の高い順に、具体的な対策ポイントを解説します。
専門筆記試験から対策を始める!
対策の最優先事項です。
一般教養や論文よりも先に、まずはここを固めてください。
理由はシンプル。
教養科目は暗記で短期間に点数を伸ばせますが、専門科目は積み重ねが必要で、直前期の詰め込みが通用しないからです。
専門筆記試験の概要は次のとおりです。
| 試験時間 | ・小・中学校:50分(国語は60分) ・高等学校:90分(国語110分、情報・工業60分、音楽50分) ・総合支援:50分 ・養護教諭:50分 ・栄養教諭:50分 |
|---|---|
| 出題形式 | 択一式・記述式 |
| 配点 | 100点満点 |
問題レベルは、大学入試〜大学教養レベルの問題が出題されます。
まずは直近3〜5年分の過去問に挑戦しましょう。出題範囲、形式、難易度を肌で感じることがスタートです。
- どんなテーマが頻繁に出題されているか
- どの程度の知識レベルが求められているか
過去問分析で見つかった「頻出分野」や「自分の苦手分野」を徹底的に復習し、基礎知識をここでしっかりと作り上げていくことが重要です。
▼具体的な勉強の進め方はこちら!


一般・教職教養は効率よく攻略する
対策は多岐にわたりますが、一般・教職教養のポイントは「効率重視」です。
試験概要は次のとおりです。
| 試験時間 | 30分 |
|---|---|
| 出題形式 | 択一式 |
| 配点 | 30点満点 |
試験時間30分で約30問を解く必要があるため、1問あたり1分かけられないスピード勝負となります。
出題範囲は広いですが、すべてを均等に勉強する必要はありません。なぜなら、出題される科目とそうでない科目の差が激しいからです。
まずは過去3年間の出題データをご覧ください。
| 科目 | R5 | R6 | R7 |
|---|---|---|---|
| 教育原理 | 7 | 7 | 9 |
| 教育法規 | 3 | 3 | 2 |
| 教育心理 | 1 | 1 | 1 |
| 国語 | 3 | 3 | 2 |
| 倫理 | 2 | 1 | 1 |
| 英語 | 2 | 2 | 2 |
| 音楽 | 0 | 1 | 0 |
| 美術 | 1 | 2 | 2 |
| 保体 | 0 | 0 | 0 |
| 世界史 | 0 | 1 | 1 |
| 日本史 | 1 | 0 | 0 |
| 地理 | 1 | 1 | 1 |
| 政治 | 2 | 0 | 0 |
| 経済 | 0 | 2 | 0 |
| 国際関係 | 0 | 0 | 1 |
| 環境 | 0 | 0 | 1 |
| 数学 | 2 | 2 | 2 |
| 物理 | 1 | 1 | 0 |
| 化学 | 0 | 0 | 1 |
| 生物 | 1 | 0 | 0 |
| 地学 | 0 | 1 | 1 |
| 一般知能 | 2 | 2 | 2 |
| 一般常識 | 1 | 0 | 0 |
この表から、「得点源になる科目」と「捨ててもいい科目」が明確に見えてきます。
- ① 教育原理は最優先!全体の約3割!
-
教育原理は直近のR7年度で9問も出題されており、これだけで全体の約3分の1を占めます。ここを落とすと合格は厳しくなります。
一方で、各理科・社会科目は1問出るか出ないかです。原理に時間を割くのが最もコスパが良いと言えます。
- ② 英語・数学・一般知能が安定の得点源
-
英語、数学、一般知能は毎年安定して2問ずつ出題されています。出題数に波がある社会・理科系科目よりも、これら主要科目の対策を優先すべきです。
特に社会・理科は年度によって「政治が出たり出なかったり」「物理が出たり出なかったり」と不安定なため、深入りは禁物です。
このように、教育原理を軸にしつつ、主要科目で点を固めるのが賢い戦略です。
より詳しい傾向分析や、科目ごとの勉強優先順位は、以下の記事で徹底解説しています。


個人面接は場面指導がポイント
ここが京都市受験者の最初の壁です。
1次試験の個人面接では、通常の質問に加え、「場面指導」が行われます。
試験概要は次のとおりです。
| 試験時間 | 10分間 |
|---|---|
| 面接官 | 2名 |
| 配点 | 70点 |
対策のポイントは、「徹底的な自己分析」です。
なぜなら、京都市の面接は「コンピテンシー評価型(行動特性を見る面接)」だからです。
コンピテンシー型面接では、一つの回答に対して「なぜ?」「具体的には?」と何度も深掘りされます。
たとえば、「長所」を聞かれた場合のやり取りを見てみましょう。
- 長所は何ですか?
→「粘り強さです」 - その粘り強さが発揮された具体的なエピソードはありますか?
→「部活動での指導経験です」 - その時、一番困難だったことは何ですか?
- その困難を乗り越えるために、あなたはどう考え、どう行動しましたか?
- その経験を、京都市の教師としてどう活かしますか?
このように、表面的な回答を用意してもすぐに見破られてしまいます。
過去の質問例を見て、自分の言葉で「根拠」を語れるように準備しておきましょう。
- 自己PRをしてください。
- なぜ京都市を志望したのですか。
- 長所と短所をエピソードを入れて言ってください。
- これまでの人生で最もうまくいった経験は何ですか。
- 今までに失敗したことは何ですか。
- 明日は遠足で,公共交通機関を利用します。どんなことを話しますか。
- 今日は学年最初の授業です。どんなことを話しますか。
過去の面接データを分析し、「どんな深掘り質問が来るか」を予測して準備することがポイントです。
これまでの経験や体験が重要になるので、時間をかけて思い返しながら具体的に内容を考えていきましょう。
▼面接官の視点や回答のコツについては、以下の記事で徹底解説しています。


集団討論は過去問の傾向から対策する
2次試験の集団討論は、受験者7〜8人で30分間行われます。
| 試験時間 | 30分間 |
|---|---|
| 受験者 | 7〜8名 |
| 配点 | 35点 |
テーマは校種ごとに細かく設定されており、教育時事や現場の課題解決が問われます。
まずは、実際に出題されたテーマを確認してください。
| 小学校 | 日常的な授業を進めるうえで、学習規律が大切になります。担任として、大切にしたい学習規律とその必要性について話し合い、学習規律の確立・定着のためにどのように取り組んでいくのか議論を深めなさい。 |
|---|---|
| 中学校 | 生徒心得や学校生活の手引き(いわゆる校則)について、意義を踏まえながら、今後の運用や見直しの方向性について討議をしなさい。 |
| 高等学校 | この場を校内「改革プロジェクトチーム」の会議とします。「新学習指導要領に基づく教育課題の完成」と「全学年が個人持ちタブレット端末を持つようになる」状況を翌年度に控えた今年度のプロジェクトの柱の一つは、「学校教育目標を着実に達成するに当たり、生徒の言語能力、情報活用能力、問題発見・解決能力等の学習の基盤となる資質・実現に向けどのようにこの学校活性化プロジェクトを推進していくべきかについて、プロジェクトチームとしての意見を時間内にできる限りまとめてください。 |
| 総合支援 | 小学校5年生のA児は、育成学級(特別支援学級)に在籍している。A児は、自閉症スペクトラム症(ASD)の診断があり、療育手帳Bを所持している。簡単な指示理解はでき、発語もあるが、自分の思いをうまく言語で伝えることが難しい。やりたいことを止められると、暴れたり大声で泣いたり、先生に掴みかかったりすることも多い。また、特定の児童にこだわり、攻撃的な行動をする一方で、その児童の声に反応して教室から飛び出すこともあった。4年生の途中から学校への行き渋りが見られ、現在は週に1回程度、母親とともに登校するものの、教室には入らず別室で母親と過ごし、短時間で帰っていく状況である。最近では、学校という言葉を聞くだけで不安定になり、自傷行為が見られる。このような児童への指導及び支援について、どのようなことが考えられるか、「困難さの状態」「指導上の工夫の意図」「手立て」について協議しなさい。 |
| 養護教諭 | 学校における健康観察は教育活動全体を通じて全教職員により行われるものであり、子どもの心身の健康課題を早期発見、早期対応を図るために重要な活動である。健康観察を学校全体で進め、活用するために、養護教諭が果たす役割について討議を進めなさい。 |
| 栄養教諭 | あなたが栄養教諭として考える「魅力ある学校給食の献立」の条件と、それを通して子どもたちにつけたい力、献立を立てる上で栄養教諭に求められる力について討議を進めなさい。 |
| 幼稚園 | A児は2年保育で入園してきた4歳児男児である。採用一年目のB教諭が担任になった。入園前に何度か幼稚園に遊びに来ており,母親の近くで妹と一緒におもちゃで遊び,妹の面倒をよく見て,母親の指示をよく聞いていたと子育て支援の先生から入園前に情報共有があった。入園してからは,「一緒に遊ぼう」「みてみて」と教師と一緒に遊びを楽しむ姿が見られる一方で,他の幼児には「あっちへ行け」と言ったり,おもちゃを取ってしまったりする姿が見られ,時には相手をひっかいてしまうこともあった。母親は幼稚園でのことは信じられない様子で,「幼稚園でほかの子に何か嫌なことをされているのではないか」と相談してきた。幼児が主体的に遊ぶ姿を重視する京都市の幼児教育のもと,B教諭がA児に対してどのような指導をしていけばよいか。また,A児の保護者にどのように対応していけばよいと考えるか。 |
京都市の集団討論は人数が多く、一人あたりの発言時間は合計でも3分程度しかありません。
埋もれずに評価を得るには、以下の行動を徹底してください。
- 1回の発言は40秒以内に収める
長々と話す人は「空気が読めない」と判断され、減点対象になります。結論から短く話してください。 - 「合意形成」のフレーズを使う
自分の意見を押し通す場ではありません。「〇〇さんの意見に賛成です。それに加えて〜」と、他者の発言を肯定しながら議論をつなげてください。 - 校種別のキーワードを盛り込む
例えば高校なら「言語能力」「情報活用能力」、総合支援なら「クールダウン」「環境調整」など、専門用語を適切に使うと説得力が増します。
模擬授業は「単元観」と「演技力」で決まる
2次試験の模擬授業は、指導案作成と実演(8〜10分)がセットです。
| 試験時間 | 単元観1分+授業8〜10分 (終了後、口頭試問あり) |
|---|---|
| 面接官 | 2名 |
| 配点 | 60点満点 |
京都市の特徴は、授業前に1分間で「単元観(授業の狙い)」を発表する点にあります。
まずは過去問を見て、出題レベルを把握しましょう。
| 教科 | 学年 | テーマ |
|---|---|---|
| 小学校 | 4 | 小数の掛け算やわり算 |
| 国語 | 2 | 走れメロス |
| 社会 | 1 | 世界と日本の地域構成 |
| 数学 | 2 | 数と式 |
| 理科 | 3 | 生命の連続性 |
| 音楽 | 2 | 歌唱 |
| 美術 | 2 | 絵画と彫刻の鑑賞 |
| 保体 | 2 | 生活習慣病などの予防 |
| 技術 | 1 | 情報の技術 |
| 家庭 | 2 | 衣食住の生活 |
| 英語 | 3 | 話すこと「やりとり」 |
| 総合支援 | 3 | 知的障害者である児童に対する教育を行う特別支援学校の教科 |
| 養護教諭 | 5 | 学級活動2 内容 |
| 栄養教諭 | 5 | 学級活動2 内容 |
| 幼稚園 | 5歳 | 学級全体でピアノに合わせて体を動かして遊ぶ活動 |
課題の発表時期は校種によって異なります。
- 小・中・養・栄・幼:1次合格発表時に課題公開。
- 高・総合支援:試験当日に発表(その場で80分かけて指導案作成)。
これを踏まえ、以下の対策を実行してください。
- 1分のプレゼン原稿を作る
「なぜこの題材を選んだか」「ICTをどう活用するか」を論理的に説明できるように準備します。ここがブレると授業全体の評価が下がります。 - 「見えない子供」へ問いかける
子供役はいません。しかし、ただ一方的に話すのはNGです。「Aさん、良い意見だね」「後ろの席、見えてる?」と、具体的な演技を入れてください。 - 口頭試問の回答を用意する
授業後には必ず振り返りを求められます。過去問にある「点数をつけるなら何点か」「ICT活用法」「今後の展開」への回答を事前に作成しておきましょう。
【口頭試問の内容】
- 題材を選んだ理由は何ですか。
- ICTを盛り込むならどういう風に使えますか。
- この後の授業展開はどうなる予定ですか。
- 10点満点で点をつけるなら何点ですか。
京都市教員採用試験に関するよくある質問(FAQ)
最後に、受験生からよく寄せられる質問にお答えします。
Q. 過去問はどこで入手できますか?
A. 京都市情報公開コーナー(京都市役所)で過去3年分の問題等を閲覧、コピー(有料)できます。
オンライン上では公開されていませんが、過去の試験問題を入手することができます。
効率よく学習するには、協同出版などの出版社から出ている「京都市の過去問シリーズ」を購入し、詳しい解説とともに学習することをオススメします。
Q. 筆記試験の合格ラインはどのくらいですか?
A. 公表はされていませんが、一般的に6割〜7割程度が1つの目安と言われています。
ただし、京都市は1次試験から面接の配点が高いため、筆記がギリギリでも面接で逆転(またはその逆)があり得ます。
Q. 他の自治体(京都府など)と併願はできますか?
A. 日程が重なっていなければ可能です。
過去の受験者を見ると、滋賀県や三重県、愛知県あたりを併願する人が多い印象です。
なお、京都府(府教委)と京都市(市教委)は、1次試験の日程が同日(土曜日)に行われることが多いため、併願できないケースがほとんどです。
各自治体の要項をよく比較して計画を立てましょう。
▼全国の試験日程を以下の記事でまとめています。


京都市教員採用試験に合格するために
ここまで、京都市教員採用試験の試験内容と対策の優先順位について解説してきました。
まずは、範囲の広い「専門筆記」から着手すること。そして、1次試験から課される「個人面接(場面指導)」の対策を早期に始めること。
ただ、記事でもお伝えした通り、最終合格を決めるのは面接試験です。
どれだけ筆記試験で良い点数を取っても、面接であなたの魅力や「京都市が求める教師像」への適性が伝わらなければ、合格には届きません。
とはいえ、勉強を進める中で、
- 「自分の回答は、面接官にどう響くんだろう?」
- 「改善したいけど、具体的にどこを直せばいいか分からない」
といった不安を感じることもあるかもしれません。 面接対策は、自分一人ではどうしても客観的な判断が難しく、迷いが生じやすいものです。
そこで、私が個別に行っている面接指導のノウハウをnoteにまとめました。
面接での評価が安定して高くなり、どの質問にも落ち着いて答えられるようになる「再現性のある対策」を知りたい方は、noteを手にとってみてください。
このnoteには、購読者限定の「合格まで伴走LINE(個別指導)」が付いています。あなたが「自分の言葉」で自信を持って話せるようになるまで、僕が直接フィードバックをしてサポートします。
あなたの努力が、最高の結果に繋がることを応援しています。
まずは今日の第一歩、専門科目の過去問から始めていきましょう。



