東京都教員採用試験の小論文対策、何から始めればいいか悩んでいませんか?
東京都の小論文は、教育への考え方と実践力が問われる「書面で行う面接」です。70分で約1,000字を書く必要があるため、事前に「評価基準」と「書き方の型」を知っておくことが合格への近道になります。
本記事では、以下の内容を分かりやすく解説します。
- 試験時間や文字数などの基本ルール
- 採点官が見ている「評価基準」
- 過去5年分の出題テーマ(過去問)
- 時間配分や書き方に関するよくある質問
この記事を読めば、小論文で合格点をもらうために「今、何をすべきか」が明確になります。効率よく対策を進めたい方は、ぜひ参考にしてください!
東京都教員採用試験の小論文とは
東京都教員採用試験の小論文とは、筆記試験では判断できない、あなた自身の人間性を評価・判断する試験のことです。
試験の性質から筆記試験でありながら、面接試験の一種といわれることもあります。
小論文の課題は様々です。しかしどのような課題でも、採点者が探ろうとしているのは、教員としての資質・能力、そして教職への熱意です。
ここが合否のポイントになることを認識したうえで、小論文に取り組むことが大切。
実施形式
小論文試験は第1次選考で実施します。そのため、この段階で一定の評価に達しない場合、第二次選考に進むことができません。
また、小・中・高の校種を問わず、共通課題が出題されるのが特徴です。専門教科の知識も大切ですが、「教育全体に対する理解」や「教員としての考え方」が問われます。
そのため対策としては、特定の校種に偏った内容ではなく、
- 教育の基本的な考え方(主体的な学び、個別最適な学び など)
- 生徒理解や学級経営に関する視点
を横断的に整理しておくことが重要です。
試験時間
試験時間は70分間となっています。
一見すると十分に思えますが、実際には「構成を考える → 執筆する → 見直す」までをすべて行う必要があり、時間に余裕があるとは言えません。
特に、構成を考えずに書き始めてしまうと、途中で内容がぶれて書き直しが発生し、時間不足に陥る原因になります。
そのため、時間配分の目安としては
- 構成:10〜15分
- 執筆:40〜45分
- 見直し:10分前後
といった形で、あらかじめ使い方を決めておくことが重要です。
限られた時間の中で安定して書き切るためにも、「書く前の準備」にしっかり時間を使うことを意識しましょう。
文字数
文字数は910~1050字です。
このように下限が設定されているため、910字を下回る答案はそれだけで評価が下がる可能性があります。まずは「確実に下限を満たすこと」が前提になります。
一方で、ただ文字数を増やせばよいわけではなく、内容の薄い文章で埋めてしまうと評価にはつながりません。
そのため対策としては、
- あらかじめ段落ごとの文字数の目安を決めておく
- 1段落あたり200〜250字程度を意識する
といった形で、全体のバランスを意識することが重要です。
文字数は「制限」ではなく、「構成を整えるための目安」として捉えると、安定して書けるようになります。
評価基準
小論文では、「何となく良い文章」ではなく、東京都が示している評価観点に基づいて採点が行われます。
つまり、評価基準を知らずに書くことは、「何を見られているかわからないまま答案を書く」状態になってしまいます。まずは採点の軸を正確に理解することが重要です。
東京都の評価基準は以下のとおり。
| 課題把握力 | 設問の趣旨や条件を正確に読み取り、何が問われているのかを的確に捉えているかを評価する。 テーマを自己流に解釈せず、問題の本質に沿って論を展開できているかを見る。 |
|---|---|
| 実践的指導力 | 教育現場を想定し、教師として具体的・現実的な対応や指導の在り方を示せているかを評価する。 理念や理想論にとどまらず、実行可能な行動として表現できているかを見る。 |
| 論理的表現力 | 自分の考えを根拠や理由と結び付け、筋道立てて説明できているかを評価する。 主張と説明の関係が明確で、一貫した論理構成になっているかを見る。 |
| 文章構成力 | 序論・本論・結論の流れが整理され、全体として読みやすい構成になっているかを評価する。 段落ごとの役割が明確で、内容の重複や飛躍がないかを見る。 |
| 国語力 | 誤字脱字や文法上の誤りがなく、正確で適切な日本語が使用されているかを評価する。 教師として文書を書くうえで必要な基礎的な文章力が備わっているかを見る。 |
東京都の評価基準の特徴は、「バランス型」である点にあります。
例えば、実践的な内容が書けていても、設問の意図からズレていれば課題把握力で評価は伸びません。また、内容が適切でも論理のつながりが弱ければ、論理的表現力の観点で減点されます。
そのため対策としては、
- 設問条件を正確に読み取る(課題把握力)
- 具体的な実践に落とし込む(実践的指導力)
- 筋道立てて書く(論理的表現力)
というように、「評価基準に対応させて書く」意識が不可欠です。
評価基準は単なる採点項目ではなく、「合格答案の設計図」です。ここを起点に対策を組み立てることで、答案の完成度は一気に安定します。
小論文の過去問(テーマ)
東京都教員採用試験の小論文は、一貫して「考え+具体的実践」をセットで問う形式が特徴です。
単に自分の意見を書くのではなく、教育的意義を踏まえた上で、教師としてどう行動するかまで落とし込むことが求められます。また、設問は(1)(2)の二段構成、あるいは事例を踏まえた課題解決型が中心であり、「抽象→具体」の展開ができるかが重要なポイントです。
以下に、過去5年分のテーマをまとめています。出題の形式や傾向を確認しておきましょう。
2025年実施(令和8年度)
次の問題について、(1)と(2)を合計して30行(1‚050字)以内で論述しなさい。ただし、26行(910字)を超えること。
各学校では、児童・生徒が互いのよさを見付け、多様な考えを尊重し合うことができるよう、教育の充実を図っています。
(1) 児童・生徒が互いのよさを見付け、多様な考えを尊重し合うことについて、あなたの考えを、理由を明確にして述べなさい。
(2) (1)の考えを踏まえ、あなたは教師としてどのように取り組んでいくか、志望する校種と教科等に即して述べなさい。
2024年実施(令和7年度)
次の問題について、(1)と(2)を合計して30行(1‚050字)以内で論述しなさい。ただし、26行(910字)を超えること。
各学校では、児童・生徒に他者への共感や思いやりの心を育てる教育を目指しています。
(1) 児童・生徒に他者への共感や思いやりの心を育てることについて、あなたの考えを述べなさい。
(2) (1)の考えを踏まえ、あなたは教師としてどのように取り組んでいくか、志望する校種と教科等に即して述べなさい。
2023年実施(令和6年度)
各学校では、児童・生徒一人一人のよい点や可能性を引き出し伸ばす教育が求められています。このことについて、あなたの考えを述べた上で、その考えに立ち、教師としてどのように取り組んでいくか、志望する校種と教科等に即して、26行(910 字)を超え、30行(1050字)以内で述べなさい。
2022年実施(令和5年度)
| 小学校 | あなたは、第5学年の学級担任である。年度初めの学年会における話合いの中で、学年主任から、「授業には真面目に取り組みますが、自ら進んで、学習する意欲に課題が見られます。」と報告があった。また、他の教員からは、「自分から興味・関心をもって学習し、疑問を調べて解決することに消極的ですね。」や「当番や係などの活動でも、もっと自分なりに工夫して積極的に取り組ませたいですね。」という意見もあった。 まとめに、学年主任から今年度の学年経営の方針の一つとして、「自主的、自発的に学習したり活動したりする力を育む」が示された。学年会終了後、学年主任からあなたに、「先ほどの学年経営の方針に基づいて、学級経営の重点をどこに置き、どのように取り組んでいくか、具体的に考える必要がありますね。」と話があった。 問題 この事例の学校において、あなたは学級担任としてどのように学級経営を行っていくか、課題を明確にした上で、具体的な方策を二つ挙げ、それぞれ 10行(350字)程度で述べなさい。また、まとめを含め、全体で30行(1,050字)以内で論述しなさい。ただし、26行(910 字)を超えること。 |
|---|---|
| その他 | 次のA、Bのうちから1題を選択して、論述しなさい。 【テーマA】 年度初めの職員会議で、教務主任から、「昨年度に実施した生徒アンケートで、進度が自分に合っていないと回答した生徒が少なくありませんでした。」と報告があった。また、複数の教科主任からは、「自分に合った勉強方法を見付けられていない生徒が多いですね。」や「生徒の特性を十分理解した指導を行う必要がありますね。」という意見もあった。 最後に、教務主任から、今年度の各教科等の指導における重点事項の一つとして、「個に応じた指導の充実を図る」が示された。職員会議終了後、教務主任からあなたに、「先ほどの重点事項に基づいて、どのように学習指導に取り組んでいくか、具体的に考える必要がありますね。」と話があった。 問題 この事例の学校において、あなたはどのように学習指導に取り組んでいくか、志望する校種と教科等に即して、課題を明確にした上で、具体的な方策を二つ挙げ、それぞれ10行(350字)程度で述べなさい。また、まとめを含め、全体で30行(1,050字)以内で論述しなさい。ただし、26行(910字)を超えること。 |
| 【テーマB】 あなたは、生活指導・保健指導部に所属している。年度初めの生活指導・保健指導部会で、生活指導主任から、「昨年度に実施した生徒アンケートで、話合いで自分なりの意見を言うことが苦手な生徒が多いことが分かりました。」と報告があった。また、各学年の生活指導担当の教員からは、「話合いがまとまらないことがよくあります。」や「自分の考えと異なる様々な意見を比較しながら、新たなものを協力して生み出していくことも大切ですね。」という意見もあった。 最後に、生活指導主任から、今年度の生活指導・保健指導部の重点事項の一つとして、「多様な考えを認め合い、合意を目指して話し合う態度の育成を図る」が示された。 部会終了後、生活指導主任からあなたに、「先ほどの重点事項に基づいて、どのように指導に取り組んでいくか、具体的に考える必要がありますね。」と話があった。 問題 この事例の学校において、あなたはどのように指導に取り組んでいくか、志望する校種に即して、課題を明確にした上で、具体的な方策を二つ挙げ、それぞれ10行(350字)程度で述べなさい。また、まとめを含め、全体で30行(1,050字)以内で論述しなさい。ただし、26行(910字)を超えること。 |
2021年実施(令和4年度)
| 小学校 | あなたは、第5学年の学級担任である。年度初めの学年会で、昨年度の児童の課題に関する引継事項として、学年主任から、「学習面では、授業のめあてを達成できない児童がいる一方で、めあてに到達すると、それ以上は、取り組まない児童がいます。また、生活面では、相手の身になって考えることが苦手な児童が多く見られます。」と報告があった。この引継事項を踏まえ、話合いを行った結果、学年主任から、「今年度の学年経営の方針を、『教師と児童との信頼関係を築き、児童相互のよりよい人間関係を育てる』とします。」と示された。 学年会終了後、学年主任からあなたに、「先ほどの学年経営の方針に基づいて、主に集団の場面で、必要な指導や援助を具体的にどのように行えば学級経営の充実が図れるか、一緒に考えてみませんか。」と話があった。 問題 学年主任の発言を受けて、あなたなら学級担任としてどのように学級経営を行っていくか、学習面と生活面について具体的な方策を一つずつ挙げ、それぞれ 10行(350字)程度で述べなさい。また、まとめを含め、全体で30行(1,050字)以内で論述しなさい。ただし、26行(910 字)を超えること。 |
|---|---|
| その他 | 次のA、Bのうちから1題を選択して、論述しなさい。 【テーマA】 年度初めの職員会議で、教務主任から、昨年度末に実施した生徒アンケートでは、「自分の考えや質問を述べて、積極的に授業に参加している」や「根拠や理由を明確にして自分の考えを述べることができる」に肯定的な回答をした生徒が少なかったこと、また、教科主任会では、複数の教科主任から、「授業で学んだ内容を自分なりに解釈したり、これまで学習した知識と結び付けて自分の考えを形成したりすることができていない」ことが課題として挙げられたとの報告があった。 その上で、教務主任から、「今年度、各教科等の指導において、『言語活動の充実を図り、言語能力の向上を目指す』を重点事項にしたいと思います。」と示された。 職員会議終了後、教務主任からあなたに、「先ほどの重点事項に基づいて、どのように学習指導に取り組んでいくか、具体的に考える必要がありますね。」と話があった 問題 教務主任の発言を受けて、あなたならどのように学習指導に取り組んでいくか、志望する校種と教科等に即して、具体的な方策を二つ挙げ、それぞれ10行(350字)程度で述べなさい。また、まとめを含め、全体で30行(1,050字)以内で論述しなさい。ただし、26行(910字)を超えること。 |
| 【テーマB】 あなたは、生活指導・保健指導部に所属している。年度初めの生活指導・保健指導部会で、生活指導主任から、全校生徒を対象に行った学校生活アンケートでは、「自分には、良いところがある」に否定的な回答が多く見られたこと、また、各学年の生活指導担当の教員からは、「苦手なことは、挑戦せずに避けようとする生徒が多く見られる」や「学校生活の様々な場面で、自分にはできないとあきらめる生徒が多い」ことが課題として挙げられたとの報告があった。 その上で、生活指導主任から、「今年度、生活指導・保健指導部として、『生徒の自己肯定感を高められるよう、生活指導の充実を図る』を重点事項にしたいと思います。」と示された。 部会終了後、生活指導主任からあなたに、「先ほどの重点事項に基づいて、生活指導・保健指導部の一員として、どのように指導に取り組んでいくか、具体的に考える必要がありますね。」と話があった。 問題 生活指導主任の発言を受けて、あなたならどのように児童・生徒の指導に取り組んでいくか、志望する校種に即して、具体的な方策を二つ挙げ、それぞれ10行(350字)程度で述べなさい。また、その方策を考える上での問題意識を明確にし、全体で30行(1,050字)以内で論述しなさい。ただし、26行(910字)を超えること。 |
まずは気になるテーマを1つ選び、実際に時間を測って書いてみましょう。
なお、模範回答や答案の考え方をまとめた記事もあるので、気になる方はそちらも参考にしてみてください。
東京都教員採用試験の小論文対策に関するFAQ
東京都教員採用試験の小論文対策を進める中で、多くの受験者が悩みやすいポイントがあります。
ここでは、よくある質問とその対策について確認していきましょう。



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まとめ|次にやるべきこと
東京都教員採用試験の小論文は、やるべきことが想像しているよりも多いです。
過去問を眺めるだけでは、小論文を攻略することはできません。過去問を使って答案を作成し、その上で添削を受けることで徐々に上達します。
小論文で落ちる人ほど、書いたら書きっぱなしってことが多いです。答案を書いて誰にも見せないというのは、問題を解いても答え合わせをしないのと同じなので注意しましょう。
で、ここからどうするか。
過去7年分の全文解答と、回数無制限の個別添削が受けられるnoteを用意しました。「これで合ってる?」が全部クリアになります。
文字数配分、構成の作り方、評価される表現。合格答案を書くための技術を解説した記事から始めましょう。
