埼玉県教員採用試験の内容を解説します。
埼玉県では、一次試験で筆答試験(一般教養・教職科目、専門分野)、二次試験で面接試験や論文試験、実技試験などが実施されます。
とはいえ、校種や職種によって試験内容が異なるため注意が必要です。
まずは試験の全体像を確認していきましょう。
埼玉県教員採用試験の内容
埼玉県教員採用試験は、一次試験・二次試験で構成される二段階選抜方式です。
一次試験では筆記試験による基礎的な知識・技能を確認し、二次試験では人物試験を通して、教員としての人物面や実践力を評価します。
試験内容は校種・職種によって少し異なるため、最初に全体像を確認しておきましょう。
| 選考 | 試験内容 | 小 | 中 | 高 | 特 | 養 | 栄 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 一次試験 | 筆答試験(一般教養・教職科目) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
| 筆答試験(専門分野) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
| 二次試験 | 面接試験(個人面接) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
| 面接試験(集団討論) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
| 面接試験(集団面接) | ー | ー | ◯ | ◯ | ー | ー | |
| 論文試験 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
| 実技試験 | ー | △ | △ | ー | ー | ー | |
| 適性検査 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
*「ー」:実施なし
*「△」:一部の教科で実施
*一部の特別選考では一次試験で集団面接が実施されます。
配点
| 選考・検査 | 試験・検査内容 | 配点 |
|---|---|---|
| 第1次試験 | 筆答試験(一般教養・教職科目) | 100点 |
| 筆答試験(専門分野) | 100点 | |
| 第2次試験 | 面接試験(個人面接) | 100点 |
| 面接試験(集団討論) | 90点(高・特は80点) | |
| 面接試験(集団面接)※高・特のみ | 90点 | |
| 論文試験 | 50点 | |
| 実技試験(対象者のみ) | 50点 | |
| 適性検査 | ー |
一次試験の筆記試験だけでなく、二次試験の面接試験の配点が高いのが特徴です。
まずは配点の高い試験を中心に対策を進めましょう。
選考方法
埼玉県は二次試験の人物評価項目が多く設定されています。
そのため、第1次試験の筆記試験だけでなく、面接や論文試験なども含めて総合的に対策を進めることが大切です。
埼玉県教員採用試験の一次試験
埼玉県教員採用試験の一次試験では、筆答試験(一般教養・教職科目)と筆答試験(専門分野)が実施されます。
筆答試験(一般教養・教職科目)
教員として必要な基礎的教養を問う筆記試験です。
埼玉県では、「一般教養(人文・社会・自然科学・時事問題等)」と「教職科目(教育原理等)」から計44問出題されます。
| 対象校種 | 全志願区分 |
|---|---|
| 試験時間 | 60分間 |
| 問題数 | 44問 |
| 試験形式 | 択一式(マークシート) |
| 出題範囲 | 人文・社会・自然科学・時事問題等の各分野に関することや教育原理等の教職科目全般 |
| 配点 | 100点満点 |
出題範囲は広いため、やみくもに勉強を始めるのではなく、出題傾向を把握しておくことが大切です。
教職科目の出題数一覧
| 科目 | 2025年 | 2024年 | 2023年 |
|---|---|---|---|
| 教育原理 | 10 | 11 | 10 |
| 教育法規 | 6 | 5 | 6 |
| 教育心理 | 1 | 1 | 1 |
| 教育史 | 1 | 1 | 1 |
一般教養(人文・社会・自然科学)の出題数一覧
| 科目 | 2025年 | 2024年 | 2023年 |
|---|---|---|---|
| 国語 | 4 | 4 | 4 |
| 英語 | 4 | 4 | 4 |
| 音楽 | 2 | 2 | 2 |
| 美術 | 2 | 2 | 2 |
| 日本史 | 1 | 1 | 1 |
| 地理 | 1 | 1 | 1 |
| 経済 | 1 | 1 | 2 |
| 数学 | 4 | 4 | 4 |
| 物理 | 1 | 1 | 1 |
| 化学 | 1 | 1 | 1 |
| 生物 | 1 | 1 | 1 |
| 地学 | 1 | 1 | 1 |
| その他 | 3 | 3 | 2 |
教職科目では教育原理や教育法規の比重が高い一方、一般教養は幅広い分野から出題されています。
限られた学習時間で効率よく得点するためには、まず出題数の多い科目を優先して対策を進めることが大切です。
教職・一般教養の勉強方法を詳しくみる
筆答試験(専門分野)
専門分野は、志望する教科等に関する専門的な知識や技能の基礎を問う筆記試験です。
全志願区分が対象で、試験時間60分・100点満点で実施されます。
| 対象校種 | 全志願区分 |
|---|---|
| 試験時間 | 60分間 |
| 問題数 | 教科・科目による |
| 出題範囲 | 志望する教科等に関する、教員として必要な知識・技能の基礎 |
| 解答方法 | 択一式(マークシート) |
| 配点 | 100点満点 |
専門知識だけでなく、教科の基礎的な内容も出題されます。
そのため、教科の知識を身に付けるだけでなく、幅広く確認しておくことが大切です。
専門教養の勉強方法を詳しくみる
埼玉県教員採用試験の二次試験
埼玉県教員採用試験の第2次試験では、適性検査、論文試験、面接試験(個人・集団討論・集団面接)が実施され、一部の校種・教科で実技試験が加わります。
第2次試験は人物評価を重視した総合的な評価が行われます。
適性検査
適性検査では、択一式による検査が行われます。
| 対象校種 | 全志願区分 |
|---|---|
| 試験形式 | 択一式 |
教員としての対人的側面や性格特性を確認するためのものです。
特別な対策は必要ありませんので、ありのままに回答しましょう。
論文試験
論文試験は、教育課題等に関する内容についての論述です。
| 対象校種 | 全志願区分 |
|---|---|
| 試験時間 | 60分間 |
| 文字数 | 800字程度 |
| 配点 | 50点満点 |
制限時間に対して文字数が多いため、素早く構成を練り、自分の考えをまとめる文章力が求められます。
過去問を活用しながら、自分の考えを簡潔にまとめて書く練習を進めておくことが大切です。
小論文の傾向と過去5年の出題テーマを詳しくみる
個人面接
個人面接は、全志願区分を対象に実施される人物試験です。
| 対象校種 | 全志願区分 |
|---|---|
| 試験内容 | 質疑応答 ※小学校等教員、中学校等教員、養護教員、栄養教員は「場面指導」を含みます。 |
| 配点 | 100点 |
質疑応答を通して、教員としての資質や適性が総合的に評価されます。
小学校・中学校・養護・栄養教員の区分では「場面指導」が含まれるため、実際の教育現場を想定した実践的な対応力も問われます。
面接試験の対策や過去問を詳しくみる
集団討論
集団討論は、一つのテーマについて複数の受験者が参加して議論を行う試験です。
| 試験時間 | 40分 |
|---|---|
| 受験人数 | 8人 |
| 面接官 | 3人 |
| 配点 | 90点 ※高校・特別支援学校は80点 |
受験者同士のやり取りを通して、他者の意見を聞き入れる姿勢や協調性、自分の考えを論理的に伝える力などが評価されます。
集団討論の流れ
試験日に話し合うテーマが発表されます。
3分間、テーマについて考える時間が与えられます。
テーマに沿ってグループで話し合います。
試験時間は30~35分間。
※終了10分前になると意見をまとめるように指示が入ります。
集団討論の評価基準
| 項目 | 着眼点 |
|---|---|
| 積極性 | ○自分の意見を進んで述べているか。 ○討論に意欲的に参加しているか。 |
| コミュニケーション 能力 | ○討論の進展に沿って、発言しているか。 ○他の人の意見を尊重しながら発言しているか。 |
| 貢献度 | ○方向性を示すなどして討論を活性化させたか。 ○テーマについて建設的な発言をしたか。 |
| 表現力 | ○発言が簡潔明瞭で、声量や速さが適当か。 ○相手が理解できるように工夫して発言しているか。 |
| 誠実さ | ○言葉遣いが適切であるか。 ○礼儀正しく、落ち着きがあるか。 |
これらの観点に沿って評価され、最終的に90点満点(高校・特支は80点)で採点となります。
集団討論の過去問
| 小学校 | あなたたちは、同じ学校に勤める教員です。あなたたちの勤める学校では、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を学校の研究課題としています。これを具現化するために、どのような取組が考えられますか。グループとしての意見をまとめなさい。 あなたたちは、同じ学校に勤める教員です。あなたたちの勤める学校では、自分の感情や思いをうまく表現することができない児童が多く、コミュニケーション能力の育成が課題となっています。学校全体で児童のコミュニケーション能力を育成する上で、どのような教育実践を行いますか。グループとしての意見をまとめなさい。 あなたたちは、同じ学校に勤める教員です。あなたたちの勤める学校では、県内外で発生する教職員事故を受けて、若手教職員が主体となり、不祥事防止研修会を行うことになりました。不祥事防止を実効性のあるものとするために、どのような研修を行いますか。グループとしての意見をまとめなさい。 |
|---|---|
| 中学校 | |
| 養護教諭 | |
| 栄養教諭 | |
| 高等学校 | あなたが勤める学校では、夏季休業明けの児童生徒同士の会話の中で、消極的・否定的な言葉を使用している様子が目立つようになりました。この状況を改善するために、どのような取組が考えられますか。グループとしての意見をまとめなさい。 あなたが勤める学校では、教職員の不祥事を根絶するために教職員自身がチームとしてできることを話し合い、継続的に実践していくことになりました。不祥事防止のための具体策として、どのような取組が考えられますか。グループとしての意見をまとめなさい。 あなたが勤める学校では、インターネット上のいじめを未然に防止することが課題となっています。この課題を解決するために、どのような取組が考えられますか。グループとしての意見をまとめなさい。 |
| 特別支援 |
集団討論の対策方法を詳しくみる
集団面接
集団面接は5人程度の受験者が一つのグループとなり、同時に面接を受ける形式です。 提出する志願書に沿って自己PRや志望動機などに関する質問がなされます。
| 対象校種 | 高等学校等教員、特別支援学校教員 |
|---|---|
| 試験内容 | 5人程度の集団で、質疑応答(「場面を想定した実演」を含みます。) |
| 配点 | 90点 |
複数の受験者が同時に質疑応答を行う形式で、他者の回答を聞く態度なども見られます。また、「場面を想定した実演」が含まれるため、生徒や保護者に対する具体的な声かけや対応力が確認されるのが特徴です。
集団面接の評価基準
| 項目 | 着眼点 |
|---|---|
| 積極性 | ・物事に自ら率先して取り組む姿勢があるか。 ・発言の内容は建設的であるか。 |
| 意欲・情熱 | ・教師になりたいという意欲がうかがえるか。 ・児童生徒に対する教育的愛情が感じられるか |
| 論理性 | ・論理が一貫しているか。 ・質問に正対した応答ができているか。 |
| 表現力 | ・発言が簡潔明瞭で、声量や速さが適当か。 ・誠実さが感じられるか。 |
| 責任感 | ・教育者としての責任をもっているか。 ・児童生徒・保護者から信頼される人物か。 |
こういった着眼点は一人では判断できません。
なので、必ず1回は教職経験のある人に見てもらってくださいね。
集団面接の過去問
ここでは、過去の面接試験で具体的に聞かれた質問をまとめています。自分なりの回答を練って対策をはじめましょう!
- 受験番号と名前を言ってください。
- 自己PRを30秒間でしてください。
- どんな教員になりたいですか。
- 短所は何ですか。
- 理想の教員像とそれを実現するために努力していること
- 最初の授業における冒頭部分を1分間でやってみてください。
- 新人教師に期待されることは何だと思いますか。
- 残業が発生しそうな業務がたくさんあったらどうしますか。
- 生徒と信頼関係を築くにはどうすればいいですか。
- 保護者からのクレームにはどのように対応しますか。
- 夏休み前のホームルームでどのように対応しますか。
- 最近の気になるトピックはありますか。
- 教育問題で関心のある話はありますか。
- 先輩教員と意見が食い違ったらどうしますか。
- 5年後、10年後の教員ライフを教えてください。
- リーダー経験を教えてください。
- 校務分掌を任されたときどのように対応しますか。
- 最後の一言ずつ言ってください。
集団面接の対策方法を詳しくみる
実技試験
実技試験は、受検する教科に応じた実技の能力をみるために実施されます。(一部の教科のみ)
| 対象校種 | 中学校等教員・高等学校等教員 | |
|---|---|---|
| 対象教科 | 中(理科・音楽・美術・保健体育・技術・家庭・英語) 高(保健体育・音楽・美術工芸・書道・英語) | |
| 試験内容 | 理科・音楽・美術 | 理科(観察・実験)、音楽(弾き歌いと場面指導等)、美術・美術工芸(平面・立体表現、絵画制作等) |
| 保健体育 | マット運動、バスケットボール、ハードル走、ソフトボール、柔道、ダンスなど指定種目 | |
| 技術・家庭 | 技術(木材を用いた製作、プログラミング等)、家庭(布を用いた製作、日常食の調理等) | |
| 英語 | 英文の音読、英問英答、英語による場面指導・個人面接など | |
| 書道 | 漢字・仮名の臨書、創作等 | |
| 配点 | 50点 | |
埼玉県教員採用試験の情報を配信しています。倍率や試験結果、過去問分析などをまとめていますので、受験対策に活用してください。
埼玉県教員採用試験の合格に向けて今から始めたいこと
埼玉県教員採用試験では、筆答試験(一般教養・教職科目)・筆答試験(専門分野)・論文試験・面接試験など、さまざまな試験が実施されます。
まずは自分が受験する校種・教科の試験内容を確認したうえで、配点や選考方法を踏まえて優先順位を決めることが大切です。
特に専門分野や面接試験は合否に大きく影響するため、早めに対策を始めておきましょう。
他の自治体の試験内容については、以下の記事でまとめています。


