- 「倍率2.7倍なら大分県教員採用試験は簡単だろう」
- 「いや、倍率が下がっても人物重視だから難しいのでは…」
情報が錯綜して、結局どちらなのか不安に感じている方も多いでしょう。
結論から言うと、大分県教員採用試験は数字上の競争率(倍率)は過去最低水準ですが、合格のハードルは決して低くありません。
本記事では、最新データをもとに難易度と教科別の倍率を徹底解説します。さらに筆記試験から面接まで、合格ラインを確実に超えるための具体的な対策手順もまとめました。
この記事を読むことで、受験する教科の難易度が正確に分かり、合格に向けて「いつ、何をすればいいか」が明確になります。
合格への第一歩を踏み出すためのガイドとして、ぜひお役立てください。
【結論】大分県教員採用試験は難しい
倍率が下がっているとはいえ、大分県の教員採用試験は依然として難しいのが現実です。
数字上のライバルが減っても、クリアすべき基準が高いままだからです。
具体的に、難しいと言える理由は以下の3点です。
1. 倍率が低くても「基準」に届かなければ落ちる
「倍率1倍台なら、だいたい受かるだろう」
そう考える方も多いかもしれません。しかし、油断は禁物です。
令和8年度の全体倍率は2.7倍(詳細なデータはこちら)と低い水準ですが、選考において一定の基準点(足切りライン)が存在します。
つまり、たとえ定員割れに近い状態や低倍率の教科であっても、実力が基準に達していなければ不合格になるのです。
2. 試験科目が多く、対策の負担が大きい
シンプルに「対策すべきことが多い」点も理由の一つです。
大分県の選考を突破するには、以下の要素をクリアしなくてはなりません。
- 教職教養(教育原理・法規など)
- 専門教養(大学入試レベルの教科知識)
- 面接(個人面接・模擬授業等)
- 実技(中高の保体・音楽・美術・英語など)
働きながら、あるいは大学の授業と並行して、これら全ての対策を進める必要があります。
3. 人物重視のため、筆記の努力だけでは決まらない
もっとも対策が難しいのが「人物評価」の比重が高いことです。
筆記試験で高得点を取っても、面接で「教員としての適性なし」と判断されれば合格できません。
勉強量が得点に直結する筆記と違い、面接は努力が成果に見えにくく、合否が読めないという難しさがあります。
【最新】大分県教員採用試験の実施状況(結果)
大分県教員採用試験の難しい理由を踏まえつつ、最新データから全体像を確認していきましょう。
- 最終倍率を掲載:受験者の実感に近い難易度を示すため、大分県教育委員会が発表している「受験者数÷合格者数」で算出しています。
- 夏試験のみ対象:「大学3年生前倒し選考」「秋冬選考」などのデータは除外しています。
【令和8年度】全体の実質倍率は2.7倍
結論、令和8年度(2025年実施)の全体倍率は2.7倍でした。
昨年度(2.6倍)からわずかに上昇しましたが、依然として過去最低水準が続いています。
【令和8年度(2025年実施)】全体の実質倍率
- 受験者数:1,217人
- 合格者数:454人
- 最終倍率:2.7倍
ここで注意したいのは、「全体倍率2.7倍」という数字だけを見て簡単だと思わないことです。
合格者が確保されているのは事実ですが、それはあくまで基準をクリアした人が合格している結果に過ぎません。
大分県の教員採用試験では、筆記・面接すべての科目で一定のレベルを超える必要があります。受験者が減少傾向にあっても、準備不足の人は確実に不合格になります。
要するに、「倍率が低い=受かりやすい」ではありますが、「倍率が低い=誰でも合格できる」ではないことを覚えておきましょう。
▼大分県の倍率を全国と比較したい方は、こちらの記事を参考にしてください。


【過去7年間】倍率の推移
長期的に見ると、大分県の倍率は低下傾向にあることが分かります。
| 採用年度 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 令和8年度 | 1,217 | 454 | 2.7 |
| 令和7年度 | 1,062 | 407 | 2.6 |
| 令和6年度 | 1,263 | 413 | 3.1 |
| 令和5年度 | 1,189 | 451 | 2.6 |
| 令和4年度 | 1,303 | 453 | 2.9 |
| 令和3年度 | 1,465 | 495 | 3.0 |
| 令和2年度 | 1,545 | 434 | 3.6 |
令和6年度までは3倍台になることもありましたが、直近では2倍台後半で推移しています。
これは比較的広き門になりつつあることを示しており、受験者にとっては大きなチャンスと言えます。
【校種別】難易度の差は大きい
全体倍率が2.7倍でも、校種ごとの状況は大きく異なります。
小学校は1.4倍で非常に低めですが、小中連携は5.5倍、養護教諭は13.2倍と高倍率です。
| 校種 | 受験者数 (人) | 合格者数 (人) | 倍率 (倍) |
|---|---|---|---|
| 小学校 | 234 | 170 | 1.4 |
| 小中連携 | 22 | 4 | 5.5 |
| 中学校 | 326 | 107 | 3.0 |
| 高等学校 | 327 | 64 | 5.1 |
| 特別支援 | 94 | 49 | 1.9 |
| 養護教諭 | 132 | 10 | 13.2 |
| 栄養教諭 | 16 | 2 | 8.0 |
| 特別選考 | 66 | 48 | 1.4 |
つまり、大分県教員採用試験の難易度を把握するには、全体倍率ではなく、自分が受験する校種・教科の倍率を確認することが極めて重要です。
次のセクションでは、教科ごとの詳細な倍率を詳しく解説します。
【教科別】大分県教員採用試験の倍率推移
最新(令和8年度)の結果を見てきましたが、単年のデータだけでは、試験が易化したのか偶然の結果なのか判断しづらいです。
そこで、過去の倍率がどう推移してきたのかもチェックし、長期的な難易度の傾向を確認していきましょう。
以下に全教科のデータをまとめました。
下のリンクから直接確認できます。
小学校教諭の倍率推移
令和2(2019)~8年度(2025年実施)小学校教諭の倍率をまとめました。
| 採用年度 (実施年) | 受験者数 (人) | 合格者数 (人) | 倍率 (倍) |
|---|---|---|---|
| 令和8年度 (2025年) | 234 | 170 | 1.4 |
| 令和7年度 (2024年) | 208 | 160 | 1.3 |
| 令和6年度 (2023年) | 232 | 160 | 1.5 |
| 令和5年度 (2022年) | 198 | 159 | 1.2 |
| 令和4年度 (2021年) | 254 | 193 | 1.3 |
| 令和3年度 (2020年) | 271 | 199 | 1.4 |
| 令和2年度 (2019年) | 332 | 200 | 1.7 |
小中学校連携の倍率推移
小中学校連携区分の教科別データです。
中学校教諭の倍率推移
令和2(2019)~8年度(2025年実施)中学校教諭の倍率を教科別にまとめました。
まずは、中学校全体の倍率を確認しましょう。
▼中学校全体の倍率推移
| 採用年度 (実施年) | 受験者数 (人) | 合格者数 (人) | 倍率 (倍) |
|---|---|---|---|
| 令和8年度 (2025年) | 326 | 107 | 3.0 |
| 令和7年度 (2024年) | 297 | 105 | 2.8 |
| 令和6年度 (2023年) | 345 | 102 | 3.4 |
| 令和5年度 (2022年) | 337 | 125 | 2.7 |
| 令和4年度 (2021年) | 352 | 106 | 3.3 |
▼教科別の倍率推移
以下で教科別の詳細倍率を確認できます。
| 教科 | R8 | R7 | R6 | R5 | R4 |
|---|---|---|---|---|---|
| 国語 | 1.9 | 1.6 | 2.3 | 2.3 | 2.5 |
| 社会 | 3.2 | 2.9 | 3.4 | 2.9 | 4.5 |
| 数学 | 4.4 | 3.2 | 2.4 | 2.7 | 3.0 |
| 理科 | 1.2 | 1.2 | 2.0 | 1.8 | 2.1 |
| 音楽 | 3.0 | 3.5 | 8.3 | 4.6 | 4.4 |
| 美術 | 2.6 | 2.3 | 3.0 | 1.7 | 4.0 |
| 保体 | 8.3 | 6.8 | 7.7 | 4.8 | 7.9 |
| 技術 | 1.3 | 1.0 | 1.0 | 1.0 | – |
| 家庭 | 1.7 | 3.3 | 3.0 | 2.2 | 2.0 |
| 英語 | 2.0 | 2.0 | 2.5 | 1.5 | 1.8 |
- 区分をタップすると詳細を確認できます。
高校教諭の倍率推移
令和2(2019)~8年度(2025年実施)高校教諭の倍率を教科別にまとめました。
まずは、高等学校全体の倍率を確認しましょう。
▼高校全体の倍率推移
| 採用年度 (実施年) | 受験者数 (人) | 合格者数 (人) | 倍率 (倍) |
|---|---|---|---|
| 令和8年度 (2025年) | 327 | 64 | 5.1 |
| 令和7年度 (2024年) | 309 | 53 | 5.8 |
| 令和6年度 (2023年) | 388 | 46 | 8.4 |
| 令和5年度 (2022年) | 377 | 45 | 8.4 |
| 令和4年度 (2021年) | 398 | 40 | 10.0 |
以下で教科別の詳細倍率を確認できます。
▼教科別の倍率推移
| 教科 | R8 | R7 | R6 | R5 | R4 |
|---|---|---|---|---|---|
| 国語 | 4.5 | 4.0 | 6.8 | 9.3 | 18.0 |
| 世界史 | 7.0 | 13.0 | 10.0 | 7.5 | 12.0 |
| 日本史 | 10.0 | 10.1 | 15.0 | 6.0 | 6.5 |
| 地理 | 5.5 | 5.0 | 3.5 | 3.5 | 4.0 |
| 公民 | 9.0 | 6.0 | 12.0 | 13.0 | 11.0 |
| 数学 | 5.4 | 4.9 | 9.3 | 11.8 | 11.4 |
| 物理 | 5.7 | 8.0 | 15.0 | 14.0 | 11.0 |
| 化学 | 1.3 | 3.0 | 5.7 | 8.0 | 8.5 |
| 生物 | 3.0 | 3.0 | 6.0 | 4.5 | 5.0 |
| 英語 | 4.7 | 6.8 | 7.3 | 7.3 | 12.0 |
| 保体 | 21.8 | 38.0 | 45.5 | 27.3 | 30.3 |
| 家庭 | 5.0 | 6.0 | 7.0 | 9.0 | 5.0 |
| 音楽 | 6.0 | – | 13.0 | 12.0 | 9.0 |
| 美術 | 8.0 | 3.0 | 9.0 | 8.0 | 7.0 |
| 書道 | 12.0 | 10.0 | 12.0 | 12.0 | 8.0 |
| 商業 | 3.3 | 2.7 | 6.0 | 9.0 | 18.0 |
| 情報 | 2.0 | 11.0 | 8.0 | 3.5 | 9.0 |
| 農業(作園) | 1.3 | 2.3 | 2.3 | 7.0 | 6.0 |
| 農業(畜産) | – | 1.0 | – | – | – |
| 工業(機械) | 1.3 | 2.0 | 1.3 | 2.0 | 4.0 |
| 工業(電気) | 1.3 | 2.3 | 2.7 | 3.0 | 2.0 |
| 工業(建築) | 2.0 | 3.0 | 5.0 | 4.0 | 3.0 |
| 工業(土木) | – | – | – | – | 1.0 |
| 工業(工化) | – | 2.0 | – | 1.0 | – |
| 工業(デザ) | – | 2.0 | – | – | – |
| 福祉 | 2.0 | 2.0 | 4.0 | 3.0 | 5.0 |
| 水産(機関) | – | – | – | 1.0 | – |
| 水産(食品) | – | – | – | 1.0 | – |
| 水産(航海) | – | 1.0 | 1.0 | – | – |
- 区分をタップすると詳細を確認できます。
特別支援学校の倍率推移
令和2(2019)~8年度(2025年実施)特別支援学校の倍率を部別にまとめました。
まずは、特別支援学校全体の倍率を確認しましょう。
▼特別支援学校全体の倍率推移
| 採用年度 (実施年) | 受験者数 (人) | 合格者数 (人) | 倍率 (倍) |
|---|---|---|---|
| 令和8年度 (2025年) | 94 | 49 | 1.9 |
| 令和7年度 (2024年) | 61 | 40 | 1.5 |
| 令和6年度 (2023年) | 79 | 37 | 2.1 |
| 令和5年度 (2022年) | 80 | 48 | 1.7 |
| 令和4年度 (2021年) | 110 | 50 | 2.2 |
以下で学部別の詳細倍率を確認できます。
▼学部別の倍率推移
養護教諭の実質倍率推移
令和2(2019)~8年度(2025年実施)養護教諭の倍率をまとめました。
| 採用年度 (実施年) | 受験者数 (人) | 合格者数 (人) | 倍率 (倍) |
|---|---|---|---|
| 令和8年度 (2025年) | 132 | 10 | 13.2 |
| 令和7年度 (2024年) | 104 | 10 | 10.4 |
| 令和6年度 (2023年) | 103 | 13 | 7.9 |
| 令和5年度 (2022年) | 91 | 17 | 5.4 |
| 令和4年度 (2021年) | 103 | 17 | 6.1 |
| 令和3年度 (2020年) | 114 | 27 | 4.2 |
| 令和2年度 (2019年) | 98 | 16 | 6.1 |
栄養教諭の実質倍率推移
令和2(2019)~8年度(2025年実施)栄養教諭の倍率をまとめました。
| 採用年度 (実施年) | 受験者数 (人) | 合格者数 (人) | 倍率 (倍) |
|---|---|---|---|
| 令和8年度 (2025年) | 16 | 2 | 8.0 |
| 令和7年度 (2024年) | 14 | 1 | 14.0 |
| 令和6年度 (2023年) | 25 | 1 | 25.0 |
| 令和5年度 (2022年) | 31 | 5 | 6.2 |
| 令和4年度 (2021年) | 22 | 5 | 4.4 |
| 令和3年度 (2020年) | 29 | 6 | 4.8 |
| 令和2年度 (2019年) | 18 | 3 | 6.0 |
大分県教員採用試験に合格するには?
結論から言うと、倍率は無視して「合格基準を超えること」だけに集中してください。
倍率が何倍であろうと、やるべき準備は変わらないからです。
大分県教育委員会が求めているのは「定員を埋める人」ではなく「求める教員像に合致する人」です。
具体的には、以下の資質・適正を持つ人物です。
- 「専門的知識と指導力」
- 「使命感と倫理観」
- 「柔軟性と創造力」
- 「学校組織の一員としての行動力」
ここからは、合格基準を超えるための「試験区分別の攻略法」を解説します。
教養試験は「教育原理・法規」で8割を狙う
大分県の教養試験(教職・一般教養)の攻略法は、出題の6割以上を占める「教育原理」と「教育法規」を完璧にすることです。
一般教養(国数社理など)は範囲が広い割に出題数が少ないため、深入りせず、教職教養科目を得点源にするのが効率的です。
教養試験の概要
まずは、試験時間や配点などの概要をサッと確認しましょう。
| 試験日 | 第1次試験(6月中旬) |
|---|---|
| 対象校種 | 全校種共通 |
| 試験時間 | 50分 |
| 問題数 | 50問 |
| 出題範囲 | ①教職教養(原理・法規・心理・史・ローカル) ②一般教養(人文・社会・自然科学) |
| 解答方法 | 択一式(マークシート) |
| 配点 | 50点満点 |
科目別の出題数一覧
過去3年間の出題内訳は以下の通りです。教職教養だけでなく、一般教養も科目ごとに傾向があるため確認しておきましょう。
| 科目 | R7年度 | R6年度 | R5年度 |
|---|---|---|---|
| 教育原理 | 17 | 16 | 17 |
| 教育法規 | 10 | 12 | 12 |
| 教育心理 | 5 | 5 | 5 |
| 教育史 | 3 | 4 | 3 |
| 大分県施策 | – | 3 | 3 |
| 国語 | 3 | 2 | 2 |
| 英語 | 2 | 1 | 1 |
| 数学 | 3 | 3 | 2 |
| 日本史 | 2 | 1 | 1 |
| 地理 | 1 | 2 | 2 |
| 世界史 | – | – | – |
| 政治 | 1 | – | – |
| 経済 | 1 | – | – |
| 倫理 | – | 1 | – |
| 国際関係 | – | – | 1 |
| 物理 | 1 | – | – |
| 化学 | – | – | 1 |
| 生物 | – | – | – |
| 地学 | 1 | – | – |
| 合計 | 50 | 50 | 50 |
表を見ると、「教育原理」と「教育法規」だけで全体の約半数以上を占めていることがわかります。
一般教養(国語や数学など)は、年度によって出題科目にバラつきがあります(例:R7は政治・経済が出題され、R6は倫理が出題など)。
特定の科目に時間をかけすぎず、配点の高い教職教養を最優先に対策することが合格への近道です。
▼教職教養の具体的な勉強方法は以下の記事で解説しています。


専門試験は配点が高い「最重要科目」
大分県の第1次試験において、専門試験は配点が教養試験の2倍(100点満点)あり、合否に直結します。
足切り(基準点)もあるため、苦手分野を作らず、確実に得点源にする必要があります。
専門試験の概要
試験時間や配点などの概要を把握しましょう。
| 試験日 | 第1次試験 |
|---|---|
| 対象校種 | 全校種・教科 |
| 試験時間 | 70分 |
| 問題数 | 教科・科目による(一部記述あり) |
| 出題範囲 | ①志望校種・教科の専門知識 ②志望校種・教科の学習指導要領 |
| 解答方法 | 択一式および一部記述(数値記入等) |
| 配点 | 100点満点 |
【要注意】合格ラインと基準点
大分県では、教養試験と専門試験の合計点で合否が決まりますが、以下の基準点を下回ると即不合格となります。
- 教養試験:得点率30%(15点)以下
- 専門試験:得点率30%(30点)以下
小学校全科などでは、幅広い教科から出題されるため、苦手教科を放置すると基準点割れのリスクがあります。
過去問演習を通じて、全範囲の基礎を固めることが合格への近道です。
▼専門教養の具体的勉強法や参考書は以下の記事で解説しています。


模擬授業・面接は「実践的指導力」が問われる
大分県の第2次試験は、人物重視の傾向が非常に強く、面接・模擬授業の配点が合否の大部分を占めます。
特に「模擬授業(場面指導)」と「個人面接Ⅰ・Ⅱ」の2段構えで、徹底的に資質能力を見られます。
第2次試験の概要
面接試験は「面接Ⅰ(模擬授業含む)」と「面接Ⅱ」に分かれています。
| 試験内容 | 模擬授業・面接Ⅰ | 面接Ⅱ |
|---|---|---|
| 形式 | 模擬授業(養護は場面指導) + 口頭試問(面接Ⅰ) | 自己紹介書に基づく個人面接 |
| 試験時間 | 模擬授業等 + 面接 | 個人面接 |
| 配点 | 模擬授業 180点 面接Ⅰ 120点 | 200点 |
| 評価の観点 | ・授業構成力・指導技術 ・専門的知識 ・使命感、倫理観、人間性 | |
模擬授業(場面指導)の対策
模擬授業のテーマは、例年7月上旬から中旬にホームページで事前公表されます。
テーマに基づいた授業案を練り、「子供の反応」を想定した演技ができるかが重要です。
単なる説明ではなく、児童生徒に寄り添い、思考を促す発問ができているかが評価されます。
個人面接の質問例
過去の質問例を見て、自分の言葉で「経験」や「考え」を語れるように準備しましょう。
- 教員採用試験を受けるのは初めてですか?
- なぜ大分県の教員を志望しましたか?
- あなたの長所は何ですか?また、それを教員としてどう活かしますか?
- その長所を活かして困難を乗り越えた経験はありますか?
- 緊張しやすいタイプですか?いつもどのように緊張をほぐしますか?
- 併願はしていますか?全て合格したらどこに行きますか?
- 児童生徒のいじめに気づいた時、まずどう対応しますか?
- 保護者から理不尽な要求があった場合、どう対応しますか?
ポイントは、「コンピテンシー(行動特性)」をアピールすることです。
抽象的な理想論ではなく、具体的な過去の行動や経験に基づいて回答することで、説得力が増します。
▼面接官の視点や回答のコツについては、以下の記事で徹底解説しています。


実技試験は「確かな技能」と「表現力」
実技試験は、対象教科(音楽・保体・美術・英語・書道・技術・家庭など)のみ実施されます。
配点は50点(養護は80点)と他より低いですが、ここでの失点は致命傷になりかねません。
実技試験の概要
| 試験日 | 第2次試験 |
|---|---|
| 主な内容 | ・英語:英会話(スピーキング) ・音楽:弾き歌い、楽曲演奏 ・保体:体つくり運動、水泳(50m)等 ・美術:デッサン、水彩画 ・家庭:被服製作、調理実習 |
例えば音楽の「弾き歌い」や保体の「水泳」など、一朝一夕では身につかない技能が求められます。
1次試験対策と並行して、少しずつ準備を進めておくことが重要です。
以上が大分県教員採用試験の内容と攻略法です。
やることが多くて不安に思うかもしれませんが、「専門試験の過去問」と「教育原理・法規の暗記」から着実に進めていきましょう。
【日程】大分県教員採用試験の対策はいつから始める?
大分県教員採用試験に合格するには、本試験日から逆算して学習計画を立てることが重要です。
結論から言うと、対策を始める時期は試験の約1年前(夏〜秋くらい)が理想です。
余裕を持って確実に合格ラインを超えるには、以下のスケジュール感を意識してください。
合格への対策ロードマップ
まずは過去問を解き、敵を知ることから始めます。
勉強時間の多くは配点の高い「専門試験」の基礎学習に使いましょう。
年明けから「教育原理・法規」の暗記を本格化させます。
同時に、自己分析(なぜ教師になりたいか)の言語化や、2次試験に向けた模擬授業のイメージトレーニングを始めます。
電子申請で願書を提出します。大分県はGW明けまでが出願期間です。
学習面では過去問を時間を計って解き、得点力を磨きます。特に教職教養の暗記科目を詰め込む時期です。
1次試験(6月中旬)が終わったら、すぐに2次対策へ切り替えます。
大分県では1次試験の結果発表から2次試験まで約2週間しかありません。発表を待たず、模擬授業の練習と面接カードの作成を進めるスピード感が重要です。
【最新】令和8年度 試験日程一覧
令和8年度採用(令和7年実施)のスケジュールは以下のとおりです。
| 出願期間 | 令和7年4月7日(月)~5月7日(水) |
|---|---|
| 1次試験 | 令和7年6月15日(日) |
| 1次試験 合格発表 | 令和7年7月15日(火) |
| 2次試験 | 令和7年8月1日(金)~9日(土) ※指定された日 |
| 最終 合格発表 | 令和7年8月29日(金) |
【要注意】一次発表後の「面接対策」では手遅れ
スケジュールで最も注意すべき点は、一次試験の合格発表から二次試験まで約10日しかないことです。
合格発表と同時に面接票が届き、すぐに提出期限が来ます。発表を待ってから対策を始めたのでは間に合いません。
多くの合格者は、一次試験が終わった翌日から切り替えて二次対策をスタートさせています。「自分は受かっている」と信じて、早めの準備を心がけてください。
大分県教員採用試験のよくある質問(FAQ)
ここまで解説した項目のほかに、志望者から寄せられる質問をまとめています。
合格ラインは?
大学3年生でも受験できますか?
はい、令和8年度試験より大学3年生の一般選考受験が可能になりました。
受験できるのは「第1次試験のみ」ですが、合格すれば翌年の第1次試験が免除されます(条件あり)。早期合格を目指すチャンスですので、積極的に活用しましょう。
他の自治体との併願は可能ですか?
はい、可能です。
大分県の第1次試験は6月中旬に実施されるため、7月に試験がある他の多くの自治体と日程が重ならず、併願しやすいスケジュールになっています。
また、大分県は県外会場(東京・大阪・福岡)も設置しているため、遠方からの受験もしやすくなっています。
▼全自治体の日程を以下の記事で一覧にしています。
まとめ|大分県教員採用試験の難易度と合格へのポイント
本記事の結論として、大分県教員採用試験は人物重視の実践的な試験です。
特に2次試験の配点が高く、模擬授業や面接でのパフォーマンスが合否を分けます。しかし、まずは1次試験を突破しなければその土俵には立てません。
最後に、「合格者が実践している3つの鉄則」をおさらいしましょう。
- 教養試験:「教育原理・法規」を完璧にし、得点の8割を確保する。
- 専門試験:配点が高いため、早期から過去問分析を行い苦手分野をなくす。
- 面接対策:大分県の「求める教員像」を理解し、模擬授業・面接の練習を繰り返す。
倍率が低くても、準備不足なら不合格です。しかし、正しい手順を踏めば倍率に関係なく合格できる試験でもあります。
「いつかやろう」ではなく、今日から行動を始めましょう。
▼次に読むべき記事



不安のある分野からで構いません。
クリックした先が、合格への次の一歩です。
