横浜市の公立学校で教員を目指している方に向けて、教員採用選考試験の内容(第1次試験・第2次試験)をわかりやすく整理しました。
選考スケジュールや実施状況(結果)など、受験に必要な情報をまとめています。これから準備を始める方の役に立つはずです。
出題傾向や選考方法を理解しないまま勉強を進めてしまうと、効率が悪くなってしまいます。
まずは横浜市教員採用試験の試験制度を正しく把握することから始めていきましょう。
横浜市教員採用試験の内容
横浜市教員採用試験では、筆記試験だけでなく、面接試験や模擬授業など複数の試験が課されます。
試験は第1次試験と第2次試験の2段階で行われ、二次試験の結果で最終合格者が決定されます。
主な試験内容は以下のとおりです。
| 選考方法 | 試験種目 | 配点 |
|---|---|---|
| 第1次試験 | 一般教養・教職専門試験 | 100点 |
| 教科専門試験 | 100点 | |
| 適性検査 | web実施 | |
| 第2次試験 | 模擬授業(※1) | 100点 |
| 個人面接 | ||
| 論文試験(※2) | 100点 | |
| 実技試験(対象教科のみ ※3) | 20〜45点 |
(※1 養護教諭は模擬授業の代わりに模擬対応(場面指導)を実施。
※2 論文試験は第1次試験日に全員に実施し、第2次試験で採点されます。
※3 中学校・高等学校教諭の音楽・保健体育・英語が対象です。)
第1次試験
横浜市教員採用試験の第1次試験では、一般教養・教職専門試験、教科専門試験、適性検査が実施されます。
論文試験も同日に実施されますが、評価は第2次試験の扱いとなります。
一般教養・教職専門試験
横浜市教員採用試験の一般教養・教職専門試験は、教員として必要な基礎知識を問う筆記試験です。
全校種・教科共通の試験問題で、試験時間60分・100点満点で実施されます。
| 対象校種 | 全校種共通 |
|---|---|
| 試験時間 | 60分間 |
| 出題形式 | 択一式(マークシート) |
| 出題範囲 *数字は出題数 | 教職科目(教育原理⑤、教育心理⑤、教育法規⑤) |
| 人文科学(国語④、英語②、音楽①、美術①) | |
| 社会科学(日本史②、地理②、政治③、経済①) | |
| 自然科学(数学④、物理①、化学①、生物①、地学①) | |
| 配点 | 100点 |
まずは過去問を3〜5年分解いて出題傾向を把握し、教育法規や国数数などの頻出科目・分野に絞って勉強するのが効率的です。
参考書で頻出の1テーマ覚えたらすぐ問題演習で確認し、間違えた部分を繰り返し復習します。1日30分でも回転させることで、安定して得点できるようになりますよ。
なお、詳しい出題傾向や勉強方法は、「横浜市教員採用試験|一般教養・教職専門の出題傾向と学習ロードマップ」を参考にしてください。
教科専門試験
横浜市教員採用試験の教科専門試験は、志望する校種・教科の専門知識と指導力を問う筆記試験です。
全校種・教科が対象で、試験時間60分・100点満点で実施されます。
| 対象校種 | 全校種・教科 |
|---|---|
| 試験時間 | 60分 |
| 問題数 | 教科・科目による |
| 出題範囲 | ①志望校種・教科の知識・技能 ②学習指導方法等の基礎 |
| 解答方法 | 択一式(マークシート) |
| 配点 | 100点満点 |
専門知識だけでなく学習指導要領も出題範囲に含まれます。教科の知識と合わせて対策が必要です。
解答方法は択一式のため、正確な知識をもとに素早く判断する力が求められます。過去問や問題集を繰り返し解き、出題パターンやひっかけの傾向に慣れておくことが重要です。
なお、詳しい勉強方法は、「教員採用試験の専門教養(科目)とは?試験内容や勉強方法を徹底解説」を参考にしてください。
論文試験
横浜市教員採用試験の論文は、教育に対する考え方や課題への対応力、論理的に表現する力を評価する試験です。
試験時間は45分間・800字で仕上げる必要があります。



第1次試験合格者のみ採点されます。
| 対象校種 | 全校種共通 |
|---|---|
| 試験時間 | 45分 |
| 文字数 | 800字 |
| 問題数 | 1題 |
| 評価の定義 | 10段階評価 |
限られた時間内で書き切るためには、最初に構成(序論→本論→結論)を固めてから書き始めることが重要です。
時間配分を意識し、少なくとも一度は45分で書き切る練習をしておきましょう。まずは過去テーマで1本書いてみて、自分の型を作ることから始めてください。
なお、過去の出題テーマや評価基準は、「横浜市教員採用試験|小論文の傾向と過去5年の出題テーマ」を参考にしてください。
第2次試験
横浜市教員採用試験の第2次試験では、模擬授業、個人面接、論文試験(一次で済)が実施され、一部の教科では実技試験が加わります。
- 模擬授業
- 個人面接
- 論文試験(一次試験で実施済)
- 実技試験(対象教科のみ)
模擬授業
横浜市教員採用試験の模擬授業は、志望校種・教科の専門的な指導ができるかどうかを評価する人物試験です。
実際の授業のように、一定の時間内で指定されたテーマや教科について教えることが求められます。



養護教諭の場合は模擬場面指導となります!
| 試験時間 | 8分間(準備、片付けの時間は含みません。) |
|---|---|
| 面接官 | 2人 |
| 評価方法 | 100点満点 *面接員2名の評定(A~E)の平均点を得点とする。 |
模擬授業のテーマ(2026年実施課題)
| 小学校 | 小学校における教科の授業(道徳、外国語活動、総合的な学習の時間・特別活動は除く) |
|---|---|
| 中学校 高等学校 | 中学校における受験教科の授業(道徳、総合的な学習の時間・特別活動は除く) |
| 特別支援 | 特別支援学校における教科の授業(道徳、外国語活動、総合的な学習の時間、総合的な探求の時間、特別活動・自立活動は除く) |
| 高等学校 | 高等学校における受験教科の授業(総合的な探求の時間・特別活動は除く) |
授業を始める際に、学年、教科、障害種等を発表してから実施します。
授業の設定
- 学年、教科(小学校)、受験教科、障害種等については自由に設定。ただし、朝の会等の短い時間や、個別支援学校(特別支援学級)、通級指導教室の設定はできません。
- 面接員を児童生徒に見立てて授業をしてください。ただし、机間指導は禁止します。
- 号令・あいさつなどは不要です。授業そのものを行ってください。
- 導入、展開、まとめのどの文節を取り出して行っても構いません。
その他(留意事項)
- 普通教室で行う授業を想定してください。
- 教室内の黒板およびチョーク(白・黄)またはホワイトボード、ホワイトボードマーカー(黒・赤)を使用できます。
- 「模擬授業テーマ兼メモ用紙」は試験教室内に持ち込み可能です。なお、所定の様式を使用しない場合でも、A4用紙1枚まで(両面印刷可。貼付禁止。)を限度とします。
- 持込資料を見ながら授業を行っても構いません。面接員への提出は不要です。
- 面接員とは、授業の中での指示や発問等のやりとりをすることもできます。
- 試験教室内には机の置かれていない場所がありますが、その場所に面接員以外の児童生徒がいる想定で授業を行っても構いません。ただし、その場合は、面接員以外の児童生徒とのやりとりのみで終わりとせず、面接員とのやりとりも含めるようにしてください。
模擬授業では、内容の正確さだけでなく、「分かりやすく伝える力」や「生徒を意識した発問・展開」が重視されます。
まずは1つの単元でよいので指導案を作成し、実際に声に出して練習してみましょう。
個人面接
横浜市教員採用試験の個人面接は、志望動機や教育観を問うことで、教員として必要な能力・適性を把握する人物試験です。
面接の中では、養護教諭を除き、模擬対応(場面指導)を2分程度実施し、「総合的な資質・能力」や「実践的な指導力」を評価・判断します。
| 試験時間 | 30分程度 |
|---|---|
| 面接官 | 2人 |
| 実施形態 | 口頭試問+模擬対応(場面指導) |
| 評定 | A~Eの5段階評価 |
内容の良し悪し以上に「自分の言葉で語れているか」が評価を左右します。
志望動機や教育観は暗記するのではなく、エピソードとセットで話せるように準備しておきましょう。まずは想定質問に対して声に出して答える練習を行い、伝わる表現に磨いていくことが重要です。
なお、過去の質問項目や対策方法は、「【面接対策】横浜市教員採用試験 個人面接の過去問と概要」で詳しく解説しています。
論文試験
*一次試験で実施します。
実技試験
横浜市教員採用試験の実技試験は、一部の校種・教科で実施されます。
単に技術が高いかだけでなく、「見本として適切か」「安全に配慮できているか」といった教師としての視点も見られます。
| 対象校種・教科 | 中学校 高等学校 | 音楽、保健体育、英語 |
|---|---|---|
| 試験内容 | 音楽 | 1 自らのピアノ伴奏による歌唱(弾き歌い) ◆次の曲の中から任意の一曲を選び演奏する。 ①「赤とんぼ」 三木露風作詞 山田耕筰作曲 ②「荒城の月」 土井晩翠作詞 滝廉太郎作曲 ③「早春賦」 吉丸一昌作詞 中田章作曲 ・伴奏は原曲あるいは教科書のものを基本としますが、各自の声域に合わせて移調したり、多少の編曲を加えても構いません。 ・教科書に伴奏が掲載されていない曲についても、原曲のスタイルを基本としてください。 ・楽譜を見て演奏しても構いません。楽譜は各自で用意してください。 |
| 2 アルト・リコーダーによる演奏 ◆次の曲の中から任意の一曲を選び演奏する。 ①G.Ph.テレマン作曲 ソナタヘ短調「忠実な音楽の師」TWV41:f1 第1楽章 Triste ②N.シェドヴィル(伝ヴィヴァルディ)作曲「忠実な羊飼い」作品13 ソナタ2番ハ長調 第4楽章 Allegro ③G.F.ヘンデル作曲 ソナタハ長調 作品1-7 HWV365 第2楽章 Allegro ・楽譜及びアルト・リコーダーについては各自で用意してください。 ・無伴奏とします。 ・楽譜を見て演奏しても構いません。 | ||
| 3 任意の楽器による独奏又は独唱(暗譜による演奏) ◆任意の一曲を選び演奏する。 ・試験当日は、必ずご自身の楽器をご持参ください。(ピアノは会場設置のものを使用) ・試験会場に持ち込み可能な楽器について 【和楽器、管楽器(リコーダー以外)、弦楽器(ギターや二胡を含む)、打楽器、アコーディオン】 ・電子楽器は使用できません。 ・楽器を当日又は事前に試験会場へ、自家用車等で搬入することはできません。 ・2〜3分程度の楽曲(楽曲の一部を抜粋してもよい)とします。 ・原曲に伴奏がある場合でも無伴奏とします。 ・当日使用する楽曲の楽譜を3部持参してください。 | ||
| 保健体育 | ◆器械運動:マット運動(マット2枚分の長さで、5つ以上の技で構成し、一往復で演技を実践する。) ◆陸上競技:走り高跳び(約1mのバーに対して、自ら選択した跳び方で実践する。) ◆水 泳:当日提示される2つの泳法を用いて、往路25m復路25mの計50mを実践する。 ◆球 技:バレーボール(アンダー・オーバーハンドパスを用いて対人パスを約30秒間実践する。) ◆武 道:柔道又は剣道のいずれか1種目を受験申込時に選択 柔道(基本となる技を1つ選択し「受」と「取」を実践する。) 剣道(基本となる技を実践する。) 運動着や水着、武道で選択した種目の用具一式等の持ち物は、受験者が各自で用意する。 なお、上記の実技内容については、中学校学習指導要領に記載されている技能を主として考える。 | |
| 英語 | プレゼンテーションにおける英語運用能力試験 成人のイングリッシュスピーカーを聞き手として想定し、当日に提示される課題に対してプレゼンテーションを行う。 なお、採点にあたり、当日のプレゼンテーションを撮影し、録画した内容で行うものとする。 | |
| 配点 | 音楽45点、保健体育25点、英語20点をAからEの5段階で評定し、得点化する。 | |
実技試験は、種目ごとに評価ポイントが異なるため、事前に出題内容と評価観点を把握しておくことが重要です。
特に「見せ方」や「安全面への配慮」は多くの自治体で共通して見られるポイントです。まずは自分の受験区分の実技内容を確認し、1度通しで練習してみましょう。
横浜市教員採用試験の選考スケジュール
横浜市教員採用試験は、出願から最終合否の発表まで数ヶ月にわたる試験です。
試験日程を早めに把握しておくことが、対策を進めるうえで最初にやることです。
例年の選考スケジュールは以下のとおりです。
| 4月上旬〜5月中旬 | 受験申込み(インターネット) |
|---|---|
| 6月中旬〜指定期日まで | 適性検査(web実施) |
| 7月上旬 | 第1次試験(一般教養・教職専門試験、教科専門試験、論文試験) |
| 8月上旬〜中旬 | 第2次試験(模擬授業、個人面接、実技試験等)※特別選考⑧以外 |
| 9月上旬 | 第2次試験 ※特別選考⑧(大学3年生チャレンジ推薦特別選考)のみ |
近年、教員採用試験は全国的に日程の前倒しが進んでおり、今後も日程が変動する可能性があります。
例年の感覚で動くと出願を逃すリスクもあるため、必ず最新の公式情報を確認するようにしましょう。
なお、詳しい試験の日程は、「横浜市教員採用試験の試験日程・スケジュール」で確認してください。
横浜市教員採用試験の実施結果(倍率)
横浜市教員採用試験の倍率は、以下のように推移しています。
- 2025年実施(令和8年度):2.0倍
- 2024年実施(令和7年度):2.1倍
- 2023年実施(令和6年度):2.3倍
- 2022年実施(令和5年度):2.7倍
- 2021年実施(令和4年度):2.9倍
ここ数年で倍率は緩やかに低下しており、全体としては受験しやすい環境になりつつあるといえます。
とはいえ、倍率が下がっているからといって、単純に「合格しやすくなった」と判断するのは早計です。採用予定数の増減や志願者数の変化によって倍率は大きく左右されるため、見かけの数字だけで難易度を判断することはできません。
また、横浜市でも校種や教科によって倍率に差がある点に注意が必要です。小学校は比較的低倍率で推移する一方で、中学校や高校は教科によって高倍率になることもあります。
そのため、重要なのは全体の倍率ではなく、自分が受験する校種・教科での倍率がどうなっているかという視点です。まずは自分の志望する校種・教科の倍率を確認するところから始めてみましょう。
なお、校種・教科別の倍率推移は、「横浜市教員採用試験の倍率|教科別・過去の推移」でまとめています。
横浜市教員採用試験に関するFAQ
横浜市教員採用試験の志望者が抱く共通の疑問にお答えしていきます。
Q-1.受験資格(年齢制限)はありますか?
A-1 受験するには大きく分けて「年齢・免許・法律」の3つの条件があります。
- 年齢の条件
-
昭和40年(1965年)4月2日以降に生まれた方が対象です。
- 教員免許の条件
-
出願する校種・職種、教科等の普通免許状を持っている(または取得見込みである)必要があります。
- 法律上の条件
-
地方公務員法第16条および学校教育法第9条で定められた「欠格条項」に該当しないこと、および「特定性犯罪事実該当者」に該当しないことが必須です。
Q-2.過去問はどこで入手できますか?
A-2 横浜市役所3階にある「市民情報センター」で閲覧・コピーが可能です。
直接行くことで、過去の試験問題を閲覧でき、その場でコピーをすることも可能です(コピー代は自己負担となります)。
なお、詳しい入手方法や対策を、「横浜市教員採用試験の過去問|入手方法と効果的な活用法」でまとめています。
Q-3.横浜市ならではの特徴的な選考や制度はありますか?
A-3 大学3年生向けのチャレンジ選考や、多様な特別選考、資格による加点制度などがあります。
- 「大学3年生チャレンジ推薦特別選考」の実施
-
大学3年生などが受験できる制度です。選考結果は書類審査により決定され、最終合格者については採用候補者名簿登載審査が行われます。
- 多様な特別選考の実施
-
「教職経験者」「社会人・国際貢献活動経験者」「スポーツ等」「大学推薦」など、多様な経験を持つ人材を求める特別選考が用意されており、対象者は第1次試験の一部または全部が免除されます。
- 資格等による加点制度
-
英語に関する資格を持つ受験者や、特別支援学校教諭の免許状を持つ受験者に対し、第1次試験の総合得点において加点が行われます。
横浜市教員採用試験の合格に向けて
本記事では、横浜市教員採用試験の試験内容や選考の流れなどを解説しました。
横浜市教員採用試験は、筆記試験だけでなく人物評価も重視していますが、最終合否は二次試験の結果によって決定されます。
そのため、個人面接や模擬対応(場面指導)など、二次試験対策を重点的に進めていくことが重要です。
対策は早く始めるほど余裕を持てます。正しい方向で準備を進め、合格を目指しましょう。
横浜市では個人面接や模擬授業など多くの人物試験が実施されます。筆記対策と並行して、面接対策や模擬授業の準備を早めに進めておきましょう。
試験日程や過去問、倍率などの記事もあります。気になるところから読んでみてください。

