東京都の公立学校で教員を目指している方に向けて、公立学校教員採用候補者選考の内容(第一次・第二次選考)をわかりやすく整理しました。
選考スケジュールや実施状況(結果)など、受験に必要な情報をガイドブックのような感覚でまとめています。これから本格的に準備を始める方の役に立つはずです。
出題傾向や選考方法を理解しないまま勉強を進めてしまうと、努力が成果に結びつきにくくなります。
まずは東京都教員採用試験の試験制度を正しく把握することから始めていきましょう。
東京都教員採用試験の内容
東京都教員採用試験では、筆記試験だけでなく、論文試験や面接試験、実技試験など複数の試験が課されます。
試験は第一次選考と第二次選考の2段階で行われます。第一次選考及び第二次選考の成績、並びに提出書類等を総合して最終合格者が決定されるのが大きな特徴です。
試験内容は、選考区分及び校種教科等により異なります。一般選考の試験内容は以下のとおりです。
| 選考方法 | 試験種目 | 配点 |
|---|---|---|
| 第一次選考 | 教職教養 | 100点 |
| 専門教養 | 100点 | |
| 論文 | 100点 | |
| 第二次選考 | 個人面接 | – |
| 実技(一部の教科等のみ) | – |
第一次選考
東京都教員採用試験の第一次選考では、教職教養、専門教養、論文が実施されます。
教育に関する基礎知識や、各教科の専門的な知識、論理的表現力が問われます。
教職教養
教職教養では、東京都公立学校の教員として職務を遂行する上で必要な教育に関する法令や理論等が出題されます。
| 対象校種 | 全校種共通 |
|---|---|
| 試験時間 | 60分間 |
| 問題数 | 25問 |
| 解答形式 | 択一式(マークシート) |
| 出題範囲 *数字は問題数 | 教職科目(教育原理⑨、教育史①、教育心理⑤、教育法規⑨) |
| ローカル(教育施策①) | |
| 配点 | 100点 |
一般教養科目(人文・社会・自然科学)の出題がありません。また、合格最低基準点が設けられているため、苦手分野を作らずバランスよく勉強することが重要です。
まずは問題数が多く、範囲が膨大な「教育原理」と「教育法規」の2科目から着手しましょう。
教職教養の勉強方法は、こちらの「東京都教員採用試験の教職教養対策|出題傾向と勉強方法」で解説しています。
専門教養
専門教養では、受験する校種・教科に関する専門的な知識や指導力が問われます。
解答形式はマークシート方式となっており、教科によって分野別の最低基準点が設けられています。
| 対象校種 | 全校種・教科 |
|---|---|
| 試験時間 | 60分 |
| 問題数 | 教科・科目による |
| 出題範囲 | ①志望校種・教科の知識 ②志望校種・教科の学習指導要領 |
| 解答方法 | 択一式(マークシート) |
| 配点 | 100点満点 |
学習指導要領に関する問題も出題されるため、知識問題と並行して対策を進めることが重要です。
専門教養の勉強方法は、こちらの「【東京都教員採用試験】専門教養の傾向と試験概要まとめ」で解説しています。
論文
論文試験では、教育に関する課題把握や、教師としての実践的指導力、論理的表現力が評価されます。
| 対象校種 | 全校種共通 |
|---|---|
| 試験時間 | 70分間 |
| 文字数 | 1,050字(35字30行)以内 |
| 配点 | 100点 |
70分・1,050字以内という条件は、正直かなりタイトです。素早く構成を組み立てて、スピーディーに書き進める力が必要になります。
東京都が求める教師像や教育施策をしっかり把握したうえで、具体的な指導場面をイメージしながら論を展開していきましょう。
論文の過去問や書き方のコツは、こちらの「東京都教員採用試験の論文対策|過去のテーマと書き方のポイント」で解説しています。
第二次選考
東京都教員採用試験の第二次選考では、面接試験(個人面接)と、一部教科で実技試験が実施されます。
第二次選考は最終合否を決定する重要な選考であり、提出書類等も含めた総合的な評価が行われます。
面接試験(個人面接)
面接試験では、教員としての資質や教育観、児童生徒への対応力などが総合的に評価されます。
あらかじめ作成して当日に提出する「面接票」を基に、個別で質疑応答が行われます。
| 対象校種 | 全校種・教科 |
|---|---|
| 試験時間 | 30分程度 |
| 面接官 | 3人 |
| 形式 | 口頭試問+場面指導 |
| 配点 | 非公開 *2020年度までは600点(1200点のうち)でした。 |
面接試験では、教職への理解や教科等の指導力、対応力、人間的な魅力などが評価の対象になります。
結論を先に述べ、その理由や具体例を続けるなど、分かりやすく簡潔に説明することを意識しましょう。
面接の質問項目などは、こちらの「東京都教員採用試験|個人面接の傾向と過去の質問一覧」でまとめています。
実技試験
実技試験は、一部の校種・教科で実施されます。
教科に応じて演奏やデッサン、技能の披露、英語でのスピーチなどが課され、教科指導に必要な実技能力が評価されます。
| 対象校種 | 中・高共通、小・中共通、小・中・高共通、特別支援学校、小学校全科(英語コース) | |
|---|---|---|
| 試験内容 | 音楽 | ・ピアノ伴奏付き歌唱 (「赤とんぼ」、「荒城の月」、「早春賦」、「夏の思い出」、「花」、「花の街」、「浜辺の歌」のうちから指定された1曲をピアノで伴奏しながら歌う。) |
| 美術 | ・鉛筆による素描(試験時間120分) モチーフ:Wクリップ(特大)1個、Wクリップ(小)1個、目玉クリップ(大)1個、計3個 | |
| 保健体育 | 1 器械運動〔マット運動〕(伸膝後転、前方倒立回転跳び) 2 水泳(水中から25m平泳ぎ、25m背泳ぎ) 3 球技〔バレーボール〕(オーバーハンドパス、アンダーハンドパス) 4 武道〔柔道〕(礼法、前回り受け身、大腰) | |
| 英語 | Oral Interview(受験者1名につき 10 分程度) 1 英語での1分間のスピーチ(テーマ「英語を学ぶ意義」) 2 英語でのディスカッション 次の①及び②について、ネイティブスピーカーとの1対1の対話形式で行う。 ① 上記「1分間のスピーチ」の内容 ② 日本の魅力 | |
| 配点 | 非公開 | |
実技試験では、技能の正確さだけでなく、落ち着いて課題に取り組む姿勢も見られます。
なお、英語については一定の資格(英検1級、TOEIC等)を保有している場合、実技試験が免除される制度があります。
試験形式を事前に確認し、実際の試験を想定した練習を行っておくことが大切です。
東京都教員採用試験の選考スケジュール
東京都教員採用試験は、例年3月下旬から出願(マイページ登録・受験申込み)が始まり、第一次選考・第二次選考を経て最終合格者が決定されます。
主な選考スケジュールは以下のとおりです。
| 3月下旬〜5月上旬 | 受験申込み(マイページ登録後) |
|---|---|
| 7月上旬 | 第一次選考(教職教養・専門教養・論文) |
| 8月上旬 | 第一次選考の合格発表 |
| 8月中旬〜下旬 | 第二次選考(面接) |
| 第二次選考(実技) | |
| 9月下旬 | 最終合否発表 |
出願から最終合格発表まで長丁場の試験です。
スケジュール管理が重要なので、対策を始める前にカレンダーに書き込んでおきましょう。
より詳しい試験日程や出願期間については、東京都教員採用試験の試験日程・スケジュールで詳しく解説しています。
東京都教員採用試験の実施結果(倍率)
東京都教員採用試験の倍率は、採用予定数や受験者数の影響を受けて毎年変動します。
過去5年間の実施結果は次のとおりです。
- 2025年実施(R8採用):1.8倍
- 2024年実施(R7採用):1.7倍
- 2023年実施(R6採用):1.6倍
- 2022年実施(R5採用):2.1倍
- 2021年実施(R4採用):3.2倍
直近5年間を見ると、倍率は1.5倍〜2倍程度で推移しています。
近年は低下傾向にありますが、決して簡単になっているわけではありません。倍率だけで難易度を判断するのではなく、試験内容や配点を踏まえて対策を進めることが大切です。
校種・教科ごとの詳しい倍率や推移については、 東京都教員採用試験の倍率|教科別・過去5年の推移の記事で詳しく解説しています。
東京都教員採用試験に関するFAQ
東京都教員採用試験の志望者が抱く共通の疑問にお答えしていきます。
Q-1.受験資格(年齢制限)はありますか?
A-1 受験するには大きく分けて「年齢・免許・法律」の3つの条件があります。
- 年齢の条件
-
一般選考の場合、昭和62年(1987年)4月2日以降に生まれた方が対象です。
- 教員免許の条件
-
出願する区分や教科に相当する普通免許状を持っている(または令和9年4月1日までに取得見込みである)必要があります。
- 法律上の条件
-
地方公務員法や学校教育法で定められた「欠格条項」に該当しないこと、および「こども性暴力防止法」に基づく特定性犯罪の前科がないことが必須です。
Q-2.過去問はどこで入手できますか?
A-2 東京都公立学校教員採用ポータルサイトなどで公開されています。
ポータルサイトでは過去2年分の筆記試験(問題・正答)や論文課題、実技試験の内容などが公開されています。また、東京都庁第一本庁舎の「都民情報ルーム」では過去5年分の閲覧・コピーが可能です。
こちらの「東京都教員採用試験の過去問|入手方法と効果的な活用法」でも過去問情報をまとめています。
Q-3.令和9年度採用(2026年実施)の変更点はありますか?
A-3 併願可能な選考区分や校種等の拡大、障害のある人を対象とした選考の設置などがあります。
- 併願制度の拡大
-
一般選考等に加え、特例選考などでも特別支援学校等への併願が可能となりました。また、併願可能な校種・教科の組み合わせも追加されています。
- 障害のある人を対象とした選考の設置
-
従来の「障害に配慮した選考」に替わり新たに設置され、合理的配慮に加えて、第二次選考実技試験の一部免除などの配慮が受けられるようになりました。
東京都教員採用試験の合格に向けて
本記事では、東京都教員採用試験の試験内容や配点、選考の流れ、最新の変更点を解説しました。
東京都教員採用試験は、第一次選考と第二次選考の成績、提出書類などを総合して合否を判定する方式が採用されています。
そのため、筆記から面接、論文、実技に至るまで、すべての試験種目でバランスよく得点することが合格のポイントになります。
対策は早く始めるほど有利になります。正しい方向で準備を進め、合格を目指しましょう。
東京都の最終合格者はすべての成績を総合して決まりますが、面接試験は大きなウェイトを占めます。筆記対策と並行して面接票の作成や面接対策の準備を進めましょう。
教員採用試験の全体像を把握したい、東京都の傾向をもっと知りたい方におすすめです。
試験日程や過去問、倍率などの記事もあります。気になるところから読んでみてください。

