- 「倍率2.3倍なら熊本県教員採用試験は簡単だろう」
- 「いや、倍率が下がっても人物重視だから難しいのでは…」
情報が錯綜して、結局どちらなのか不安に感じている方も多いでしょう。
結論から言うと、熊本県教員採用試験は数字上の競争率(倍率)は過去最低水準ですが、合格のハードルは決して低くありません。
本記事では、最新データをもとに難易度と教科別の倍率推移を徹底解説します。さらに筆記試験から面接まで、合格ラインを確実に超えるための具体的な対策手順もまとめました。
この記事を読むことで、受験する教科の難易度が正確に分かり、合格に向けて「いつ、何をすればいいか」が明確になります。
合格への第一歩を踏み出すためのガイドとして、ぜひお役立てください。
【結論】熊本県教員採用試験は難しい
倍率が下がっているとはいえ、熊本県の教員採用試験は依然として難しいのが現実です。
数字上のライバルが減っても、クリアすべき基準が高いままだからです。
具体的に、難しいと言える理由は以下の3点です。
1. 倍率が低くても「基準」に届かなければ落ちる



「倍率1倍台や2倍台なら、だいたい受かるだろう」
そう考える方も多いかもしれません。しかし、油断は禁物です。
令和8年度の全体倍率は2.3倍(詳細なデータはこちら)と低い水準ですが、選考において一定の基準点(足切りライン)が存在します。
つまり、たとえ定員割れに近い状態や低倍率の教科であっても、実力が基準に達していなければ不合格になるのです。
2. 試験科目が多く、対策の負担が大きい
シンプルに「対策すべきことが多い」点も理由の一つです。
熊本県の選考を突破するには、以下の要素をクリアしなくてはなりません。
- 教職教養(教育原理・法規など)
- 専門教養(大学入試レベルの教科知識)
- 面接(個人面接・模擬授業等)
- 実技(音楽・美術・保体・英語など)
働きながら、あるいは大学の授業と並行して、これら全ての対策を進める必要があります。
3. 人物重視のため、筆記の努力だけでは決まらない
もっとも対策が難しいのが「人物評価」の比重が高いことです。
筆記試験で高得点を取っても、面接で「教員としての適性なし」と判断されれば合格できません。
勉強量が得点に直結する筆記と違い、面接は努力が成果に見えにくく、合否が読めないという難しさがあります。
【最新】熊本県教員採用試験の実施状況(結果)
熊本県教員採用試験の難しい理由を踏まえつつ、最新データから全体像を確認していきましょう。
- 実質倍率(受験倍率)を掲載:受験者の実感に近い難易度を示すため、熊本県教育委員会が発表している「受験者数÷合格者数」で算出しています。
- 夏試験のみ対象:「大学3年生前倒し選考」などのデータは除外しています。
【令和8年度】全体の実質倍率は2.3倍
結論、令和8年度(2025年実施)の全体倍率は2.3倍でした。
昨年度(2.4倍)から微減し、過去最低水準が続いています。
【令和8年度(2025年実施)】全体の実質倍率
- 出願者数:839人
- 合格者数:365人
- 最終倍率:2.3倍
ここで注意したいのは、「全体倍率2.3倍」という数字だけを見て簡単だと思わないことです。
熊本県の教員採用試験では、筆記・面接すべての科目で一定のレベルを超える必要があります。受験者が減少傾向にあっても、準備不足の人は確実に不合格になります。
要するに、「倍率が低い=受かりやすい」ではありますが、「倍率が低い=誰でも合格できる」ではないことを覚えておきましょう。
▼熊本県の倍率を全国と比較したい方は、こちらの記事を参考にしてください。


【過去10年間】実質倍率の推移
長期的に見ると、熊本県教員採用試験の倍率は明確な減少傾向にあることが分かります。
| 採用年度 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 令和8年度 | 839 | 365 | 2.3 |
| 令和7年度 | 843 | 358 | 2.4 |
| 令和6年度 | 692 | 359 | 1.9 |
| 令和5年度 | 781 | 366 | 2.1 |
| 令和4年度 | 892 | 375 | 2.4 |
| 令和3年度 | 1,011 | 379 | 2.7 |
| 令和2年度 | 998 | 376 | 2.7 |
| 平成31年度 | 1,110 | 373 | 3.0 |
| 平成30年度 | 1,149 | 294 | 3.9 |
| 平成29年度 | 1,170 | 258 | 4.5 |
- 令和8年度は志望者数÷合格者数です。
平成20年代は倍率が高く、かなりハイレベルな試験でした。しかし近年は2倍台で推移しており、大量採用の傾向が続いています。
これは受験者にとっては大きなチャンスと言えます。
【校種別】難易度の差は大きい
全体倍率が2.3倍でも、校種ごとの状況は大きく異なります。
小学校は1.3倍と非常に低倍率ですが、養護教諭は8.9倍、栄養教諭は7.0倍と高倍率です。
| 校種 | 受験者数 (人) | 合格者数 (人) | 倍率 (倍) |
|---|---|---|---|
| 小学校 | 154 | 118 | 1.3 |
| 中学校 | 165 | 85 | 1.9 |
| 高等学校 | 324 | 82 | 4.0 |
| 特別支援 | 86 | 67 | 1.3 |
| 養護教諭 | 89 | 10 | 8.9 |
| 栄養教諭 | 21 | 3 | 7.0 |
つまり、熊本県教員採用試験の難易度を把握するには、全体倍率ではなく、自分が受験する校種・教科の倍率を確認することが極めて重要です。
次の章では、教科ごとの詳細な倍率を詳しく解説します。
【教科別】熊本県教員採用試験の実質倍率推移
最新(令和8年度)の結果を見てきましたが、単年のデータだけでは、試験が易化したのか偶然の結果なのか判断しづらいです。
そこで、過去の倍率がどう推移してきたのかもチェックし、長期的な難易度の傾向を確認していきましょう。
以下に全教科のデータをまとめました。
下のリンクから直接確認できます。
小学校教諭の実質倍率推移
令和4(2021)~8年度(2025年実施)小学校教諭の倍率をまとめました。
| 採用年度 (実施年) | 受験者数 (人) | 合格者数 (人) | 倍率 (倍) |
|---|---|---|---|
| 令和8年度 (2025年) | 154 | 118 | 1.3 |
| 令和7年度 (2024年) | 183 | 137 | 1.3 |
| 令和6年度 (2023年) | 154 | 124 | 1.2 |
| 令和5年度 (2022年) | 205 | 169 | 1.2 |
| 令和4年度 (2021年) | 243 | 185 | 1.3 |
中学校教諭の実質倍率推移
令和4(2021)~8年度(2025年実施)中学校教諭の倍率を教科別にまとめました。
▼中学校全体の倍率推移
| 採用年度 (実施年) | 受験者数 (人) | 合格者数 (人) | 倍率 (倍) |
|---|---|---|---|
| 令和8年度 (2025年) | 172 | 85 | 2.0 |
| 令和7年度 (2024年) | 174 | 84 | 2.1 |
| 令和6年度 (2023年) | 163 | 91 | 1.8 |
| 令和5年度 (2022年) | 222 | 101 | 2.2 |
| 令和4年度 (2021年) | 254 | 73 | 3.5 |
▼教科別の倍率推移
以下で教科別の詳細倍率を確認できます。
| 教科 | R8 | R7 | R6 | R5 | R4 |
|---|---|---|---|---|---|
| 国語 | 1.1 | 1.7 | 1.4 | 1.4 | 2.2 |
| 社会 | 2.7 | 1.4 | 2.0 | 2.6 | 4.7 |
| 数学 | 1.2 | 1.4 | 1.3 | 1.7 | 1.8 |
| 理科 | 1.2 | 1.3 | 1.3 | 1.2 | 2.8 |
| 音楽 | 1.9 | 4.6 | 1.4 | 2.2 | 5.0 |
| 美術 | 2.0 | 6.0 | 1.3 | 1.3 | 3.5 |
| 保体 | 4.1 | 4.4 | 3.0 | 5.3 | 7.1 |
| 技術 | 3.0 | 1.5 | 1.7 | 1.5 | 5.0 |
| 家庭 | 1.0 | 1.3 | 1.5 | 1.0 | – |
| 英語 | 2.0 | 2.3 | 1.6 | 2.0 | 2.0 |
- 区分をタップすると詳細を確認できます。
高校教諭の実質倍率推移
令和4(2021)~8年度(2025年実施)高校教諭の倍率を教科別にまとめました。
▼高校全体の倍率推移
| 採用年度 (実施年) | 受験者数 (人) | 合格者数 (人) | 倍率 (倍) |
|---|---|---|---|
| 令和8年度 (2025年) | 317 | 82 | 3.9 |
| 令和7年度 (2024年) | 286 | 69 | 4.1 |
| 令和6年度 (2023年) | 300 | 71 | 4.2 |
| 令和5年度 (2022年) | 364 | 55 | 6.6 |
| 令和4年度 (2021年) | 360 | 38 | 9.5 |
▼教科別の倍率推移
| 教科 | R8 | R7 | R6 | R5 | R4 |
|---|---|---|---|---|---|
| 国語 | 2.2 | 2.5 | 2.5 | 4.2 | 8.3 |
| 世界史 | 4.7 | – | – | 11.0 | – |
| 日本史 | 6.5 | 11.0 | 19.0 | 13.0 | – |
| 地理 | 4.5 | 6.0 | 3.7 | 4.3 | 9.0 |
| 公民 | 19.0 | 8.5 | 17.0 | 4.3 | 7.7 |
| 数学 | 3.6 | 4.6 | 4.4 | 11.0 | 15.7 |
| 物理 | 5.5 | – | – | 14.0 | 7.5 |
| 化学 | 9.5 | 14.0 | 8.5 | 7.0 | 18.0 |
| 生物 | – | 5.5 | 4.0 | 16.0 | 25.0 |
| 地学 | – | – | – | 1.5 | 4.0 |
| 保体 | 8.4 | 14.8 | 8.2 | 12.8 | 19.3 |
| 美術 | 5.0 | 6.0 | 1.5 | 8.0 | 4.0 |
| 書道 | 12.0 | – | 6.0 | 14.0 | – |
| 家庭 | 2.8 | 3.3 | 3.0 | 6.5 | 5.0 |
| 英語 | 2.0 | 1.9 | 2.5 | 5.1 | 13.0 |
| 農業 | 3.3 | 3.3 | 5.3 | 6.5 | 8.0 |
| 工業 | 1.6 | 1.5 | 1.9 | 3.6 | 3.8 |
| 商業 | 1.8 | 2.0 | 2.0 | 6.0 | 12.0 |
| 水産 | 3.0 | – | – | – | 2.0 |
| 情報 | 3.0 | 4.5 | 3.7 | 9.0 | 11.0 |
| 福祉 | 2.5 | 3.0 | – | 3.0 | – |
- 区分をタップすると詳細を確認できます。
特別支援学校の実質倍率推移
令和4(2021)~8年度(2025年実施)特別支援学校の倍率をまとめました。
| 採用年度 (実施年) | 受験者数 (人) | 合格者数 (人) | 倍率 (倍) |
|---|---|---|---|
| 令和8年度 (2025年) | 86 | 67 | 1.3 |
| 令和7年度 (2024年) | 99 | 53 | 1.9 |
| 令和6年度 (2023年) | 133 | 77 | 1.7 |
| 令和5年度 (2022年) | 158 | 78 | 2.0 |
| 令和4年度 (2021年) | 175 | 47 | 3.7 |
養護教諭の実質倍率推移
令和4(2021)~8年度(2025年実施)養護教諭の倍率をまとめました。
| 採用年度 (実施年) | 受験者数 (人) | 合格者数 (人) | 倍率 (倍) |
|---|---|---|---|
| 令和8年度 (2025年) | 89 | 10 | 8.9 |
| 令和7年度 (2024年) | 82 | 12 | 6.8 |
| 令和6年度 (2023年) | 87 | 16 | 5.4 |
| 令和5年度 (2022年) | 95 | 14 | 6.8 |
| 令和4年度 (2021年) | 94 | 16 | 5.9 |
栄養教諭の実質倍率推移
令和4(2021)~8年度(2025年実施)栄養教諭の倍率をまとめました。
| 採用年度 (実施年) | 受験者数 (人) | 合格者数 (人) | 倍率 (倍) |
|---|---|---|---|
| 令和8年度 (2025年) | 21 | 3 | 7.0 |
| 令和7年度 (2024年) | 19 | 3 | 6.3 |
| 令和6年度 (2023年) | 28 | 3 | 9.3 |
| 令和5年度 (2022年) | 26 | 2 | 13.0 |
| 令和4年度 (2021年) | 24 | 4 | 6.0 |
熊本県教員採用試験に合格するには?
結論から言うと、倍率は無視して「すべての科目で基準点を超えること」だけに集中してください。
倍率が何倍であろうと、やるべき準備は変わらないからです。
自治体が見ているのは、他の人と比べてどうかではなく、教員としての資質があるかどうかです。そのため、実施要項には「一つでも基準を満たさない項目があれば不合格になる」と書かれています。
つまり、苦手分野を放置することが最大のリスクなのです。ここからは、合格基準を超えるための「科目別攻略法」を解説します。
教職教養は「教育原理・法規」と「ローカル問題」に集中する
教職教養(一次考査)を突破するためには、配点の高い「教育原理・法規」と「ローカル問題」に集中することが欠かせません。
あれもこれもと手を広げるのではなく、出ない分野は勉強せず、頻出分野に時間を使いましょう。
これが、確実かつ効率的に得点を伸ばす方法です。
教職教養の概要
まずは、試験時間や問題数などの概要をサッと確認しましょう。
| 試験日 | 一次考査 |
|---|---|
| 対象校種 | 全校種共通 |
| 試験時間 | 40分 |
| 問題数 | 38問 |
| 出題範囲 | ①教職科目(原理・法規・心理) ②ローカル(熊本県の施策) |
| 解答方法 | 択一式(マークシート) |
| 配点 | 40点満点 |
科目別の出題数一覧
なぜ特定の科目に集中すべきか、以下の出題数を見れば一目瞭然です。
▼教職教養の科目別出題数(過去3年)
| 科目 | R7年度 | R6年度 | R5年度 |
|---|---|---|---|
| 教育原理 | 13 | 18 | 15 |
| 教育法規 | 15 | 16 | 15 |
| 教育心理 | 4 | 3 | 3 |
| 教育史 | 0 | 0 | 0 |
| ローカル | 6 | 3 | 7 |
表の通り、教育原理と教育法規だけで約7〜8割を占めています。
特に「教育史」や「一般教養(人文・社会・自然科学)」は出題されておらず、ここを勉強するのは時間の無駄です。
一方で、熊本県の施策に関する「ローカル問題」は毎年出題されるため、県の資料(教育振興基本計画など)には必ず目を通しておきましょう。



配点は40点と低めです。直前の詰め込みでも間に合うため、時間をかけすぎないのが鉄則です。
▼教職教養の具体的な勉強方法は以下の記事で解説しています。


専門教科は「基礎的・基本的な問題」を確実に正答する
専門教科は、一次考査の配点の7割を占め、二次の論述力のベースにもなるため、学習時間の7割を投下すべき試験です。
ここが取れないと足切りになるため、最も気が抜けない試験です。
専門教科の概要
まずは、試験時間や配点などの概要を把握しましょう。
| 試験日 | 一次考査 |
|---|---|
| 対象校種 | 全校種・教科 |
| 試験時間 | 60分 |
| 問題数 | 教科・科目による |
| 出題範囲 | ①専門知識 ②学習指導要領 |
| 解答方法 | 択一式・記述式 |
| 配点 | 100点満点 |
学習のポイント
対策の軸となるのは「学習指導要領」です。
難問奇問対策よりも、学習指導要領に基づいた基礎的・基本的な問題を落とさないことが重要です。
また、この知識がないと二次考査の論述(授業構成)も書けません。まずは専門教養の過去問を解き、苦手分野を潰すことから始めましょう。
▼専門教科の具体的勉強法や参考書は以下の記事で解説しています。


論述試験は「教科指導」の具体策を書けるようにする
二次考査の論述試験は、一般的な小論文ではなく「教科指導」の専門試験だと考えてください。
論述試験の概要
試験時間や配点などの条件を確認し、練習時から意識するようにしましょう。
| 試験日 | 二次考査 |
|---|---|
| 対象校種 | 全校種共通 |
| 試験時間 | 60分 |
| 配点 | 60点 |
対策のポイント
「頑張ります」といった精神論ではなく、「具体的な指導場面」が書けないと点は入りません。
「確率の意味をどう理解させるか(数学)」や「現代語訳を手掛かりにどう指導するか(国語)」など、学習指導要領を踏まえた授業の構成力が問われます。
「制限なし」の文字数に戸惑うかもしれませんが、解答用紙の大きさに合わせて適切にまとめる力が求められます。
▼過去の出題テーマや書き方は以下の記事で解説しています。


個人面接は「リセット方式」を前提に対策する
個人面接の合否を分けるのは、一次の成績ではなく「人物評価だけ」です。
熊本県最大の特徴は、「一次考査の得点がリセットされる(加味されない)」点にあるからです。
個人面接の概要
まずは、試験時間や評価項目などを把握しましょう。
| 試験日 | 二次考査 |
|---|---|
| 対象校種 | 全校種共通 |
| 試験時間 | 1回目:15分程度 2回目:25分程度(模擬授業含む) |
| 面接官 | 2人 |
| 配点 | 240点満点(120点×2) |
過去の質問例
「熊本県の教員像」や「不祥事」など、地域性や規範意識を問う質問が多く見られます。
- 志望理由は何ですか。
- 熊本県の教員像を知っていますか。
- これまでに苦労した経験はありますか。
- 意見の合わない同僚や先輩教員とはどのように付き合いますか。
- 教員の不祥事についてどう思いますか。
- 普段から気をつけていることはありますか。
- どんな教員になりたいですか。
ポイントは、一次をギリギリで通過しても満点で通過しても、二次考査は全員横一線のスタートになることです。配点240点の人物試験こそが合否の決定打となります。
▼面接で頻出の質問や回答のコツは、以下の記事で網羅しています。


【日程】熊本県教員採用試験の対策はいつから始める?
熊本県教員採用試験に合格するには、本試験日から逆算して学習計画を立てることが重要です。
結論から言うと、対策を始める時期は試験の約1年前(前年の夏〜秋くらい)が理想です。
余裕を持って確実に合格ラインを超えるには、以下のスケジュール感を意識してください。
合格への対策ロードマップ
配点の高い専門教科の学習を最優先します。
教職科目は「教育史」を除外し、原理と法規の参考書を読む程度で構いません。
教職科目の過去問演習を始めます。
同時に、二次考査(面接・論述)に向けて「自分の教育観」の言語化を始めましょう。「どんな授業をしたいか」などのネタ作りは一朝一夕では身につきません。
4月中旬から電子申請が始まります。
学習面では時間を計って過去問を解き、専門教科の得点力を完成させます。ローカル問題(熊本県の施策)もこの時期に確認します。
一次試験(6月中旬)が終わったら、息つく間もなく二次対策へ。論述(教科指導)の練習と、面接・模擬授業対策を一気に行います。
ここが合否を分ける最大の山場です。
【最新】令和8年度 試験日程一覧
令和8年度のスケジュールは以下のとおりです。
| 出願期間 | 令和7年4月14日(月)~5月1日(木) |
|---|---|
| 1次考査 | 令和7年6月15日(日) |
| 1次合格発表 | 令和7年7月3日(木) |
| 2次考査 | ①7月27日(日):筆記・論述・実技 ②7月28日(月)~8月1日(金):面接・模擬授業 |
| 最終合格発表 | 9月中旬~10月上旬頃 |
【要注意】一次発表後の「二次対策」では手遅れ
スケジュールで最も注意すべき点は、一次試験の合格発表から二次試験まで1ヶ月も期間がないことです。
熊本県の場合、発表を待ってから対策を始めると、配点240点の人物試験や論述試験に間に合いません。
多くの合格者は、一次試験が終わった直後から、あるいはそれ以前から二次対策をスタートさせています。



「自分は受かっている」と信じて、早めの準備を心がけてください。
熊本県教員採用試験のよくある質問(FAQ)
ここまで解説した項目のほかに、志望者から寄せられる質問をまとめています。
過去問はどこで入手できますか?
直近の過去問(問題と正答のみ)は、熊本県庁の情報公開センターで閲覧・コピーできます。
解説はありません。解説付きで学習したい場合や、数年分遡りたい場合は、協同出版などの「過去問シリーズ」がオススメです。
試験当日の服装はスーツですか?
一次試験は6月に行われるため、「クールビズ(ノージャケット・ノーネクタイ)」での受験が一般的です(熊本市などの募集要項でも推奨されています)。
ただし、Tシャツやサンダルなどのラフすぎる格好は避けましょう。二次試験(面接)も基本的にはクールビズで問題ありませんが、念のためジャケットを持参すると安心です。
他の自治体との併願は可能ですか?
はい、可能です。
熊本県の一次試験日(6月15日)と重ならない自治体であれば併願できます。ただし、一部の特別選考(現職教員免除など)では併願が認められない場合があるため、実施要項を必ず確認してください。
▼全自治体の日程を以下の記事で一覧にしています。
年齢制限はありますか?
令和5年度試験より年齢制限は撤廃され、59歳以下の方であれば受験可能となっています(昭和41年4月2日以降生まれの方など、定年年齢を考慮した設定)。
詳細は実施要項の「受験資格」欄をご確認ください。
まとめ|熊本県教員採用試験の難易度と合格へのポイント
本記事の結論として、熊本県教員採用試験は決して簡単な試験ではありません。
「倍率が低い=誰でも受かる」と勘違いして対策を怠ると、容赦なく不合格になるからです。しかし逆に言えば、合格者は例外なく、正しい方向の努力を継続しています。
最後に、記事内で解説した「合格者が実践している3つの鉄則」をおさらいしましょう。
- 教職教養:「教育史」は捨て、「原理・法規・ローカル」に全集中する。
- 論述対策:一般的な小論文ではなく、「教科指導」の具体的プランを書けるようにする。
- 面接対策:配点が非常に高い(240点)。熊本県の教員像や不祥事への考えを整理しておく。
倍率が低くても、準備不足なら不合格です。しかし、正しい手順を踏めば倍率に関係なく合格できる試験でもあります。
「いつかやろう」ではなく、今日から行動を始めましょう。
▼次に読むべき記事



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