神奈川県教員採用試験の内容を解説します。
神奈川県では、一次試験で一般教養・教職専門試験や教科専門試験、二次試験で模擬授業や個人面接などが実施されます。
とはいえ、校種や教科によって試験内容が異なるため注意が必要です。
まずは試験の全体像を確認していきましょう。
神奈川県教員採用試験の内容
神奈川県教員採用試験は、一次試験・二次試験で構成される二段階選抜方式です。
一次試験では筆記試験による基礎的な知識・技能を確認し、二次試験では人物試験等を通して、教員としての人物面や実践力を評価します。
試験内容は校種・教科によって少し異なるため、最初に全体像を確認しておきましょう。
| 選考 | 試験内容 | 小 | 中 | 高 | 特 | 養 | 栄 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 一次試験 | 一般教養・教職専門試験 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
| 教科専門試験 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
| 二次試験 | 論文試験(*) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
| 模擬授業 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
| 個人面接 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
| 実技試験 | ー | △ | △ | ー | ー | ー |
*「ー」:実施なし
*「△」:一部の教科で実施
*論文試験は第1次試験日に実施され、第2次試験として採点されます。
配点・評価基準
| 選考 | 試験内容 | 配点(満点) | 基準点 |
|---|---|---|---|
| 一次試験 | 一般教養・教職専門試験 | 100点 | 30点 |
| 教科専門試験 | 100点 | 30点 | |
| 二次試験 | 論文試験(*) | 40点 | 10点 |
| 模擬授業 | 60点 | 24点 | |
| 個人面接 | 200点 | 100点 | |
| 実技試験 | 120点 | 48点 |
*第1次試験の筆記試験には、各種加点(英語、司書、特別支援、芸術実績等)が加わり、満点の上限が変わる場合があります。
*第2次試験の満点の総合計は、実技試験がない場合は300点、実技試験がある場合は420点となります。
第2次試験の配点を見ると、個人面接が200点満点と非常に大きなウェイトを占めていることが分かります。
まずは配点の高い試験を中心に対策を進めましょう。
選考・判定基準
| 第1次試験 | 試験の種類ごとの基準点を一つでも下回らない者のうち、総得点(200点満点+各種加点)の上位者から合格とします。第1次試験の合格者数は、募集人員の2倍以上の人数となります。 |
|---|---|
| 第2次試験 | 受験した試験の総合得点が、各校種等・教科(科目)ごとに定められた「合格最低点」以上を合格とします。ただし、各試験(個人面接、模擬授業、論文、実技)のうち、それぞれの基準点を一つでも下回っている場合は不合格となります。 |
ここで重要なことは、神奈川県の選考は一次試験の結果が最終合否に影響しないリセット方式である点です。
最終合格は二次試験での得点のみで判定されるため、一次試験をギリギリの成績で通過したとしても、二次試験で十分に挽回が可能です。逆に言えば、一次試験を高得点で突破しても、二次試験で失敗すれば不合格となります。
そのため、第1次試験の筆記試験だけでなく、面接や模擬授業なども含めて総合的に対策を進めることが大切です。
神奈川県教員採用試験の一次試験
神奈川県教員採用試験の一次試験では、一般教養・教職専門試験と教科専門試験、論文が実施されます。
志望教科の専門知識や、教育に関する基礎知識・一般教養が問われます。
一般教養・教職専門試験
神奈川県教員採用試験の一般教養・教職専門試験は、教員として必要な知識を問う筆記試験です。
高校までの基礎学力にくわえて、学校現場で必要となる教育知識が問われます。
| 対象校種 | 全校種共通(小学校、中学校、高等学校、特別支援学校、養護教諭、栄養教諭) |
|---|---|
| 試験時間 | 60分間 |
| 問題数 | 39問 |
| 解答方法 | 択一式(マークシート) |
| 出題範囲 | ⚫️ 一般教養 ┗人文・社会・自然科学 ⚫️ 教職教養 ┗教育原理、教育法規、教育心理、教育史 |
| 配点 | 100点 |
まずは過去問を3〜5年分解いて出題傾向を把握し、教育原理や国数英などの頻出科目・分野に絞って勉強するのが効率的です。
参考書で頻出の1テーマ覚えたらすぐ問題演習で確認し、間違えた部分を繰り返し復習します。1日30分でも回転させることで、安定して得点できるようになりますよ。
一般教養・教職専門試験の詳しい出題傾向や勉強方法を詳しくみる
教科専門試験
神奈川県教員採用試験の教科専門試験は、受験する校種・教科に関する専門知識を問う筆記試験です。
例えば、中学校・高校であれば各教科の専門知識、小学校であれば各教科の知識や学習指導要領に関する知識などが出題されます。
| 対象校種 | 全校種・教科 |
|---|---|
| 試験時間 | 60分 |
| 問題数 | 教科・科目による |
| 出題範囲 | ①志望校種・教科の知識・技能 ②学習指導方法等の基礎 |
| 解答方法 | 択一式(マークシート) |
| 配点 | 100点満点 |
専門知識だけでなく学習指導要領も出題範囲に含まれます。教科の知識と合わせて対策が必要です。
解答方法は択一式のため、正確な知識をもとに素早く判断する力が求められます。過去問や問題集を繰り返し解き、出題パターンやひっかけの傾向に慣れておくことが重要です。
専門教養(科目)の試験内容や勉強方法を詳しくみる
論文(採点は二次試験)
神奈川県教員採用試験の論文試験は、教育に関するテーマについて、自分の考えを論理的にまとめる力を問う筆記試験です。
単に知識量を確認するだけではなく、「教育課題に対して、どのように考え、対応していくか」といった、教員としての考え方や実践力が評価されます。
| 対象校種 | 全校種・教科(特別選考⑧を除く) |
|---|---|
| 試験時間 | 60分間 |
| 文字数 | 800字程度 |
| 問題数 | 1題 |
| 配点 | 40点 |
限られた時間内で書き切るためには、最初に構成(序論→本論→結論)を固めてから書き始めることが重要です。
時間配分を意識し、少なくとも一度は60分で書き切る練習をしておきましょう。まずは過去テーマで1本書いてみて、自分の型を作ることから始めてください。
論文の過去問や書き方のポイントを詳しくみる
神奈川県教員採用試験の二次試験
神奈川県教員採用試験の第2次試験では、模擬授業・個人面接が実施され、一部の校種・教科で実技試験が加わります。
第2次試験は最終合否を決定する重要な選考であり、各試験の成績を総合した評価が行われます。
模擬授業
模擬授業では、指定されたテーマに沿った1単位時間の授業計画を立て、導入から展開にかけての最初の10分間を実施します。
準備・片付けを含む10分間で、授業者としての実践的な指導力が評価されます。
| 対象校種 | 全校種・教科(特別選考⑧を除く) |
|---|---|
| 実施時間 | 10分間(準備・片付けを含む) |
| 指導案 | A4用紙1枚(当日提出) |
| 配点 | 60点 |
指導案は事前に準備できるので、そこでしっかり練り込んでおくことが大切です。
評価の観点
| 指導力・表現力 | ・板書・指示は的確か ・教材作成に創意工夫はあるか ・柔軟な対応ができているか ・子どもの意欲を引き出す構成か |
|---|---|
| 姿勢・態度 | ・活気や熱意があるか ・児童・生徒と向き合っているか ・安心感があるか ・誠実に取り組んでいるか |
この2つの観点は、裏を返せば「授業がうまいだけではダメ」ということでもあります。
子どもとちゃんと向き合えているか、が問われるんですね。
過去問(課題・テーマ)
過去3年分の模擬授業のテーマを紹介します。年度によって表現が微妙に違いますが、神奈川県が求める授業の方向性は見えてきます。
| 校種 | テーマ |
|---|---|
| 小学校 | 確かな学力を育成するために、児童の「主体的・対話的で深い学び」が実現するよう工夫された授業 |
| 中学校 | 確かな学力を育成するために、生徒の「主体的・対話的で深い学び」が実現するよう工夫された授業 |
| 高等学校 | 主体的に学習に取り組む態度を養うために、生徒が学習の見通しを立てたり学習したことを振り返ったりできるよう工夫された授業 |
| 特別支援 | 「主体的・対話的で深い学び」の視点に立ち、児童・生徒等の発達段階等に応じてねらいを明確にし、個の学びと子ども同士の学びを大切にした、わかる喜びを実感できる授業 |
| 理療 | 「主体的・対話的で深い学び」の視点に立ち、生徒の自立と社会参加に必要な知識・技能の習得を図るとともに、学ぶ意欲を高める授業 |
| 養護教諭 | 児童・生徒等の現状と課題を養護教諭の専門的な視点でとらえ、「主体的・対話的で深い学び」の実現を通して、豊かな心や健やかな体の育成をめざした授業 |
| 栄養教諭 | 児童・生徒等の現状と課題を栄養教諭の専門的な視点でとらえ、食事の重要性、食事の喜び、楽しさを理解することをめざした、給食の時間における食に関する授業 |
模擬授業の対策方法を詳しくみる
個人面接
神奈川県教員採用試験の個人面接は、受験者の人物面や教員としての適性を確認する試験です。
志望理由や教育観、これまでの経験などについて質問されることが多く、「子どもと関わる神奈川県の教員として適切な人物か」という点が総合的に評価されます。
| 対象校種 | 全校種・教科 |
|---|---|
| 形式 | 個人面接 |
| 配点 | 200点 |
内容の完成度だけでなく、「自分の言葉で伝えられているか」も重要な評価ポイントです。
志望動機や自己PRは暗記するのではなく、自身の経験やエピソードと結び付けて話せるように準備しておきましょう。想定質問に対して、声に出して答える練習を重ねることで、伝わりやすい表現や話し方が身についていきます。
個人面接の過去の質問項目や対策方法を詳しくみる
実技試験
実技試験は、一部の校種・教科で実施されます。
教科に応じて演奏・作品制作・運動技能の披露・英語コミュニケーション能力試験などが課され、教科指導に必要な実技能力が評価されます。
| 対象校種 | 中学校・高等学校(音楽・美術・保健体育・技術・家庭・英語) | |
|---|---|---|
| 試験内容 | 音楽 | ①歌唱 ②ピアノ演奏(暗譜) ③リコーダー独奏(暗譜) ④弾き歌い |
| 美術 | ①素描(鉛筆デッサン) ②デザイン(平面構成) ③立体 | |
| 保健体育 | 必須:柔道・マット運動・水泳 選択:サッカーまたはバレーボール | |
| 技術 | 技術分野(材料と加工・エネルギー変換)に関する基礎的実技 | |
| 家庭 | 衣生活に関する基礎的実技 | |
| 英語 | 英語コミュニケーション能力試験 | |
| 配点 | 120点 | |
実技試験では、技能の正確さだけでなく、落ち着いて課題に取り組む姿勢も見られます。
試験形式を事前に確認し、実際の試験を想定した練習を行っておくことが大切です。
神奈川県教員採用試験の情報を配信しています。倍率や試験日程、過去問分析などをまとめていますので、受験対策に活用してください。
神奈川県教員採用試験の合格に向けて今から始めたいこと
神奈川県教員採用試験では、一般教養・教職専門試験・教科専門試験・模擬授業・個人面接など、さまざまな試験が実施されます。
まずは自分が受験する校種・教科の試験内容を確認したうえで、配点・評価基準や選考・判定基準を踏まえて優先順位を決めることが大切です。
特に個人面接や模擬授業などの二次試験は合否に大きく影響するため、早めに対策を始めておきましょう。
他の自治体の試験内容については、以下の記事でまとめています。


