宮城県教員採用試験は、他県に比べて教職教養のウエイトが圧倒的に高いのが最大の特徴です。
過去の出題データを分析すると、何を優先し、何を捨てるべきかが驚くほど明確に見えてきます。
この2分野だけで全25問中15問以上を占める年もあり、試験全体の6〜7割が決まります。一方で、一般教養や教育史・教育心理は出題数が極端に少なく、年によっては0問です。
つまり、全範囲をまんべんなく勉強するのは非常に非効率です。配点の高い教職教養を完璧にし、一般教養は深入りしない、これが宮城県合格の鉄則です。
この記事では、過去の出題データをもとに科目ごとの傾向と優先順位を具体的に整理しました。
- 配点の過半数を占める最重要科目
- コスパが悪く後回しにすべき科目
- 出題が増加傾向にある分野
- ここ数年ほとんど出ていない分野
これらを、データを用いながら期間別に分かりやすく解説していきます。
60分25問というスピード勝負の中で、いかに効率よく得点するか。その戦略を一緒に固めていきましょう。
【宮城県教採】教養試験の試験概要
宮城県教員採用試験の教養試験は第1次試験で実施されます。
対策を始める前に、まずは試験の全体像を把握しておきましょう。
| 対象校種 | 全校種共通 |
|---|---|
| 試験時間 | 60分 |
| 問題数 | 25問(必答) |
| 出題形式 | マークシート(択一式) |
| 出題範囲 | ①教職教養 ②一般教養 |
| 配点 | 100点満点 |
宮城県の特徴は教職教養比重型です。
問題数は25問と他県に比べて少なめですが、1問あたりの重みがあります。試験時間は60分あるため、1問あたり2分以上かけられる計算になり、比較的余裕を持って解答できます。
▼どんな問題なのか、形式なのか確認したい方は、以下の記事で過去問をまとめています。


【宮城県教採】教養試験の出題傾向と対策
宮城県の筆記試験は教職教養約17〜19問、一般教養約6〜8問という極端な教職教養比重型です。
過去のデータを見ると、教職教養の中でもさらに対策すべき分野が絞られてきます。
ここでは各科目の出題傾向と対策のポイントを解説していきます。
教職教養
教職教養で最優先すべきは教育原理(特に教育時事)と教育法規です。
この2分野だけで教養試験全体の6割以上を占めています。
過去3年間の科目別出題数を見てみましょう。
| 科目 | R8年度 | R7年度 | R6年度 |
|---|---|---|---|
| 教育原理 | 13 | 14 | 12 |
| 教育法規 | 3 | 3 | 5 |
| 教育心理 | 0 | 2 | 1 |
| 教育史 | 1 | 0 | 1 |
教育原理は毎年12〜14問という圧倒的な出題数です。
その中でも特に教育時事が毎年4〜7問出題されており、ここが最大の得点源となります。また特別支援教育や生徒指導も毎年コンスタントに出題されています。
教育法規は毎年3〜5問。日本国憲法、教育基本法に加え、教職員の服務や子どもに関する法規(児童福祉法など)が頻出です。
一方で教育心理と教育史は合わせても1〜2問、年によっては0問です。ここに時間をかけるのは得策ではありません。
一般教養
一般教養は出題数が少なく(6〜8問)、範囲も絞りづらいため、深追いは禁物です。
基本的には国語・数学・英語の基礎的な問題を拾い、理科・社会は得意分野があれば解く、というスタンスで十分です。
過去3年間の科目別出題数を見てみましょう。
| 科目 | R8年度 | R7年度 | R6年度 |
|---|---|---|---|
| 国語 | 2 | 2 | 2 |
| 倫理 | 0 | 0 | 0 |
| 英語 | 1 | 1 | 1 |
| 音楽 | 0 | 0 | 0 |
| 美術 | 0 | 0 | 0 |
| 保健体育 | 0 | 0 | 0 |
| 世界史 | 0 | 0 | 0 |
| 日本史 | 0 | 0 | 0 |
| 地理 | 2 | 0 | 1 |
| 政治 | 0 | 1 | 0 |
| 経済 | 0 | 0 | 0 |
| 国際関係 | 0 | 0 | 0 |
| 環境 | 0 | 0 | 0 |
| 数学 | 2 | 1 | 1 |
| 物理 | 0 | 0 | 0 |
| 化学 | 1 | 0 | 0 |
| 生物 | 0 | 0 | 0 |
| 地学 | 0 | 1 | 1 |
| 情報 | 0 | 0 | 0 |
| その他 | 0 | 0 | 0 |
ご覧の通り、国語(2問)、数学(1〜2問)、英語(1問)以外は出題されたりされなかったりと非常に不安定です。
国語は漢字や読解などの基本的な問題、数学は数と式や図形が中心です。英語も読解が1問程度。理科や社会(地理など)も出題されますが、それぞれ1問程度であり、対策範囲に対してリターンが少なすぎます。
一般教養対策に時間を割くくらいなら、教職教養の時事問題を1つでも多く覚えるべきです。
▼科目別に出題分野を一覧化したデータを以下の記事でまとめています。あわせて活用してください。


【宮城県教採】教養試験の勉強スケジュール
出題傾向が分かったところで、次は具体的な学習スケジュールです。
宮城県の試験対策は教職教養にリソースを全振りすることが重要です。
ここでは各期間に分けて、それぞれの時期にやるべきことを解説していきます。


ターム①:10月〜12月(教職基礎固め期)
この時期は教育原理と教育法規の基礎を徹底的に固めます。
| 学習時間の目安 | 平日1〜2時間 / 休日3〜4時間 |
|---|---|
| 優先度MAX | 教育原理・教育法規 |
| おすすめ教材 | よく出る過去問224、セサミノート |
| やらなくてOK | 一般教養全般、教育史、教育心理 |
一般教養には一切手を付けず、まずは教職教養のテキストや問題集を周回して基礎知識を定着させましょう。
問題集から始めるのが正解
基礎固めというと参考書を最初から読みたくなりますが、実は問題集から始める方が効率的です。
- 出題形式に慣れる
- 参考書を読むだけでは本番でどう出題されるか分かりません。問題集なら実際の出題形式で学べます。
- 頻出分野が分かる
- 参考書は網羅的ですが、問題集は頻出分野に絞られています。試験に出ないところを勉強する時間が省けますね。
- 記憶に残りやすい
- 読むだけより問題を解く方が圧倒的に記憶に定着します。間違えた問題は特に印象に残るので復習効果も高いです。
おすすめの問題集は「教職教養 よく出る過去問224(実務教育出版)」や「セサミノート(東京アカデミー七賢出版)」です。
これらの問題集は良問が多く解説が丁寧だったり、穴埋め式で狙われやすい語句やポイントがよくわかったりしやすい構成なので、無駄なく学習を進められます。
よく「参考書を読んでから問題集に進むべきでは?」と聞かれます。
結論から言うと、最初から参考書を通読する必要はありません。むしろ非効率だと私は思います。
参考書は辞書的に使うのが正解です。問題集を解いて分からなかった部分だけ参考書で調べる、というスタイルの方が記憶に残ります。
最初から参考書を読むと、どこが重要か分からないまま読み進めることになり、結局ほとんど頭に入りません。
問題集で「これ分からない」と思った瞬間に参考書を開くからこそ、その知識が定着するんですね。
ターム②:1月〜3月(教育時事・演習期)
この時期から、宮城県で最も重要な教育時事の対策を本格化させます。また、一般教養の基礎的な部分にも少しずつ触れていきます。
| 学習時間の目安 | 平日2〜3時間 / 休日4〜5時間 |
|---|---|
| 教職教養 | 学習指導要領、中教審答申、生徒指導提要 |
| 一般教養 | 国語(漢字・読解)と数学の公式確認 |
| 重点分野 | 教育時事(最新の答申や通知) |
教育時事が合否を分ける
宮城県では教育原理の中で最新の教育事情が問われます。令和の日本型学校教育や教育振興基本計画などは必ずチェックが必要です。
これらの資料は原文が長くて読むのが大変ですが、重要キーワード(主体的・対話的で深い学び、個別最適な学びなど)とその意味をセットで覚えることから始めましょう。
一般教養は国語と数学の基礎のみ
一般教養は国語と数学の基礎のみでOKです。
- 国語:漢字や四字熟語、簡単な読解問題
- 数学:因数分解や一次方程式、簡単な確率
理科や社会は範囲が広すぎる割に出題数が少ないので、この時期は無視しても構いません。
ターム③:4月〜5月(実践・過去問期)
この時期はターム②の繰り返し+弱点補強が中心です。
基本的にはターム②と同じ学習を継続しながら、模試等で見つかった弱点を潰していきます。
| 学習時間の目安 | 平日2〜3時間 / 休日5〜6時間 |
|---|---|
| 教職教養 | 過去問演習 + 苦手分野の補強 |
| 一般教養 | 基本を忘れない程度の演習 |
| 戦略 | 教育原理・法規で失点しない |
教職教養は引き続き過去問演習
他自治体の過去問演習を継続してください。2周目、3周目と繰り返すことで定着度が上がります。
模試を受けたら、間違えた分野を徹底的に復習しましょう。特に教育原理と教育法規で落としている問題があれば最優先で潰してください。
この2科目で点を取れないと合格は厳しくなります。
一般教養は基礎確認
国語・数学・英語は引き続き基礎知識を固めます。
ただし一般教養に時間をかけすぎないように注意してください。宮城県は教職教養の配点が圧倒的に高いので、一般教養対策は基本を忘れない程度で十分です。
一般教養は満点を目指す必要はないので、国数英で基礎点を確保できたら他は無理に手を広げなくて大丈夫です。
ターム④:6月(直前期)
直前期は総仕上げと最終確認です。
| 学習時間の目安 | 平日3〜4時間 / 休日6〜8時間 |
| 最優先事項 | 教育法規の数値・時事キーワード・学習指導要領 |
| NG行動 | 新しい問題集や一般教養の深追い |
|---|
特に教育法規や学習指導要領の文言は、直前に詰め込むのが最も効果的です。
直前期のチェックリスト
- 教育時事の最新キーワード
- こども家庭庁、GIGAスクール、働き方改革関連の答申や通知を確認
- 教育法規の重要条文
- 義務教育の年限、懲戒、体罰の禁止など頻出条文の穴埋めを確認
- 学習指導要領(総則)
- 基本概念を再確認
試験3日前からの過ごし方
試験直前の3日間は特に注意が必要です。
- 新しい問題は解かない
- まとめノートと間違えた問題の見直しだけに集中
- 睡眠時間をしっかり確保(最低7時間)
- 当日の持ち物・会場までのルートを確認
このスケジュールはあくまで目安なので、自分の生活スタイルに合わせて調整してくださいね。大切なのは教育原理と教育法規を最優先にして、そこから崩さないことです。
▼教職・一般教養の勉強方法は以下の記事で解説しています。あわせて確認してください。


【宮城県教採】教養試験まとめ
宮城県教員採用試験の教養試験対策について解説してきました。
ポイントは明確です。教育原理と教育法規で8割取るつもりで勉強すること。
宮城県でよく出る分野を確実に取ること、これが合格への近道です。
▼科目別によく出る分野を一覧化したデータを、以下の記事でまとめています。あわせて活用してください。


まずはやるべきことを絞り込んで、今日から少しずつ積み上げていきましょう。毎日の積み重ねが合格につながります。
テキスト1ページでも、過去問1問でも構いません。今できることから始めていきましょう。

