愛知県教員採用試験は範囲が広く、特に「教職・一般教養」はどこから手を付けるべきか迷いやすい科目です。
しかし、過去の出題データを分析すると、効率よく点数を伸ばすための明確な優先順位が見えてきます。
この2科目だけで、全30問中10問を占めており、しかも出題数が毎年安定しています。一方で、教育心理や教育史、理科・社会の一部分野は年によって出題数が少なかったり、0問の年度もある科目です。
つまり、闇雲に全範囲へ手を広げるより、「毎年必ず出る分野から確実に取り切る」方が圧倒的に合格へ近づくということです。
この記事では、過去の出題データをもとに、科目ごとの傾向と何から勉強すべきかを具体的に整理しました。
- まず押さえるべき最重要科目
- 逆に後回しでも問題ない科目
- 出題が安定している分野
- 変動が大きい分野
これらを、データを用いながら期間別に分かりやすく解説していきます。
「時間が限られている中で、合格に必要な点数をどう確実に取りにいくか」その戦略を、一緒に固めていきましょう。
【愛知県教採】教職・一般教養の試験概要
愛知県教員採用試験の教職・一般教養は第1次試験で実施されます。
対策を始める前に、まずは試験の全体像を把握しておきましょう。
| 対象校種 | 全校種共通 |
|---|---|
| 試験時間 | 60分 |
| 問題数 | 30問(必答) |
| 出題形式 | OCR(択一式) |
| 出題範囲 | ①教職教養 ②一般教養 ③ローカル(教育施策) |
| 配点 | 100点満点 |
愛知県の特徴は教職教養・一般教養・ローカルをバランスよく出題するスタイルです。
出題形式はOCR(選択式)ですが、選択肢が8〜10個と多めなので注意が必要です。また、30問を60分で解くので1問あたり2分のペース配分が求められます。
▼どんな問題なのか、形式なのか確認したい方は、以下の記事で過去問をまとめています。


【愛知県教採】教職・一般教養の出題傾向と対策
愛知県の筆記試験は教職教養13問、一般教養16問、ローカル1〜2問のバランス型です。
過去のデータを見ると、科目ごとに明確な傾向が見えてきます。
ここでは各科目の出題傾向と対策のポイントを解説していきます。
教職教養
教職教養で最優先すべきは教育原理と教育法規の2科目です。
この2科目だけで全30問中10問を占めています。
過去3年間の科目別出題数を見てみましょう。
| 科目 | 令和8年度 | 令和7年度 | 令和6年度 |
|---|---|---|---|
| 教育原理 | 7 | 6 | 6 |
| 教育法規 | 3 | 3 | 3 |
| 教育心理 | 1 | 1 | 1 |
| 教育史 | 2 | 2 | 2 |
教育原理は毎年6〜7問、教育法規は毎年3問で安定しています。
特に教育原理では学習指導要領が3年連続で毎年2問以上出ています。また特別支援教育も3年連続で出題されているので、ここは確実に押さえたいところですね。
教育法規は日本国憲法と教育基本法が過去10年間毎年1問ずつ出ています。範囲が限られているので、きちんと勉強すれば確実に得点源になるでしょう。
一方で教育心理は毎年1問しか出ないので、深入りするより他を固めた方が効率的です。心理や歴史に時間を割く前に、原理と法規で8割以上取るつもりで臨みましょう。
一般教養
一般教養で最も大切なのは国語・数学・英語の基礎3科目を固めることです。
この3科目は過去10年間、毎年各2問ずつ安定して出題されています。一方で理科や社会は年度によって出題分野が激しく変動するので要注意です。
過去3年間の科目別出題数を見てみましょう。
| 科目 | 令和8年度 | 令和7年度 | 令和6年度 |
|---|---|---|---|
| 国語 | 2 | 2 | 2 |
| 倫理 | 0 | 0 | 0 |
| 英語 | 2 | 2 | 2 |
| 音楽 | 0 | 0 | 1 |
| 美術 | 0 | 1 | 1 |
| 保健体育 | 1 | 1 | 1 |
| 世界史 | 0 | 1 | 1 |
| 日本史 | 1 | 0 | 0 |
| 地理 | 1 | 1 | 0 |
| 政治 | 0 | 0 | 0 |
| 経済 | 0 | 0 | 1 |
| 国際関係 | 1 | 1 | 0 |
| 環境 | 1 | 0 | 0 |
| 数学 | 2 | 2 | 2 |
| 物理 | 0 | 1 | 0 |
| 化学 | 1 | 0 | 1 |
| 生物 | 1 | 2 | 0 |
| 地学 | 0 | 0 | 2 |
| 情報 | 1 | 1 | 1 |
| その他 | 2 | 1 | 1 |
国語では文学史が過去10年で8回出ているので要チェックです。漢字や語句も含めて、広く浅く知識を確認しておくのが良さそうですね。
数学は図形問題が3年連続で毎年出ています。苦手な人も多いと思いますが、公式の確認だけはしておいてください。確率やデータ分析も近年増えている印象です。
理科や社会は物理や地学など年によって0問の科目があります。全範囲を網羅するのは非効率なので、得意分野に絞るのも一つの戦略ですね。
一般教養は満点を目指す試験ではありません。安定している主要3科目で確実に点を稼ぐ、これが鉄則です。
ローカル(教育施策)
愛知県独自の教育施策問題は例年1〜2問出題されています。
過去3年間の出題数を見てみましょう。
| 科目 | 令和8年度 | 令和7年度 | 令和6年度 |
|---|---|---|---|
| ローカル | 1 | 2 | 2 |
特にあいちの教育ビジョンは過去10年で6回出題されています。愛知県を受験するなら、まずここから押さえるべきでしょう。令和7年度には教育育成指標といじめ防止基本方針が出題されました。
似たような名称の計画が多く私もたまに混乱しますが、何を目的とした計画かというキーワードをセットで覚えると整理しやすいですね。
ローカル問題は知っているかどうかが全てです。直前期に詰め込むのが効率的かもしれませんが、主要な施策の概要は頭に入れておきたいところですね。
▼科目別に出題分野を一覧化したデータを以下の記事でまとめています。あわせて活用してください。


【愛知県教採】教職・一般教養の勉強スケジュール
出題傾向が分かったところで、次は具体的な学習スケジュールです。
愛知県教員採用試験の第1次試験は6月中旬なので、10月から始めれば約9ヶ月の準備期間があります。
ここでは各期間に分けて、それぞれの時期にやるべきことを解説していきます。
ターム①:10月〜12月(基礎固め期)
この時期は教職教養の基礎固めに集中しましょう。まずは教育原理と教育法規から始めてください。
| 学習時間の目安 | 平日1〜2時間 / 休日3〜4時間 |
|---|---|
| 優先度MAX | 教育原理・教育法規 |
| おすすめ教材 | よく出る過去問224、セサミノート |
| やらなくてOK | 教育史、教育心理、一般教養 |
この2科目で全30問中10問を占めているので、ここを固めないと後が苦しくなります。
問題集から始めるのが正解
基礎固めというと参考書を最初から読みたくなりますが、実は問題集から始める方が効率的です。
- 出題形式に慣れる
- 参考書を読むだけでは本番でどう出題されるか分かりません。問題集なら実際の出題形式で学べます。
- 頻出分野が分かる
- 参考書は網羅的ですが、問題集は頻出分野に絞られています。試験に出ないところを勉強する時間が省けますね。
- 記憶に残りやすい
- 読むだけより問題を解く方が圧倒的に記憶に定着します。間違えた問題は特に印象に残るので復習効果も高いです。
おすすめの問題集は「教職教養 よく出る過去問224(実務教育出版)」や「セサミノート(東京アカデミー七賢出版)」です。
これらの問題集は良問が多く解説が丁寧だったり、穴埋め式で狙われやすい語句やポイントがよくわかったりしやすい構成なので、無駄なく学習を進められます。
よく「参考書を読んでから問題集に進むべきでは?」と聞かれます。
結論から言うと、最初から参考書を通読する必要はありません。むしろ非効率だと私は思います。
参考書は辞書的に使うのが正解です。問題集を解いて分からなかった部分だけ参考書で調べる、というスタイルの方が記憶に残ります。
最初から参考書を読むと、どこが重要か分からないまま読み進めることになり、結局ほとんど頭に入りません。
問題集で「これ分からない」と思った瞬間に参考書を開くからこそ、その知識が定着するんですね。
ターム②:1月〜3月(応用・演習期)
この時期は教育原理や教育法規に加えて教育心理や教育史にも手をつけていきましょう。また、一般教養では国語・数学・英語を本格的に暗記していく時期です。
| 学習時間の目安 | 平日2〜3時間 / 休日4〜5時間 |
|---|---|
| 教職教養 | Hyper実践シリーズで他自治体過去問 |
| 一般教養 | セサミシリーズで国数英を暗記 |
| 重点分野 | 文学史・図形・会話文 |
教職教養は過去問でインプット即アウトプット
教職教養は愛知県以外の自治体の過去問を解いてください。おすすめは「Hyper実践シリーズ」です。
なぜ他自治体の過去問なのか、理由は2つあります。
- 出題内容は全国共通
- 教育原理や教育法規の内容は全国どこでも同じです。学習指導要領も教育基本法も共通なので、他自治体の問題でも十分対策になります。
- 問題数が圧倒的に多い
- 愛知県だけだと過去問の数が限られますが、全国の自治体の過去問を使えば膨大な演習量を確保できます。色々な角度から出題されるので、理解も深まりますね。
間違えた問題は必ず参考書に戻って復習しましょう。特に教育原理は出題範囲が広いので、過去問で頻出分野を絞り込むのが効率的です。
教育史と教育心理も少しずつ手をつけ始めます。ただし深入りは禁物です。教育史は過去問に出た人物と業績だけ、教育心理も頻出の学習理論に絞ってください。
一般教養は暗記中心で攻める
一般教養の国語・数学・英語は参考書でゴリゴリ覚える時期です。セサミシリーズが網羅性が高くておすすめですね。
この3科目は毎年各2問ずつ出るので、ここで確実に点を取れるようにしておきましょう。
- 国語:文学史が10年で8回出ているので最重要。作品名と作者をセットで覚えましょう。
- 数学:図形問題が3年連続で出ています。基本公式を確実に覚えてください。
- 英語:会話文が毎年出ます。頻出表現を参考書で覚えましょう。
理科や社会はまだ手をつけなくて大丈夫です。まずは安定して出題される3科目を固めることに集中しましょう。
ターム③:4月〜5月(実践・弱点補強期)
この時期はターム②の繰り返し+弱点補強が中心です。基本的にはターム②と同じ学習を継続しながら、模試で見つかった弱点を潰していきます。
| 学習時間の目安 | 平日2〜3時間 / 休日5〜6時間 |
|---|---|
| 教職教養 | 過去問演習2〜3周目+弱点補強 |
| 一般教養 | 国数英継続+理社1〜2科目追加 |
| 理社の選択 | 化学・生物・日本史・地理から選ぶ |
教職教養は引き続き過去問演習
Hyper実践シリーズを使った他自治体の過去問演習を継続してください。2周目、3周目と繰り返すことで定着度が上がります。
模試を受けたら、間違えた分野を徹底的に復習しましょう。特に教育原理と教育法規で落としている問題があれば最優先で潰してください。この2科目で点を取れないと合格は厳しくなります。
一般教養は理科・社会にも着手
国語・数学・英語は引き続きセサミシリーズで知識を固めつつ、この時期から理科・社会にも手を広げていきます。
ただし全範囲やろうとすると時間が足りません。得意分野を1〜2科目選んで集中的に勉強しましょう。
- 理科:化学・生物あたりが比較的安定して出題されています。物理や地学は年によって0問なので優先度は低めですね。
- 社会:日本史・地理が狙い目です。世界史も令和7年度・6年度と2年連続で出ているので、余裕があれば手をつけましょう。
- 芸術科目:音楽や美術も過去3年で数回出ています。得意なら取り組んでもいいですが、無理に手を広げる必要はありません。
一般教養は満点を目指す必要はないので、国数英で6点確保できたら他は無理に手を広げなくて大丈夫です。
ターム④:6月(直前期)
直前期は総仕上げと最終確認です。
| 学習時間の目安 | 平日3〜4時間 / 休日6〜8時間 |
| 最優先事項 | 教育法規・学習指導要領・ローカル |
| NG行動 | 新しい問題集に手を出す |
|---|
新しいことには手を出さず、今までやってきたことの復習に徹してください。
直前期の重点3ポイント
直前期に繰り返し確認すべきポイントは次の3つです。
- 教育法規の条文
- 日本国憲法26条・教育基本法を最終チェック。声に出して読むと定着しやすい。
- 学習指導要領
- 総則と各教科の目標を再確認。特に「主体的・対話的で深い学び」あたりは頻出。
- ローカル問題
- あいちの教育ビジョン・教育育成指標・いじめ防止基本方針を集中的に読み込む。キーワードと目的をセットで暗記。
試験3日前からの過ごし方
試験直前の3日間は特に注意が必要です。
- 新しい問題は解かない
- まとめノートと間違えた問題の見直しだけに集中
- 睡眠時間をしっかり確保(最低7時間)
- 当日の持ち物・会場までのルートを確認
このスケジュールはあくまで目安なので、自分の生活スタイルに合わせて調整してくださいね。大切なのは教育原理と教育法規を最優先にして、そこから崩さないことです。
▼教職・一般教養の勉強方法は以下の記事で解説しています。あわせて確認してください。


【愛知県教採】教職・一般教養まとめ
愛知県教員採用試験の教職・一般教養対策について解説してきました。
教職・一般教養の合格点に必要なのは、全部を完璧にやることではありません。愛知県でよく出る分野を確実に取ること、これが合格への近道です。
▼科目別によく出る分野を一覧化したデータを、以下の記事でまとめています。あわせて活用してください。


まずはやるべきことを絞り込んで、今日から少しずつ積み上げていきましょう。0分より10分、10分より20分。その小さな一歩が合格につながります。
テキスト1ページでも、過去問1問でも構いません。今できることから始めていきましょう。

