MENU
>noteでも有益情報を配信中!

教員採用試験の専門教養とは?試験内容と校種別の特徴を解説

あなた

教員採用試験の専門教養って、どんな試験なの?」

一言でいうと、「受験する校種・教科に関する専門知識」を問う筆記試験です。

小学校なら全教科、中学校・高校なら受験教科、特別支援学校や養護教諭、栄養教諭では、それぞれの専門分野から出題されます。

自治体によって出題形式や問題数は大きく異なり、多くの自治体で配点が高い重要科目です。

この記事では、教員採用試験の専門教養について、出題内容や校種別の特徴をわかりやすく解説します。

福永

福永です。Xnoteもやってます!【無料相談自己紹介】はこちら。

目次

教員採用試験|専門教養とは

教員採用試験の専門教養(専門科目)は、受験する校種・教科に関する専門知識を問う試験です。

教職教養や一般教養とは異なり、自分が指導する教科・分野について深く理解しているかが問われます。

教職教養・一般教養との違い

教職教養は、

  • 学習指導要領
  • 教育法規
  • 教育心理

など、教育全般に関する知識を問う試験です。

教職教養の内容を詳しく見る

一般教養は、

  • 国語
  • 英語
  • 数学
  • 社会
  • 理科

など、これまでに学んだ内容に関する基礎学力を問う試験です。

一般教養の内容を詳しく見る

一方、専門教養では、自分が教える教科・分野を理解しているかが重視されます。また、教職教養や一般教養と比べて配点を高くしている自治体も多いです。

少しでも合格に近づくには、配点の高い専門教養で点を取ることが重要。教職・一般教養の1問に深入りするより、配点が高い・・・・・教科専門を極めることが大切です。

くれぐれも科目間の重要性と勉強時間の配分を間違えないように注意してください。

問題の難易度(レベル)

専門教養の問題は、志望校種よりワンランク高いレベルが想定されています。

たとえば、小学校なら中学校~高校で学んだレベルが、中学校・高校なら高校~大学入試レベルの問題がよく出題されています。

高レベルが求められる科目を隅から隅まで勉強することは難しいと感じるかもしれません。

しかし、実際には出題される分野と傾向はある程度わかっています。ですので、頻出度の高い科目・分野を解けるようにすることが、合格するコツと言えるでしょう。

福永

養護教諭や特別支援などの専門職における出題は、それぞれの学部で学んだことが大部分です!

教員採用試験|専門教養の試験内容

教員には様々な校種や教科(科目)があります。つまり、それぞれの校種・教科に応じた知識が必要であり、その専門性の有無が問われるのです。

たとえば、小学校なら主要5科目や副科目が出題されます。社会科教員なら地理歴史や公民などが出題という具合に、校種・教科ごとに出題科目が異なるのです。

教員採用試験の専門教養について、教科ごとに内容や特徴を解説します。

小学校

小学校で指導する全教科に関する幅広い知識が問われます。自治体によっては主要4教科(国語・社会・算数・理科)に限定して出題するところも。

主な出題内容は次のとおりです。

国語学習指導要領からの空欄補充や指導学年を問う問題が中心です。漢字(読み書き・部首・筆順)、四字熟語、ことわざ等の基礎知識のほか、評論文を中心とした現代文が出題されます。自治体によっては古文・漢文、文学史(作者と作品、俳句の季語等)も含まれます。
社会地理は都道府県の特徴、気候区分(雨温図)、統計資料を用いた問題が頻出します。歴史は人物の功績や文化史を含め、時代をまたぐ大きな流れの理解が必要です。政治・経済では日本国憲法、三権分立、地方自治、国際社会の動向などが問われます。
算数学習指導要領に基づき、実際の指導場面での説明や工夫を問う実践的な問題が多く見られます。四則計算、方程式、関数、図形(面積、角度、相似比、作図)、確率など、中学校レベルの標準的な問題が出題されます。
理科物理(電気回路、振り子)、化学(水溶液、気体)、生物(動植物の分類、人体)、地学(天体、気象、地層)の全領域から出題されます。実験器具の使い方や試薬の取扱い、安全配慮事項など、指導に直結する知識も求められます。
生活「気付き」や「指導計画の作成と内容の取扱い」に関する問題が頻出します。また、教科書に掲載されている植物の栽培や動物の飼育に関する実践的な知識も問われます。
音楽楽典(音楽記号、和音、調性等)や音楽史のほか、共通教材の楽譜から階名、調性、拍子を読み取る問題が出題されます。「荒城の月」などの鑑賞曲に関する知識(作者、使用楽器)も必要です。
図画工作彫刻刀や水彩絵の具などの用具の種類・使用方法、モダンテクニックなどの表現技法、三原色や色相環に関する問題が頻出します。西洋・日本の著名な画家と作品(美術史)に関する知識も問われます。
家庭ミシンの使用方法や洗濯の絵表示に関する「被服」、栄養素や調理に関する「食物」、日照や換気などの「家族の生活と住居」から出題されます。実習時の手順や安全配慮事項への理解も重要です。
体育「体つくり運動」が特に重視されます。運動領域における指導方法や工夫のほか、心身の発達、応急処置(AED等)、生活習慣病などの保健領域に関する知識も問われます。
外国語目標や内容の空欄補充のほか、日常的な英会話の対話文における空欄補充や並び替え問題が出題されます。自治体によってはリスニングが課される場合もあります。
道徳「目標」や「指導計画の作成と内容の取扱い」の空欄補充が中心です。解説に記載されている「四つの視点」や評価に関わる詳細な内容が問われる場合もあります。

教科数が多いことから、苦手教科は極力なくして試験に臨むことが重要です。

学習指導要領については、いずれの教科も「教科目標」「各学年の目標」のほか、「指導計画の作成と内容の取扱い」が重要です。

出題範囲が膨大になるため、まずは志望自治体の過去問を3年分解いて頻出教科と自身の弱点をリストアップしましょう。

中学校・高等学校

中学校・高校で同教科の場合、3つの出題パターンがあります。

  • 中高で同じ問題
  • 中高で全く異なる問題
  • 一部の問題を選択制

学習指導要領に関しては中高両方を勉強しなくてはならない場合もあるため、受験する自治体の出題方法と校種によるレベル差をあらかじめ把握しておきましょう。

国語

中学校・高校の国語は、現代文・古文・漢文の3領域から幅広く出題される科目です。

単に文章を読解するだけでなく、出題文を題材として実際の授業を想定した指導法を問う形式も見られるため、教科の専門知識と指導力の両方が求められます。

主な出題内容は以下のとおりです。

学習指導要領・指導法「目標」「内容」が毎年頻出です。現代文・古文・漢文の出題文を題材として指導法を問う形式(授業を想定した生徒への説明・指導案作成など)も出題されます。文章を十分に把握した上で解答する必要があるため時間配分に注意が必要です。学習指導要領を踏まえた上で簡潔かつ的確に述べる力が求められます。
現代文評論からの出題が圧倒的に多く小説・随筆がそれに次ぎます。評論のテーマは言語・文化・文芸・哲学に関するものが頻出傾向にありますが、どのような内容にも対応できるよう様々なタイプの文章に慣れておくことが重要です。設問は漢字・空欄補充・語句説明・段落・内容把握が中心です。記述式では30〜80字で説明する形式が多いため、設問箇所を中心に本文の大意を押さえながら考えを整理して書く練習が必要です。
古文中古・中世の作品からの出題が多いです。『源氏物語』『大鏡』『徒然草』『宇治拾遺物語』『古今著聞集』などは出題頻度が高いです。設問は品詞分解・活用形の説明といった基礎的なものから、内容説明・和歌の修辞および解釈・古典文学史の知識まで幅広く問われます。
漢文毎年同じような出題傾向のため過去問を活用して出題パターンに慣れることが有効です。『史記』『十八史略』『国語』『孟子』『荘子』『韓非子』は頻出です。再読文字・使役・疑問・反語・否定などの句法をしっかり学習し、書き下し・白文への訓点といった基礎問題から現代語訳・内容と心情把握まで対応できる読解力を養いましょう。

古文の頻出作品は内容把握まで含めた総合的な読解力が必要です。

漢文は句法の暗記と過去問演習をセットで進めましょう。

社会

中学校・高校の社会は、地理・歴史・公民の各分野から幅広く出題される科目です。

中学では統計資料を使った問題が多く、高校では史料問題や論述問題の比重が高くなる傾向があります。また板書計画や指導案の作成まで問われるため、教科の知識だけでなく実際の授業を想定した準備も必要です。

主な出題内容は以下のとおりです。

中学校学習指導要領・指導法「教科目標」「各分野の目標」「指導計画の作成と内容の取扱い」の空欄補充が中心です。意図やねらいを記述させることもあるため『学習指導要領解説』も熟読しておきましょう。指導法については授業を想定した板書計画・授業案・指導案の作成まで出題されます。
地理分野日本地理・世界地理について幅広く出題されます。自然環境・農業・鉱工業・貿易が主要テーマです。表やグラフなどの統計資料を利用して都道府県名や国名・品目などを問う問題が多く統計資料集を活用した学習は必須です。世界地図や地形図の読み取り問題・時差を計算する問題も頻出です。
歴史分野日本史は律令体制確立期・武家政権草創期・幕藩体制動揺期・明治大正期からの出題が顕著です。年表を提示して複数の時代にまたがったテーマ史の出題も目立ちます。史料問題も多いため主要な史料は内容を確認し理解を深めておきましょう。世界史は西洋史で古代ギリシア・ローマ期・絶対王政期から、東洋史では中国史全般・イスラーム史が多く、戦後の東西関係史も押さえておくとよいでしょう。
公民分野政治分野は日本国憲法およびそれに基づく日本の政治機構に関する問題が多いです。国会・内閣・裁判所の関係とそれぞれの権能・地方自治のしくみ・直接請求権・選挙制度からの出題も目立ちます。経済分野は金融・財政政策・租税制度・社会保障制度が頻出です。国際関係では国際連合のしくみと役割・EUやASEANなど地域協力機構の正式名称・略称・結成の経経緯の理解が必要です。倫理分野は西洋・東洋の思想のキーワードを中心にまとめておくとよいでしょう。
高等学校学習指導要領・指導法「教科目標」「各科目の目標」「指導計画の作成と内容の取扱い」からまんべんなく出題されます。指導法については授業を想定した板書計画・授業案・指導案の作成まで出題されるため『学習指導要領解説』の理解を踏まえた上で作成できるよう準備しておきましょう。
世界史西洋史は近代以降・第二次世界大戦までの出題が多いです。東洋史は中国史の複数の時代にまたがる政治制度史・経済史・イスラーム史からの出題が目立ちます。帝国主義時代以降は各国史単位では理解できないため世界各地で同時進行的に起こっている事項を整理・理解しておきましょう。各国の王朝変遷史は年表と地図で確認し各世紀の国際関係を図説史料集で把握しておくことも重要です。比較的長めの論述が要求される自治体では歴史的因果関係を把握した上で論点を明確にまとめる文章力が求められます。
日本史時代別の出題より通史的な問題や各時代の重要論点を集めた総合的な問題が多いです。史料問題の出題が非常に多いため各史料の特徴的な部分は暗記しておき出題された史料が何であるか一目でわかるくらいの準備が必要です。各時代の文化史は写真などを用いた問題も多いため図説史料集の活用が必須です。自治体によってはかなりのボリュームの論述問題が出題されるため正確な知識と文章力が求められます。郷土史に関して詳細な内容を出題する自治体もあるため出身地以外を受験する場合は注意が必要です。
地理世界地理・日本地理を問わず総合的かつ専門的な知識が必要です。各国・各地域の自然・資源・産業・貿易・人口・環境問題など多岐にわたります。地域単位での総合的な出題が多いため地域ごとに様々な項目を整理した学習が効果的です。農業・工業・貿易統計などの図表やグラフを用いた問題が頻出のため統計資料集を活用した学習は必須です。地形図の読み取り問題・地理用語の論述問題・模式図や略地図の作成問題も多いです。
政治・経済政治分野は日本国憲法およびそれに基づく日本の政治機構についてかなり詳細な論点まで問われることが多いです。憲法条文や判例を中心に読み込んだ上でその内容を完全に理解しておく必要があります。諸外国の政治制度との比較問題も多いです。経済分野は市場経済のしくみといった基本的な問題から第二次世界大戦以降の経済体制の展開や近年の国際経済に関する問題まで幅広いです。社会保障制度・労働問題・消費者問題・環境問題からの出題も目立ち論述問題の出題が増加傾向にあります。
倫理西洋の思想はギリシア思想や近代以降からの出題が多く、経験論・合理論・ドイツ観念論・実存主義が頻出です。東洋の思想は諸子百家・鎌倉仏教・日本の近代思想が出題の核です。青年期や自己形成の課題についてはエリクソンやフロイトが頻出です。

統計資料集は地理・公民ともに必携です。

高校日本史の史料問題は「一目でわかる」レベルまで主要史料を繰り返し読み込んでおきましょう。

数学

中学校・高校の数学は、高等学校の学習内容に基づいた融合問題が中心となる科目です。

単に問題を解く力だけでなく、証明問題や思考過程を問う問題・生徒の誤答に気付かせる指導法を問う問題も多く出題されるため、「教える側の視点」を常に意識しながら学習を進めることが重要です。

主な出題内容は以下のとおりです。

学習指導要領・指導法「目標」「内容の取扱い」は出題頻度が特に高く必ず熟読しておく必要があります。『学習指導要領解説』からの抜粋問題も出題されます。指導法は誤答に気付かせ正答を導くための指導法・指導上の工夫と留意点・具体的な場面や事象をあげる問題・単元を指導するための具体的な問題と解答例を作成する問題など様々な単元から出題されます。
図形高等学校での学習内容に基づいた融合問題が中心です。内容およびレベルともに大学入試の標準程度の問題が多く、すべての分野にわたる幅広い学習が求められます。大学受験用参考書や問題集による総合的な演習が得策です。証明問題や解答の途中経過(思考過程)を問う問題も多く見られるため、標準的な解法だけでなく実際に生徒を指導する場合を想定した多様な解法も考えておく必要があります。
ベクトル
関数
微分積分
数列
確率

基礎固めを徹底して確実に得点できる分野・問題を増やすことが合格への近道です。

教科書を読んで実際の授業を想定した指導案・板書計画を考える習慣をつけておきましょう。

理科

中学校・高校の理科は、物理・化学・生物・地学の4分野から出題される科目です。

各分野とも公式や理論・反応式を使った計算問題が多く、スピードと正確さの両方が求められます。また観察・実験の手順や薬品・器具の取扱いに関する問題も頻出で、実践的な知識が問われる点が特徴です。

主な出題内容は以下のとおりです。

中学校学習指導要領・指導法教科や各分野の「目標」は空欄補充の形式で出題されることが多く一語一句必ず覚えておく必要があります。各分野の「内容」やその取扱いに関しては各項目のキーワードやどのような内容を教えるのかを整理・確認しておきましょう。観察・実験の方法や注意点・生徒への指導法などの実践的な知識が問われることもあります。
物理電流による発熱・電流と磁界の関係・電気回路・電力・抵抗・物体と運動・運動とはたらく力・音波(ドップラー効果)・光の進み方(レンズ)が頻出です。日常生活に見られる現象を具体的に説明させる問題も出題されます。
化学化学反応(化合・分解)・酸と塩基(中和反応)・酸化還元・電気分解・電池に関する問題が頻出です。実験の方法や薬品の取扱いについての注意点に関する問題も見られます。
生物光合成と呼吸・恒常性・DNA・植物や動物の体のつくりや分類・細胞のつくりが頻出です。実験や観察を提示して設問に答えさせる形式が多いです。
地学地震の伝わり方・地層の重なり・天体の動き・地球の自転と公転が頻出です。前線の通過と天気の変化・日本の天気の特徴も要チェックです。
高等学校学習指導要領・指導法自治体により毎年出題されるところと全く出題されないところがあるため事前に傾向を調べておきましょう。出題される場合は「理科の目標」「各科目の目標」「内容」「内容の取扱い」「指導計画の作成と内容の取扱い」からまんべんなく出題されます。科目の単位数についてや『学習指導要領解説』からも出題されるため事前に学習しておきましょう。
物理波の性質・音の干渉と共鳴・ドップラー効果・光の反射・屈折・回折・干渉・物体の運動・力学的エネルギー・放物運動・運動量保存の法則・はね返り係数・円運動・単振動・万有引力・コンデンサー・電気回路・電流と磁界が頻出です。高校教科書から大学入試程度の難易度です。問題の多くは計算問題や文字で関係を表すものです。
化学原子の構造・原子量と物質量・熱化学方程式・中和反応・酸化還元反応・電池・電気分解・主要な典型元素の性質や反応・有機化合物の分類や分析・化学結合・気体の状態方程式・溶解度・コロイド溶液・可逆反応と化学平衡・高分子化合物が頻出です。実験方法や薬品・器具の取扱いに関する設問も多いです。自治体によって難易度にかなりの差があるため志望先の傾向とレベルを把握した上で演習を進めるとよいでしょう。
生物細胞の構造・代謝・酵素のはたらき・遺伝子のはたらき・動植物の生殖と発生・生物の体内環境・免疫・刺激の受容と反応・個体群と生物群集・生態系とその保全が頻出です。代謝(呼吸・光合成・化学合成・窒素同化)・遺伝の法則・DNAの構造と遺伝子発現の仕組み・腎臓のはたらき・自律神経系とホルモンの作用・生態系における物質循環とエネルギーの流れを詳細に押さえましょう。単語や数値で答える形式だけでなく文章で答える形式も多いです。
地学難易度はさほど高くなく基本的な事柄が中心です。地震・火成岩・地層・地球環境の変遷・大気の構造・地球の自転と公転・太陽系天体とその運動・太陽の活動・恒星の性質が頻出です。地質図・天気図・星図などの読み取り問題も多いです。

公式や理論は単に暗記するだけでなく問題のどの部分で使うのかを考えながら実践で使えるようにしておきましょう。

教科書で取り上げられている実験や観察については方法と注意点を必ず確認しておくことが大切です。

音楽

中学校・高校の音楽は、学習指導要領・楽典・歌唱・器楽・創作・鑑賞・音楽史と出題範囲が非常に広い科目です。

楽典では音楽理論を細かく問う問題が多く、創作では実際に旋律や伴奏を作る実技的な力も求められます。日本の伝統音楽から西洋音楽・世界の音楽まで幅広い知識が必要です。

主な出題内容は以下のとおりです。

学習指導要領・指導法学習指導計画・学習指導案の作成についての出題が多いです。学習指導課程の構成・学習指導案の作成方法について熟知しておく必要があります。
楽典スコアに基づいて音程・調性判定・和音の種類・楽語・コードネーム・移調など音楽理論を細かく問う問題が多く出題されます。原語で示された楽器名・オーケストラで用いられる移調楽器の実音と記譜の関係も確認しておきましょう。
歌唱・器楽歌唱では従来の歌唱共通教材・歌唱教材からの出題がほとんどです。器楽ではギターやリコーダーの運指と奏法・三味線や尺八・箏・篠笛・和太鼓の楽器構造と奏法についての出題が多いです。
創作作曲では旋律にピアノ伴奏を付ける・題名を基に歌詞と旋律をつくるなど様々な形式のものが出題されます。編曲では和楽器やリコーダー・サクソフォーンなどを用いた編成で小アンサンブルに編曲する・8小節程度の合唱曲に編曲する出題などが見られます。時間内に創作できるよう練習しておきましょう。
音楽史・鑑賞古代から20世紀の音楽に至るまで西洋音楽・日本音楽ともに各時代の特徴を作品や楽譜も含めて理解しておきましょう。鑑賞では放送で音楽を流し曲名や作曲者名・楽器名を問うことがあります。
日本の音楽・世界の音楽日本の音楽では雅楽・能楽・琵琶楽・箏曲・三味線音楽・尺八楽などの伝統音楽や民謡などの郷土の音楽について細かな知識を問う出題が多いです。我が国の各地に伝承されている民俗芸能についての出題も見られます。世界の音楽では諸民族の音楽(楽器・歌声・舞踊)やポピュラー音楽からも出題があります。

楽典は理論の暗記だけでなくスコアを見ながら実際に音程や調性を判定する練習を積んでおくことが重要です。

創作問題は時間内に仕上げる練習を繰り返しておきましょう。

美術

中学校・高校の美術は、学習指導要領・美術史・表現技法・鑑賞と出題範囲が幅広い科目です。

表現領域では素材・用具・技法に関する専門知識が問われ、鑑賞領域では西洋・日本・現代アートを問わず作品名・作者・時代背景まで正確に押さえておく必要があります。指導法については題材設定の意図や評価の観点を記述させる問題も出題されます。

主な出題内容は以下のとおりです。

学習指導要領・指導法「教科目標」「各学年の目標と内容」「指導計画の作成と内容の取扱い」からの空欄補充が中心です。「A表現」と「B鑑賞」の構成および〔共通事項〕の内容と位置付けをしっかり理解しておきましょう。題材設定の意図・指導上の留意点・評価の観点(知識・技能、思考・判断・表現)を記述させる問題も見られます。
美術史(西洋)ルネサンスから現代美術まで各様式・運動の特徴と代表作品・作者名が頻出です。印象派(モネ・ルノワール)・後期印象派(セザンヌ・ゴッホ・ゴーギャン)・キュビスム(ピカソ・ブラック)・シュルレアリスム(ダリ・マグリット)・抽象表現主義などは作品の図版と合わせて覚えておきましょう。彫刻ではミケランジェロ・ロダン・ブランクーシが頻出です。
美術史(日本・東洋)時代別の様式変遷(飛鳥・奈良・平安・鎌倉・江戸)と代表的な絵画・彫刻・工芸作品の名称・所蔵先が問われます。大和絵・水墨画・浮世絵の特徴と主要作家(雪舟・俵屋宗達・菱川師宣・葛飾北斎・歌川広重など)を整理しておきましょう。近代日本美術では岡倉天心・フェノロサ・黒田清輝・横山大観も必須です。
表現技法・材料絵画では油彩・水彩・日本画・版画(木版・銅版・シルクスクリーン等)それぞれの材料・用具・技法が問われます。彫刻では塑造・木彫・石彫の手順と用具名称が頻出です。デザイン領域では色彩理論(色の三属性・色相環・補色・配色効果)、構成原理(バランス・リズム・統一感)が出題されます。
色彩色の三属性(色相・明度・彩度)・色相環・補色・同時対比・面積対比・進出色と後退色・暖色と寒色などが頻出です。マンセル表色系やPCCS(日本色研配色体系)の基礎知識も問われます。配色の名称(トーン・オン・トーン、コンプリメンタリーなど)も整理しておきましょう。
鑑賞・現代アート鑑賞の授業方法(対話型鑑賞・VTS等)や鑑賞教材の活用に関する記述問題も見られます。現代アートではポップアート(ウォーホル・リキテンスタイン)・ランドアート・インスタレーションなど20世紀後半以降の動向も押さえておきましょう。

美術史は作品の図版を見ながら作者・時代・様式を結びつけて覚えることが重要です。

色彩理論は定義を暗記するだけでなく具体的な色の組み合わせで確認しながら理解を深めておきましょう。

書道

高校の書道は、学習指導要領・書写・書道史・鑑賞・創作と出題範囲が広く、実技的な知識と歴史的な知識の両方が求められる科目です。

中国・日本の書道史に関しては碑帖の名称・書風・時代背景まで細かく問われます。実技に関しては用筆・筆法・字形の説明など専門用語を正確に使いこなせる必要があります。

主な出題内容は以下のとおりです。

学習指導要領・指導法「教科目標」「各科目の目標と内容」「指導計画の作成と内容の取扱い」の空欄補充が中心です。科目構成(「書道Ⅰ」「書道Ⅱ」「書道Ⅲ」「書道表現」「書道史」)と各科目の性格・目標の違いを整理しておきましょう。指導法では臨書指導の手順・評価の観点・鑑賞授業の進め方を記述させる問題も出題されます。
書道史(中国)甲骨文・金文・篆書・隷書・楷書・行書・草書の変遷と各書体の特徴が頻出です。主要な法帖・碑碣(王羲之「蘭亭序」・顔真卿「多宝塔碑」・柳公権「玄秘塔碑」・欧陽詢「九成宮醴泉銘」等)の書風と書者を正確に結びつけて覚えましょう。宋・明・清の書家についても整理が必要です。
書道史(日本)奈良時代から近現代までの流れを押さえましょう。三筆(空海・嵯峨天皇・橘逸勢)・三跡(小野道風・藤原佐理・藤原行成)は必須です。和様の確立・仮名の発展(高野切・古今集など)・江戸時代の書家(近衞家熙・良寛・貫名菘翁等)・近代書道の展開(中村不折・西川春洞等)まで整理しておきましょう。
書写・用筆・筆法起筆・運筆・終筆の各動作と専門用語(蔵鋒・露鋒・中鋒・側鋒・逆入平出等)が問われます。永字八法の各点画の名称と筆法も頻出です。用具(筆・墨・硯・紙)の特性や選び方、墨の磨り方・保管方法についても押さえておきましょう。かな書の基礎(散らし書き・連綿・墨継ぎ)も確認が必要です。
鑑賞・創作碑帖の拡大図版を提示し書風の特徴や時代・書者を問う問題が多いです。創作では条幅・はがき・扁額など形式を指定して字句を書かせる実技問題が出題される自治体もあります。臨書と創作の関係・現代書・前衛書についての知識も問われることがあります。

書道史は法帖・碑碣の図版を実際に見ながら書風の特徴を言語化する練習を積んでおくことが重要です。

専門用語は正確な表記と意味の両方をセットで覚えておきましょう。

保健体育

中学校・高校の保健体育は、学習指導要領のほぼすべての記述が出題対象となる科目です。

体育分野では器械運動・水泳・球技・武道など各領域から動きやルールだけでなく指導方法まで問われます。保健分野では教科書の内容を中心に生活習慣病や救急処置など実生活に直結した幅広い知識が求められます。

主な出題内容は以下のとおりです。

学習指導要領ほぼすべての記述が出題対象のため『学習指導要領解説』を細部まで繰り返し読み込み理解を深めておく必要があります。
器械運動図や説明から技の名称を問うものや技の体系・つまずきの原因やそれを克服する練習方法などが問われることが多いです。『学校体育実技指導資料 器械運動指導の手引』も確認しておきましょう。
水泳泳法のポイント・競技規則・技術用語・安全管理(学校環境衛生基準・バディシステムなど)をしっかり押さえておきましょう。『学校体育実技指導資料 水泳指導の手引』も確認しておきましょう。
球技競技規則・技術用語は確実に覚えましょう。歴史・攻撃や防御の技術向上のための指導方法・場の工夫についても対応できるようにしておくとよいでしょう。
武道柔道では図や説明から技の名称を問うものや基本動作・安全面で配慮すべきことを問う問題が多いです。剣道では用語や技の名称・分類を問う問題が多いです。「学校における体育活動中の事故防止について(報告書)」や『学校体育実技指導資料 柔道指導の手引』『剣道指導の手引』からの出題もあります。
体育理論・新体力テスト体育理論はトレーニングに関する出題が多く教科書の記述を中心に出題されます。新体力テストはテスト項目・体力要素の他・測定方法の細部まで確認しておきましょう。スポーツ基本法・スポーツ基本計画・スポーツ立国戦略・学校部活動および新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドラインも確認しておきましょう。
保健分野教科書の内容を中心にした出題が多いため複数の出版社の教科書に目を通しておきましょう。ヘルスプロモーション・生活習慣病・飲酒・喫煙・薬物乱用・感染症・食中毒・適応機制・熱中症・心肺蘇生法・ドーピング・RICE処置・環境問題等が頻出です。

学習指導要領解説は細部まで繰り返し読み込むことが合格の条件です。

保健分野は複数の出版社の教科書を横断的に確認しておきましょう。

技術

中学校の技術は、材料と加工・生物育成・エネルギー変換・情報の4分野から出題される科目です。

各分野とも実習を前提とした実践的な知識(材料特性・工具の使い方・安全管理)が問われる点が特徴です。近年は「情報の技術」分野の比重が高まっており、プログラミングや計測・制御に関する問題が増加傾向にあります。

主な出題内容は以下のとおりです。

学習指導要領・指導法「教科目標」「各学年の目標と内容」「指導計画の作成と内容の取扱い」の空欄補充が頻出です。技術分野の学習は「生活や社会の中の技術」から始まり各内容を関連付けて指導する構成であることを理解しておきましょう。実習の安全指導・危険防止に関する記述問題も出題されます。
材料と加工の技術木材・金属・プラスチックそれぞれの特性(強度・加工性・耐久性等)と用途が頻出です。製図の基礎(第三角法・等角投影図・寸法記入方法)や工具の名称と使い方(さしがね・のこぎり・かんな・やすり等)・接合方法(くぎ・ねじ・溶接等)も確認しておきましょう。
生物育成の技術植物の栽培条件(土壌・肥料・水分・光・温度)と生育管理の手順が問われます。作物の種類と特性・病害虫の防除方法・施肥の種類(元肥・追肥)なども整理しておきましょう。水産生物の飼育や動物の飼育に関する内容についても基本的な知識は必要です。
エネルギー変換の技術電気回路の基礎(オームの法則・直並列回路・電力・電力量)が最頻出です。電気機器の仕組み(モーター・発電機)・電気工事士の資格に関する法規・はんだ付けや配線の安全管理についても押さえておきましょう。熱機関・流体機械など機械分野の基礎知識も問われます。
情報の技術2進数・16進数の変換・論理回路(AND・OR・NOT・NAND)が頻出です。プログラミングの基本構造(順次・分岐・反復)と計測・制御システムの仕組み(センサー・インターフェース・アクチュエータ)を理解しておきましょう。ネットワーク(IPアドレス・DNS・HTTPSなど)やデータベースの基礎も出題されます。情報モラル・著作権・個人情報保護についても整理しておきましょう。

情報の技術分野はプログラムのトレース問題(実行結果を答える問題)が増加しているため実際に手を動かして練習しておくことが重要です。

材料と加工・エネルギー変換の分野は実習場面を想定した安全管理・指導上の留意点まで答えられるよう準備しておきましょう。

家庭

中学校・高校の家庭は、家庭生活・被服・食物・保育・住居の各分野から幅広く出題される科目です。

高校では「ホームプロジェクト」と「学校家庭クラブ活動」に関する出題が見られるほか、板書例や授業プリントの作成・介護体験や保育所訪問の実施計画案など具体的な授業場面を想定した問題も出題されます。

主な出題内容は以下のとおりです。

学習指導要領・指導法学習指導要領をしっかり読み込んで理解を深めておきましょう。高校ではホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動のそれぞれの意義や相違点・指導にあたっての留意事項を押さえておきましょう。板書例や授業プリント作り・介護体験や保育所訪問の実施計画案・授業展開と評価の観点を問う設問も出題されます。
家庭生活分野家族に関する民法・世帯構成の変化・男女共同参画社会の定番問題に加え少子高齢社会と福祉・消費者問題と消費者の権利・環境問題や持続可能な社会についての出題が多いです。成年年齢の引き下げや特定商取引法の改正等も押さえておきましょう。
被服分野繊維や布の特徴・被服製作の基本的技術や用具・ミシンの扱いと故障・洗剤の働きと表示の読み取りなど衣服管理の問題が中心です。和服の名称・縫い方・たたみ方や高齢者向け衣服のリフォーム・伝統模様や織物に関する出題も見られます。
食物分野栄養素の働き・食品の特徴・食中毒や食品添加物・調理の基本操作や調理用語を中心に、マークや食品表示・食事バランスガイド・食事摂取基準・食品成分表・食生活の現状に関する出題も多いです。「フードマイレージ」「HACCP」「食品ロス」等の語句も押さえておきましょう。
保育分野原始反射運動や乳幼児の発達・遊びの意義や種類と変化・基本的生活習慣や欲求など幼児の発達と生活を「アタッチメント」「アニミズム」といったキーワードをもとに理解しておきましょう。子育て支援の法律・児童福祉に関する法律・児童虐待については頻出です。
住居分野快適な住まいの条件や防災(ハザードマップ)・建築基準法・平面図を読むための記号などの出題に加え「結露」「シックハウス症候群」「環境共生住宅」「スマートハウス」など健康・環境と住まいに関する出題や「コレクティブハウス」などこれからの住まいに関する出題も見られます。

食物分野は「フードマイレージ」「HACCP」「食品ロス」など近年のキーワードも押さえておくことが重要です。

保育分野の児童虐待・児童福祉関連法規は毎年出題されるため早めに整理しておきましょう。

英語

中学校・高校の英語は、リスニング・長文読解・文法・作文と多岐にわたる力が問われる科目です。

指導法については英作文として出題されることが多く、抽象的な教育論から具体的な授業指導方法まで幅広い内容への対応が求められます。ほとんどの自治体でリスニングが実施されている点も特徴です。

主な出題内容は以下のとおりです。

学習指導要領・指導法学習指導要領や解説の内容が解答のベースとなる論述問題が多いため細部まで熟読し理解しておきましょう。学習指導要領の英訳版にも目を通し学習指導要領独自の言い回しに対応する英語の表現を押さえておくとよいでしょう。指導法は英作文として出題されることが多く抽象的な教育論から具体的な授業指導方法まで幅広いです。英語教育に関する用語の説明・指導案の作成・評価の観点などの出題も見られます。
リスニングほとんどの自治体でリスニングが行われています。TOEICや英検などの実践的なリスニング問題を経験しておくとよいでしょう。筆記試験内ではなく実技試験としてリスニングが行われる自治体もあるため注意が必要です。
長文読解数多くの長文に触れ、キーワードやキーセンテンスをつかんでテーマを大局的に捉え各段落の内容から論旨展開を探るといった訓練が必要です。様々なジャンルの長文に慣れておくことが重要です。
語句・文法・語法出題形式は空欄補充・並べ替えなどパターン化されているため過去問題や大学入試レベルの問題を多く解くとよいでしょう。
作文和文英訳・課題作文・日本文化や事物の説明などが多いです。文法事項をしっかりと押さえた上で接続詞や副詞をうまく用いて論理的な文の構成ができるようにしておきましょう。

学習指導要領の英訳版は見落としがちですが必ず目を通しておきましょう。

リスニングは日頃からTOEICや英検の問題を使って実践的な練習を積んでおくことが大切です。

農業

高校の農業は、作物・野菜・果樹・畜産・農業機械・農業経営など専門分野が多岐にわたる科目です。

各科目の専門知識だけでなく、農業関連法規・農業の現状と課題(食料自給率・農業従事者の高齢化・スマート農業等)についても幅広く問われます。指導法では実習の安全管理・農業クラブ活動の意義に関する問題も出題されます。

主な出題内容は以下のとおりです。

学習指導要領・指導法「教科目標」「各科目の目標と内容」「指導計画の作成と内容の取扱い」の空欄補充が頻出です。農業クラブ(FFA)活動の意義・目標・活動内容についても整理しておきましょう。実習における安全管理・農薬・肥料の取扱い上の注意点を問う記述問題も見られます。
作物・野菜・果樹各作物の分類・生育特性・栽培管理(播種・定植・施肥・摘果・収穫)が問われます。光合成・呼吸・蒸散など植物生理の基礎知識は必須です。土壌の種類と性質(pH・CEC等)・肥料の三要素(窒素・リン酸・カリ)の役割・農薬の種類(殺虫剤・殺菌剤・除草剤)と使用上の注意も確認しておきましょう。
畜産家畜(牛・豚・鶏)の品種・特性・飼養管理が頻出です。家畜の繁殖(発情・受精・妊娠期間)・飼料の種類と成分・家畜衛生(伝染病・ワクチン接種)についても基礎をしっかり押さえておきましょう。畜産物(牛乳・食肉・卵)の生産・流通に関する知識も問われます。
農業機械・施設トラクター・田植機・コンバインなど主要農業機械の構造・操作・点検整備に関する問題が出題されます。施設園芸(温室・ハウス)の環境制御(温度・湿度・CO₂濃度・灌水システム)についても整理しておきましょう。農業機械の安全使用に関する法規(農業機械化促進法等)も確認が必要です。
農業経営・農業政策農業経営の形態・農業簿記の基礎(収支計算・損益計算)・農地法・農業協同組合法の概要が問われます。食料自給率の推移・農業従事者の高齢化・6次産業化・GAPやスマート農業(ICT・ロボット・ドローン活用)など農業の現状と課題についても押さえておきましょう。

農業の現状と課題(食料自給率・スマート農業・6次産業化等)は時事的な内容が問われやすいため白書や最新データも確認しておきましょう。

植物生理・土壌・肥料の基礎は各作物の栽培管理と結びつけて理解しておくことが重要です。

工業

高校の工業は、機械・電気・建築・土木・化学工業など専門分野が非常に広い科目です。

出題は受験する校種・学科に対応した専門分野が中心となるため、志望自治体・志望校種の出題傾向を事前に把握することが特に重要です。各分野とも計算問題の比重が高く、公式の正確な理解と運用能力が問われます。

主な出題内容は以下のとおりです。

学習指導要領・指導法「教科目標」「各科目の目標と内容」「指導計画の作成と内容の取扱い」の空欄補充が中心です。工業科の職業教育としての意義・産業現場との連携(インターンシップ・デュアルシステム)・工業クラブ(工業技術教育研究会等)の活動に関する問いも見られます。実習における安全管理・危険防止の指導法を問う記述問題にも対応できるようにしておきましょう。
機械分野機械設計の基礎(引張・圧縮・せん断・曲げ応力、安全率)・機械材料の特性(鉄鋼・非鉄金属・プラスチック)・機械加工(旋盤・フライス・研削)・機素(ねじ・歯車・ベルト・軸受)の種類と特徴が頻出です。熱機関(内燃機関・蒸気機関)の原理・熱力学の基礎(ボイル=シャルルの法則等)も出題されます。
電気・電子分野電気回路(オームの法則・キルヒホッフの法則・交流回路・RLC回路)・電磁気(電磁誘導・静電容量)・電気機器(変圧器・電動機・発電機)の原理と構造が頻出です。電子回路(ダイオード・トランジスタ・オペアンプ)の基礎・論理回路(AND・OR・NAND・フリップフロップ)・電気工事士法等の関連法規も問われます。
建築・土木分野建築では構造力学(梁の曲げモーメント・たわみ・反力計算)・建築材料(木材・コンクリート・鋼材の特性)・建築設備(給排水・空調・電気設備)・建築基準法の概要が頻出です。土木では測量の基礎(水準測量・トラバース測量)・土質力学(土の締め固め・支持力)・コンクリートの性質と配合が出題されます。
化学工業・その他化学工業では反応工学(収率・反応速度)・単位操作(蒸留・吸収・ろ過・乾燥)・高分子材料(合成繊維・合成樹脂・合成ゴム)の製造プロセスが出題されます。工業全般に共通するQC(品質管理)の手法(管理図・パレート図・特性要因図等)や工業標準(JIS)・労働安全衛生法の概要も確認しておきましょう。

工業は専門分野の幅が極めて広いため、志望自治体の過去問で出題分野を特定してから重点的に学習を進めることが最優先です。

計算問題は公式を暗記するだけでなく単位の扱いと有効数字の処理まで含めて正確に答えられるよう繰り返し練習しておきましょう。

商業

高校の商業は、ビジネス基礎・簿記・財務会計・マーケティング・経済活動と法・情報処理など多岐にわたる科目から出題されます。

簿記・会計分野では仕訳から財務諸表作成まで実務的な計算能力が問われ、マーケティング・経営分野では現代ビジネスの動向に関する最新知識も求められます。商業クラブ(全国商業高等学校協会検定等)への理解も指導法問題と絡めて出題されることがあります。

主な出題内容は以下のとおりです。

学習指導要領・指導法「教科目標」「各科目の目標と内容」「指導計画の作成と内容の取扱い」の空欄補充が頻出です。商業科の職業教育としての意義・産業界との連携・商業クラブ(全商検定等)の活動目的についても整理しておきましょう。課題研究・インターンシップ・ビジネスゲームなど体験的学習に関する指導上の留意点を問う問題も見られます。
簿記・財務会計仕訳・転記・試算表・精算表の作成から損益計算書・貸借対照表の作成まで一連の会計処理が問われます。特殊仕訳帳(現金出納帳・売掛金元帳等)・手形取引・有価証券の評価・減価償却(定額法・定率法)・棚卸資産の評価方法も頻出です。商業簿記全般について日商簿記2〜3級レベルの演習を積んでおくとよいでしょう。
マーケティングマーケティングの基本概念(市場調査・STP・マーケティングミックス〈4P〉)が頻出です。消費者行動・製品ライフサイクル・流通チャネル・プロモーション手法・ブランド戦略についても整理しておきましょう。デジタルマーケティング(SNS・SEO・EC)や顧客関係管理(CRM)など近年のトレンドも押さえておきましょう。
経営・経済活動と法企業の種類と組織形態(株式会社・合同会社等)・企業統治(コーポレートガバナンス)・労働関連法規(労働基準法・労働契約法)が頻出です。商法・会社法の基礎・消費者保護法(特定商取引法・製造物責任法)・独占禁止法の概要も確認しておきましょう。ビジネスと経済の関係(景気変動・金融政策・国際経済)についても整理が必要です。
情報処理・ビジネス統計表計算ソフトの関数・グラフ作成・データ分析(相関・回帰・移動平均)が頻出です。データベースの基礎(テーブル設計・SQL文の読み取り)・ネットワークの基礎(プロトコル・セキュリティ)も問われます。統計では基本統計量(平均・中央値・最頻値・標準偏差)の計算と解釈・確率分布の基礎も押さえておきましょう。

簿記・会計は計算ミスが命取りになるため日商簿記2〜3級レベルの問題を繰り返し解いて正確さとスピードを鍛えておきましょう。

マーケティングや経営分野は最新の経済動向とリンクした出題があるため日頃からビジネスニュースにも目を向けておくことが大切です。

情報

高校の情報は、2022年度改訂学習指導要領で「情報Ⅰ」が必履修科目となったことにより、出題内容も大きく変化した科目です。

コンピュータの仕組み・ネットワーク・データの分析・プログラミング・情報デザインの各領域から幅広く出題されます。情報倫理・法規・セキュリティに関する問題は毎年必出であり、時事的な内容(AIの活用・個人情報保護・サイバーセキュリティ)への対応も求められます。

主な出題内容は以下のとおりです。

学習指導要領・指導法「情報Ⅰ」「情報Ⅱ」の目標・内容・内容の取扱いについて空欄補充や記述で問われます。2022年度改訂の趣旨(問題の発見・解決・情報デザイン・プログラミングの必履修化)を踏まえた出題が増えており、『学習指導要領解説』の熟読は必須です。プログラミング教育の意義・授業設計・評価の観点を論述させる問題も見られます。
コンピュータの仕組み2進数・16進数・8進数の変換と四則演算・補数表現・浮動小数点数の概念が頻出です。CPU・メモリ・入出力装置の役割・ビット・バイト・記憶容量の単位換算も確実に押さえましょう。論理回路(AND・OR・NOT・XOR・NAND・フリップフロップ)の真理値表と回路図の読み取り問題も出題されます。
ネットワーク・セキュリティIPアドレス(IPv4・IPv6)・サブネットマスク・DNS・HTTP/HTTPS・TCP/IPの階層モデルが頻出です。暗号化方式(共通鍵暗号・公開鍵暗号・デジタル署名・SSL/TLS)・不正アクセス手法(フィッシング・マルウェア・DoS攻撃)とその対策も整理しておきましょう。個人情報保護法・不正アクセス禁止法・著作権法の概要も必須です。
プログラミング基本制御構造(順次・分岐・反復)のフローチャートとトレース問題が頻出です。学習指導要領では特定の言語を指定しないものの、PythonまたはJavaScriptを用いたコード読み取り・穴埋め問題が出題されることが多いです。配列・関数・再帰・ソートアルゴリズム(バブル・選択・挿入)・探索(線形・二分)の基礎は確実に習得しておきましょう。
データの分析・活用基本統計量(平均・中央値・最頻値・分散・標準偏差)の計算・ヒストグラム・散布図・相関係数の読み取りが頻出です。データベースの基礎(関係データベース・主キー・外部キー・SQL文の SELECT・WHERE・JOIN)も出題されます。AIの基本的な仕組み(機械学習・ディープラーニングの概念)・ビッグデータの活用事例についても押さえておきましょう。
情報デザイン・メディアデジタル化の基礎(標本化・量子化・符号化)・画像・音声・動画のデータ量計算が頻出です。ユニバーサルデザイン・アクセシビリティ・ユーザビリティの概念と実践例も問われます。Webデザインの基礎(HTML・CSS)・ユーザーインターフェース設計の原則についての知識も確認しておきましょう。

プログラミング問題はコードを実際に書いて動かす練習を積んでおくことが最も有効な対策です。

情報法規・セキュリティは法改正や新たなサイバー脅威に関する最新情報にも注意しながら学習を進めましょう。

特別支援学校

特別支援学校の専門試験は、各校種における教科の知識に加え、特別支援教育に関する専門的な知識も同時に求められる点が最大の特徴です。

専門試験の実施形態は自治体によって大きく異なるため、受験する自治体がどのパターンで実施しているかを事前に確認した上で学習範囲を決めることが最初のステップとなります。

主な出題内容は以下のとおりです。

特別支援教育の制度特別支援教育の理念・特別支援学校の目的と設置義務・就学指導・特別支援教育の形態・級編制の基準・使用される教科書について学習しておく必要があります。これらの制度について規定している法規の理解がまず基本となります。頻出条文はある程度限られているため整理して確実に押さえておきましょう。
特別支援教育を支える仕組み特別支援教育をより充実させ機能的に実施していくために設けられている様々な施策や制度について理解しておきましょう。「障害者の権利に関する条約」は頻出のため締結までの流れや関連法規等も押さえておきましょう。「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)」も頻出のため精読しておくとよいでしょう。
教育課程・学習指導要領学習指導要領は出題頻度が高く詳細に理解しておくことが求められます。特別支援学校独自の部分と自立活動を中心に押さえておくとよいでしょう。教育課程の編成と特例に関する法規を確認し、学習指導要領では教育の基本と教育課程の役割・授業時数等の取扱い・重複障害者等に関する教育課程の取扱いなどを重点的に理解しましょう。学習指導要領解説の総則編・各教科等編にも目を通しておきましょう。
自立活動頻出事項のため特別支援学校学習指導要領に示される目標・内容を押さえる他、『特別支援学校学習指導要領解説 自立活動編』もよく読んでおきましょう。自立活動の変遷についても概要を押さえておきましょう。
検査法・訓練法障害の分類についてICFの概要を押さえておきましょう。検査法については原著書・適用年齢・検査方法の概要などをポイントとして各検査法についてまとめておきましょう。略称についても押さえておきましょう。訓練法についてはまずそれぞれの概要をまとめておき「病理と教育の実際」との関連もあわせて理解しておきましょう。
病理と教育の実際最も出題が多い分野です。障害をもつ児童生徒の状態を理解し指導に役立てていく上での基本的な知識となります。障害種別ごとにさらに専門的な知識まで問われることがあるため志望する自治体の出題傾向をよく把握しておきましょう。教育の実際に関しては障害の特性を踏まえた具体的な対応の手立てを問われることが多いです。「障害のある子供の教育支援の手引」等を活用してあわせて理解しておくとよいでしょう。
特別支援教育の歴史人物名とその業績・年代と事項を結びつける出題が多いです。自治体によって基本的な内容からかなり詳細な部分を問う問題まで様々で出題形式も選択肢式と記述式があります。日本と西洋に分けて年表や人物・業績の整理カードなどを作って何度も目を通すことが効果的です。視覚障害・聴覚障害・知的障害・肢体不自由等の分野ごとに整理していくと効率よく覚えることができます。

「病理と教育の実際」は最頻出分野のため障害種別ごとに整理する時間を最も多く確保しておきましょう。

特別支援教育の歴史は自分で年表と人物整理カードを作るとインプットが定着しやすいです。

養護教諭

養護教諭の専門試験は、学校保健・学校安全・救急処置など実務に直結した知識が幅広く問われる試験です。

学習指導要領だけでなく文部科学省や日本学校保健会から出されているマニュアル類の精読も合否を左右します。疾患の理解にとどまらず学校での具体的な対応や関係法規まで一体的に押さえておくことが重要です。

主な出題内容は以下のとおりです。

学習指導要領総則および解説の保健領域(分野・科目)について繰り返し読み込み十分に理解を深めておきましょう。
学校保健・学校安全定義・構造・計画(法的根拠・作成)等を把握しておきましょう。「第3次学校安全の推進に関する計画」(2022年3月)を確認しておきましょう。
養護教諭の職務と保健室養護教諭の役割・災害時の心のケアや対応・児童虐待・医薬品の管理・保健室経営計画等について学校保健安全法や答申等を確認しましょう。
保健教育保健教育の意義や内容・喫煙・飲酒・薬物乱用・性教育・歯と口の健康づくり・がん教育などを押さえておきましょう。
健康診断検査項目・技術的基準・事後措置等を根拠となる条文とともに正確に覚えましょう。
健康相談・健康観察法的根拠・目的など健康相談・健康観察の基本的な考え方を理解するとともにマニュアルに取り上げられている具体的事例等も読み込んでおくとよいでしょう。
疾病とその予防学校感染症・食物アレルギー・ノロウイルス・食中毒・心臓病・腎臓病・糖尿病・発達障害・メンタルヘルス等幅広く出題されます。疾患の理解だけでなく学校での対応・関係法規についても確認が必要です。
救急処置心肺蘇生法・止血法等の救急処置の技術や学校でよく見られる傷病(熱中症・頭部外傷・腹痛等)への対応だけでなく目・耳・歯・心臓・運動器等の解剖生理に関する知識も整理しておきましょう。
学校環境衛生学校環境衛生基準の検査項目・基準・検査方法・回数を正確に覚えておきましょう。

学校保健安全法・施行令・施行規則は熟知しておくことが必須です。

文部科学省や日本学校保健会から出されているマニュアル類は必ず目を通しておきましょう。

栄養教諭

栄養教諭の専門試験は、食育・学校給食・栄養管理に関する知識が中心となる試験です。

「食に関する指導の手引−第二改訂版−」は最重要文書として必ず精読しておく必要があります。また受験する地域独自の食育推進の取り組みを問う出題もあるため、受験自治体の食育施策についても事前に確認しておくことが求められます。

主な出題内容は以下のとおりです。

栄養教諭制度と食育栄養教諭制度創設の流れと職務内容・食育基本法・食育推進基本計画の内容が出題されます。受験する地域で行われている独自の食育推進の取り組みを問う出題もあるためチェックしておく必要があります。
食に関する指導「食に関する指導の目標とその指導の内容(例示)」に関する出題が多く栄養教諭に期待される役割についても問われます。食育は学習指導要領に位置付けられており家庭科や体育科などの目標や内容を問う問題・総則・特別活動などからも出題されます。「食に関する指導の手引−第二改訂版−」を熟読しておく必要があります。個別的な相談指導では食物アレルギーの出題が多く発生機序・対応・アレルギー表示についても確認が必要です。
学校給食を通した食の指導学校給食を通した指導の内容と栄養教諭が果たす役割について多く出題されます。食事マナーや給食時間内の事故対応を問う出題もあります。季節に応じた献立や地場産物を生かした献立が立てられるようにしておきましょう。学校給食法や「学校給食における食物アレルギー対応指針」(文部科学省)についても熟読しておきましょう。
学校給食の実施と管理学校給食実施基準で示された「学校給食摂取基準」の出題が多いです。令和3年4月1日施行の摂取基準は「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を参考としているため両方をつきあわせてのチェックが必要です。「学校給食衛生管理基準」も栄養教諭には欠かせない知識として多数出題されます。食中毒に関しては社会的に話題となったものを中心にノロウイルス・ヒスタミン・アニサキスなど食中毒の原因とその特徴などを整理しておきましょう。大量調理については調理技術や食品・栄養の知識と関連して出題されることもあります。

「食に関する指導の手引−第二改訂版−」は最重要文書のため必ず全文を読んでおきましょう。

学校給食摂取基準は「日本人の食事摂取基準2020年版」と並行して確認することが大切です。

教員採用試験|専門教養は受験先の出題内容を確認しよう

教員採用試験の専門教養は、受験する校種や教科によって出題内容が大きく異なります。

そのため、全国共通の対策をするのではなく、受験先で「何が出るのか」を把握することが重要です。

特に、

  • 出題科目
  • 出題数
  • 記述の有無
  • 学習指導要領の比重

などは自治体ごとに違いがあります。

まずは受験先の試験内容を確認し、専門教養の全体像を整理するところから始めましょう。

専門教養の勉強方法については、以下の記事で解説しています。

その他、教員採用試験の内容を詳しくみる

目次