岩手県教員採用試験の内容を解説します。
岩手県では、第1次選考で教職専門・教科等専門、第2次選考で個人面接や模擬授業などが実施されます。
とはいえ、校種や職種によって試験内容が異なるため注意が必要です。
まずは試験の全体像を確認していきましょう。
岩手県教員採用試験の内容
岩手県教員採用試験は、第1次選考・第2次選考で構成される二段階選抜方式です。
第1次選考では筆記試験による基礎的な知識・技能を確認し、第2次選考では人物試験を通して、教員としての人物面や実践力を評価します。
試験内容は校種・職種によって少し異なるため、最初に全体像を確認しておきましょう。
| 選考 | 試験内容 | 小 | 中 | 高 | 特 | 養 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 第1次選考 | 教職専門 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
| 教科等専門 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
| 第2次選考 | 個人面接 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
| 模擬授業 | ◯ | △ | ◯ | ◯ | ◯ | |
| 実技試験 | ー | △ | △ | △ | ー |
*「ー」:実施なし
*「△」:一部の教科で実施
配点
| 選考・検査 | 試験・検査内容 | 配点・評価 |
|---|---|---|
| 第1次選考 | 教職専門 | 50点 |
| 教科等専門 | 200点 | |
| 第2次選考 | 個人面接 | 非公開(5段階評価) |
| 模擬授業 | 非公開(5段階評価) | |
| 実技試験(対象者のみ) | 非公開(5段階評価) |
教職専門50点に対し、教科等専門は200点です。
まずは配点の高い試験を中心に対策を進めましょう。
選考方法
| 第1次選考 | 総合点(満点:教職専門50点、教科等専門200点)に、申請による加点を加えた点数により判定します。 ※教職専門及び教科等専門の点数が一定の水準に満たない場合、不合格となることがあります。 |
|---|---|
| 第2次選考 (最終結果) | 人物重視の観点から、個人面接、模擬授業、実技試験(一部教科のみ)の結果を総合的に評価し、採用候補者名簿登載の基準に達したと判断された者が合格となります。 |
第2次選考では、教員としての適性や人物像などを総合的に評価して判定されます。
そのため、第1次選考の筆記試験だけでなく、面接や模擬授業なども含めて総合的に対策を進めることが大切です。
岩手県教員採用試験の一次試験
岩手県教員採用試験の一次試験(第1次選考)では、教職専門と教科等専門が実施されます。
教職専門
教職専門は、岩手県の教員として職務を遂行する上で必要な教育に関する法令や理論等が出題される筆記試験です。
岩手県では、一般教養科目の出題はなく、教職科目とローカル問題(教育施策)から50問出題されます。
| 対象校種 | 全校種共通 |
|---|---|
| 試験時間 | 50分間 |
| 問題数 | 50問 |
| 試験形式 | 多肢選択式 |
| 出題範囲 | 教職科目、ローカル(教育施策) |
| 配点 | 50点 |
出題範囲は広いため、やみくもに勉強を始めるのではなく、出題傾向を把握しておくことが大切です。
教職科目の出題数一覧
| 出題科目 | 2025年 | 2024年 | 2023年 |
|---|---|---|---|
| 教育原理 | 16 | 19 | 19 |
| 教育法規 | 15 | 20 | 20 |
| 教育心理 | 12 | 10 | 15 |
| 教育史 | 5 | 10 | 5 |
| 教育施策 | 2 | 1 | 1 |
教職専門では教育原理と教育法規の比重が高くなっています。また、岩手県独自の教育施策に関するローカル問題も出題されるため、確認が必要です。
限られた学習時間で効率よく得点するためには、優先順位をつけて対策を進めることが大切です。
教職専門の勉強方法を詳しくみる
教科等専門
教科等専門は、志望する校種・教科に関する専門的な知識が問われる筆記試験です。
全校種・教科が対象で、配点が最も高く、第1次選考で大きな比重を占めます。
| 対象校種 | 全校種・教科 |
|---|---|
| 試験時間 | 小学校・中学校:70分 高等学校・特別支援・養護教諭:90分 |
| 問題数 | 教科・科目による |
| 出題形式 | 記述式 |
| 配点 | 200点満点 |
基礎・基本を重視する傾向にあり、学習指導要領に関する問題も出題されるため、知識問題と並行して確実に対策を進めることが重要です。
教科等専門の勉強法を詳しくみる
岩手県教員採用試験の二次試験
岩手県教員採用試験の二次試験(第2次選考)では、個人面接・模擬授業が実施され、一部の校種・教科で実技試験が加わります。
第2次選考は教員としての適性や人物像が評価される重要な選考です。
個人面接
個人面接では、教員としての資質や教育観、児童生徒への対応力などが総合的に評価されます。
| 対象校種 | 全校種・教科 |
|---|---|
| 試験時間 | 小中学校:各10分 高校・特別支援:各15分 |
| 面接官 | 3人 |
面接対策を進めるうえで大切なのは、質問への回答を考えることだけではありません。
まずは面接官がどのような観点で評価しているのかを理解しておきましょう。
評価の観点
| 項目 | 評価される内容 |
|---|---|
| 教職への理解 | 意欲、探究心、使命感など |
| 人間性 | 責任感、倫理観、教育的愛情など |
| 対応力等 | 人権意識、コミュニケーション力など |
面接では、教職への理解や人間的な魅力が評価の対象になります。
結論を先に述べ、その理由や具体例を続けるなど、分かりやすく簡潔に説明することを意識しましょう。
面接対策や過去問を詳しくみる
模擬授業
模擬授業は、与えられたテーマに沿って授業を組み立てる力が求められます。
| 対象校種 | 小学校、中学校(国・社・数)、高等学校、特別支援学校、養護教諭 |
|---|---|
| 試験時間 | 15分(構想6分+模擬授業5分+口頭試問等) |
| 面接官 | 4人 |
| 形式 | 模擬授業+口頭試問 |
専門的な知識はもちろん、面接官(生徒役)に分かりやすく伝える技術が見られます。
短い時間でテキパキと行動することが求められるので、流れを頭に入れて実際の授業を想定した準備を行うことが必要です。
模擬授業の流れ
試験開始前に模擬授業で行うテーマ(課題)が発表されます。
6分間で内容を考えます。
入室後、初めに5分間の模擬授業を行います。
模擬授業が終わると、引き続き10分程度の口頭試問(面接)を実施します。
過去には、以下のようなテーマが出題されました。
模擬授業の過去問(テーマ一覧)
| 国語 | 短歌「四首」 |
|---|---|
| 公民 | 公共「1 選挙と選挙制度」 |
| 歴史 | 歴史総合「第3章 国際秩序の変化や大衆化と私たち」「2節 第一次世界大戦と大衆社会」「1 大衆社会の時代」 |
| 地理 | 地理総合「国際理解と国際協力」「第1章 生活文化の多様性と国際理解」「1節 生活文化の多様性と国際理解」「14 宗教に根ざした習慣や文化がある」 |
| 数学 | 赤玉4個、白玉2個が入った袋から、1個の玉を取り出し色を見てもとに戻すことを5回行うとき、赤玉が3回出る確率を求めよ。 |
| 物理 | 加速度 |
| 化学 | 酸・塩基 |
| 生物 | 遺伝情報とDNA |
| 美術 | 1年生の美術Ⅰで、学校の文化祭に展示する作品製作を行います。その1回目の導入において、生徒に製作の指示を行ってください。 |
| 書道 | 教科書(写)を活用し、臨書学習の意義について触れながら授業の導入を行ってください。 |
| 情報 | 情報社会の問題を発見・解決する方法について、問題解決のプロセスを踏まえて具体的に説明してください。 |
| 保健体育 | 現代社会と健康「生活習慣病などの予防と回復」における、「がんの原因と予防」について授業を行ってください。 |
| 家庭 | 消費生活分野における「主体的な意思決定の重要性」について。 |
| 農業 | 農業と環境「第3章 栽培と飼育の基礎」 |
| 工業 | 「単位換算」 |
| 商業 | 「現金出納長」の役割について、具体例を用い、導入の授業を行ってください。 |
| 水産 | 水産海洋基礎 |
| 英語 | 虫を食べること |
| 特別支援 | 遊びの指導「校庭の道具で遊ぼう」 |
実技試験
実技試験は、一部の校種・教科で実施されます。
教科に応じて指導に必要な実技能力が評価されます。
| 対象校種 | 中学校:理科、音楽、美術、保健体育、技術、家庭、英語 高等学校・特別支援学校:音楽、美術、保健体育、家庭 | |
|---|---|---|
| 試験内容 (過去の出題例) | 理科(中) | 観察・実験の基本操作 (例:回路における電流と電圧の関係を調べる等) |
| 音楽 | 【中】ピアノ(ツェルニー40番)、声楽(弾き歌い)、初見視唱 【高・特支】聴音、初見視唱(弾き歌い)、声楽、ピアノ(ソナチネ等) | |
| 美術 | 【中】鉛筆画(自画像)、デザイン 【高・特支】立体構成、素描 | |
| 保健体育 | 4種類の実技試験 (例:ハードル走、マット運動、創作ダンス、バレーボール等) | |
| 技術(中) | 木材を加工した飾り棚の製作 等 | |
| 家庭 | 被服、食物両方の実技 (例:被服の教材見本製作、カスタードプディングの調理等) | |
| 英語(中) | 英文音読、授業場面を想定したインタラクション | |
実技試験では、技能の正確さだけでなく、安全に配慮できるか、基本的な手順を理解しているかも評価されます。
過去に出題された課題の内容を事前に確認し、実際の試験を想定した反復練習を行っておくことが大切です。
岩手県教員採用試験の情報を配信しています。倍率や試験結果、過去問分析などをまとめていますので、受験対策に活用してください。
岩手県教員採用試験の合格に向けて今から始めたいこと
岩手県教員採用試験では、教職専門・教科等専門・個人面接・模擬授業など、さまざまな試験が実施されます。
まずは自分が受験する校種・教科の試験内容を確認したうえで、配点や選考方法を踏まえて優先順位を決めることが大切です。
特に専門検査や面接検査は合否に大きく影響するため、早めに対策を始めておきましょう。
他の自治体の試験内容については、以下の記事でまとめています。


