「北海道の教員になりたいけど、教養検査の科目が多すぎて何からやればいいかわからない……」
もし、「とりあえず全科目、参考書の最初から勉強しよう」と考えているなら、今すぐストップしてください。そのやり方では、時間だけが削られて、合格点に届かない可能性が高いからです。
実は、合格している人ほど「勉強していない科目」がたくさんあります。全範囲を網羅しようとするのではなく、次のように割り切っているのです。
- 「出る科目・分野」だけに時間を使う
- 「出ない分野・科目」は思い切って捨てる
では、北海道教員採用試験を志望する場合、最初に手をつけるべき科目は何でしょうか。
答えはシンプルです。
まずは「教育原理(教職教養)」一択です。
一般教養の日本史や物理といった暗記科目は、後回しでも構いません。状況によっては、最初から手を出さない戦略をとることも合理的です。
この記事では、次の2点を中心に解説します。
- なぜ一般教養よりも教職教養から勉強を始めるべきなのか
- 点数を伸ばすための、最も効率的な勉強順序(優先順位)
もう、「何を勉強すればいいのか」と迷わなくて大丈夫です。
限られた時間で合格点を取るための 「現実的な戦略」 を一緒に整理していきましょう。
▼教養検査の概要や試験の全体像は以下の記事でまとめています。


【北海道教採】教養検査の勉強は教育原理から
北海道教員採用試験の教養検査は、努力量ではなく科目選択で勝負が決まります。
どれだけ真面目に勉強しても、点数にならない科目に時間をかけていれば、合否には結びつきません。
では、なぜ「教育原理」から勉強すべきなのか。
その理由を、具体的に3つ解説します。
配点が全体の約3〜4割を占める
試験科目は、すべてが平等に出題されるわけではありません。特に北海道の教養検査は、全国的に見ても配点バランスが特殊です。
直近の出題内訳を見ると、教育原理だけで40問中16問前後が出題されています。
▼教養検査の出題数一覧(科目別詳細)
| 科目 | R8 | R7 | R6 |
|---|---|---|---|
| 教職科目 | 20 | 20 | 20 |
| └教育原理 | 14 | 9 | 16 |
| └教育史 | 0 | 2 | 0 |
| └教育心理 | 2 | 5 | 2 |
| └教育法規 | 4 | 4 | 2 |
| 一般科目 | 16 | 18 | 18 |
| 人文科学 | 6 | 8 | 8 |
| └国語 | 2 | 3 | 2 |
| └倫理 | 0 | 0 | 0 |
| └英語 | 2 | 3 | 2 |
| └音楽 | 0 | 1 | 2 |
| └保健体育 | 2 | 0 | 2 |
| └美術 | 0 | 1 | 0 |
| 社会科学 | 4 | 3 | 4 |
| └世界史 | 0 | 0 | 0 |
| └日本史 | 0 | 0 | 2 |
| └地理 | 2 | 1 | 0 |
| └政治 | 2 | 1 | 0 |
| └経済 | 0 | 1 | 2 |
| └国際関係 | 0 | 0 | 0 |
| └環境 | 0 | 0 | 0 |
| 自然科学 | 6 | 7 | 6 |
| └数学 | 2 | 4 | 2 |
| └物理 | 0 | 1 | 2 |
| └化学 | 2 | 1 | 0 |
| └生物 | 0 | 1 | 0 |
| └地学 | 2 | 0 | 2 |
| └情報 | 0 | 0 | 0 |
| その他 | 4 | 2 | 2 |
| └教育施策 | 0 | 0 | 0 |
| └その他 | 4 | 2 | 2 |
つまり、教養検査の約4割を、たった1科目が占めているんですね。
一方で、人文科学や社会科学といった一般教養科目は、範囲が非常に広いにもかかわらず、1科目あたり1問程度。年度によっては0問ってこともあります。
❌「数問のために全範囲を勉強する」
○「4割を占める教育原理を一点突破する」
どちらが合格に近いかは、言うまでもありません。
1次試験の教養検査は40点満点しかない
北海道教員採用試験の1次試験は、合計140点で合否が決まります。
- 教養検査:40点
- 専門検査:100点
教養検査は全体の3割未満しか配点がありません。しかも、その中には出題数が極端に少ない一般教養が含まれています。
つまり、一般教養に時間をかけすぎるほど、配点の高い専門検査の勉強時間が削られるという構造になっているのです。
教養検査で失点しないことは重要ですが、「取りにいく科目」と「割り切る科目」を間違えると試験全体で不利になります。
勉強した分だけ確実に点数が伸びる
「教職教養は暗記だから後回しにしたい…」
そう感じる人も多いかもしれません。しかし、実際は逆です。
一般教養は「中学〜高校の全教科」が範囲で、対策範囲は事実上無限です。一方、教育原理や教育法規は出題テーマとパターンがかなり固定されています。
つまり、
- 範囲が限定されている
- 学習量が点数に直結しやすい
といった特徴があり、教育原理は勉強した時間が、そのまま得点になる裏切られない科目なのです。



北海道で合格する人は、必ずここを得点源にしています。まずは焦らず、教育原理の学習からスタートしましょう!
【北海道教採】教養検査の正しい勉強順(優先順位)
「教育原理が大事なのはわかった。じゃあ、それ以外の科目はどこまで・何をやればいいの?」
ここでは、北海道教員採用試験の教養検査で勉強すべき科目の優先順位をS〜Cランクで整理しました。
科目別優先度ランク
時間が限られている以上、すべての科目を完璧に対策するのは不可能です。
Cランクは思い切って捨てる。この割り切りが、合格者の持つ考えになります。
- Sランク(最優先・全体の核)
-
教育原理
→10問以上出る年もある超重要科目。ここが取れないと話になりません。
- Aランク(合格必須)
-
教育法規、教育心理、国語、数学
→教職科目の残りと、一般教養の中でも毎回必ず出る主要科目。
- Bランク(余力があれば)
-
英語、理科(地学)、政治・経済
→北海道は社会科よりも「理数系」の出題が多い傾向にあります。
- Cランク(捨てる選択もあり)
-
世界史、日本史、地理、物理、倫理、芸術
→歴史分野は近年ほとんど出題されていません。
※この優先順位は感覚で決めているわけではありません。実際の試験データに基づいています。
出ないところは勉強しない
真面目な人ほど「Cランクの世界史や日本史もやらなきゃ…」と思いがちですが、これは点が取れない人の考え方です。
過去3年間、日本史・世界史は0〜2問程度。
そこに10時間かけるなら、その10時間を、
- 毎年大量に出る「教育原理」
- 配点が圧倒的に高い「専門検査(自分の教科)」
に使った方が、確実に総合点は伸びます。
「出ないところは勉強しない」
これが科目・範囲が膨大な教員採用試験の合格メソッドです。
とはいえ、
- 「具体的にどの分野が出るの?」
- 「どこまで捨てていいの?」
と不安になりますよね。
そこで、過去10年分の問題を徹底分析し、科目別・分野別の出題傾向を1つにまとめました。
「自分で分析する時間がない」
「無駄な勉強をしたくない」
という人は、ぜひ活用してください。
▼科目別・分野別の出題範囲データはこちら!


【北海道教採】教養検査の勉強で捨て科目を作るべき理由
ここまで読んで「教育原理が大事なのはわかった。でも、他を捨てて本当に大丈夫なの?」と、不安になった人も多いはずです。
結論から言うと、この優先順位(戦略)で、合格点には十分届きます。
精神論ではなく、数字でシミュレーションしてみましょう。
そもそも満点を取る試験ではない
大前提として、北海道教員採用試験の教養検査は40点満点ですが満点を取る必要はありません。
合格ライン(ボーダー)は年度差はあるものの、概ね4〜6割(16〜24点)が目安です。
つまり、「40問中16問くらいは間違えてもいいテスト」なのです。
S・Aランクだけで半分以上は取れる
では、先ほど紹介した「Sランク・Aランク」の科目だけに集中した場合、どれくらいの点数になるでしょうか。
例年の出題数で計算してみます。
【勉強する科目(S・Aランク)】
- 教職教養(原理・法規・心理):約20問
- 国語・数学:約4問
合計:約24問
全体の6割程度が、この重要科目だけで構成されています。
これらをしっかり対策して「正答率80%」取れればどうなるでしょうか。
24問 × 0.8 = 19〜20点
この時点で、合格ラインの大部分を確保できます。
残りはBランクと拾い点で埋まる
あと必要な点数は、4点前後です。
ここは、Bランク科目で補います。
これで合計24〜25点です。
合格ライン到達です。
また、マークシート試験なので、Cランク(歴史など)も、消去法や残り時間で対応すれば一定の確率で正解します。
この数字を見れば、一般教養をすべて勉強しなくても合格できることが、現実的に理解できるはずです。
最初から全部やる必要はない
もし不安になって、Cランクの科目(範囲の広い世界史・日本史など)まで最初から手を出したらどうなるでしょうか。
- 教養検査40点中、20点を占める教職教養の暗記が中途半端になる
- さらに、配点100点の専門検査の勉強時間が削られる
結果、どっちつかずの点数で不合格…。これが最も多い失敗パターンです。
そうならないために、勇気を持って「戦略(順番)」を守ってください。
- 教職教養(特に教育原理)を徹底的に固める
- 国語・英語・数学で基礎点を積み上げる
- 理科・社会は得意分野だけをつまみ食い(歴史は捨てる)
この戦略を念頭に置いて勉強することが、合格には必要なのです。
【北海道教採】教養検査の対策で使うべき参考書
「教員採用試験の参考書は何を買えばいいですか?」
これは、教員採用試験の対策で一番多い質問です。
教養検査を攻略するうえで使うべき参考書は、次のどちらかを選べば間違いありません。



迷ったら「らくらくマスター」、網羅性を求めるなら「オープンセサミ」
分かりやすさ重視・初めての人向け
- 「教育原理なんて初めて聞く」
- 「文字ばかりの参考書は眠くなる」
このタイプの人は、実務教育出版の「教職教養らくらくマスター」がオススメです。
重要部分が赤文字で書かれており、付属の赤シートを使って読み進めていくスタイルの参考書です。
初学者はまず、このシリーズの「教職教養」から始めましょう。北海道で頻出の教育原理の基礎を固めるには、十分すぎる内容です。
情報量重視で対策したい人向け
- 「1冊でしっかり対策したい」
- 「教育原理を本質から理解したい」
このタイプの人には、『オープンセサミシリーズ(東京アカデミー)』がオススメす。
オープンセサミは、教員採用試験の中でも情報量・網羅性ともにトップクラスの参考書で、北海道で頻出の教育原理にも十分対応できます。
ただし、使い方に注意があります。それが、情報量の多さです。
- どこから読むべきか分からない
- 全部やらないと不安になる
- 結果的に、時間が足りなくなる
これは、参考書が悪いのではなく、「北海道の出題傾向に合わせた読み方」ができていないだけです。
そこで活用してほしいのが、過去10年分の北海道教員採用試験を分析し、分野別の出題範囲と頻度をまとめたこちらのnoteです。


このデータは、
オープンセサミの目次構成に完全対応しているため、
- セサミで最優先で読むべき分野
- 後回し・省略していい分野
が一目で分かります。
オープンセサミを「読めば安心」ではなく「点数に変える」ための補助教材として使ってください。
【北海道教採】教養検査の学習スケジュール
「今は、どこまでやればいいの?」
ここが分からないと、不安になって、本来やらなくていい一般教養にまで手を出してしまいます。
そこで、合格者の多くがたどっている「遠回りしない王道スケジュール」を紹介します。
〜12月:教職教養(Sランク)に全集中
この時期にやることは、教育原理を中心とした教職教養だけです。
- 教育原理の頻出人物・用語を覚える
- 教育法規の重要条文に触れる
一般教養は一切やらなくて構いません。この時期に手を出すと、「配点が低い×範囲が広い」科目に時間を吸われてしまいます。
1月〜3月:Aランク科目と専門検査を追加
教職教養が安定してきたら、Aランク科目と、何より大事な専門検査(教科)の勉強を本格化させます。
- 専門検査(国語、数学など自分の教科)の対策
- 一般教養の国語・数学を解いてみる
一般教養の理科や社会はまだ手を付けなくてOKです。この段階では「やらない判断」が正解になります。
4月〜直前:Bランク科目で調整と過去問
4月以降は、過去問演習を中心に行います。ここで初めて、Bランク科目(理科・社会)の中で「いけそうな分野」をつまみ食いします。
北海道の教養検査は、専門検査で高得点を取るための「守りの試験」です。深入りしすぎず、合格ライン(6割)をキープすることを目標にしてください。
▼教養検査の具体的な勉強方法はこちらの記事で解説しています!


【補足】最終合否に1次の点数は関係ない
重要な補足ですが、北海道教員採用試験では、1次試験の得点は2次試験(最終合否)に持ち越されません(リセットされます)。
つまり、教養検査で満点を取っても、ギリギリで通過しても、2次試験に進んだ時点で全員が横一線です。
だからこそ、教養検査対策は「効率よく6割取る」ことに特化し、浮いた時間を専門検査や、2次試験の面接対策に充てるのが賢い戦略なのです。
もしこの段階で、
- 教職教養の仕上がりに不安がある
- どこまでやれば「十分」なのか判断できない
- 今の勉強がズレていないか確認したい
と感じるなら、北海道の出題範囲をまとめた攻略noteを活用しても構いません。 このnoteには、勉強戦略を無料で相談できる特典も付けています。
一人で迷い続けるより、「このままでいいか」を一度確認したい人向けのものです。


【北海道教採】教養検査は効率よく対策がポイント
北海道教員採用試験の教養検査は、「全部を完璧にする人」が合格する試験ではありません。
圧倒的な配点を誇る「教育原理」で確実に点を取り、出題数の少ない歴史などは最初から追わない。この「取捨選択」ができた人から、合格点に近づいていきます。
- Sランク(教育原理):まずはここを得点源にする(4割占める!)
- Aランク(法規・言語):ここで点数を積み上げる
- B・Cランク:「出題数」を見てやるか決める(歴史は捨てる)
とはいえ、「どの分野が本当によく出るのか」「どこまでやれば十分なのか」を自分で調べるのは、正直かなり大変です。
そこで、過去の北海道教員採用試験を分析し、科目別・分野別に「出る/ほぼ出ない」を整理した一覧データをまとめました。
「無駄な勉強をしたくない」「短期間で1次試験を突破したい」という方は、ぜひ手にとって参考にしてください。迷っている時間を、今日から「点数が伸びる勉強」に変えましょう。



