福島県の公立学校で教員を目指している方に向けて、教員採用候補者選考試験の内容(第1次選考・第2次選考)をわかりやすく整理しました。
選考スケジュールや実施結果(倍率)など、受験に必要な情報をまとめています。これから準備を始める方の役に立つはずです。
出題傾向や選考方法を理解しないまま勉強を進めてしまうと、効率が悪くなってしまいます。
まずは福島県教員採用試験の制度を正しく把握することから始めていきましょう。
福島県教員採用試験の内容
福島県教員採用試験では、筆答試験だけでなく、実技試験や模擬授業、面接など複数の試験が課されます。
試験は第1次選考と第2次選考の2段階で行われます。
主な試験内容と配点は以下のとおりです。
| 選考方法 | 試験種目 | 配点・評価 |
|---|---|---|
| 第1次選考 | 教科試験(※1) | 50点〜120点(※2) |
| 教職教養試験 | 30点 | |
| 実技試験(対象教科のみ ※3) | 50点または70点 | |
| 個人面接(特別選考Ⅲ・Ⅳのみ) | A〜Eの5段階評定 | |
| 第2次選考 | 模擬授業(養護教諭は場面指導) | A〜Eの5段階評定 |
| 個人面接 | A〜Eの5段階評定 | |
| 書類審査 | 総合的な選考の資料 | |
| 身体検査 | 適否 |
(※1 教科に関する教職教養問題を含みます。
※2 校種・受験教科によって異なります。
※3 中学校・特別支援学校中学部の「音楽、美術、技術」、高等学校・特別支援学校高等部の「音楽、美術」が対象です。)
第1次選考
福島県教員採用試験の第1次試験では、教科の内容や教職教養に関する筆答試験が実施され、一部の校種・教科では実技試験が加わります。
教職教養
福島県教員採用試験の教職教養は、教員として必要な基礎知識を問う筆記試験です。
校種によって試験問題が異なります。試験時間30分・30点満点で実施されます。
| 試験時間 | 30分間 |
|---|---|
| 出題形式 | 記述式 |
| 出題範囲 | 教職科目(教育原理、教育法規) |
| 配点 | 30点 |
まずは過去問を3〜5年分解いて出題傾向を把握し、頻出科目・分野に絞って勉強するのが効率的です。
参考書で頻出の1テーマ覚えたらすぐ問題演習で確認し、間違えた部分を繰り返し復習します。1日30分でも回転させることで、安定して得点できるようになりますよ。
なお、詳しい出題傾向や勉強方法は、「【教員採用試験】教職教養・一般教養の勉強法と出題傾向(全国一覧)」を参考にしてください。
教科専門
福島県教員採用試験の教科専門試験は、志望する校種・教科の専門知識と指導力を問う筆記試験です。
全校種・教科が対象で、試験時間60分・100点満点で実施されます。
| 対象校種 | 全校種・教科 |
|---|---|
| 試験時間 | 60〜100分 |
| 問題数 | 教科・科目による |
| 出題範囲 | ①志望校種・教科の知識・技能 ②学習指導方法等の基礎 |
| 解答方法 | 記述式 |
| 配点 | 50~120点満点 |
専門知識だけでなく学習指導要領も出題範囲に含まれます。教科の知識と合わせて対策が必要です。
解答方法は記述式のため、正確な知識を自分の言葉でアウトプットできる力が求められます。過去問や参考書を活用して、記述に慣れておくことが重要です。
なお、詳しい勉強方法は、「教員採用試験の専門教養(科目)とは?試験内容や勉強方法を徹底解説」を参考にしてください。
実技試験
福島県教員採用試験の実技試験は、一部の校種・教科で実施されます。
単に技術が高いかだけでなく、「見本として適切か」「安全に配慮できているか」といった教師としての視点も見られます。
| 対象校種 | 中学校 | 音楽、美術、技術 |
|---|---|---|
| 高等学校 | 音楽、美術、技術 | |
| 特別支援 | 音楽、美術 | |
| 試験内容 | 音楽 (中学校) | (ア) 演 奏 ① 初見視唱と初見視奏 ※ 初見視奏はピアノで行い、一部即興を含む。 ② 器楽(ピアノ) インヴェンション 第 6 番 BWV777 ホ長調 作曲 J.S.バッハ ※ 楽譜は各自持参すること。ただし、楽譜は紙媒体のみとし、 タブレット等の電子機器の使用は認めない。 ③ 声楽 荒城の月 作詞 土井晩翠 作曲 滝廉太郎 補作編曲 山田耕筰 ※ 前奏を含め自分でピアノ伴奏しながら歌うこと。 調性は原調でなくともよい。 楽譜は各自持参すること。ただし、楽譜は紙媒体のみとし、タブレット等の電子機器の使用は認めない。 |
| 音楽 (高校) | ア) 聴 音 ① 旋律 ② 和声(4声) (イ) 演 奏 ① 初見視唱と初見視奏 ※初見視奏はピアノで行う。 ② 器楽(ピアノ) インヴェンション第 9 番 BWV780 ヘ短調 作曲 J.S.バッハ ※ 楽譜は各自持参すること。ただし、楽譜は紙媒体のみとし、 タブレット等の電子機器の使用は認めない。 ③ 声楽 Ich liebe dich 作曲 ベートーヴェン ※ 自分でピアノ伴奏しながら歌うこと。 原語による歌唱とし、調性は原調でなくともよい。 ※ 楽譜は各自持参すること。ただし、楽譜は紙媒体のみとし、タブレット等の電子機器の使用は認めない。 | |
| 美術 | 絵画や立体造形の作品表現を通して、描写力や構成力、発想力等をみる問題 ※ テーマやモチーフについては、当日発表します。 ※ 中学校教諭及び特別支援学校教諭中学部受験者は、鉛筆デッサン用具一式、画用紙止めクリップを準備してください。 ※ 高等学校教諭及び特別支援学校教諭高等部受験者は、鉛筆デッサン用具一式を準備してください。 | |
| 技術 | ものづくり実技試験 ※ 作業のできる服装を準備してください。 | |
| 配点 | 100点満点 | |
第2次選考
福島県教員採用試験の第2次試験では、模擬授業と個人面接が実施されます。
模擬授業(養護教諭は場面指導)
複数の評価者によってA〜Eの5段階で評定されます。
教材に対する理解力、実践的な指導力、表現力などが評価されます。
個人面接
複数の面接者によってA〜Eの5段階で評定されます。
| 試験時間 | 20分 |
|---|---|
| 面接官 | 3人 |
| 実施形式 | ①口頭試問 ②事例対応 |
| 内容 | ○自己PR ○志望動機 ○教育観 ○教職教養 ○福島県の教育 これらに関する質疑応答。 |
指導力や専門性、教育に対する情熱や使命感、倫理観などが評価されます。
自分が福島県の教育にどのように貢献できるか、またどんな教員として成長していきたいのかを具体的に語れるよう準備しましょう。
なお、過去の質問項目などは「【福島県教員採用】面接の内容と対策まとめ【質問例あり】」をご覧ください。
福島県教員採用試験の選考スケジュール
教員採用試験は、出願から最終合否の発表まで約半年にわたる試験です。
試験日程を早めに把握しておくことが、対策を進めるうえでの第一歩になります。
例年の選考スケジュールは以下のとおりです。
| 4月下旬〜5月中旬 | 受験申込み(電子申請) |
|---|---|
| 7月上旬〜中旬 | 第1次選考試験(筆答試験、実技試験等) |
| 8月下旬 | 第1次選考試験の結果通知 |
| 9月上旬 | 第2次選考試験(模擬授業、個人面接等) |
| 10月下旬 | 最終選考結果の通知 |
近年、教員採用試験は全国的に日程の前倒しが進んでおり、今後も日程が変動する可能性があります。
例年の感覚で動くと出願を逃すリスクもあるため、必ず最新の公式情報を確認するようにしましょう。
なお、詳しい試験の日程は、「福島県教員採用試験の日程|いつから対策を始める?」で確認してください。
福島県教員採用試験の実施結果(倍率)
福島県教員採用試験の全体の実質倍率は、以下のように推移しています。
- 2025年実施(令和8年度):2.2倍
- 2024年実施(令和7年度):2.5倍
- 2023年実施(令和6年度):2.8倍
- 2022年実施(令和5年度):3.5倍
- 2021年実施(令和4年度):3.7倍
ここ数年で倍率は継続的に低下しており、全体としては受験しやすい環境になりつつあるといえます。
とはいえ、倍率が下がっているからといって、単純に「合格しやすくなった」と判断することはできません。採用予定数の増減や志願者数の変化によって倍率は大きく左右されます。
また、福島県では校種や教科によって倍率に差がある点にも注意が必要です。小学校は比較的低倍率で推移する一方で、中学校や高校は教科によって高倍率になることもあります。
そのため、自分が受験する校種・教科の倍率を確認するところから始めてみましょう。
なお、校種・教科別の倍率推移は、「福島県教員採用試験の倍率|教科別・過去5年の推移」でまとめています。
福島県教員採用試験に関するFAQ
福島県教員採用試験の志望者が抱く共通の疑問にお答えしていきます。
Q-1.受験資格(年齢制限)はありますか?
A-1 受験するには大きく分けて「年齢・免許・法律」の3つの条件があります。
- 年齢の条件
-
昭和42年(1967年)4月2日以降に生まれた方が対象です(令和9年4月1日現在の年齢が60歳未満の者)。
- 教員免許の条件
-
出願する校種・教科等の普通免許状を持っている(または指定の期日までに取得見込みである)必要があります。
- 法律上の条件
-
地方公務員法および学校教育法で定められた「欠格条項」に該当しないこと、および「こども性暴力防止法」で定める「特定性犯罪事実該当者」でないことが必須です。
Q-2.過去問はどこで入手できますか?
A-2 福島県庁西庁舎にある「福島県県政情報センター」や、県立図書館等で閲覧が可能です。
筆答試験(教科試験、教職教養)及び解答例を閲覧することができます。直接足を運ぶ必要がありますが、無料で閲覧できるので費用を抑えたい人には良い選択肢です。
なお、詳しい入手方法や対策については、「福島県教員採用試験の過去問|入手方法と効果的な活用法」でまとめています。
Q-3.福島県ならではの特徴的な選考や制度はありますか?
A-3 大学3年生等特別選考や、地域採用枠、加点制度などがあります。
- 「大学3年生等特別選考」の実施
-
大学3年生等において第1次選考試験を受験し、一定の基準を満たすと「選考通過者」となります。選考通過者は、翌年度の試験において第1次選考試験が免除されます。
- 「地域採用枠出願」
-
「奥会津(中山間地域を含む)採用枠」および「相双採用枠」が設定されています。採用後は、同地区に10年程度勤務することになります。
- 資格等による加点制度
-
実用英語技能検定などの英語資格、情報等の教員免許状の複数保有、司書教諭の資格等を有する受験者に対し、第1次選考試験の得点に加点が行われます。
福島県教員採用試験の合格に向けて
本記事では、福島県教員採用試験の試験内容や配点、選考の流れなどを解説しました。
福島県教員採用試験は、筆答試験だけでなく人物評価も重視される試験です。
そのため、筆記から面接、模擬授業に至るまで、すべての試験種目でバランスよく評価を得ることが合格のポイントになります。
対策は早く始めるほど有利になります。正しい方向で準備を進め、合格を目指しましょう。
第2次選考では模擬授業や個人面接が実施されます。筆記対策と並行して、面接対策や模擬授業の準備を早めに進めておきましょう。
試験日程や過去問、倍率などの記事もあります。気になるところから読んでみてください。

