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【記入例付】宮城教採 自己アピール票の書き方|評価される3つのコツ

宮城県教員採用試験の自己アピール票

二次選考に向けた準備は順調に進んでいますか?

筆記試験を乗り越えたものの、次の面接、特にその準備段階である「自己アピール票」の作成に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。

「何を書けばいいんだろう…」「自分の経験をどうアピールすれば…」
そんな不安を感じるかもしれませんね。

しかし、この自己アピール票、単なる提出書類だと侮ってはいけません

これは、あなたの面接の行方を左右する、いわば「面接の設計図」とも言える、きわめて重要な書類なのです。

なぜなら、個人面接の面接官は、事前にこの自己アピール票をじっくりと読み込み、あなたが書いた内容を基に質問を投げかけてくるからです。

つまり、自己アピール票の完成度が高ければ、面接であなたが話しやすい流れを作り出し、自分の強みや教育への情熱を存分にアピールする絶好のチャンスが生まれます。逆に、内容が薄かったり、方向性がずれていたりすると、厳しい質問を招いてしまう可能性もあるのですね。


そもそも宮城県の教員採用試験の全体像を確認したい方は、まずはこちらの記事からご覧ください。


この記事では、あなたの魅力が最大限に伝わる自己アピール票を作成するための具体的な方法を、一つひとつ丁寧に解説していきます。

一緒に、面接官が「この人とぜひ一緒に働きたい!」と感じるような、あなただけの最強の自己アピール票を完成させましょう!

目次

【質問項目別】自己アピール票の書き方と記入例のポイント

ここからは、自己アピール票の各質問項目について、具体的な書き方と盛り込むべきポイントを解説していきます。

ただ自分の経験を書き連ねるのではなく、宮城県が求める教師像と、あなた自身の想いや経験を戦略的に結びつけることが重要です。

そのための前提知識が、県が発行している「宮城県教育振興基本計画」と「みやぎの教員に求められる資質能力」の2つの資料です。

各項目でどの資料のどの部分を参考にすればよいかを示しますので、ぜひ手元に置きながら読み進めてくださいね。

2026年度資料①
2026年度資料②

① 教員を志す理由・動機について、受験校種・教科等を踏まえて記述してください。

この質問では、あなたの「教育への情熱」の原点が問われています。

数ある職業の中で、なぜ「教員」なのか。そして、なぜ「その校種・教科」なのか。あなたの核となる価値観を示す、非常に重要な項目です。

【参照すべき資料】

みやぎの教員に求められる資質能力 P28「教育への情熱」

【書き方のポイント】

  • 「子どもが好き」という気持ちはもちろん大切ですが、それだけでは不十分です。
  • きっかけとなった原体験」+「教員として何を実現したいか」をセットで語りましょう。

特に、宮城県が求める「子供たちに対する深い愛情と子供たちの成長を手助けする教員の仕事に高い使命感と情熱」という部分に、あなたの言葉で魂を吹き込むことが大切です。

【記入例のポイント】

  • (原体験)中学校時代の恩師との出会いで、学ぶ楽しさと自己肯定感を得られた経験。
  • (実現したいこと)今度は自分が、子ども一人ひとりの可能性を信じ、寄り添うことで、彼らが自信を持って未来へ進む手助けをしたい。特に数学という教科を通して、論理的に物事を考え、粘り強く課題を解決する力を育みたい。

このように、個人の体験と、教員としての普遍的な使命感を結びつけてみましょう。

② 宮城県(仙台市を除く)で勤務を希望する動機・理由(具体的に記載してください)を記述してください。

「なぜ、宮城県なのか?」

この質問では、地域への理解度と貢献意欲が試されます。「仙台市を除く」という指定がある点も、重要なポイントですね。

【参照すべき資料】

第2期宮城県教育振興基本計画(改訂版) P2「本県教育の現状」「本県教育の課題」

【書き方のポイント】

宮城県が抱える教育課題を正しく理解し、それに対して自分自身がどのように貢献できるかを具体的に述べることが、他の受験者と差をつけるポイントです。

例えば、「第2期宮城県教育振興基本計画」のP2には、宮城県の課題として「東日本大震災からの復興」「人口減少社会の到来」「増加する不登校児童生徒への支援」などが挙げられています。

これらの課題の中から、特に関心があるものと自分の強みや学びを結びつけてみましょう。

【記入例のポイント】

  • (現状理解)貴県の「教育振興基本計画」を拝見し、東日本大震災からの復興、特に子どもたちの心のケアが今なお重要な課題であると認識しています。
  • (自己の貢献)大学で防災教育と心理学を学んだ経験を活かし、子どもたちが安心して学校生活を送れるよう、防災体制の確立に貢献したい。また、自然豊かな地域での体験活動を通して、子どもたちの郷土を愛する心を育みたいです。

③ 教員を志す上で、今現在努力していること、心掛けていることを挙げ、学校現場でどのように生かしていきたいか記述してください。

ここでは、教員になるための準備度と、あなたの向上心・継続力が問われています。目標に向かって、具体的に何をしているのかを示しましょう。

【参照すべき資料】

みやぎの教員に求められる資質能力 P1, 16, 30「授業力」「自己研鑽力」
第2期宮城県教育振興基本計画(改訂版) P7「横断的な視点1 教育DXの推進」

【書き方のポイント】

具体的な行動」+「それを現場でどう活かすか」のセットで記述します。大学での学び、ボランティア活動、資格取得に向けた勉強など、事実に基づいた努力を挙げることが説得力を生みます。

特に、宮城県が力を入れている「教育DXの推進」や、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた努力は、高く評価されるでしょう。

【記入例のポイント】

  • (努力していること)「主体的・対話的で深い学び」を実践するため、大学のゼミでアクティブ・ラーニング型の模擬授業に積極的に取り組んでいます。また、貴県が推進するGIGAスクール構想に対応できるよう、ICT支援員のボランティアに参加し、現場での活用スキルを磨いています。
  • (現場でどう活かすか)これらの経験を活かし、子どもたちがICTを文房具のように使いこなし、協働的に課題を探究していく授業を創造したいです。

④ 今を生きる子どもたちと関わるに当たり、教師としてどんなことを大切にしていきたいか記述してください。

この質問は、あなたの「児童生徒観」や「教育観」の核心に迫るものです。

現代の子どもたちが置かれている状況を理解し、一人の人間としてどう向き合っていくか、その覚悟を示しましょう。

【参照すべき資料】

第2期宮城県教育振興基本計画(改訂版) P4, 5「こどもアンケート調査の実施結果概要」「自由記述の主な内容」

【書き方のポイント】

県の公式資料である「こどもアンケート」は、まさに子どもたちの“生の声”です。このアンケート結果に真摯に耳を傾け、子どもたちの願いに応えようとする姿勢を示すことが、何よりの説得材料になります。

例えば、「悩んでいる時や辛い時に気がついてくれたり、相談に乗ったりしてくれること」(32.0%)や、「先生とコミュニケーションをとれる時間がたくさんあること」(28.0%)を望む声があります。

これらの声を踏まえ、あなたが大切にしたいことを述べましょう。

【記入例のポイント】

  • (子どもの声の受容)貴県の「こどもアンケート」で、多くの子どもたちが悩みの相談や教員とのコミュニケーションを望んでいることを知りました。
  • (大切にしたいこと)この結果を真摯に受け止め、私自身、一人ひとりの小さな変化に気づき、いつでも安心して話せる雰囲気作リを最も大切にしたいです。日々の声かけや対話の時間を確保し、子どもたちが自己肯定感を育めるよう、信頼関係の構築に努めます。

⑤ あなたの強み、弱みは何ですか。また、あなたの強みを学校現場でどのように生かしていきたいか、その抱負を記述してください。

自己分析力と、それを客観的に言語化する能力が問われます。

強みは「みやぎの教員に求められる資質能力」と結びつけ、弱みは改善努力とセットで示すのが鉄則です。

【参照すべき資料】

みやぎの教員に求められる資質能力 P1-45 全般

【書き方のポイント】

  • 強み: 「求められる資質能力」の中から、自分の経験と最もフィットするものを選び、具体的なエピソードを添えて語ります。「授業力」や「生徒指導力」などが直接的で分かりやすいでしょう。
  • 弱み: 単に欠点を述べるのではなく、「弱みを自覚し、改善するために〇〇という努力をしている」という前向きな姿勢を示しましょう。
  • 活かし方: 強みを学校現場のどのような場面(授業、学級経営、部活動など)で、どのように発揮して貢献したいかを明確に記述します。

【記入例のポイント】

  • (強み)私の強みは、目標達成に向けて周囲を巻き込みながら計画的に物事を進める「実行力」です。(エピソード)大学のゼミで、地域連携イベントを企画した際、課題を分担し、進捗管理を徹底することで、多くの学生や地域住民の協力を得て成功に導きました。この強みを、学年目標の達成や学校行事の企画・運営に活かしていきたいです。
  • (弱みと改善努力)一方、慎重になりすぎて決断に時間がかかってしまう点が弱みです。この点を克服するため、日頃から情報収集を迅速に行い、複数の選択肢のメリット・デメリットを整理して考える訓練をしています。

⑥ 他者とのコミュニケーションにおいて、最も大切だと思っていることは何ですか。また、それを踏まえ、学校現場ではどのようにコミュニケーションを図っていきたいか記述してください。

現代の学校現場に不可欠な「チーム学校」の一員としての適性を測る質問です。

同僚、保護者、地域住民など、多様な人々と連携・協働していく姿勢が求められています。

【参照すべき資料】

みやぎの教員に求められる資質能力 P22「学校を支える力」
第2期宮城県教育振興基本計画(改訂版) P13「地域と学校の連携・協働体制の推進」

【書き方のポイント】

宮城県が掲げる「チーム学校」や「地域とともにある学校づくり」の理念を理解していることを示しましょう。

その上で、あなたがコミュニケーションで大切にしていること(例:傾聴、相手の立場の尊重、丁寧な情報共有)と、それを学校現場でどのように実践していくかを具体的に述べます。

【記入例のポイント】

  • (大切にしていること)他者とのコミュニケーションでは、まず相手の話を真摯に聴き、その背景にある想いや立場を理解しようと努める「傾聴の姿勢」を最も大切にしています。
  • (現場での実践)学校現場では、この姿勢を基盤に、同僚の先生方とは日々の情報交換を密にし、保護者の方々とは学校だよりや個人面談を通して丁寧に対話します。そして、地域の方々には学校行事へ積極的に参加を呼びかけるなど、信頼関係を築き、「チーム学校」の一員として子どもたちの成長を支えていきたいです。

自己アピール票に限らず、教員採用試験で提出する書類全般の基本的な書き方を押さえておきたい方は、こちらの記事も参考にしてくださいね。


以上が、各質問項目に対する書き方のポイントと解説です。これらの視点を参考に、ぜひあなた自身の言葉で、想いを込めて自己アピール票を作成してみてください。

評価される自己アピール票作成の3つのコツ

さて、ここまでのポイントを踏まえれば、各項目の基本的な書き方はお分かりいただけたかと思います。

しかし、多くの受験生が同じように対策してくる中で、もう一歩抜きん出るためには、もうひと工夫必要です。

ここでは、あなたの自己アピール票を「良い」から「素晴らしい」のレベルに引き上げるための、3つのコツをお伝えします。

コツ1:「宮城県教育振興基本計画」から”答え”を探す

「第2期宮城県教育振興基本計画」は、単に目を通すだけの資料ではありません。

これは、宮城県が「今後、私たちの県の教育をこうしていきたい!」という意志を示した、未来へのマニフェストであり、面接官が探している答えそのものが詰まっています。

この資料のキーワードを、ただ書き写すのではなく、自分の言葉で意味を理解し、自分の考えと結びつけることが極めて重要です。

例えば、「横断的な視点1」として掲げられている「教育DXの推進」で見てみましょう。


Case1:ありがちなNG例 

「教育DXを推進したいです。」

これでは、意欲はあっても具体性がなく、何も伝わりませんね。


Case2:もう一歩!な惜しい例 

「私は、貴県が目指す『教育DX』の真の価値は、テクノロジーによって教師が『子ども一人ひとりと深く向き合う時間』を創出することにあると理解しています。AIドリルで生まれた時間を、教師が直接的な個別指導や対話に充てることで、初めて学びの質が高まると考えます。この理念に深く共感し、前職で培ったデータ分析スキルを活かして、子どもたちの学習データを分析し、効率的な指導計画を立てることで、この理念を実践したいです。」

一見すると、県の計画を理解し、自分のスキルと結びつけているため、良く書けているように見えませんか?

多くの受験生がこのレベルの文章を目指すかもしれません。しかし、これでは「あなたらしさ」が見えてきません

なぜ、あなたが「子どもと向き合う時間」が重要だと考えるに至ったのか、その背景にある経験や想いが語られていないため、「よく勉強しているけれど、誰でも言えることだよね」と面接官に思われてしまうのです。

Case3:ライバルに差がつくOK例

「前職の個別指導塾で、画一的なカリキュラムに沿って学習を進める中で、多くの生徒が次第に受け身になっていく姿を目の当たりにしました。しかし、ある生徒が歴史上の人物に強い興味を示した際、関連する映像資料や地域の史跡マップを自作して提供したところ、目を輝かせて主体的に探究し始めたのです。この経験から、テクノロジーはあくまで学びのきっかけを作る『手段』であり、それを使って生まれた時間で、教師が一人ひとりの知的好奇心にどう寄り添うかが教育の質を決定づけるのだと痛感しました。だからこそ、私は貴県が目指す『教育DX』の真の価値は、効率化によって教師が『子ども一人ひとりと深く向き合う時間』を創出することにあると深く共感しています。私が培ったデータ分析スキルは、クラス全体の学習状況を効率的に把握するために役立ちます。そうして生み出した時間で、かつての塾での経験のように、子どもたちとの対話を重ね、一人ひとりの『面白い!』という探究心に火をつける教育を、この宮城の地で実践したいです。」

この例文では、「個別指導塾での原体験」という、その人でなければ語れない物語が加わりました。

この物語があるからこそ、「子どもと向き合う時間が重要だ」という主張に強いリアリティと熱意が宿ります。県の理念への共感が、借り物の言葉ではなく、あなた自身の魂の叫びとして面接官の心に響くのです。

コツ2:「みやぎの教員に求められる資質能力」と自己分析を重ねる

「あなたの強みは何ですか?」と聞かれて、漠然とした答えに終始していませんか?

「コミュニケーション能力があります」
「粘り強さには自信があります」

これでは、他の受験生との違いが分かりません。

ここで役立つのが、「みやぎの教員に求められる資質能力」の詳細な記述です。この資料は、あなたの能力を客観的に示すための、いわば公的な「ヒント」です。

例えば、「生徒指導力」の項目を見ると、教職経験段階に応じて求められる能力が具体的に示されています。

自分のこれまでの経験を振り返り、「自分は『生徒指導力』における【基礎形成期】(1年目〜5年目)の『いじめなどの問題や不登校を理解する姿勢を常に持ち、学校全体での組織的対応の視点を持つこと』という能力は、大学での〇〇という経験を通じて身についている」といった形で、自己分析と県の基準を重ね合わせるのです。

この作業を行うことで、あなたの強みが「自称」ではなく、「宮城県の基準に照らし合わせた客観的な能力」として、圧倒的な説得力を持つようになります。

コツ3:具体的なエピソードで「あなたらしさ」を語る

県の計画や方針を理解することは重要ですが、それだけでは「あなた」という人間性は伝わりません。最後にものを言うのは、あなた自身の言葉で語られる、血の通ったエピソードです。

そこでおすすめなのが、「主張→根拠→具体例→結論」の論理構造(PREP法)を意識することです。

  • P(Point):主張
    • 私は、多様な背景を持つ子どもたち一人ひとりに寄り添い、誰一人取り残さない教育を実現したいです。
  • R(Reason):根拠
    • なぜなら、貴県の「教育振興基本計画」においても、多様なニーズに対応したきめ細やかな教育の推進が重点的な取組として掲げられているからです。
  • E(Example):具体例
    • 私は、地域の日本語支援教室で3年間ボランティア活動を行い、外国にルーツを持つ子どもたちが言葉や文化の壁を乗り越え、笑顔を取り戻していく過程に寄り添ってきました。ある子どもが、最初は全く話せなかった日本語で「先生、ありがとう」と伝えてくれた時の喜びは、今でも私の原動力です。
  • P(Point):結論・貢献
    • この経験で培った、文化や価値観の違いを尊重し、粘り強く信頼関係を築く力を、貴県の教員として、インクルーシブな学級づくり、学校づくりに必ずや活かせると確信しております。

いかがでしょうか。
県の方向性という「公的な根拠」と、あなただけの「個人的な物語」が結びつくことで、主張に深みと説得力が生まれるのが分かりますね。


「それでも不安…」「最後の仕上げに、専門家のアドバイスが欲しい…」
そんなあなたを、私たちは全力でサポートします。後悔のないよう、万全の準備で本番に臨みましょう。

まとめ|自己アピール票を最強の武器に

今回は、宮城県教員採用試験の「自己アピール票」の書き方について、県の公式資料を基に徹底解説してきました。

最後に、評価される自己アピール票を作成するための重要ポイントを振り返りましょう。

  • ポイント1:県の公式資料は”答え”の宝庫
    • 「教育振興基本計画」や「求められる資質能力」を読み込み、県の教育への深い理解を示す。
  • ポイント2:キーワードは「自分の言葉」で語る
    • 県の理念と「あなた自身の原体験」を結びつけ、リアリティと熱意を込める。
  • ポイント3:主張には必ず「具体的なエピソード」を添える
    • あなたの人間性や能力が伝わる、血の通った物語で説得力を持たせる。

自己アピール票は、あなたという人間を面接官に知ってもらうための、最初の、そして最も重要なプレゼンテーション資料です。

この記事で紹介した方法を実践すれば、あなたの自己アピール票は、二次選考を突破するための最強の武器になるはずです。

さあ、書き上げた自己アピール票を何度も声に出して読んでみてください。それが、最高の面接練習の第一歩になりますよ。


自己アピール票が完成したら、いよいよ本格的な面接対策です!具体的な質問例や回答のポイントはこちらの記事で詳しく解説しています。


やれることから始めてください。十分に間に合いますから!


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