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佐賀県教員採用試験の小論文とは?過去のテーマと模範解答を解説

佐賀県教員採用試験の小論文対策

佐賀県教員採用試験(通称:佐賀県教採)の小論文について解説します。

  • 佐賀県教採の小論文は何文字くらいなの?
  • 佐賀県教採の小論文テーマは?
  • 佐賀県教採の小論文の模範解答は?

このような悩みや不安をお持ちなのではないでしょうか。

佐賀県教採の小論文は、ただテーマに沿って文章をダラダラ書くだけでは評価されないのです。

正しい型や評価ポイントを知らずに対策しても、合格は勝ち取れません。

そこで本記事では、佐賀県教員採用試験の小論文について以下の3点を解説します。

この記事でわかること
  • 小論文の内容(試験時間、文字数、評価基準)
  • 過去5年分の出題テーマと模範解答例
  • 具体的な対策方法

この記事に書かれていることを実践すれば、あなたの小論文への不安は自信に変わりますよ。

福永

福永です。Xnoteでも有益な情報を発信しています!


小論文の個別コーチングは以下の記事をご覧ください。

目次

【佐賀県教採】小論文の内容

佐賀県教員採用試験における小論文の内容を簡単に説明します。

試験時間60分で800文字

小論文の概要は次のとおりです。

実施日第二次試験
試験時間60分
文字数800字
問題数1題
配点30点満点
小論文の試験概要(佐賀県教員採用試験)

文字数は制限があり、800字以内で書かなければなりません。対する試験時間は60分なので、文字数に対する試験時間が極めて短いのが佐賀県の特徴です。

評価基準・配点

小論文は以下の観点に沿って評価します。

  • 字数制限
  • 表現の適切さ
  • 論理性
  • 構成力

最終的に30点満点で評価しますが、著しく点数が低いと即不合格です。

評価が悪くなる理由としては、テーマの把握ができていなかったり、文字数が少ない(600字以下)だったりすることが挙げられます。

また、字が汚い(丁寧であればOK)、誤字脱字が多いっていうのもよくないので、注意しながら書きましょう。

【佐賀県教採】小論文の過去問テーマ

佐賀県教員採用試験における小論文の過去問を紹介します。

令和7年度(2024年実施)

校種内容
小学校佐賀県教育大綱vol.3には,目指す子どもの姿として「自分で自分のことを決められる子どもに育てたい。」が掲げられています。あなたは,この姿をどのように解釈しますか。また,それを踏まえて,佐賀県の教員として,どのように教育活動を進めていきますか。あなたの考えを具体的に述べなさい。
中学校
高等学校高等学校では,カリキュラム・マネジメントに関わる取組として,教科横断的な視点に立った資質・能力の育成を教育課程の中に位置づけていくことが求められています。あなたは,「教科横断的な視点に立った資質・能力の育成」に向けて,どのようなことを実践していきたいと考えていますか。あなたの考えを述べなさい。
特別支援本県では,それぞれの個性や多様な価値が尊重される教育現場の実現を目指して,誰もが安心して学べる「さがすたいるスクール」を推進しています。あなたは,特別支援学校の教師として,学校が安心して学べる場所となるために,どのように教育活動を実践していきたいと考えていますか。あなたの考えを述べなさい。
養護教諭養護教諭には,児童生徒それぞれの発達課題や教育的ニーズに応じた支援をするという重要な役割があります。あなたは,養護教諭の立場で,学校組織の一員として児童生徒の支援にどのように取り組んでいきますか。今日的な教育課題を踏まえながら具体的に述べなさい。

令和6年度(2023年実施)

校種内容
小学校佐賀県教育委員会では、「ほめよう、さがっ子。」を合言葉に、子どもたちの主体性を尊重する教育の推進を掲げています。あなたは、このことをどう受け止め、子どもたちの主体性をどのようにして伸ばしていこうと考えますか。学級経営や教科指導など、さまざまな場面を想定しながら、あなたの考えを具体的に800字以内で述べなさい。
中学校
高等学校生徒の「主体的・対話的で深い学び」を実現するためには、「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に充実させながら授業改善を図ることが重要です。あなたは、生徒の「主体的・対話的で深い学び」を実現するための「授業」とはどのようなものだと考えますか。あなたの考えを具体的に、800字以内で述べなさい。
特別支援特別支援学校では、障害のある児童生徒の自立と社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、児童生徒の持てる力を高めていくことが大切です。あなたは児童生徒の持てる力を高めるために、どのような指導や支援が必要だと考えますか。あなた自身の特別支援教育に対する目標に触れながら、800字以内で述べなさい。
養護教諭子どもたちを取り巻く社会環境や生活環境の急激な変化により、いじめや不登校、児童虐待など、様々な対応が求められます。あなたは、養護教諭として、子どものサインを見逃さないようにするために、どのように取り組みますか。具体的に800字以内で述べなさい。

令和5年度(2022年実施)

校種内容
小学校通常の学校においても特別な支援を必要とする児童生徒が増加する中、特別支援教育のより一層の充実が求められています。あなたは、このことをどう受け止め、どのような学級経営を行いますか。具体的にあなたの考えを述べなさい。
中学校
高等学校多様化、複雑化している社会状況の中、生徒が自己のキャリア形成と関連付けて生涯にわたって学び続けていけるよう、「学びに向かう力」の育成を図ることが求められています。あなたは高等学校の教師として「学びに向かう力」の育成に向けてどのようなことを実践していきたいと考えていますか。あなたの考えを、800字以内で述べなさい。
特別支援特別支援学校では、児童生徒一人ひとりの障害特性に応じた適切な指導と支援を行っていくために、教師の専門的な指導力の向上を図っていく必要があります。あなたは高い専門性を身につけるために、どのようなことに取組んでいきたいと考えますか。障害のある児童生徒に対する教育の現状と課題にも触れながら、あなたの考えを800字以内で述べなさい。
養護教諭児童生徒及び職員の心身の健康の保持増進を図るために、学校保健委員会を機能させることが重要です。あなたは、養護教諭として学校保健委員会にどのように関わりますか。具体的にあなたの考えを述べなさい。
栄養教諭全ての児童生徒が給食時間を安全に、かつ、楽しく過ごせるように食物アレルギー等について正しく理解し、リスク管理を行うことが重要です。あなたは、栄養教諭として、このことにどのように取り組みますか。具体的にあなたの考えを述べなさい。

令和4年度(2021年実施)

校種内容
小学校変化の激しい未来を生きる児童生徒にとって、自己肯定感を育成する教育が必要とされています。あなたは、このことをどう受けとめますか。また、それを踏まえて佐賀県の教員として、児童生徒にどのように向き合いながら教育活動を進めていきますか。具体的に述べなさい。
中学校
高等学校本県では、各学校がそれぞれの強みを打ち出して、地域の活性化につながるように学校の魅力を磨き上げていこうとしています。このような中で、あなたは高等学校の教師として、どのような実践をしていきたいと考えていますか。あなたの考えを、800字以内で述べなさい。
特別支援特別支援学校では、生徒の発達段階及び一人ひとりの障害の程度や特性等に応じた教育の充実を図るために、効果的な校内の支援体制の構築が必要となってきます。あなたは児童生徒の指導・支援のために、どのようなことが必要だと考えていますか。あなたが目指す教師像にも触れながら、あなたの考えを800字以内で述べなさい。
養護教諭新型コロナウイルス感染症対応が求められる中、児童生徒の心身の健康課題について述べなさい。また、あなたは、養護教諭として、その課題を解決するために、どのように取り組みますか。具体的にあなたの考えを述べなさい。
栄養教諭佐賀県教育施策実施計画の6つの柱の一つに「健やかな体を育む教育の推進」があります。あなたは、栄養教諭として、この教育を推進するために、どのように取り組みますか。具体的にあなたの考えを述べなさい。

令和3年度(2020年実施)

校種内容
小学校佐賀県教育施策の6つの柱の一つに「豊かな心を育む教育の推進」があります。あなたが考える「豊かな心」とはどのような心か述べなさい。また、あなたは教師として児童生徒に「豊かな心」を育むためにどのように取り組みますか。具体的に述べなさい。
中学校
高等学校本県では、児童生徒たちが佐賀への誇りを胸に、高い志をもって生き生きと活動することを目的として、志を高める教育を推進しています。このことをふまえ、あなたは高等学校の教師として、どのような教育を実践していきたいと考えますか。
特別支援佐賀県では特別支援教育を推進していくために、児童生徒の自立と社会参加の一層の促進を目指して、支援の充実を図っています。あなたは教師として、児童生徒の自立と社会参加の一層の促進のためにどのようなことに取り組んでいきたいと考えますか。あなた自身の持つ専門性をふまえながら、あなたの考えを述べなさい。
養護教諭佐賀県教育施策の6つの柱の一つに「健やかな体を育む教育の推進」があります。あなたが考える「健やかな体を育む教育」とはどのような教育か述べなさい。また、あなたは、養護教諭として、この教育を推進するために、どのように取り組みますか。具体的に述べなさい。
栄養教諭「食に関する指導」は、教職員の理解のもと、学校教育活動全体で計画的に進めることが重要です。あなたは栄養教諭として、「食に関する指導」について、教職員と連携した指導をどのように進めていきますか。具体的に述べなさい。

▼過去のテーマは以下の記事でもまとめています。

【佐賀県教採】小論文の模範解答例

ここでは、令和7年度佐賀県教員採用試験の小論文を、どんな構成で書けば合格点がもらえるのか、模範解答例を紹介します。

佐賀県教育大綱vol.3には,目指す子どもの姿として「自分で自分のことを決められる子どもに育てたい。」が掲げられています。あなたは,この姿をどのように解釈しますか。また,それを踏まえて,佐賀県の教員として,どのように教育活動を進めていきますか。あなたの考えを具体的に述べなさい。

テーマの解説

本テーマは、佐賀県の教育理念の中核である「自己決定能力の育成」について、受験者の解釈と、それを教育現場で実現するための具体的な実践力を問うものです。

単に「好きなことを選べる」という表面的な解釈に留まらず、その背景にある主体性、情報活用能力、責任感、他者との協働性といった資質・能力まで深く洞察しているかどうかが評価のポイントとなります。

また、「佐賀県の教員として」という視点が重要です。

佐賀県が全国に先駆けて推進してきたICT活用教育や、地域の特色を生かした「ふるさと学習」といった施策と、自身の教育実践を効果的に結びつけ、具体的に論じることが求められます。

抽象的な教育論ではなく、佐賀県の教室で子どもたちと向き合う教師としての明確なビジョンと情熱を示すことが、合格答案の鍵となります。

文章構成の解説

①序論:理念の解釈と方向性の提示

  • 佐賀県教育大綱が掲げる「自分で自分のことを決められる子ども」という理念に共感を示す。
  • その姿を「自らの興味・関心を基に情報を集め、多角的に思考・判断し、他者と対話しながら、その決定に責任を持って挑戦できる子ども」と具体的に解釈する。
  • その育成のため、「学習における自己決定の機会の充実」と「集団における合意形成の経験」の二つの柱で教育活動を進めるという方向性を示す。

本論1:学習における自己決定能力の育成

  • 教科指導、特に「総合的な学習の時間」や社会科などを例に挙げる。
  • 佐賀県が推進する一人一台端末を活用し、子ども自身が地域の課題などから問いを見いだし、探究テーマを設定する活動を取り入れる。
  • 情報収集やまとめの過程で、多様なツールや表現方法を子ども自身に選択させることで、情報活用能力と主体的な学びの態度を育むことを具体的に述べる。

③本論2:集団における合意形成能力の育成

  • 学級活動や学校行事などの特別活動を例に挙げる。
  • 学級目標や行事の企画・運営を子どもたち主体の話合いに委ねる。
  • 単なる多数決ではなく、異なる意見の背景にある考えを尊重し、対話を通して互いが納得できる結論を導き出す「合意形成」のプロセスを重視する。これにより、社会の一員としての責任感と協調性を育むことを述べる。

④結論:まとめと教師としての抱負

  • 本論で述べた二つの具体的な取り組みを要約し、これらが「自分で自分のことを決められる子ども」の育成に繋がることを改めて強調する。
  • 失敗を恐れずに挑戦できる温かい学級・学校づくりに努め、「人づくり大県さが」の実現に貢献したいという強い決意を表明して締めくくる。

模範解答例

 佐賀県教育大綱が掲げる「自分で自分のことを決められる子どもに育てたい」という理念は、予測困難な時代を生きる子どもたちの育成において、教育の根幹をなすものだと考える。私はこの姿を、単に好きなことを選ぶだけでなく、「自ら問いを立て、情報を活用して多角的に思考・判断し、他者と対話しながら、その決定に責任を持って挑戦できる子ども」と解釈する。その育成のため、佐賀県の教員として、私は「学習における自己決定」と「集団における合意形成」の二つの側面から教育活動を進めていく。

 第一に、学習における自己決定の機会を意図的に設ける。例えば、総合的な学習の時間において、佐賀県の豊かな自然や文化、産業の中から、子どもたちが探究したいテーマを自ら設定する単元を構想する。佐賀県が推進する一人一台端末を効果的に活用し、情報の収集方法や、新聞や動画といった発表形式を子ども自身に選択させる。教師は知識を教え込むのではなく、子どもたちの選択を尊重し、試行錯誤を支える伴走者としての役割を担う。この主体的な学びのプロセスを通して、情報活用能力と、自らの学びを調整する力を育みたい。

 第二に、集団における合意形成の経験を積ませる。学級活動において、学級目標や学校行事の企画・運営を子どもたち主体の話合いで決定する。そこでは、安易な多数決に頼るのではなく、異なる意見の背景にある思いや願いを互いに尊重し、対話を通して全員が納得できる結論を導き出すプロセスを重視する。自分の考えを主張すると同時に、集団の一員として責任ある判断を下す経験は、社会で他者と協働して生きていく力の土台となる。

 これらの取り組みを通して、子どもたちが失敗を恐れず、自らの意思で未来を切り拓く力を育むことが、私の使命である。「人づくり大県さが」の実現に向け、子ども一人ひとりの挑戦を温かく見守り、支え続ける教員でありたい。


▼ほかの模範解答例は以下の記事で解説しています。

【佐賀県教採】小論文の対策方法5ステップ

佐賀県教員採用試験の小論文は、「60分で800字」という非常に厳しい試験です。

ここでは、合格答案を目指すための最も効率的な「5つのステップ」を紹介します。

ステップ①:課題の意図を正確に把握する

まず、出題者が「何を書かせたいか」(題意)を正確につかみましょう 。  

課題の把握を誤ると、どんなに立派な文章でも評価されないからです 。  

具体的には、過去の出題テーマを分析します。

あわせて「佐賀県教育大綱」も読み込みましょう。県が求める教師像を理解することが、的確な合格答案の土台になります。  

ステップ②:主題を決め、構成メモを作る

次に、答案の核となる「主題(最も伝えたい結論)」を一つに決めます 。  

800字で説得力を持たせるには、論点を絞る必要があるからです 。  

試験が始まったら、最初の5〜10分で「序論・本論・結論」の簡単なメモ(構成案)を作ります 。

このメモが、時間内に書ききるための「構成図」になります。いきなり書き始めないようにしてくださいね。  

ステップ③:教師の視点で執筆する

構成メモに従い、本文を執筆します 。  

この試験は、評論家ではなく「教師としての視点」が求められるからです 。あなたの熱意や人間性も評価対象です 。  

本論では、教育実習などの「自分の体験」を具体例として使いましょう。ただし、体験談自体が目的ではないので、簡潔に書くのがコツです。

ステップ④:必ず推敲する

書き終えたら、試験終了までの残り5分で必ず文章を読み返します 。  

誤字脱字や原稿用紙の使い方のミスは、減点対象になるからです 。  

最低でも、以下の3点はチェックしましょう。

  1. 誤字、脱字はないか  
  2. 字数は最低8割(640字)以上か  
  3. 課題の意図(題意)からズレていないか  

ステップ⑤:第三者の添削を受ける

練習で書いた答案は、必ず第三者に添削してもらいます 。  

自分の文章の癖や、独りよがりな考えには気づきにくいものです 。  

大学の教授や学校の先生など、教採をよく知る人にお願いするのが理想です。 客観的な視点をもらうことが、合格への一番の近道ですね。


▼より具体的な書き方は以下の記事をご覧ください。

まとめ|【佐賀県教採】で落ちないために

今回は、佐賀県教員採用試験における小論文の傾向と過去のテーマをまとめていました。

教員採用試験の小論文は、やるべきことが想像しているよりも多いです。

過去問を眺めるだけでは、小論文を攻略することはできません。過去問を使って答案を作成し、その上で添削を受けることで徐々に上達します。

小論文で落ちる人ほど、書いたら書きっぱなしってことが多いです。答案を書いて誰にも見せないというのは、問題を解いても答え合わせをしないのと同じなので注意しましょう。

小論文が原因で不合格にならにように、早めに(遅くても試験の3ヶ月前を推奨)準備を始めてください。


もし一人での対策に困ったり、不安を感じたりしたときは、遠慮なく僕を頼ってほしいです。あなたが合格できるよう、全力でサポートします!

小論文の個別コーチングは以下の記事をご覧ください。

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