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埼玉県教員採用試験の小論文とは?過去のテーマと模範解答を解説

埼玉県教員採用試験の論文

埼玉県教員採用試験(通称:埼玉県教採)の小論文について解説します。

  • 小論文ってどんな試験なんだろう…。
  • どんなテーマが出ているの?
  • なにを書いたら合格できるの?

このような悩みや不安をお持ちなのではないでしょうか。

埼玉県教採の小論文は、ただテーマに沿って文章をダラダラ書くだけでは評価されないのです。

正しい型や評価ポイントを知らずに対策しても、合格は勝ち取れません。

そこで本記事では、埼玉県教員採用試験の小論文について以下の点を解説します。

この記事でわかること
  • 小論文の内容(試験時間、文字数、評価基準など)
  • 過去5年分の出題テーマ
  • 模範解答例(NG例とOK例)
  • 小論文の対策方法5ステップ

この記事に書かれていることを実践すれば、あなたの面接への不安は自信に変わりますよ。

福永

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埼玉県教員採用試験の内容や対策方法を以下の記事でまとめています。あわせてご覧ください。

目次

【埼玉県教採】小論文の内容

埼玉県教員採用試験の小論文は、教師としての考え方や教育観を問う重要な試験科目です。

まずは、試験の基本情報を整理しておきましょう。

実施日第2次試験日
対象校種全校種・教科
試験時間60分
文字数800字程度
問題数1題
評価基準・論題の理解等
・教育実践についての自分の考え等
・教師としての教育実践について具体的に表現しているか。
配点50点満点
埼玉県教採の小論文内容(令和8年度)

筆記試験では測れない、論理的思考力・教育観・表現力が重視されます。

特に「教育実践を踏まえた具体的な考え方」を自分の言葉で書けるかが、合否を分けるポイントです。

【埼玉県教採】小論文の過去問テーマ

ここでは、埼玉県教員採用試験の小論文の過去問(テーマ)を紹介します。

出題傾向を把握し、どのようなテーマが重視されているのかを確認しましょう。

令和7年度(2024年実施)

小学校 埼玉県では,「埼玉教育の振興に関する大綱 (令和5年9月改定)」において、施策の根本的な方針の一つに「確かな学力と自立する力の育成」を掲げています。あなたは、それぞれの力をどのように捉えますか。 あなたの考えを述べなさい。また、このことを踏まえ、あなたはどのような教育実践をしていきますか。具体的に述べなさい。
中学校
養護教諭
栄養教諭
高等学校 将来の予測が困難な時代の中で、一人一人の豊かで幸せな人生と持続的に発展する社会の実現のためには、社会への主体的な関わりや多様な人々との交流を通じて新たな価値を創造し、人生や社会の未来を切り拓くことのできる力を持った人材を育てることが求められています。 このことについて、児童生徒一人一人に,具体的にどのような力を育むことが大切だと考えますか。あなたの考えを述べなさい。また、そのことを踏まえてあなたは一人の教員としてどのような教育活動に取り組んでいきますか。具体的に述べなさい。
特別支援

令和6年度(2023年実施)

小学校 埼玉県教育委員会が求める教師像の1つに「幅広い教養と専門的な知識・技能を備えた教師」があります。あなたは、このことをどのようにとらえていますか。あなたの考えを述べなさい。また、あなたは「幅広い教養と専門的な知識・技能を備えた教師」となるためにどのような努力をし、どのような教育実践につなげていきますか。具体的に述べなさい。
中学校
養護教諭
栄養教諭
高等学校 社会の激しい変化に対応していくためには、どのような時代にあっても身に付けておくべき基礎的・基本的な力と、どのような変化にも柔軟かつ創造的に対応できる力の両方が求められます。このうち、「どのような変化にも柔軟かつ創造的に対応できる力」として、具体的にどのような力を育むことが大切だと考えますか。あなたの考えを述べなさい。また、そのことを踏まえてあなたは一人の教員としてどのように教育活動に取り組んでいきますか。具体的に述べなさい。
特別支援

令和5年度(2022年実施)

小学校 埼玉県では、「第3期教育振興基本計画」において、目標のひとつに「豊かな心の育成」を掲げています。なぜ今「豊かな心の育成」が必要であると考えますか。理由を述べなさい。また、あなたは教師として、子供たちの「豊かな心」を育むために、日々どのような研鑽を積み、どのような教育実践を重ねていきますか。具体的に述べなさい。
中学校
養護教諭
栄養教諭
高等学校 障害のある子供や外国人児童生徒等の増加、家庭を取り巻く環境の変化等に伴い、教育をめぐるニーズが多様化していることを受け、埼玉県では誰一人取り残すことのない教育の実践を目指しています。あなたは、「誰一人取り残すことのない教育」をどのようにとらえますか。あなたの考えを述べなさい。また、これを踏まえ、あなたは一人の教員としてどのように教育活動に取り組んでいきますか。具体的に述べなさい。
特別支援

令和4年度(2021年実施)

小学校 埼玉県教育委員会が求める教師像3つの中の1つに「健康で、明るく、人間性豊かな教師」があります。あなたは、このことをどのように捉えますか。あなたの考えを述べなさい。また、あなたは「健康で、明るく、人間性豊かな教師」であるために、日々、どのような努力をし、どのような教育実践をしていきますか。具体的に述べなさい。
中学校
養護教諭
栄養教諭
高等学校 埼玉県教育委員会では、令和3年2月に埼玉県教職員MOTTO(モットー)「未来を創る、こどもたち。 未来を育てる、わたしたち。 ~未来への責任~」を策定しました。あなたは、この埼玉県教職員MOTTO(モットー)をどのようにとらえますか。あなたの考えを述べなさい。また、そのことを踏まえ、あなたは教員としてどのように教育活動に取り組んでいきますか。具体的に述べなさい。
特別支援

令和3年度(2020年実施)

小学校 現在、グローバル化の進展や絶え間ない技術革新等により、社会は大きく、また急速に変化しており、予測が困難な時代を迎えています。あなたは、このような時代を生き抜いていく子供たちに育成すべき資質・能力とはどのようなものだと考えますか。一つ挙げて、理由もあわせて述べなさい。また、あなたは教員として、子供たちにその資質・能力を育成するために、学校教育の中でどのような実践をしますか。具体的に述べなさい。
中学校
養護教諭
栄養教諭
高等学校 児童生徒の確かな学力や豊かな心、健やかな体を育成していくためには、学校教育の質の向上を図ることが不可欠であり、その担い手となる教員の資質・能力の向上を積極的に図っていくことが求められています。このような中で、新しい学習指導要領では、主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善が示されています。その実現のために、教員にはどのような「授業力」が求められているでしょうか。あなたの考えを述べなさい。また、あなたは教員としてどのように取り組んでいきますか。具体的に述べなさい。
特別支援

▼さらに過去のテーマを知りたい方はこちら!

【埼玉県教採】小論文の模範解答例

小論文の評価は、一見して完成度が高く見えても、内容の具体性や論理の一貫性によって大きく分かれます。

ここでは、多くの受験生が陥りがちな「惜しい答案」を例に、評価を分けるポイントと改善策を解説し、最後に模範解答例を紹介します。

テーマ:埼玉県では,「埼玉教育の振興に関する大綱 (令和5年9月改定)」において、施策の根本的な方針の一つに「確かな学力と自立する力の育成」を掲げています。あなたは、それぞれの力をどのように捉えますか。 あなたの考えを述べなさい。また、このことを踏まえ、あなたはどのような教育実践をしていきますか。具体的に述べなさい。

令和7年度(2024年実施)テーマ 小学校、中学校、養護教諭、栄養教諭

惜しい答案例(評価が下がりがちな答案)

 予測困難な時代において、「埼玉教育の振興に関する大綱」が示す「確かな学力と自立する力の育成」は大変重要です。私が考える「確かな学力」とは、基礎的な知識・技能のことです。そして「自立する力」とは、自分のことは自分でする力のことだと捉えています。
 これらの力を育むため、私はまず、子どもたち一人ひとりに寄り添う教育を大切にしたいです。子どもたちの個性を尊重し、それぞれのペースに合わせた指導を心がけることで、基礎学力の定着を図っていきます。授業では、分かりやすさを第一に考え、丁寧な説明をしていきたいと思います。
 また、自立する力を育むためには、子どもたちの主体性を伸ばすことが重要です。学級活動などの場面で、子どもたちに様々な役割を与え、責任感を持って取り組むように指導します。困難なことに直面した際には、安易に答えを教えるのではなく、自分で考えるように促す関わりをしていきたいです。子どもたちが自信を持って学校生活を送れるよう、教師として全力でサポートしていく必要があると考えます。
 これからの教員には、確かな学力と自立する力の両方を育む指導力が求められます。私も、埼玉県の教員として、子どもたちの未来のために情熱を持って教育実践に取り組んでいく所存です。

上記の答案は、構成の意識や丁寧な言葉遣いから教育への真摯な姿勢は感じられます。しかし、高い評価を得るにはいくつかの点で物足りなさが残ります。

課題点

課題点
定義と考察の浅さ

「確かな学力」を「基礎知識」、「自立する力」を「自分のことは自分でする力」と定義していますが、これはあまりに表面的です。

現代社会でなぜこれらの力が必要なのかという、時代背景を踏まえた深い考察が見られません。

課題点
実践の具体性の欠如

「寄り添う」「個性を尊重する」「主体性を伸ばす」といった言葉は聞こえが良いですが、「では、どうやって?」という具体的な方法が全く述べられていません。

これでは、誰にでも言える一般論に終始してしまい、あなた自身の教育観や実践力が伝わりません。

課題点
二つの力の関連性が不明

「確かな学力」の話と「自立する力」の話が完全に分断されています。

学力を身につけることが、どのように自立につながっていくのかという、あなた自身の教育ビジョン(ストーリー)が描かれていません。

課題点
願望表現の多さ

「~したい」「~と思います」「~必要がある」といった表現が多く、教師として「何をするのか」という主体的で具体的な行動計画になっていません。

改善策

改善策
定義を再構築する

「確かな学力」を「知識を活用し、未知の課題を解決する力」、「自立する力」を「他者と協働しながら、主体的に自己の人生を意思決定する力」のように、現代的な文脈で具体的に再定義します。

改善策
実践を具体化する

「寄り添う」を「総合的な学習の時間で、地域の防災をテーマにした探究活動を設定し、グループでの対話をファシリテートする」のように、特定の教科や活動場面を想定し、教師としての具体的な働きかけを記述します。

改善策
二つの力を連動させる

「探究活動で『確かな学力』を発揮し課題を解決するという成功体験が、子どもたちの自己肯定感を育み、それが人生を主体的に選択する『自立する力』の土台となる」といったように、二つの力が相互に作用し合うストーリーを構成します。

改善策
断定的な表現で意志を示す

「~したい」ではなく、「~します」「~を実践します」といった断定的な表現を用いることで、教師としての強い意志と覚悟を示します。

模範解答例

「埼玉教育の振興に関する大綱」が示すように、グローバル化やデジタル技術の進展など、社会が複雑化し将来の予測が困難な時代において、「確かな学力と自立する力の育成」は教育の根幹である。私は「確かな学力」を、既有の知識を基盤として未知の課題を解決に導く思考力・判断力・表現力、「自立する力」を、自己の人生を主体的に選択し、困難な状況においても多様な他者と協働しながら社会を生き抜く力と捉える。
 この「確かな学力」を育むため、私は「主体的・対話的で深い学び」を授業の中心に据える。例えば小学校の総合的な学習の時間で、地域の防災をテーマとした探究活動を行う。ICTを活用した情報収集や地域住民へのインタビューを通して主体的に課題を発見し、グループでの対話を通して多角的な視点から粘り強く解決策を練る。そして、考えたことを防災マップやプレゼンテーションにまとめ、他者に分かりやすく伝える表現力を養う。この学びのサイクルこそが、知識を活用する力を育むと考える。
 そして、この探究活動は「自立する力」の育成にも不可欠である。仲間と協働して課題を乗り越え、地域に貢献できたという達成感と実感は、子どもたちの自己肯定感を育み、挑戦する意欲の源泉となる。さらに私は、学級目標や係活動など、子どもたちが自分たちの生活をより良くするために何ができるかを考え、実践し、振り返るという一連の経験を意図的に設ける。その中で意見の対立を乗り越え、合意形成を図る経験を重視する。このような当事者意識を持った意思決定の積み重ねこそが、主体的に人生を切り拓く態度の土台となると確信する。
 確かな学力は、自らの生き方を考える上での羅針盤となり、自立する力の土台となる。埼玉県の教員として、この二つの力を分断せず、日々の教育実践の中で一体的に育み、未来の埼玉を担う子どもたち一人ひとりの可能性を最大限に引き出す教育に全身全霊で尽力したい。


▼他のテーマの解説や模範解答例はこちら!

【埼玉県教採】小論文の対策方法5ステップ

埼玉県教員採用試験の小論文は、「60分で800字」という非常に厳しい試験です。

ここでは、合格答案を目指すための最も効率的な「5つのステップ」を紹介します。

ステップ①:課題の意図を正確に把握する

まず、出題者が「何を書かせたいか」(題意)を正確につかみましょう 。  

課題の把握を誤ると、どんなに立派な文章でも評価されないからです 。  

具体的には、過去の出題テーマを分析します。

あわせて「埼玉県の教育振興基本計画」も読み込みましょう。県が求める教師像を理解することが、的確な合格答案の土台になります。  

ステップ②:主題を決め、構成メモを作る

次に、答案の核となる「主題(最も伝えたい結論)」を一つに決めます。  

800字で説得力を持たせるには、論点を絞る必要があるからです。  

試験が始まったら、最初の5〜10分で「序論・本論・結論」の簡単なメモ(構成案)を作ります。

このメモが、時間内に書ききるための「構成図」になります。いきなり書き始めないようにしてくださいね。  

ステップ③:教師の視点で執筆する

構成メモに従い、本文を執筆します。  

この試験は、評論家ではなく「教師としての視点」が求められるからです。あなたの熱意や人間性も評価対象です。  

本論では、教育実習などの「自分の体験」を具体例として使いましょう。ただし、体験談自体が目的ではないので、簡潔に書くのがコツです。

ステップ④:必ず推敲する

書き終えたら、試験終了までの残り5分で必ず文章を読み返します 。  

誤字脱字や原稿用紙の使い方のミスは、減点対象になるからです 。  

最低でも、以下の3点はチェックしましょう。

  1. 誤字、脱字はないか  
  2. 字数は最低8割(640字)以上か  
  3. 課題の意図(題意)からズレていないか  

ステップ⑤:第三者の添削を受ける

練習で書いた答案は、必ず第三者に添削してもらいます 。  

自分の文章の癖や、独りよがりな考えには気づきにくいものです 。  

大学の教授や学校の先生など、教採をよく知る人にお願いするのが理想です。 客観的な視点をもらうことが、合格への一番の近道ですね。


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▼より具体的な書き方は以下の記事をご覧ください。

まとめ|【埼玉県教採】小論文で落ちないために

今回は、埼玉県教員採用試験における小論文の傾向と過去のテーマをまとめていました。

教員採用試験の小論文は、やるべきことが想像しているよりも多いです。

過去問を眺めるだけでは、小論文を攻略することはできません。過去問を使って答案を作成し、その上で添削を受けることで徐々に上達します。

小論文で落ちる人ほど、書いたら書きっぱなしってことが多いです。答案を書いて誰にも見せないというのは、問題を解いても答え合わせをしないのと同じなので注意しましょう。

小論文が原因で不合格にならにように、早めに(遅くても試験の3ヶ月前を推奨)準備を始めてください。


もし一人での対策に困ったり、不安を感じたりしたときは、遠慮なく僕を頼ってほしいです。あなたが合格できるよう、全力でサポートします!

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