どうも、福永です。
専門教養「保健体育」の試験内容と勉強方法を解説します。
中高保健体育の専門教養、何から手を付ければいいのか迷っていませんか?
参考書を開くと、学習指導要領、器械運動、陸上、水泳、球技、武道、体育理論、保健……と、かなりの範囲があります。「これを全部覚えるの?」と不安になる人もいるでしょう。
ただ、中高保健体育は、すべてを同じ方法で覚える試験ではありません。
知識によって、正確に覚えるものと、意味まで理解したいものがあります。
まず試験範囲の全体像をつかみ、要点整理、例題、演習問題、過去問へと段階的に進めていけば、「次に何をすればいいのか」が見えやすくなります。
この記事では、中高保健体育の専門教養で何を学ぶのか、実際にどんな形で問われているのかを整理したうえで、具体的な勉強の進め方まで見ていきます。
中高保健体育の専門教養では何を勉強するのか
相談者「保健体育の専門教養って、結局どこまで勉強するの?」
まずは、ここを整理しておきましょう。
保健体育というと、球技のルールや陸上・水泳の技術を思い浮かべる人も多いはずです。もちろん、それも試験範囲です。
ただ、実際に学ぶ内容はそれだけではありません。大きく分けると、次の4つです。
- 学習指導要領
- 各種運動・スポーツ
- 体育理論・スポーツ科学
- 保健
学習指導要領
まず、学習指導要領では、保健体育科の目標、授業時数・単位数、各領域の内容や取扱いなどを学びます。
各種運動・スポーツ
続いて、各種運動・スポーツです。
- 体つくり運動
- 器械運動
- 陸上競技
- 水泳
- 球技
- 武道
- ダンス など
ここまで見ると、「競技名とルールを覚えればいいのかな」と思うかもしれません。ところが、実際に扱うのはそれだけではありません。
運動技術、競技規則、指導法、安全上の注意なども対象になります。
体育理論・スポーツ科学
さらに、体育理論・スポーツ科学もあります。
体力やトレーニング、運動時の身体の仕組み、スポーツに関する制度・政策などを扱うため、保健体育の専門教養は「実技ができればいい」という試験ではありません。
保健
そして、もう一つ大きいのが保健です。
- 生活習慣病
- 感染症
- 喫煙・飲酒
- 応急手当
- 発育・発達
- 環境
- 医療制度 など、
扱うテーマは幅広くなっています。
こうして見ると、中高保健体育の専門教養は、単に「体育」と「保健」を学ぶだけではないことがわかります。しかも、数値や競技規則のような知識もあれば、運動の動きや身体の仕組み、指導方法のような知識もあります。
つまり、範囲が広いだけでなく、扱う知識の性質もさまざまです。
中高保健体育の専門教養ではどんな問題が出るのか
では、先ほど整理した内容が、実際にはどんな問題になるのでしょうか。
今回確認した過去問を見ると、単に「知っているか」を問うだけではありません。
文言を選ばせたり、数値を答えさせたり、図から技術を判別させたりと、内容によって問われ方が変わっています。
学習指導要領は文言や数値まで問われる
内容を大まかに理解していれば十分かというと、そうとも限りません。
多くの自治体では、教科の目標や各領域の内容について、正誤判定、空欄補充、語句選択などで問う問題が確認されています。
授業時数のように、数値そのものを問う問題もありました。
つまり、学習指導要領では、文言や数値そのものを問う出題例もあるということです。
各種運動では技術・競技規則・指導法が問われる
各種運動というと、競技規則を覚えるイメージが強いかもしれません。
しかし、それだけではありませんでした。
たとえば、以下の項目が出題されています。
- 水泳の泳法や競技規則
- 柔道の技術・作法・指導法
- 器械運動や球技の技術・指導内容
さらに、柔道の体さばきや投げ技、バドミントンのショットなどを、図やイラストから判別する問題も確認されています。
各種運動では、ルールだけでなく、技術、指導法、安全上の知識まで問われる例が確認されています。
体育理論・保健では仕組みや制度も問われる
体育理論や保健では、問われる内容も幅広くなります。
- トレーニング
- 身体活動
- 感染症
- 生活習慣
- 応急手当
- 法律・制度 など
ここでは、身体の働きやトレーニングの仕組みを考える内容がある一方で、心肺蘇生法の数値や熱中症に関する基準、法律・制度の内容など、正確な知識を問う問題も確認されています。
同じ体育理論・保健の中でも、問われるものは一種類ではありません。
正誤・空欄補充・組み合わせ・イラストなど出題形式もさまざま
問題の形も一つではありません。
- 正誤判定
- 組み合わせ
- 空欄補充
- 語句選択
- 四肢・五肢択一
- 数値を問う問題
- 図・イラスト問題
- 記述式
といった形式が確認されています。
たとえば、同じ学習指導要領でも、空欄に入る語句を選ぶ場合もあれば、文章全体の正誤を判断する場合もあります。同じ知識でも問われ方が変わるということです。
ここまで来ると、「全部を同じ覚え方で処理するのは違いそうだ」と見えてきます。
保健体育の勉強は「暗記」と「理解」に分ける
ここで一つ、勉強するときに意識してほしいことがあります。
保健体育は範囲が広いので、「とにかく全部覚えよう」となりやすいものです。でも、すべてを同じ方法で処理しようとすると、かえって整理しにくくなります。
中高保健体育の専門教養には、「正確に覚える知識」と「意味や仕組みまで理解する知識」が混在しています。
正確に覚える必要があるもの
まずは、意味を知っているだけでは答えにくい知識です。
- 学習指導要領の重要な文言
- 授業時数などの数値
- 競技規則
- 人物・年代
- 法律・制度
- 各種基準値
こうした内容は、「だいたいこんな意味だった」と覚えているだけでは不十分な場合があります。
つまり、単独ではなく、関連する情報と結び付けて覚えるということです。
意味や仕組みまで理解する必要があるもの
一方で、覚えるだけでは対応しにくい知識もあります。
- 運動技術
- 生徒への指導法
- 体育・スポーツ科学
- 身体の仕組み
- 保健分野の因果関係
技の名前だけ覚えていても、その動きがどう成り立っているのか、生徒がどこでつまずくのかを理解していなければ、指導法の内容までは判断しにくくなります。
体育理論や保健でも同じです。
用語だけではなく、なぜその現象が起こるのか、何と何がつながっているのかまで見ていく必要があります。
ここで押さえておきたいのは、「この競技は暗記」「この分野は理解」と分けるわけではないということです。
たとえば、同じ球技でも競技規則は暗記寄りですが、運動技術や指導法は理解寄りです。保健でも、基準値は暗記寄りですが、身体への影響や仕組みは理解寄りです。
つまり、競技や分野ではなく、その知識の性質に合わせて勉強の仕方を変えるという考え方です。
中高保健体育の専門教養はこの順番で勉強する
ここまでは、「何を学ぶのか」「どう問われるのか」を見てきました。
では、次にやることは何か。ここから実際の勉強手順に入ります。
参考書を買ったら、いきなり1ページ目から全部覚えようとしていませんか?
中高保健体育は範囲が広いので、その進め方だと途中で「どこまで覚えればいいのか」が見えにくくなります。
最初にやることは、細かな暗記ではありません。
まず全体像をつかみ、要点整理と問題演習を行き来しながら進めていきます。
①まずは試験範囲の全体像をつかむ
最初に、テキストの目次を開いてください。
ここでは細かな数値や競技規則を覚えようとせず、体育と保健にどのような分野があるのかを確認します。


そのうえで、各章の「要点整理」にある大見出しや小見出しを眺めていきます。
この段階で作りたいのは、知識ではなく「これから何を勉強するのか」という戦略です。
学習指導要領、器械運動、陸上、水泳、球技、武道、体育理論、保健……と、大きな範囲が見えてくれば十分です。
②要点整理を読んだら、そのまま例題を解く
全体像が見えたら、次は各章の「要点整理」に入ります。
基本の流れはシンプルです。
- 要点整理を読む
- 直後の例題を解く
- 答え合わせ
- 間違えたら要点整理へ戻る
参考書を何十ページも読んでから、まとめて問題を解く必要はありません。
テキストは、要点整理のあとに例題が置かれている構成です。その並びをそのまま使って、読んだ内容をすぐに問題で確認します。
「読めばわかる」と「問題で答えられる」は同じではありません。
ここ、意外と差が出るところです。だからこそ、読むことと解くことを離さずに進めます。
まだ使う教材が決まっていない方は、以下の記事も確認しておくと、このあとの勉強を始めやすくなります。
③章末の演習問題で「何が抜けているか」を確認する
例題まで終えたら、次は章末の演習問題です。
ここでは、正解数だけを見るのではなく、「なぜ間違えたのか」まで確認します。
- 「数値を覚えていなかったのか」
- 「似た競技規則を混同したのか」
- 「用語や指導法を理解できていなかったのか」
間違えた原因まで見ていきます。
流れは、次のとおりです。
- 演習問題を解く
- 間違えた論点を確認する
- 要点整理の該当箇所へ戻る
- 正しい知識を確認する
演習問題は、ただ点数を出すためではありません。
自分の知識のどこに抜けがあるのかを見つけるために使います。
④間違えた知識を「暗記」と「理解」に分けて整理する
演習問題で間違えたら、前のセクションで整理した「暗記寄り」「理解寄り」のどちらなのかを確認します。
暗記寄りの知識なら、「何の数値か+数値+条件」のように、関連する情報をまとめて確認します。
理解寄りなら、「なぜそうなるのか」「どんな動き・仕組みなのか」「どう指導するのか」までつなげて整理します。
つまり、間違えた問題をただ覚え直すのではありません。
間違えた理由に合わせて、戻り方を変えるということです。
⑤過去問で「実際の問われ方」を確認する
要点整理・例題・演習問題を通して、基礎的な内容を一通り確認したら、過去問を使います。
ここで迷いやすいのが、「過去問は点数を見るために解くものなのか」という点です。
もちろん結果は確認しますが、それだけで終わらせません。
- 過去問を解く
- 答え合わせ
- 間違えた論点を特定する
- 参考書の該当箇所へ戻る
- 参考書にない知識があれば補う
この流れで確認します。
見るのは、次の3点です。
- 何を、どこまで細かく問われたか
- 参考書のどこに対応するか
- 参考書にない知識があるか
過去問は「何点取れるか」を測るだけではなく、参考書で学んだ知識と実際の試験をつなぐ教材として使います。
⑥間違えた問題と実践問題で仕上げる
最後は、参考書を1ページ目から全部読み直すのではなく、これまでに弱点として残ったところを中心に確認します。
見るのは、以下の点です。
- 例題で間違えたところ
- 演習問題で間違えたところ
- 過去問で間違えたところ
- チェックを付けた要点整理
- 巻末の実践問題
間違えた問題は、正解の理由と、自分がどこを勘違いしていたのかまで確認して解き直します。
そのうえで、巻末の実践問題を使い、各章で学んだ内容を横断して確認します。
全体像
↓
要点整理
↓
例題
↓
演習問題
↓
暗記・理解の整理
↓
過去問
↓
弱点の仕上げ
参考書を全部覚えてから問題に進むのではなく、読む→解く→戻るを繰り返しながら知識を整えていきます。
まとめ|まずは全体像をつかむことから始めよう
ここまで読んで、「やることが多いな」と感じたかもしれません。
でも、今日から全部を始める必要はありません。
- 目次を見る
- 最初の要点整理を読む
- 直後の例題を解く
- 間違えたら要点整理へ戻る
まずは、この流れを1つの単元でやってみてください。
その後は章末の演習問題へ進み、過去問で実際の問われ方を確認します。最後は、これまで間違えた問題を中心に弱点を確認して仕上げます。
勉強する順番が見えてきたら、次は「いつ、どこまで進めるか」です。以下の記事も整理しておくと、日々の学習に落とし込みやすくなります。



まずは目次を開くところから始めてみてください。

