あなた「教員採用試験の模擬授業・場面指導って、どんな試験なの?」
一言でいうと、「実際の教育現場を想定して、指導力や対応力を直接見せる試験」です。
筆記や個人面接とは異なり、実際に教壇に立って授業をしたり、目の前の場面に対応したりする実践型の試験です。はじめて聞く人にとっては「何をどう準備すればいいの?」と戸惑うのも当然です。
この記事では、教員採用試験の模擬授業と場面指導について、試験の形式・内容・評価の観点をわかりやすく解説します。
教員採用試験の模擬授業とは
模擬授業は、受験者が実際に教壇に立って短時間の授業を行い、指導力を評価される試験です。
筆記試験や面接では測れない「実際に授業ができるかどうか」を直接確認するために実施されます。
試験官は教員や管理職など複数名で構成され、授業を観察しながら評価を行います。自治体によっては試験官や他の受験者が児童生徒役として授業に参加するケースもあります。
実施時間
実施時間は3〜15分程度が一般的です。
短い時間の中で授業の導入から展開までを見せることが求められます。
試験の流れ
当日の流れはおおむね以下の通りです。
- テーマの提示
- 構想および指導案の作成
- 入室
- 模擬授業の実施
- 質疑応答
- 退室
テーマが提示されてから授業本番までに、指導案や構想メモを作成する時間が設けられます。ただし、試験日までに受験者があらかじめ指導案を作成して臨む形式をとる自治体もあります。
事前にどちらの形式かを確認しておきましょう。



最近は事前提示型の自治体が増えてきましたよ!
教員採用試験|模擬授業の内容
模擬授業で求められる内容は、大きく2種類に分かれます。
- 教科指導
- 生徒指導
①教科指導
担当教科の授業を行うタイプです。
対象学年・単元・使用教材が指定されることが多く、指導案は1単位時間分を作成した上で、導入部分の10分程度を実施するケースが一般的です。
授業の導入部分では、本時のねらいを明確に示しながら、児童生徒の興味・関心を引き出すことが求められます。限られた時間の中でいかにわかりやすく、子どもを引きつける授業展開ができるかが評価の焦点になります。
板書の構成・発問の流れ・声の大きさや話し方といった基本的な授業技術も同時に見られます。「授業内容の正確さ」と「子どもへの働きかけ」の両方を意識した準備が必要です。
②生徒指導
学校生活や問題行動への対応を授業・指導形式で行うタイプです。
ホームルームや学級活動の場面を想定した内容が多く出題されます。
教科の知識よりも、子どもの状況を的確に把握し、わかりやすく・納得感のある形で指導できるかどうかが問われます。一方的に「こうしなさい」と伝えるだけでなく、子どもが自分で考えたり行動したりできるような働きかけを意識することがポイントです。
また、自分の体験談や具体的なエピソードを盛り込んだ指導ができると、子どもの心に届く授業として評価されやすくなります。
模擬授業の対策方法については、以下の記事で詳しく解説しています。


教員採用試験の場面指導とは
場面指導は、学校現場で起こりうる具体的な場面を想定して、児童生徒への指導や保護者への対応を実際に行う試験です。
模擬授業と似ていますが、より実践的でリアルタイムな対応力が問われる点が特徴です。
実施時間
実施時間は2~3分程度です。
当日の流れはシンプルで、「テーマの提示→構想→実施」という形が基本です。
模擬授業では指導案を作成する時間が確保されますが、場面指導では数分程度の考察時間しか与えられないケースが多く、自治体によっては考察時間が設けられない場合もあります。
模擬授業との違い
模擬授業と場面指導の大きな違いは、準備時間の少なさと即興性の高さです。
場面指導では、試験官や他の受験者が児童生徒・保護者役を演じ、その場でリアクションをしてくることがあります。あらかじめ用意した台本通りに動けるわけではなく、相手の反応に応じてその場で判断しながら対応することが求められます。
柔軟な思考力・判断力・的確な指導力が必要とされる試験です。
教員採用試験|場面指導の内容
場面指導には大きく2つの実施形式があります。
- 口頭試問型
- ロールプレイ型
①口頭試問型
試験官が学習指導や生徒指導上の場面を設定し、「あなたならどう対応しますか」という形で問いかけてくる形式です。
受験者は教師役として、その場面への対応を口頭で説明します。 実際に演じるのではなく「言葉で説明する」形式なので、ロールプレイ型と比べると落ち着いて対応しやすい面があります。
ただし、対応の根拠や理由まで言語化して伝えることが求められるため、「なぜその指導をするのか」という教育的な視点を持った回答が必要です。
たとえば「授業中に教室を抜け出そうとしている生徒がいます。あなたはどう対応しますか」という問いに対して、まず生徒の状況を把握してから声をかけること、その上でどのような言葉をかけるかを具体的に説明する、といった形になります。
②ロールプレイ型
受験者が実際に教師役を演じ、試験官や他の受験者が児童生徒・保護者役を担って対応する形式です。
口頭で説明するのではなく、実際にその場面を「演じる」ことが求められます。 口頭試問型との最大の違いは、相手がリアルタイムでリアクションしてくるという点です。
たとえば保護者役の試験官が「でも、うちの子は悪くないと思っています」と返してきたとき、その場で冷静に対応する必要があります。事前に用意した台本通りに進むことはほぼなく、相手の言葉を受け取りながら、その都度判断して動く力が問われます。
評価されるのは「完璧な対応」よりも、子どもや保護者に寄り添う姿勢・落ち着いた対応・教師としての判断力です。想定外の反応が来ても焦らず、誠実に向き合う姿勢を見せることが大切です。
場面指導の対策方法については、以下の記事で詳しく解説しています。


教員採用試験|模擬授業・場面指導の評価観点
模擬授業と場面指導では、評価の観点が少し異なります。
模擬授業(教科指導)
教科指導の模擬授業では、授業のねらいが明確かどうかが最も重視されます。
2025年度の香川県の評価基準では、以下の3点が評価対象として示されています。
- 課題を的確にとらえ、適切な言葉でわかりやすく指導できているか
- 児童生徒の意欲や関心を引き出し、課題解決へと導く工夫がみられるか
- 表現力が豊かで、児童生徒をひきつける魅力があるか
授業内容の正確さだけでなく、子どもの興味・関心を引き出す工夫や、教師としての表現力まで総合的に評価されます。
場面指導
場面指導や生徒指導タイプの模擬授業では、児童生徒の状況を的確に把握した上で、説得力のある指導ができるかどうかが重視されます。
「なぜそういう行動をとっているのか」「背景に何があるのか」を考えた上で対応しているかどうかが見られます。一方的に正解を押しつけるような指導は評価につながりません。
自分の体験談や、子どもに実際に何かを体験させる場面を授業・指導に盛り込めると、評価につながりやすくなります。
教員採用試験|模擬授業・場面指導まとめ
模擬授業と場面指導の違いを整理すると、以下の通りです。
- 模擬授業:教科指導または生徒指導を授業形式で行う。指導案の作成時間がある。
- 場面指導:具体的な学校場面に即興で対応する。準備時間が極めて少ない。
どちらも「実際の教育現場でやっていける人材かどうか」を測る試験です。
形式・内容ともに自治体によって異なるため、まずは志望先の実施形式を確認するところから始めましょう。
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