大学3年生から教員採用試験に挑戦できる「前倒し選考」。
愛知県でも令和7年度(2024年実施)から導入されており、「自分も挑戦できるだろうか?」「倍率はどれくらいなんだろう?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、愛知県で実施された「大学3年生等前倒し特別選考」の試験結果を徹底分析します。校種別・教科別のリアルな倍率を知り、あなたの受験戦略に役立ててくださいね。
▼通常の愛知県教員採用試験の倍率は以下の記事でまとめています。
愛知県教員採用試験 大学3年生特別選考の倍率は?
早速ですが、まずは試験全体の倍率から見ていきましょう。
| 実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 令和8年度 | 1,631人 | 1,047人 | 1.6倍 |
| 令和7年度 | 1,247人 | 720人 | 1.7倍 |
驚くべきことに、試験全体の倍率は2年連続で1倍台という非常に低い水準で推移しています。これは、受験者の多くが合格を手にしていることを意味しており、大学3年生にとって非常に大きなチャンスがある試験だと言えるでしょう。
ただし、「倍率が低いから簡単」と考えるのは早計です。
実は、校種や教科によって難易度は天と地ほどの差があります。次に、その詳細を詳しく見ていきましょう。
福永合格者は次年度の試験で二次試験からの受験となります!
【校種別】倍率の推移|小学校・特別支援が狙い目!
まずは、どの学校で働きたいか、校種別の倍率を見ていきましょう。
2026(令和8)年度
| 校種 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 小学校 | 683 | 598 | 1.1倍 |
| 中学校 | 472 | 286 | 1.7倍 |
| 高等学校 | 329 | 124 | 2.7倍 |
| 特別支援 | 37 | 33 | 1.1倍 |
| 養護教諭 (小中) | 81 | 1 | 81.0倍 |
| 養護教諭 (県立) | 13 | 4 | 3.4 |
| 栄養教諭 | 16 | 1 | 16.0倍 |
2025(令和7)年度
| 校種 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 小学校 | 522 | 394 | 1.3倍 |
| 中学校 | 334 | 207 | 1.6倍 |
| 高等学校 | 276 | 104 | 2.7倍 |
| 特別支援 | 26 | 13 | 2.0倍 |
| 養護教諭 (小中) | 72 | 2 | 36.0倍 |
| 養護教諭 (県立) | 8 | 0 | – |
| 栄養教諭 | 9 | 0 | – |
このデータから、以下の2点が明確にわかります。
- 小学校と特別支援学校の倍率はほぼ1.0倍。受験すればかなりの高確率で合格できる「超」狙い目の校種です。
- 一方で養護教諭は3.4倍~81.0倍と、極めて厳しい競争になっています。中学校・高等学校も2倍~3倍近い倍率があり、しっかりとした対策が必要です。
【教科別】倍率一覧|保健体育、社会は超激戦区!
次に、中学校・高等学校の教科別の倍率を見ていきましょう。
同じ校種でも、教科によって難易度が大きく異なります。(※2025年度試験のデータです)
中学校
| 教科 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 国語 | 70 | 69 | 1.0倍 |
| 社会 | 54 | 14 | 3.9倍 |
| 数学 | 53 | 38 | 1.4倍 |
| 理科 | 33 | 30 | 1.1倍 |
| 音楽 | 15 | 8 | 1.9倍 |
| 美術 | 6 | 3 | 2.0倍 |
| 保健体育 | 50 | 2 | 25.0倍 |
| 技術 | 8 | 4 | 2.0倍 |
| 家庭 | 15 | 11 | 1.4倍 |
| 英語 | 30 | 28 | 1.1倍 |
高等学校
| 教科 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 国語 | 53 | 29 | 1.8倍 |
| 地歴 | 36 | 7 | 5.1倍 |
| 公民 | 7 | 1 | 7.0倍 |
| 数学 | 33 | 17 | 1.9倍 |
| 理科 | 25 | 11 | 2.3倍 |
| 保健体育 | 69 | 1 | 69.0倍 |
| 家庭 | 4 | 2 | 2.0倍 |
| 英語 | 23 | 22 | 1.0倍 |
| 商業 | 8 | 8 | 1.0倍 |
| 農業 | 4 | 4 | 1.0倍 |
| 福祉 | 6 | 1 | 6.0倍 |
特別支援学校
| 教科 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 小学部 | 22 | 13 | 1.7倍 |
| 国語 | 0 | 0 | – |
| 社会 | 1 | 0 | – |
| 数学 | 0 | 0 | – |
| 理科 | 0 | 0 | – |
| 音楽 | 0 | 0 | – |
| 美術 | 0 | 0 | – |
| 保健体育 | 3 | 0 | – |
| 技術 | 0 | 0 | – |
| 家庭 | 0 | 0 | – |
| 英語 | 0 | 0 | – |
| 機械 | 0 | 0 | – |
| 理療 | – | – | – |
教科別のデータを見ると、その差は歴然です。
- 中学校・高等学校ともに保健体育の倍率が25.0倍~69.0倍と、驚異的な高さになっています。また、社会(地歴・公民)も狭き門です。
- その一方で、中学校の国語・理科・英語や、高等学校の英語・商業・農業などは倍率が1.0倍前後。これらの教科の免許を持っている方にとっては、またとないチャンスと言えるでしょう。
まとめ:自分の専門を活かせるか、データを見て戦略を立てよう
今回は、愛知県教員採用試験の「大学3年生等前倒し選考」の倍率について詳しく解説しました。最後に、重要なポイントを振り返りましょう。
- 試験全体の倍率は1倍台と非常に低く、大学3年生にとって合格の大きなチャンスがある。
- 校種別では「小学校」「特別支援学校」が倍率1.1倍と特に狙い目。逆に「養護教諭」は超高倍率。
- 教科別では難易度が激変。「保健体育」「社会」は超激戦区だが、「英語」や一部の専門教科などは合格しやすい状況。
「とりあえず受けてみよう」と考えるのではなく、自分の持っている免許や専門性が、倍率の低い「狙い目」の校種・教科に当てはまっていないか、ぜひこのデータを活用して確認してみてください。
戦略的に受験することで、一足早く合格を掴み取れる可能性がぐっと高まりますよ。
▼愛知県教員採用試験の概要や対策は以下の記事でまとめています。
