高知県教育委員会は2026年9月11日、令和9年度(2026年実施)高知県公立学校教員採用試験の第1回名簿登載者を発表しました。
第1次審査受審者1,038人に対して、第1回名簿登載者は382人。第1次審査受審者を基準に計算すると、全体の倍率は2.7倍です。
令和9年度の結果
- 第1次審査受審者:1,038人
- 第1回名簿登載者:382人
- 倍率:2.7倍
- 前年度の3.0倍から低下
- 小学校は350人受審・221人登載で1.6倍
数字だけを見ると、全体の倍率は前年度より低下しました。ただ、高知県は名簿登載後の辞退者が多いという事情もあります。
特に小学校は、倍率だけでは結果の背景が見えにくいです。今回は辞退者の問題も含めて見ていきます。
令和9年度高知県教員採用試験の結果
まずは、校種・職種別の結果です。倍率は「第1次審査受審者数÷第1回名簿登載者数」で計算しています。
| 校種・職種 | 第1次審査 受審者 |
名簿 登載者 |
倍率 |
|---|---|---|---|
| 小学校 | 350 | 221 | 1.6倍 |
| 中学校 | 297 | 91 | 3.3倍 |
| 小・中学校養護教諭 | 74 | 12 | 6.2倍 |
| 小・中学校栄養教諭 | 27 | 2 | 13.5倍 |
| 高等学校 | 248 | 37 | 6.7倍 |
| 特別支援学校 | 34 | 18 | 1.9倍 |
| 県立学校養護教諭 | 8 | 1 | 8.0倍 |
| 合計 | 1,038 | 382 | 2.7倍 |
障害者特別選考を含みます。小学校・中学校理科および英語は、第2希望による他校種からの名簿登載者を含みます。
前年度より倍率は3.0倍から2.7倍へ低下
前年度と比べると、第1次審査受審者は1,254人から1,038人へ減少。第1回名簿登載者も413人から382人へ減っています。
3.0倍
2.7倍
倍率は0.3ポイント下がりました。ただ、名簿登載者が増えたわけではありません。受審者が216人減ったことも、倍率低下の大きな要因です。
中学校の結果|社会5.2倍、保健体育4.6倍
中学校は297人が第1次審査を受審し、91人が名簿登載。全体倍率は3.3倍でした。
| 教科 | 第1次審査 受審者 |
名簿 登載者 |
倍率 |
|---|---|---|---|
| 国語 | 44 | 13 | 3.4倍 |
| 社会 | 57 | 11 | 5.2倍 |
| 数学 | 57 | 14 | 4.1倍 |
| 理科 | 17 | 12 | 1.4倍 |
| 音楽 | 13 | 7 | 1.9倍 |
| 美術 | 2 | 2 | 1.0倍 |
| 保健体育 | 60 | 13 | 4.6倍 |
| 技術 | 5 | 2 | 2.5倍 |
| 家庭 | 7 | 2 | 3.5倍 |
| 英語 | 34 | 15 | 2.3倍 |
| 中学校計 | 297 | 91 | 3.3倍 |
社会の5.2倍が最も高く、保健体育4.6倍、数学4.1倍と続きます。一方、美術は1.0倍、理科は1.4倍でした。
同じ中学校でも、教科によって競争状況はかなり違います。中学校全体の3.3倍だけで判断せず、志望教科まで確認しておきましょう。
高校の結果|数学20.5倍、保健体育16.3倍
高校は第1次審査受審者248人に対して、第1回名簿登載者37人。全体では6.7倍となりました。
校種別では高めの倍率ですが、教科別に見るとさらに差があります。
| 教科 | 第1次審査 受審者 |
名簿 登載者 |
倍率 |
|---|---|---|---|
| 国語 | 33 | 4 | 8.3倍 |
| 地歴 | 26 | 3 | 8.7倍 |
| 公民 | 15 | 1 | 15.0倍 |
| 数学 | 41 | 2 | 20.5倍 |
| 理科 | 26 | 5 | 5.2倍 |
| 音楽 | 4 | 1 | 4.0倍 |
| 美術 | 2 | 1 | 2.0倍 |
| 保健体育 | 49 | 3 | 16.3倍 |
| 英語 | 19 | 3 | 6.3倍 |
| 家庭 | 5 | 1 | 5.0倍 |
| 情報 | 2 | 1 | 2.0倍 |
| 農業 | 10 | 4 | 2.5倍 |
| 工業(電気・電子) | 5 | 3 | 1.7倍 |
| 工業(機械) | 3 | 3 | 1.0倍 |
| 商業 | 8 | 2 | 4.0倍 |
| 高校計 | 248 | 37 | 6.7倍 |
数学20.5倍、保健体育16.3倍、公民15.0倍と高倍率です。一方、工業(機械)は1.0倍、工業(電気・電子)は1.7倍でした。
小学校1.6倍を見るときに知っておきたい辞退者の問題
今回、僕が特に気になったのは小学校です。
第1次審査受審者350人に対して、第1回名簿登載者は221人。倍率は1.6倍となりました。
さらに注目したいのが、採用予定数100人程度に対して、221人を第1回名簿登載者としていることです。
「100人程度の採用なのに、なぜ221人も名簿に載せるのか」と感じる人もいると思います。
ここで関係してくるのが、高知県で続いている辞退者の多さです。
小学校では合格者の5~7割が辞退した年も
高知さんさんテレビの2026年3月の報道によると、高知県の小学校教員採用では、過去5年間で合格者の約5割から、多い年では約7割が辞退しています。
2025年度に行われた採用試験でも、合格者の約6割が辞退したと報じられました。
「名簿登載者221人=221人をそのまま採用する」という意味ではありません。名簿登載後に辞退する人が一定数いることも踏まえて結果を見る必要があります。
高知県教育委員会が今回の221人について「辞退を見込んでこの人数にした」と説明しているわけではありません。そのため、ここは断定できません。
とはいえ、過去に小学校の合格者の5~7割が辞退している状況を考えると、採用予定100人程度と名簿登載221人の差を見るうえで、辞退者の多さは無視できないと思います。
小学校1.6倍という数字だけでなく、採用予定100人程度に対して221人を名簿登載していること。この差にも注目しておきたいです。
2027年実施は5月8日へ|辞退者は減るのか
そして、高知県は次の令和10年度採用試験で、さらに試験を前倒しします。
高知県教育委員会は、2027年実施の第1次審査を2027年5月8日(土)に行うと発表しました。自治体共同実施による共通問題を使用します。
試験を早くすれば、他自治体より早い段階で受験者とつながることができます。人材を確保するという点では、前倒しには意味があると思います。
一方で、受験者からすれば、5月に高知県へ合格したとしても、その後に本命の自治体を受験することはできます。
高知県を先に受験して名簿登載となり、その後に他自治体を受験する人が多ければ、試験日だけを早めても辞退者が大きく減らない可能性があります。
これまで小学校では、合格者の5~7割が辞退した年もありました。その状況に対して、5月8日まで試験を早めることでどこまで変化が出るのか。
令和9年度は全体2.7倍、小学校1.6倍という結果になりました。ただ、高知県では倍率と同時に「名簿登載された人が、最終的にどれだけ高知県を選ぶのか」も見ておきたいです。
次回は第1次審査を5月8日まで前倒しします。この日程変更によって、小学校を中心とした辞退者が実際に減るのか。僕は次の結果では、倍率以上にここに注目しています。
高知県教員採用試験の結果まとめ
令和9年度高知県教員採用試験は、第1次審査受審者1,038人に対して、第1回名簿登載者382人。倍率は2.7倍でした。
小学校は1.6倍、特別支援学校は1.9倍でしたが、高校は6.7倍、小・中学校栄養教諭は13.5倍です。校種・職種、教科によって競争状況はかなり違います。
これから高知県を受験する方は、今回の結果だけでなく、過去の倍率や試験内容もあわせて確認しておきましょう。
高知県教育委員会「令和9年度(令和8年度実施)高知県公立学校教員採用候補者第1回名簿登載者」および報道資料をもとに作成。倍率は第1次審査受審者数÷第1回名簿登載者数で算出しています。
教採ギルド代表
福永 真 Makoto Fukunaga
あ、どうも、サイト代表の「福永 真」です。
「教採ギルド(教員採用試験の情報・対策サイト)」では、公立学校の先生になりたい方に向けて、教員採用試験に関する情報を発信しています。
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