あなた教員採用試験の模擬授業・場面指導って、どんな対策すればいいの?
模擬授業と場面指導は、筆記や面接とは違って「実際にやってみせる」試験です。
知識があっても、練習なしでは本番でうまく動けません。
この記事では、模擬授業と場面指導それぞれの対策方法を、試験前の準備から当日の動き方まで具体的に解説します。
なお、模擬授業・場面指導の内容については、こちらの「教員採用試験の模擬授業・場面指導とは?試験内容を徹底解説」で解説しています。
教員採用試験|模擬授業の対策法4ステップ
やるべきことは大きく4つです。
順番に取り組むことで、どんなテーマが出ても対応できる状態をつくることができます。
STEP1 志望先の出題傾向と形式を調べる
まず、志望する自治体の模擬授業がどんな形式で実施されるかを確認しましょう。
確認すべき点は以下です。
- 当日テーマが提示されるか、事前に提示されるか
- 実施時間は何分か(3分・10分・15分など自治体によって大きく異なる)
- 教科指導か生徒指導か、または両方出題されるか
- 指導案の作成が求められるかどうか
形式がわかれば、何をどう準備すればいいかが具体的に見えてきます。
自治体別の試験内容は、以下の記事で詳しくまとめています。


STEP2 指導案の「型」を作っておく
模擬授業の準備で最も重要なのが、自分なりの指導案の型を持つことです。
どんなテーマが与えられても、授業の流れ・時間配分・板書構成の基本パターンが決まっていれば、当日落ち着いて対応できます。
教科指導の場合、指導案は1単位時間分を作成した上で導入部分の10分程度を実施するケースが多いため、導入部分の構成に特に力を入れましょう。
導入では授業のねらいを明示しながら、子どもの興味・関心を引き出す発問や工夫を盛り込むことが重要です。また、板書計画も事前に練っておきましょう。
中心となる発問の流れを意識して授業構想を組み立てると、限られた時間の中でも筋道の通った授業が見せやすくなります。
STEP3 授業の「見せ方」を意識する
模擬授業は、実際の授業とは評価される内容が異なります。
実際の授業では子どもに支持される授業が良いとされますが、模擬授業では試験官に「この人を採用したい」と思わせることがゴールです。
特に意識すべき点は以下の4つです。
- 声の大きさ:緊張すると声が小さくなりがちです。教室の後ろまで届くような声量を意識しましょう
- 視線の配り方:黒板に向かって話し続けるのではなく、常に子ども(試験官)の方を向いて話しましょう
- 話すスピード:機関銃のような早口にならず、落ち着いたテンポで話すことを意識しましょう
- ねらいの明示:授業や指導の目的が何かを発問・板書などの形で明確に示すと、構成力のある授業として評価されやすくなります
奇をてらった個性的な授業展開よりも、オーソドックスで着実な授業展開のほうが評価されやすい傾向があります。
まずは基本をしっかり見せることを優先しましょう。
STEP4 実際に声を出して繰り返し練習する
模擬授業は「演技」の要素が強い試験です。
表情・立ち方・タイムマネジメント・板書・発問の仕方など、頭で理解していても体が動かなければ意味がありません。実際に声を出して、繰り返し練習することが不可欠です。
一人での練習では、タイマーを使って本番と同じ時間で授業を通してみましょう。スマートフォンで録画して見返すと、自分では気づかない癖(黒板を向いたまま話す・早口になるなど)が見つかりやすくなります。
複数人での練習では、友人や受験仲間と模擬授業を見せ合い、互いにフィードバックをしましょう。他の人の授業を見ることで「こういう見せ方があるのか」という気づきも得られます。
大学の教職支援センターに校長経験者がいる場合は、積極的に見てもらうと実践的なアドバイスが得られます。
教員採用試験|場面指導の対策法4ステップ
場面指導は「台本を準備できない試験」と言われることがあります。
場面設定のパターンが無数にあるため、特定の答えを丸暗記する対策は通用しません。必要なのは、どんな場面にも応用できる「考え方の型」を身につけることです。
STEP1 頻出テーマのカテゴリーを把握する
場面指導のテーマは無数にありますが、大きく以下のカテゴリーに分類されます。
- 児童生徒への生活指導(忘れ物・遅刻・授業中の私語・教室からの飛び出しなど)
- 児童生徒間のトラブル(けんか・いじめ・SNSトラブルなど)
- 保護者への対応(クレーム・連絡・相談対応など)
- 学校行事・校外活動でのトラブル対応
- ホームルーム・学級活動での指導(学期始め・学年末のあいさつ・ボランティア活動など)
すべてのテーマを網羅するのは不可能ですが、カテゴリーごとに「基本的な対応の方針」を持っておくことで、初めて見るテーマにも応用が利くようになります。
STEP2 対応の「基本方針」を整理しておく
場面指導で評価されるのは、答えの正しさよりも思考のプロセスと子どもを最優先にする姿勢です。
そのため、テーマごとに答えを丸暗記するよりも、以下のような基本方針を頭に入れておくほうが有効です。
- まず子どもの話を聞き、状況を把握してから判断する
- 一人で抱え込まず、必要に応じて管理職や他の教員と連携する
- 感情的にならず、落ち着いた姿勢で子どもや保護者に向き合う
- 子どもが自分で考え、行動できるような働きかけを意識する
この基本方針をベースに、各テーマに応じた具体的な対応を考える練習を繰り返しましょう。
STEP3 想定テーマで回答を作り、声に出して確認する
頻出カテゴリーのテーマをいくつかピックアップして、実際に回答を言葉にする練習をしましょう。
生徒指導や場面指導については、ホームルームの場面を想定した練習が特に有効です。着任あいさつ・学期始めのあいさつ・ボランティア活動の呼びかけなど、頻出の内容を短時間でまとめて話す練習を積んでおきましょう。
また、面接対策でまとめた自分の教育観や指導方針をそのまま場面指導に応用できるケースも多くあります。
面接対策と並行して進めると効率がよいです。
STEP4 ロールプレイ形式で練習し、想定外に慣れておく
場面指導の本番では、試験官が想定外のリアクションをしてくることがあります。
「そんな指導では意味がない」「うちの子は悪くない」といった反応に動じず、冷静に対応する力を養うためには、実際にロールプレイ形式で練習することが必要です。
友人に保護者役・児童役を演じてもらい、予期しない返しをしてもらいながら練習しましょう。想定外の状況に何度もさらされることで、本番でも落ち着いて対応できるようになります。
わからないことや答えに詰まる場面が出てきたときも、正直に「確認した上で対応します」と伝える姿勢を練習しておくと安心です。
教員採用試験|模擬授業・場面指導は教職経験がないと不利?
はじめて受験する人の中には「教職経験がないから不利なのでは」と心配する人もいます。
ですが、模擬授業・場面指導は経験者と未経験者で評価の基準が異なると考えられています。
経験者にはこれまで培った実践力が期待される一方、未経験者には教育実習での経験や、これまでの学びを生かした授業・指導が求められます。
経験の有無よりも、教育への熱意・子どもへの向き合い方・向上心をどれだけ伝えられるかのほうが重要です。一生懸命に子どもと向き合う姿勢を全力で見せましょう。
教員採用試験|模擬授業・場面指導の対策まとめ
模擬授業も場面指導も、対策を始めるのが早ければ早いほど有利です。筆記試験の勉強と並行しながら、少しずつ準備を進めていきましょう。
まず今日やるべきことは、志望先の自治体が模擬授業・場面指導をどんな形式で実施しているかを調べることです。実施時間・テーマの種類・指導案の有無がわかれば、何をどう準備すればいいかが具体的に見えてきます。
形式が確認できたら、指導案の型づくりと頻出テーマへの対応方針の整理を始めましょう。そして早い段階から声を出す練習・ロールプレイ練習を取り入れることが、本番での余裕につながります。
「まだ時間があるから」と後回しにしがちな試験ですが、練習量が直接パフォーマンスに出る試験でもあります。
今日から少しずつ動き出しましょう。
その他、面接試験の対策方法については、以下の記事で詳しく解説しています。



