神奈川県教員採用試験の二次試験では、事前に準備する書類が2種類あります。
それは「面接カード」 と「自己アピール書」 です。
いざペンを握っても、「何を書けばいいんだろう…」「どうアピールすれば効果的?」と、手が止まってしまう受験生は少なくありません。
しかし、この2つの書類は単なる紙ではありません。あなたの第一印象を決定し、面接の質問の土台となる、合否を左右するほど重要な「設計図」なのです。
この記事では、神奈川県教員採用試験の「面接カード」と「自己アピール書」それぞれの項目について、書き方のポイントを例文付きで徹底解説します。
最後まで読めば、2種類の書類を自信を持って完成させることができますよ。
面接カードの重要項目と書き方
「面接カード」は、あなたの学歴や職歴、免許状の取得状況などを記入する、自己紹介の基本となる書類です。


一見すると事務的な書類ですが、「長所・短所」や「志望理由」といった、あなたの人柄や熱意を伝える重要項目も含まれています。
面接官は、これらの欄を読んで、あなたという人物の輪郭を掴もうとします。
なお、そもそも自己分析の進め方や、教員採用試験の書類作成における普遍的な文章術といった基本から学びたい方は、まずこちらのまとめ記事からお読みいただくのもオススメです。
ここでは、特に面接で深掘りされやすい項目に絞って、書き方のポイントを見ていきましょう。
① 長所・短所
面接カードには、あなたの長所と短所を具体的に記入する欄があります。
ここでのポイントは、単に性格を答えるだけでなく、教員という仕事にどう結びつけるか、という視点を持つことです。
- 長所: 「〇〇が私の長所です」で終わらせず、「その長所を、教員として子どもたちや保護者との関係構築にこう活かしたい」という展望まで書きましょう。
- 短所: 正直に認めつつ、「その短所を改善するために、現在△△という工夫をしています」のように、自己分析と改善意欲を示すことが大切です。
② 神奈川県の教員を志望した理由
ここには、あなたが「なぜ神奈川県の教員になりたいのか」を記入します。
面接カードの記入欄は限られているため、結論から簡潔に書くことを意識しましょう。
面接本番で詳しく話す内容の「予告編」として、最も伝えたい熱意を凝縮してください。
③ 特技・クラブ活動・ボランティア経験など
この欄では、あなたの得意なことや、これまで打ち込んできた経験についてアピールします。
「指導できるクラブ名」や「ボランティア活動等の経験」などを具体的に記入する欄が設けられていますね。
ここでのポイントは、単なる事実の羅列で終わらせないことです。
例えば「ボランティア活動(役割:リーダー)」のように、どのような立場で、何をしていたのかを補足することで、あなたの主体性や協調性を伝えることができます。
面接官が「この経験について、もう少し詳しく聞いてみたいな」と思うような「フック」を意識して書くと、面接での会話のきっかけにもなりますよ。
「自己アピール書」の攻略法
「自己アピール書」は、あなたの経験や能力、そして教員としての倫理観を深く伝えるための、いわば「プレゼンテーション資料」です。


面接官は、この書類を通してあなたの過去を振り返り、人となりを理解しようとします。試験当日、個人面接の中でその内容について質問されるってことです。
① 経験と能力のアピール
最初の設問では、あなたの「経験や能力」について問われます。
ここで重要なのは、設問で指定されている通り、以下の2点を明確に分けて記述することです。
- その経験や能力の具体的な内容
- その経験や能力を身につけるに至った動機や経過
経験の種類は、ボランティア活動、サークル活動、学習、民間企業での職歴、趣味など、どのようなものでも構いません。経験そのものの優劣が評価されるわけではないので、あなたらしさが伝わるものを選びましょう。
② 「学校における不祥事」を防ぐために取り組みたいこと
次に、「学校における不祥事」を防ぐために取り組みたいことについて問われます。
これは、あなたの教員としての倫理観や当事者意識を問う、非常に重要な設問です。
しかし、ここで多くの受験生が「どの不祥事をテーマにすればいいのか?」と悩みます。実は、このテーマ選びが合否を分ける最初の関門です。
「書きやすいテーマ」と「地雷テーマ」
【書きやすいテーマ(推奨)】
- SNSでの不適切利用
- 個人情報の管理ミス
- 報告・連絡・相談の欠如
個人の意識や同僚との連携で防げる、身近なテーマを選びましょう。「責任感」や「協調性」をアピールする絶好の機会です。
【地雷になりうるテーマ(非推奨)】
- わいせつ行為・体罰
- 悪質ないじめの隠蔽
正義感から選びたくなりますが、意図せず「評論家」「組織批判」と受け取られかねないテーマは避けましょう。
回答のポイントと具体例
テーマが決まったら、いよいよ記述です。大切なのは、不祥事を「自分自身の問題」として捉え、日々どのような
具体的な行動を心がけるかを示すことです。
「ルールを守ります」といった抽象的な言葉だけでなく、以下のように具体的な行動レベルで示しましょう。
- コミュニケーションの観点から
-
「日頃から同僚や管理職との対話を大切にし、一人で問題を抱え込まない、風通しの良い職場づくりに貢献したいです。」
- 自己管理の観点から
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「ストレスを健全な方法で解消することを意識し、常に心身ともに健康な状態で子どもたちと向き合えるように努めます。」
- 学び続ける姿勢の観点から
-
「教育に関する新しい知識や指導法、コンプライアンスに関する研修などに積極的に参加し、自身の価値観を常にアップデートし続けたいです。」
面接カードの添削や指導は下記の記事でやっています!ぜひ活用しましょう!
提出前に!評価を下げないための3つの最終チェックリスト
2種類の書類を書き終えたら、最後にもう一度、提出前のチェックを行いましょう。
内容以外の、ささいな不備で評価を下げてしまうのは非常にもったいないですからね。
① 2種類を混同していないか
まずは、2つの書類の役割の違いを理解し、それぞれに合った内容が書けているかを確認しましょう。
内容がごちゃ混ぜになっていないか、もう一度読み返してみてください。
② コピーは3部ずつ取ったか
提出書類は、試験当日に3部(コピー可)を提出する必要があります。必ず忘れないように準備しましょう。
また、必ずコピーを取っておくことを強くオススメします。
この2種類の書類のコピーを手元に置いておけば、面接直前まで、自分が書いた内容を見返しながら想定問答を練習できる「最強の参考書」になります。
③ 左上のホチキス留めはOKか
提出方法にも、細かいですが重要な指定があります。
『面接カード』、『自己アピール書』を1枚ずつ順に重ね、左上をホチキスでとめて」提出します。
当日の朝に慌てないよう、前日までに正しく準備しておきましょう。こうした細やかな配慮が、心の余裕につながります。
なお、どんなに書類が良くても直接評価に響くのは面接本番での話し方です。書類に込めた想いを、面接官の心に届けるための具体的な対策は、ぜひ下記の記事で確認してください。
まとめ:提出書類は計画をもって作成しよう
今回は、神奈川県教員採用試験で提出する「面接カード」と「自己アピール書」の書き方を、項目別に解説しました。
- 2つの書類の役割を理解し、書く内容を分ける。
- 面接カードでは、人柄と熱意を簡潔にアピールする。
- 自己アピール書では、具体的なエピソードと高い倫理観を示す。
- 提出方法の細かいルールまで、必ず確認する。
これらの書類作成は、手間がかかる大変な作業に思えるかもしれません。
しかし、これはあなたという人間を面接官に深く知ってもらい、円滑なコミュニケーションを助けるための「最強の武器」を作る作業です。
この記事を参考に、あなたらしさが伝わる素晴らしい書類を完成させてください。応援しています!
面接カードの添削や指導は下記の記事でやっています!ぜひ活用しましょう!
